空室リスクの低い立地、どうやって判断すればいいの……?
と不安な方は多いのではないでしょうか?
不動作投資のリスクとして真っ先に考えられるのが「空室」です。そして、不動産は「ロケーション、ロケーション、ロケーション」といわれるように、とにかく「立地のよし悪し」で、その価値が決まります。
現在では、様々なサブリース契約でオーナーの空室リスクを回避するような商品も出ています。しかし、そもそも立地が悪ければ、サブリース契約そのものができず、できたとしても築後の年数が経過し、新築ブランドがなくなれば、サブリース契約賃料の大幅な引き下げも想定されます。
不動産はその特性上、賃貸物件を商品としてストックしておくことはできません。また、いったん値段(賃料)を下げると、それが定価となり、なかなか元の値段に戻すことは難しいと考えられます。
そこで、この記事では不動産投資で空室リスクを回避するために、立地とその街の将来性を知るためのポイントについて、毎月不動産に興味ある方が数万人訪問する『不動産投資の教科書』が解説していきます。
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目次
1、不動産投資の空室リスク回避ために立地で確認すべき4ポイント
空室リスクを回避するために、立地で確認すべきポイントは4つあります。それぞれ詳しく説明していきましょう。
(1)駅からの距離と利便性
賃貸物件に投資するにあたって、まずは駅への距離に近いことが極めて重要なポイントになります。
さらに近年は、通勤時間もできだけ削りたいというニーズが高まっています。そのため、より駅に近い方が好まれています。徒歩圏内(徒歩15分)は当然のこと、10分以内、さらに5分以内で探すという需要もあります。
加えて、最寄りの駅が都心へ行くのに取り換えなどのアクセスがよいか、急行が停まるのか、仕事帰りに買い物などの用事を一気に済ませられるのかなど、駅そのものの利便性も重要な要素になっています。
こうしたことから、投資物件を選ぶ時は、駅からの距離はもちろん、その駅の朝夕の運行間隔や、何線にアクセスし、都市に行く時間距離はどのくらいかを調べる必要があります。
(2)商業施設や利便施設の充実度
毎日の生活に必要なものを販売するスーパーやコンビニは、どんな世代の人にも欠かせない施設です。そして、子供のいる家庭なら、保育園や幼稚園、小中学校などの文教施設は外せません。高齢者世帯であれば各種の病院や医療施設が充実している必要があります。
また、今後増加が見込まれる外国人の住民を考えるのであれば、彼らの母国の食材を売るスーパーや情報交換できるコミュニティー施設や特定の宗教施設が近いことが重要な選択の要因になるかもしれません。
このように、どのような施設が必要とされ、どのくらいの数が適当なのかは、「需要者層の質と量」によって決まります。そのため、個人の好みが多様化した現在では、利便施設は何かを慎重に考える必要があるでしょう。
(3)競合となる物件
いくら駅に近く、近隣の需要にマッチした利便施設が充実していても、供給が需要を上回り、新しい物件が次から次へと供給されるような地域では空室リスクに常にさらされる危険があります。
特に駅前で何もなかったエリアが、再開発などで一気に商業施設が充実し、利便性の高い施設が集積した場合は、周辺の空き地に次々と賃貸物件が供給される可能性もあります。
これを避けるためには、競合物件の状態の調査が必須です。その場合、既存物件は当然として、周りの空き地がどのくらいあるのか、そこに競合物件が建つ可能性はあるのかなどを、行政機関で調べる必要があります。
(4)治安や住環境
便利な地域であっても、治安が悪いエリアにある物件の空室リスクは高くなります。そして、そのようなエリアに好んで住むような住民は空室以上に大きなリスクをはらんでいる可能性もあり注意が必要です。
治安のよし悪しは、例えば、東京都なら警視庁が公開している「犯罪情報マップ」というサイトが参考になります。ここではエリア的に犯罪が多いのか少ないか、どんな種類の犯罪が多いのかなどの概要を知ることができます。
また、各地域の警察がホームページで公開している場合もあるので確認するとよいでしょう。一方で、地元の人から話を聞く方が、これ以上に具体的な情報を得ることができます。その際には地域に精通した不動産業者などから情報収集を行うのがよいでしょう。
2、投資不動産の立地に加えて、街の将来性にも着目する
一方で、これまで述べてきた立地のポイントをチェックするのに加えて、投資をする物件の街が将来どうなるかを予想する必要があります。それには様々な情報を入手する必要です。その際には、最低でも以下の2点に注意しましょう。
(1)人口が増加していること
現在の人口はもちろん、将来の人口がどうなるかで不動産の価値は影響を受けます。人を引き寄せる街の魅力があれば需要が高まり、そうでない場合には急速にその価値を失います。さらに、その人口が物件がターゲットとする層、例えば若年層であれば、その構成比がどう変わっていくのかといった世帯数の変動も調査した方がよいでしょう。
(2)若者の多いエリアであること
若年層が多く集まる商業施設や学校、事業所が集積するエリアは、店舗などのリニューアルや入れ替えも活発です。そのため、常に新しい魅力の発信ができることになり、高い集客力を維持しています。
あまりにも若者が集まりすぎるエリアは、治安や風紀が乱れることが懸念される場合もありますが、そのような心配がされる場所は日本でもほんのごく一部です。むしろ大半は若い人が少なくて困る場合が多いと思われます。
大都市ならその懸念は少なくて済みます。しかし、地域事情を知らない地方都市で投資を行う場合には、その地域の住民がどこで遊び、どこで買い物などをしてお金を消費するのかを調べ、そのエリアと自分が投資する物件との位置関係について十分に注意する必要があります。
まとめ|不動産投資は業者任せにせず主体的に動くことが重要
今回は、空室を回避するための立地条件や街の将来性を確認する点をいくつか挙げました。これらは必要最低限のチェクポイントです。
不動産の価値を決める立地は少しずつですが時代と共に変わってきます。例えば、将来、自宅での勤務やネットスーパーで買い物をすることが今よりも当たり前になれば、駅の近さやスーパーの近さが今よりも重要視されない可能性もあります。
不動産は日々刻々と変わる経済状況や社会環境に大きく左右されます。そのため、不動産投資では、業者任せにするのではなく、主体的に見直しを行っていくことが大切です。