• 相続税対策
  • 2021/10/21 (更新日:)

家族信託に係る費用を徹底解説!手続きや相場を詳しく紹介

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家族信託にかかる費用っていくらくらいだろう……。
家族信託の相場をあらかじめ知っておきたいな……。

認知症対策の財産管理として近年注目されているのが、家族信託です。

近年、高齢化社会が進行し、認知症などの万が一の場合に備えて、財産管理として「家族信託」を検討する方が増えています。

家族信託は、有効な財産管理制度といえますが、利用するには一定の費用も伴います。

家族信託にかかる費用相場がどれくらいになるか、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、気になる家族信託の費用について、以下の5点を不動産投資に関する情報を発信しているメディア「不動産投資の教科書」が解説します。

  • 家族信託とは?
  • 家族信託の手続きに係る費用の相場と種類
  • 家族信託の手続き後に係る費用
  • 族信託にかかる費用のシュミレーション
  • 家族信託の節約

本記事が、家族信託の費用についての不安や悩みがある方の参考になれば幸いです。

1、そもそも家族信託とは?

そもそも家族信託って何だろう……。
近年、財産管理制度の手段の1つとして注目されている「家族信託」ですが、上記のような疑問を持っている方もいらっしゃるかと思います。

画像:一般社団法人 家族信託普及協会

家族信託とは、自分自身で財産管理できなくなってしまった場合に備えて、財産の管理や処分の権限を家族に与える方法です。

自分自身で財産管理できなくなるケースは、主に認知症の発症が挙げられます。

家族信託の特徴は、本人の希望に基づき、柔軟な財産の管理を可能にします

従来、財産管理の手段として「成年後見制度」がありました。
成年後見制度は、家庭裁判所が介入するため報告義務の負担や、資産の積極的活用や生前贈与、相続税対策ができないため使いづらいと言われてた背景があります。

2006年の改正をきっかけに、新たに使いやすい財産管理制度として、「家族信託」が登場した経緯があります。

家族信託の詳しい仕組みやメリットについて、詳しくは「家族信託とは?1分で分かる「仕組み・メリット・注意点・やり方」」で解説しておりますので、あわせてご参考ください。

2、家族信託の費用:手続き編

さて、家族信託にかかる費用は一体どれくらいなのでしょうか?
本章では、家族信託の手続きの際にかかる費用を1つ1つ解説していきます。
手続きの際にかかる費用の詳しくは、主に以下の4点です。

  • 税金
  • コンサルティング費用
  • 公正証書発行
  • 登記費用

(1)税金

家族信託にかかる税金は、主に以下の通りです。

  • 贈与税
  • 相続税
  • 所得税
  • 登録免許税

税金は、それぞれ金額が異なりますので、どのような場合に税金がかかるのか把握しておきましょう。

①贈与税

委託者・受託者・受益者の3者が家族信託の当事者だった場合、委託者から受益者に対して生前に財産を贈与したとみなされ、贈与税が課せられます。

贈与税には、基礎控除として110万円に設定されているため、年間で受け取る贈与が110万円を超えている場合に、贈与税が発生します。

また、委託者=受益者となる契約では、贈与税が発生しないので、家族信託では、委託者=受益者という契約が多いです。

②相続税

相続税は、委託者が死亡し、受益者が相続人としてが地位を引き継いだ場合に、受益者に相続税が課せられます。

家族信託は、贈与税を回避するために委託者=受益者という契約が多いので、委託者の死亡によって受益者が変わって引き継ぐことが多くなります。

相続税の基礎控除額は、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」ですので、基礎控除額に収まる場合には、相続税は課せられません。

③所得税

所得税は、受益者が家族信託によって得られる受益権を売却した場合、その利益に譲渡所得税が課されます。

譲渡所得税は、所有期間が5年以内であれば短期譲渡所得税、5年を超えると長期譲渡所得税とみなされます。
長期譲渡所得に対する譲渡所得税の方が、税率が低くな流のが特徴です。

④登録免許税

家族信託の財産の中に不動産を含む場合、委託者から受託者に不動産の名義が移転するため、名義移転の際に受託者は、登録免許税が課せられます。

家族信託に伴う名義移転の登録免許税は、不動産の固定資産税評価額の0.4%の割合で課税されます。

(2)コンサルティング|相談

家族信託の計画には、「信託法」や「民法」、「不動産登記」などの専門的知識を必要とするので、専門家に相談することが一般的です。
具体的には、司法書士や弁護士などの専門家に、信託内容を設計してもらったり、その他の相続税対策と比較を行ってもらうことが可能です。

専門家のコンサルティング費用相場は、信託財産の1%程度が目安とされています。

(3)公正証書発行

次に、公正証書の作成や手続き代行の費用が発生します。
実際には、公正証書にする義務はありませんが、財産管理に関する重要な契約のため、証拠能力が高い公正証書にすることが一般的です。

公正証書に関する費用は、総額10万円〜30万円を目安として、準備しておくと良いでしょう。

(4)登記手続き

信託財産に、不動産を含む場合は、名義の移転(登記)を行う必要があります。
登記は、自身で書類を作成し、手続きすることも可能です。
しかし、家族信託の登記は、信託財産特有の手続きとなっており、通常の登記よりも煩雑です。
上記の理由から、専門家に登記に関する手続きを依頼することが一般的で、手続きを代行してもらう費用が発生します。

登記手続きに関する費用は、10万円前後を目安として、準備しておくと良いでしょう。

3、家族信託の費用:ランニングコスト編

前章では、家族信託の手続きの際にかかる費用を解説しました。
本章では、実際に家族信託を運用していく上で、手続き後に定期的に発生する費用について紹介します。
主に、ランニングコストとして費用がかかる内容は、以下の3点です。

  • 固定資産税
  • 代理人や監督人を置く場合
  • 内容変更

(1)固定資産税

信託財産に不動産を含む場合は、不動産をその年の1月1日に所有している方を対象に、「固定資産税」が発生します。
信託財産として不動産を受け取った場合、受託者は年に一度固定資産税を支払うことになります。

固定資産税の費用は、固定資産税評価額×1.4%です。
そのため、税負担額は、所有している土地や家屋の固定資産税評価額によって異なります。

固定資産税について、詳しくは「「固定資産税評価額」わかりすい調べ方とできるだけ節税する方法とは?」で解説しておりますので、合わせてご参考ください。

(2)信託管理人・信託監督人を設置する

家族信託では、財産管理が正しく行われるように、家族以外でも「受託管理人」や「受託監督人」を設置することが認められています。

専門家などに、信託管理人や信託監督人を依頼する場合には、その人に支払う報酬が発生します。

費用相場は専門家などによって異なりますが、月に1万円程度が目安です。

(3)内容変更

信託契約書を作成してからでも、契約内容の変更することは可能です。
契約の内容を変更する場合は、既存の契約書を変更する手続きを行います。
契約内容を変更する場合も、専門家に依頼することが一般的です。

契約書の内容変更にかかる費用は、10万円程度を目安として準備をしておきましょう。

4、家族信託の節約方法

(1)複数の専門家に見積もり

家族信託の手続きの多くは、専門家に依頼することが多いです。
専門家に依頼する費用は、ある程度の費用相場はありますが、各専門家や各事務所によって費用は異なります。
見積もりは無料で行ってることが多いので、複数の専門家に見積もりを依頼して、比較・検討することで節約できる可能性があります。

自分の予算に合うのはもちろんのこと、信頼できる専門家に依頼するようにしましょう。

(2)自分で手続きを行う

家族信託の費用を節約する方法として、もう1つ挙げられるのが、手続きを自分で行うことです。

家族信託の手続きは、専門家に依頼することを前提としてお話ししましたが、全ての手続きを自分で行うこともできます。
最も費用を節約する方法は、信託契約の計画から書類作成や公正証書の作成、登記の申請など、全てご自身で行うことです。

しかし、家族信託の手続き・契約は煩雑になっておりますので、少しでも不安な方は、専門家に依頼するのが良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、家族信託の費用について解説しました。
家族信託の費用については、「税金」と専門家への「報酬」が主な支出となっています。

特に、信託財産に不動産を含む場合と含まない場合では、金額も大きく変わってくるでしょう。

本記事が、家族信託の費用について悩んでいる方の一助となれば幸いです。

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