不動産投資に関心をお持ちの方でもそうでない方でも、電話などで、不動産会社から投資用物件購入を勧誘された経験があるのではないでしょうか??
そのようなとき、どう対応すれば良いかわからず、困惑してしまう方が多いです。
正しく対応しないと、あれよあれよという間に不動産を購入してしまうこととなって、さまざまな負担を負うことになってしまうケースもあるので、注意が必要です。
今回は、
- よくある不動産投資の勧誘事例
- 不動産投資物件の購入を勧誘された場合に知っておくべきこと
- 勧誘がしつこい場合の相談先
など、不動産投資物件の購入を勧誘されている方が知っておくべき7つの重要なことをご紹介します。
目次
不動産投資家への最短4ステップと参考にしたい5人の投資家
不動産投資のバイブル
- 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
- 営業マンのいうことを鵜呑みにして失敗したくない…
- しっかりと基礎から学び、できる限りリスクを避けたい…
- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
1、よくある不動産投資の勧誘事例
不動産投資の勧誘は、どのような形で行われることが多いのでしょうか?
よくあるのは、サラリーマンやOL、経営者などの方に、突然電話がかかってくるパターンです。
そして、以下のような言葉で投資物件の購入を勧誘します。
- 今は低金利の時代ですが、不動産投資なら大きな利回りを期待できます
- 年金も期待できない時代ですが、不動産投資なら将来の年金代わりになります
- 都心で人気の新築マンションなので、利回りは5%以上です
- 減価償却費などの経費算入ができて、給与所得と損益通算もできるので、節税効果も高いですよ
- 賃料によってローンを全額支払えますし、資産形成ができます。不動産オーナーになれますよ
- 弊社の空き室保証制度を利用していただいたら、空き室リスクを心配することなく、確実に家賃を受けとることができます
断っても「良い物件があるから、特別に案内します」などとしつこく言ってくるので、根負けして契約してしまわれる方もいます。1回電話を切っても、何度もかけてくる業者もいます。
また、日中には勤務先にかけてくることが多いですが、夜間になると、帰宅を見越して自宅に電話してくることもよくあります。
2、なぜ不動産投資は電話勧誘が多いのか?
不動産投資の勧誘は、多くのケースで「電話」によって行われますが、なぜ電話によって営業をするのでしょうか?また、どうやって電話番号を調べているのか、不審に思う方もおられるでしょう。
こうした電話勧誘の不動産販売会社は、投資用の物件を売るため、若い営業マンを数十人単位で雇い入れます。彼らの年収は300万円程度です。
そして、一日中、ひたすら勧誘の電話を掛けさせます。
社員のほとんどは数年以内に辞めることが多いですが、1人が年間2部屋ぐらい売れば会社には十分利益が出るのです。
電話番号は、名簿業者から名簿を購入して調べます。ただ、名簿にある電話番号だけではなく、下の数桁を変えながら、無差別に電話させ続けるケースなどもあります。
効率が良いとは言えませんが、100人のうち2、3人が話を聞いてくれますし、話を聞いてくれた人の30人に1人くらいでも買ってくれれば十分です。
つまり、不動産会社は、安い賃金で若い営業マンを大量に雇い入れて、手当たり次第に電話をかけさせて、少しでも売れれば利益を出せる、と考えているので電話による不動産投資の勧誘は一向に無くならないのです。
3、不動産投資物件の購入を勧誘された場合の対処法
迷惑な不動産投資物件購入の勧誘をされたら、どのように対応するのが良いのでしょうか?
この場合、まずは話を聞かないことです。すぐに切ってしまってもかまいません。相手の営業マンも、話を聞いてもらえることはそもそも少ないですから、相手にしなければ諦める可能性が高いです。
間違っても、購入に関心を持っているそぶりを見せてはいけません。そのようなことをすると、相手は「カモになる」を思い、さらに激しく勧誘をしてきて、最終的に説得されてしまうことになりやすいです。
「時間が無い」「関心ありません」「結構です」などと言って、早々に電話を切ってしまうのが良いでしょう。
4、電話営業を止める方法
そうは言っても、不動産投資の営業マンは、簡単には引き下がらないことが多いものです。
電話を切ってもまたかけ直してくることもあるでしょう。
(1)法律を盾にとって対抗する
相手がしつこい場合、まずは法律の規制を使って退散させる方法があります。
現在、宅地建物取引業法では、さまざまな規制が行われています。
電話勧誘に関連しそうな規制として、以下のようなものがあります。
- 勧誘に先だち、宅地建物取引業者の商号又は名称、勧誘を行う者の氏名、勧誘をする目的であることを告げなければならない
- 相手方が契約を締結しない意思、勧誘を引き続き受けたくない意思を表示しているにもかかわらず、勧誘を継続してはいけない
- 迷惑な時間に電話や訪問によって勧誘してはいけない
そこでまずは、相手の
- 宅地建物取引業者の免許の番号
- 会社の商号(名前)
- 連絡先
- 営業マン個人の氏名
を確認しましょう。
こうした自分の素性を明らかにせずに勧誘することは禁じられています。相手が普段から違法な勧誘をしている場合には、このように相手の素性を聞いただけで、相手の方から電話を切ることもあります。
それでも収まらない場合には、こちらからはっきりと「契約したくない、迷惑だ」ということを伝えます。このように、勧誘された者がはっきり断っているのに勧誘を継続することは宅建業法違反です。断っても勧誘してくるときには、「こちらは断っているのに勧誘を続けるのは、宅建業法違反ですよね?」と言いましょう。「これ以上勧誘を続けるならば、警察などの然るべき機関に通報しますよ」と言えば、多くのケースで相手も諦めるでしょう。
(2)然るべき機関に相談する
それでも勧誘が止まらないケースは、非常に悪質な場合です。明らかに法律違反ですから、相手は「違法である」ことを認識しながら、堂々と営業をしていることになります。
そこで、各種の機関に相談することをお勧めします。
相談先としては、
- 警察
- 国民生活センター
- 弁護士
- 全国宅地建物業保証協会
などがあります。
警察
警察は、相手に刑事責任を負わせるための機関です。
悪質業者の場合には、警察による取り締まりの対象になるので、対象会社が刑事裁判にかけられて、刑事罰を受ける可能性もあります。
ただ、警察に通報するときには、ある程度の証拠が求められるので、これまでの経緯や相手業者の名称、電話番号、担当者の氏名など、できる限りたくさんの情報を集めて提供しましょう。
国民生活センター
国民生活センターは、消費者被害への対処方法を相談できる機関です。相談時に考えられる対処方法を教えてくれますし、必要であれば弁護士に相談するように勧めてくれて、相談方法を教えてもらえたりします。
弁護士
事態がより切羽詰まっているときには、弁護士に相談するのも1つの方法です。たとえば、すでに契約をしてしまった場合には、契約締結後8日間ならクーリングオフによって無条件解除できる場合がありますし、その期間を過ぎていても契約を解除できる可能性はあります。こうした手続きはなるべく早めに対応した方が良いので、法律的な問題が発生しそうであれば、当初から弁護士事務所の門を叩いてみるのも1つの方法です。
全国宅地建物業保証協会
全国宅地建物業保証協会は宅地建物取引業が適正に行われるように、宅地建物取引業法にもとづいて設置されている団体です。全国の宅地建物取引業者を監視しており、消費者からの苦情も随時受け付けているので、宅建業者によって迷惑を被っている場合には、是非とも利用してみるとよいでしょう。
http://www.hosyo.or.jp/jigyo/kujo.php
5、電話営業から購入までの流れ
不動産業者から投資物件の電話勧誘があったとき、その後どのような流れで購入まで進んで行くのでしょうか?
一般的な流れをご紹介します。
不動産業者は、まずは、電話によって相手の関心を惹きつけ、強引に「会う約束」を取り付けます。
そして、営業マンが直接会社や自宅などにやってきて、本格的な購入への説得が始まります。この頃には、不動産会社内でも完全に「ターゲット」として扱われるので、電話がかかっていた段階よりも強く説得を受けることになります。
その場で契約するよう求めてくることも多いです。「ちょっと考える」などと答えても、何度も呼び出されたり訪ねてこられたりして、だんだんと断りにくい状況になってきます。
最終的に、なし崩し的に契約せざるを得ない状況に追い込まれて、望まなくても物件の購入契約書に署名押印させられてしまいます。
6、物件紹介まで話が進んでしまった場合に損しないための方法
ただ、不動産投資業者の話を聞いてしまい、物件の詳細を紹介してもらうところまで話が進んでしまっても、損をしないための方法はあります。
自分で「物件の見極め」ができれば良いのです。
投資対象として、利益の出るものと出ないものを自力で選別できれば、相手がどのように言ってきても「その物件には価値がないから要りません」と断り切ることができます。
物件を見極めるためには、購入後のキャッシュフローのシミュレーションが非常に重要です。
具体的にどのくらいのローン設定が必要で、月々のローン支払いやその他の経費がどのくらいになるのか、税金はどのくらいかかるのか、最終的にどのくらいの金額が手元に残るのか、しっかりと計算しましょう。
結果としてキャッシュフローがプラスになるのであれば、購入をしても問題は少ないです。
赤字になる物件は、必ず購入を断りましょう。
7、買うべき物件じゃないと判断したら毅然と断る!
不動産投資の勧誘を受けたとき、最終的にキャッシュフローを計算してみたらマイナスになることもあるでしょう。
そのようなときには、はっきりと断ることが何より重要です。
中途半端に話を聞いてしまうから、つけいってくる業者が多いのです。
断ってもしつこい場合には、消費生活センターや宅建業保証協会、警察などに通報することもやむを得ないことを、伝えましょう。
前提として、相手の会社名や宅建業免許の番号も確認しておくことが大切です。
まとめ
今回は、不動産投資の勧誘に対する対応方法について、ご説明しました。
不動産投資の勧誘電話は、たいてい悪質な業者が行っていることが多いものです。関心が無いなら、相手にしないで早めに切ることが重要です。
しつこい場合には法律を盾にとって相手にプレッシャーをかけましょう。それでもダメなら実際に消費生活センターや警察、宅建業保証協会などに相談することをお勧めします。
契約をしてしまってもクーリングオフや通常解除ができる可能性もありますから、諦めずに早めに弁護士などに相談しましょう。