内需株に注目する投資家が増えています。
新型コロナウイルス流行の影響により生活用品の消費が増え、低迷したインバウンド景気の回復が期待されているからです。
一方、内需株というと景気の変動に左右されにくいというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、円安が進み内需株の低迷を予想する専門家もいます。
株式市場は2021年に大きく上昇し、2022年に入り下落したものの少しずつ持ち直し、緩やかな上昇を続けています。
今回は、不動産投資をはじめとする様々な資産運用の情報を発信するメディアである不動産投資の教科書が、
- 株式投資家が知っておくべき内需株の状況
- 内需株に投資するにあたって必要な基礎知識
- 内需株として注目したいジャンル
- 「不動産投資の教科書」編集部がおすすめする内需株銘柄
をご紹介します。
この記事1本で内需株のことが理解でき、投資する内需株を見つけ、実際に投資を始めるための情報が得られると思います。
ぜひ最後までお読みください。
フドウくん
不動産投資のバイブル
- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
目次
1、内需株がアツい!
国内景気や株価の復調を期待して、内需関連株の人気が高まっています。
そもそも内需株は景気変動に左右されにくいことや配当の安定感などで根強い人気を持っているのですが、ここにきてその実力が再評価されています。
(1)景気の上向きによって内需株が堅調
内需株には国内向けに商品やサービスを提供している大企業が多くを占めており、こうした大型株の堅調ぶりが現在の株価上昇を支えている側面があります。
その他にも国内消費によって業績が支えられている企業が内需株なので、国内景気が上向くことによって株価も上昇します。
不動産管理大手の日本管財(9728)は典型的な内需株ですが、ここ10年の株価推移を見るとその堅調ぶりが見事に表れています。
出典:https://minkabu.jp/stock/9728/chart
他にも見てみましょう。
こちらは家電量販店大手のエディオン(2730)の株価チャートです。新型コロナウイルス流行の影響を受けてインバウンド需要は下がりましたが、家電の消費は堅調で、少しずつ株価を伸ばしています。
出典:https://minkabu.jp/stock/2730/chart
(2)景気に左右されにくく株価が下がりにくい
前項では内需株の好調ぶりについて解説しましたが、そもそも内需株には「景気に左右されにくく安定している」という魅力があります。国内向けに事業を展開している企業なので日本国内で衣食住などの消費がなくならない限り、内需株が総崩れになることはないでしょう。
人が生きていく上で必要なものを提供している企業が多いので、人が生活している限り一定の需要が見込めるのです。
そのため、投資家の中には配当収入や現金以外での資産保有を目的として、内需関連の大型株を長期保有している人も少なくありません。
(3)長期保有で配当収入が見込める
先ほど内需株の配当収入に触れましたが、内需株の中には配当利回りの高い銘柄が多く存在しているため、長期保有をすることで一定の配当収入を見込むことができます。
- 人材派遣のメイテック(9744)…3.15%
- コールセンター受託大手のりらいあコミュニケーションズ(4708)…3.89%
- 企業物流大手のセンコーグループHD(9069)…3.80%
など、これらはいずれも典型的な内需株ですが、定期預金の金利をはるかに上回る魅力的な配当利回りとなっています。
持っていて良し、配当を受け取っても良し、値上がりを待つのも良し。内需株の魅力が高まっている現在の株式市場では、この内需株を味方につける投資がひとつのポイントになりそうです。
2、内需株の基礎知識と魅力
内需株を味方に付ける株式投資のために、ここでは投資家として知っておくべき内需株の基本を解説します。
(1)そもそも、内需株とは?
すでに述べてきていることですが、内需株とは内需関連株とも呼ばれるジャンルの銘柄群のことです。内需、つまり日本国内向けに事業を展開し、日本国内で利益を稼ぐ企業のことです。
日本国内の景気動向に左右される一面もあるため、国内景気が上向くと内需株の株価は上昇します。
(2)内需株は不況に強い
日本経済は失われた20年と表現されるような長期的不況に苦しんできました。その中では経営破綻してしまった企業も数え切れませんが、内需株はその中でも比較的生き残った企業が多いという特徴があります。
その理由には企業規模が大きいこともありますが、不況下であっても食品やインフラなど消費せざるを得ない商材を扱っている企業について、最悪でも一定の売上が見込めるということもあります。内需株の強さはまさにこの部分で、日本国内の生活が現在の水準である限り、国内消費が一定以下になることはありません。
こうした事情もあり、失われた20年の株安時にも内需株の中には底堅く推移した銘柄がたくさんありました。
こうした不況への強さは、資産として株を保有することにおいても魅力的です。
(3)円高局面になると内需株に追い風
為替レートが円高になると、輸入品の価格が安くなります。そのため国内消費が刺激され、国内の小売業を中心に内需株が活況になるという法則があります。
現在は円安が進み、原料を輸入している一部の内需株にとっては逆風といえるでしょう。
(4)全体的に大型株が多い
詳しくは次章で解説しますが、内需株の中には全体的に伝統ある大企業や官製企業など安定した大型株が多い傾向が見られます。大型株は時価総額も大きく発行済株式数も多いため、少々の出来高で株価が大きく動くことはありません。
短期売買で利益を上げたい投資家にとっても面白みに欠けるかも知れませんが、長期保有するのであればこの安定感がメリットとなります。
(5)配当が安定している銘柄が多い
内需関連の大型株には長期的に安定した利益を出している企業が多く、それを受けて安定した配当を出している銘柄が多く見られます。定期預金をするつもりで内需関連の大型株を長期保有している投資家も相当数いるので、この特徴は内需株ならではものだと言えます。
3、内需株で注目したい7つのジャンル
どんな業種のことを内需株というのでしょうか。古くから内需株として知られる定番の5ジャンルと、最近注目されている3つのジャンルをご紹介します。
(1)不動産、建設
不動産と建設は、日本国内で事業を行う典型的な内需産業です。どちらも動くお金が大きいだけに景気変動の影響を受けやすく、国内景気が良くなると不動産や建設関連の株は物色されやすくなります。
(2)インフラ関連
インフラ関連とは、通信や鉄道、道路などといった社会を支える基盤に関連する産業のことです。インフラ投資は日本国内に対して行われるものなので、インフラ工事などの需要が増加すると投資が活発になり、インフラ関連の株価が上昇します。
(3)外食、小売り
外食と小売りは、いずれも個人消費の影響を受ける産業です。国内景気が上向くと個人の可処分所得が多くなり、その結果として個人消費が活発になります。つまり国内景気が上向くと外食や小売りに関連する銘柄が買われやすくなります。
(4)食品
衣食住の「食」は、人間にとって最も重要な必需品です。そのため食品関連は文字通り食いっぱぐれがないと言われており、不況下でも底堅いという内需株の特徴が最もよく表れます。
景気が良くなれば付加価値の高い食生活の恩恵で株価は上昇し、不況下でも一定以上の需要は見込まれるため株価は底堅いということで、安定感は抜群です。
(5)銀行
国内の景気が良くなると、国内の企業と取引のある銀行にも追い風となります。大手メガバンクは海外業務でも利益を上げているでしょうが、地方銀行などはそれぞれの地盤となる地域で事業を展開しているため、国内景気の足腰が強いかどうかが明暗を分けます。
その意味で銀行も内需株の一角をなす存在として見なされており、国内景気が上向いている昨今では銀行も投資妙味のある内需株です。
(6)インバウンド関連
インバウンドは、従来はなかった内需株のジャンルです。新型コロナウイルス流行の影響を受けて激減した外国人客が徐々に戻ってきているため、インバウンド消費に関連する企業が再度注目されています。ドラッグストアや百貨店、鉄道会社などが直接的な恩恵を受けますが、その他にも日本の化粧品が売れていることから化粧品メーカー、それ以外には家電メーカー、外食チェーンなどにも経済効果が及ぶため復調が期待できるでしょう。
(7)日本文化関連
インバウンドと若干似ていますが、世界から日本文化に対する熱い視線が注がれており、それが経済効果につながっています。アニメやフィギュアなどのポップカルチャーは世界的に人気が続いています。和食、和装など日本文化に関連する銘柄はインバウンド銘柄と同様、観光の復調とともに上昇が期待できます。東映アニメーション(4816)やまんだらけ(2652)などに投資妙味が出てきています。
4、編集部厳選、オススメの内需株5選
「不動産投資の教科書」が厳選したオススメの内需株5銘柄を、ご紹介します。
(1)ハウス食品グループ本社(2810)
カレー、シチュールウでトップシェアの企業です。スパイスの取り扱いを活かした商品開発に力を入れています。
現在、原料高騰の影響もあり株価を下げていますが、押し目買いを狙うことも期待できる銘柄です。
出典:https://minkabu.jp/stock/2810
(2)三越伊勢丹ホールディングス(3099)
百貨店最王手の企業です。新型コロナウイルス流行の影響を受けて下落したものの、持ち直し始めています。インバウンド消費の復活を期待して注目されている銘柄の1つです。
出典:https://minkabu.jp/stock/3099
(3)錢高組(1811)
内需株の本命業種であり、建設業の中でも株価に値頃感があるところに面白みがあります。2022年に入り下げていますが、押し目と見て投資するのも選択肢の1つになるでしょう。
出典:https://minkabu.jp/stock/1811
(4)エディオン(2730)
記事の冒頭でもご紹介した、内需株の優等生です。10年チャートを見ても上下はありながら安値を切り上げて、しっかり株価を上げ続けているのがわかります。配当利回りも3%を超えているため、配当を受け取りながら長期保有をすることもメリットがありそうです。
出典:https://minkabu.jp/stock/2730
(5)積水ハウス(1928)
ハウスメーカーの国内最大手です。好調な内需に支えられて株価も好調に推移しています。配当利回りは3%を超えており、配当狙いの投資で長期保有の価値もあります。
出典:https://minkabu.jp/stock/1928
5、低位株から厳選!オススメの内需株5選
この章では低位株に絞って、内需株を物色してみたいと思います。10万円以内で投資でき、配当利回りが3%を超える(2022年7月現在)銘柄を紹介します。
(1)川崎設備工業(1777)
レジャー施設、オフィスビル、病院、工場など様々な建物の空調・換気、給排水・衛生、防災・消火、電気・通信システムまでを取り扱う設備工事の中堅企業です。安値を切り上げて堅調に上げているため、これから高値更新を狙えるチャートとなっています。
出典:https://minkabu.jp/stock/1777
(2)タウンニュース社(2481)
神奈川県全域と、町田で地域情報紙を発行する企業です。地域を絞った広告や、デジタル配信・動画制作などのネット連携に強みがあります。
出典:https://minkabu.jp/stock/2481
(3)ウィル(3241)
関西で不動産事業を展開する企業です。不動産仲介、戸建ての分譲開発、リフォーム・リノベーション事業に強みがあります。10年チャートを見ると2020年に下落したものの、しっかり復調していることがわかります。
出典:https://minkabu.jp/stock/3241
(4)アジア航測(9233)
航空測量の大手企業です。一般消費者には知名度は高くありませんが、測量、建設コンサル、環境保全や調査など、私たちの生活に欠かせないインフラ企業で確実に成長しています。
出典:https://minkabu.jp/stock/9233
(5)ヒガシ21(9029)
大阪を地盤に運送と倉庫業をしている企業です。物流のアウトソーシングだけでなく、オフィス移転やビル内の物流などに力を入れています。チャートも右肩上がりで、成長が期待できる銘柄です。
出典:https://minkabu.jp/stock/9029
不動産投資の教科書 編集部がおすすめする銘柄10選を紹介しました。
この記事は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。 投資に関する決定はご自身の判断でなさるようお願いいたします。
6、株式投資をスクールで本格的に学ぶ
株式投資に興味を持ったので、本格的にプロから学びたいと思われた方もいらっしゃるでしょう。
日本ファイナンシャルアカデミーは、受講者の7割以上がプラスの運用実績を出している株式投資スクールを運営しています。
90分の無料教室を受講できますので、ぜひこの機会に体験してみてください。
まとめ
日本国内に住み、日本国内で消費をしている私たちにとって、内需株はさまざまな面で「お世話になっている企業」でもあります。それだけになじみのある銘柄も多く、内需株は初心者の方にも取り組みやすいジャンルだと言えます。
2022年に入り、円安が進むなど内需株には逆風となるニュースを耳にすることも多くなりましたが、確実に株価を上げている銘柄を見つけることはできます。
この記事の情報をきっかけに、まずは内需株のカテゴリーにどんな銘柄があるのか物色してみてはいかがでしょうか。
この記事をお読みの方はぜひ「資産運用とは?|金融商品の種類、メリットデメリット徹底解説」も併せてご参照ください。
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