株式投資において、将来大きく成長する「大化け銘柄」を見つけることは、投資家にとって非常に魅力的です。
しかし、そのような銘柄を見つけるためには、しっかりとした分析とスクリーニングのプロセスが必要です。本記事では、株式投資のスクリーニング機能を活用して大化け銘柄を見つける方法について解説します。
スクリーニングとは、特定の基準を設定して多くの銘柄の中から条件に合致するものを抽出する作業です。投資家は、自身の投資方針や市場の状況に基づいて基準を設定し、スクリーニングを行います。スクリーニングは、成長株、バリュー株、配当利回り重視など、投資の目的によって異なる基準を用いることができます。
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目次
1、大化け銘柄を見つけるためのスクリーニング基準
(1)スクリーニングの概要
スクリーニングとは、特定の基準を設定して多くの銘柄の中から条件に合致するものを抽出する作業です。
投資家は、自身の投資方針や市場の状況に基づいて基準を設定し、スクリーニングを行います。スクリーニングは、成長株、バリュー株、配当利回り重視など、投資の目的によって異なる基準を用いることができます。
(2)売上高の成長率
売上高が毎年安定して増加している企業は、市場で需要が高まっていることを意味します。過去3〜5年の売上高成長率が10%以上の企業は、成長性があると判断されることが多いです。特に新興企業やスタートアップで、成長率が急激に上昇している企業には大きな注目が集まります。
また、売上高だけでなく、最終的な利益(純利益)の成長率も見逃せません。売上高が伸びても、利益率が低ければ企業の効率性に疑問が生じます。利益成長率が高い企業は、コスト管理や効率的な経営がうまくいっている証拠です。特に、5年以上にわたって利益成長率が15%を超える企業は、将来的に大化けする可能性が高いです。
2、イノベーションと技術力
大きな市場シェアを獲得する可能性のある革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業は、大化けする可能性が高いです。新興技術分野や将来のトレンドに関連する企業に目を向けることが重要です。
新興技術や市場
AI、バイオテクノロジー、クリーンエネルギー、フィンテックなど、今後大きな成長が見込まれる分野に属する企業は、未来のリーディングカンパニーになり得ます。
例えば、AI技術を活用した新しいビジネスモデルを展開している企業や、バイオ医薬品の研究開発に特化している企業などは、将来の市場シェア拡大が期待されます。
研究開発費(R&D)
企業がどれだけイノベーションに投資しているかを示す指標として、研究開発費があります。
研究開発費が売上高に対して一定以上の割合を占めている企業は、将来に向けた成長戦略に積極的です。R&D比率が10%以上の企業は、特に成長に積極的とされ、大化け銘柄の候補として魅力的です。
3、財務健全性
成長の持続には健全な財務状況が必要です。
自己資本比率が高く、負債が少ない企業は、長期的な成長のための資金余力を持ち、リスクが低いとされます。フリーキャッシュフローも、企業の経済的健全性を示す重要な指標です。
自己資本比率
自己資本比率は、企業がどれだけ自己資本に依存しているかを示す指標で、企業の経営安定性を測る重要な要素です。一般的に、自己資本比率が40%以上の企業は財務が健全とされ、借入依存度が低いため、経済的ショックにも耐えやすいと考えられます。
フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフロー(FCF)は、企業が営業活動によって生み出した現金から、必要な投資を引いた後に残る資金を指します。フリーキャッシュフローがプラスで安定している企業は、内部資金で成長を続ける余力があり、長期的に安定した投資先と見なされます。
ROE(自己資本利益率)
ROEは企業がどれだけ効率よく自己資本を使って利益を上げているかを示す指標です。一般的にはROEが15%以上の企業は、資本を有効活用しているとされ、投資家にとって魅力的です。
4、バリュエーション指標
大化け銘柄を探す際に重要なのが、株価が過小評価されているかどうかを見極めることです。以下の指標を使用して、バリュエーションを確認しましょう。
PERやPBRが低い企業は、市場で過小評価されている可能性があります。特に成長が期待できる業界の中で、これらの指標が相対的に低い企業を選ぶことが有効です。
(1)PER(株価収益率)
PERは、株価が企業の収益に対してどれだけ割高または割安であるかを示す指標です。
一般的に成長株はPERが高くなりがちですが、同業他社と比較して過度に高すぎないかを確認することが大切です。成長株であってもPERが低い企業は、投資チャンスとなり得ます。
(2)PBR(株価純資産倍率)
PBRは企業の純資産に対する株価の倍率を示す指標で、PBRが1倍以下の場合は、企業の株価が純資産に対して割安であるとされます。
特に成長が期待される業界の中でPBRが低い企業は、投資家に過小評価されている可能性があり、今後の株価上昇が期待できます。
(3)株主還元政策
企業の成長と同時に、株主への利益還元を重視しているかどうかも重要です。
配当や自社株買いを積極的に行う企業は、株価の上昇に寄与することが多いです。
5、スクリーニングツールの活用
多くの証券会社や投資プラットフォームでは、スクリーニングツールが提供されています。これらのツールを利用することで、上記の基準に基づいた銘柄の絞り込みを簡単に行うことができます。さらに、特定の条件に合致する銘柄を定期的に通知してくれる機能を持つツールもあり、効率的に投資機会を探ることができます。
各証券会社が提供するスクリーニングツールは、投資家が膨大な銘柄の中から自身の投資条件に合った銘柄を効率的に選び出すための重要なツールです。以下に主要な証券会社のスクリーニングツールの特徴を説明します。
(1)楽天証券
楽天証券のスクリーニングツールは、多くの指標を使って詳細な検索が可能です。例えば、PERやPBR、ROEなどのファンダメンタルズに基づくスクリーニングの他、テクニカル指標も使えます。無料で使えるツールの範囲が広く、初心者から上級者まで幅広く対応しています。
- ツール名: 楽天証券マーケットスピードII スクリーニング
- URL: 楽天証券 マーケットスピードII
- 利用条件: 無料で利用可能ですが、楽天証券の口座開設が必要です。PC版とスマホ版の両方に対応しています。
(2)SBI証券
SBI証券では、豊富なスクリーニングオプションが揃っています。業種や時価総額、配当利回りなど、基本的なフィルター機能に加え、より高度なファンダメンタルズ指標や、アナリストの評価、予想業績などのデータを活用した検索も可能です。情報の豊富さから、長期投資家や中期投資家に特に有用です。
- ツール名: HYPER SBI スクリーニング
- URL: HYPER SBI
- 利用条件: SBI証券の口座を開設している場合は無料で利用可能です。PC版ツール「HYPER SBI」内で利用できます。
(3)松井証券
松井証券のスクリーニングツールは、初心者に優しい設計でありながらも、必要な条件をしっかりと網羅しています。例えば、利回り、成長性、割安性などに基づいた簡単な検索機能があり、シンプルでわかりやすい操作性が特徴です。また、リアルタイムデータの更新頻度も高く、情報の鮮度が保たれています。
- ツール名: QUICKリサーチネット スクリーニング機能
- URL: 松井証券 QUICKリサーチネット
- 利用条件: 松井証券の口座開設が必要。口座開設後は無料で利用可能です。
(4)野村證券
野村證券のスクリーニングツールは、主に機関投資家向けに開発されており、高度な分析機能を備えています。アナリストのレポートや業績見通しを反映したスクリーニングが可能で、より精度の高い投資判断が求められるプロフェッショナルに適したツールです。また、直感的な操作が可能なインターフェースも提供されています。
- ツール名: 野村ホームトレード スクリーニング
- URL: 野村オンラインサービス
- 利用条件: 野村證券の口座開設が必要。口座を開設後、専用のインターネット取引サービス「野村オンラインサービス」にて利用可能です。
(5)大和証券
大和証券のスクリーニングツールは、初心者から中級者向けの使いやすさを重視しています。配当利回りやPERなどの基本的なフィルターに加え、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する情報も含めたスクリーニングが可能で、サステナビリティを重視する投資家にも対応しています。
これらのツールは、それぞれ特徴が異なるため、自分の投資スタイルに合った証券会社のスクリーニングツールを選ぶことが重要です。
- ツール名: Daiwa Direct スクリーニング
- URL: 大和証券 ダイワ・ダイレクト
- 利用条件: 大和証券の口座開設が必要。口座開設後に無料で利用できます。
各ツールを利用するためには、基本的にその証券会社で口座を開設する必要があります。口座開設後、多くの場合は無料で使用可能ですが、特定のツール(例: HYPER SBI)についてはダウンロードやインストールが必要です。
6、業界トレンドの把握
スクリーニングによって候補となる銘柄が絞り込めたら、次に業界全体のトレンドを把握することが重要です。特定の業界が成長している場合、その業界に属する企業も成長しやすくなります。例えば、AIやバイオテクノロジー、再生可能エネルギーなどの成長市場に注目することで、大化け銘柄を発見する可能性が高まります。ここでは、主要な業界ごとの最新のトレンドを簡潔にまとめます。
(1)IT・テクノロジー業界
トレンド
AI(人工知能)、クラウドコンピューティング、5G、IoT(モノのインターネット)が引き続き成長分野です。特に生成AI(Generative AI)の進展が注目されています。また、サイバーセキュリティ分野も需要が拡大していま
注目
半導体不足やサプライチェーンの問題が一部で影響を与えていますが、長期的な成長は期待されます。
(2)製造業
トレンド
電気自動車(EV)、再生可能エネルギー、バッテリー技術、ロボティクスの分野での革新が進んでいます。特に、自動車業界ではカーボンニュートラルやEV化が大きなトピックです。
注目
サプライチェーンの変動、特に米中貿易摩擦の影響や、製造コストの増加がリスク要因として注視されています。
(3)ヘルスケア・医薬品業界
トレンド
新薬開発、特にがん治療薬や遺伝子治療、バイオ医薬品の分野が注目されています。また、遠隔医療(テレメディスン)の需要もコロナ後も拡大しています。
注目
高齢化社会に向けた医療需要の増加が業界を支える一方で、薬価の抑制政策や規制強化が業績に影響を与える可能性があります。
(4)不動産業界
トレンド
都市部の再開発、賃貸物件需要の増加、そして環境に配慮したグリーンビルディングの建設が進んでいます。特に、働き方改革やリモートワークの普及により、商業不動産と住宅不動産のニーズに変化が見られます。
注目
金利上昇による住宅ローンの影響や、地域による不動産価格の変動が注目されています。
(5)金融業界
トレンド
フィンテック(金融テクノロジー)、キャッシュレス決済、ブロックチェーン技術が注目されています。また、ESG投資(環境・社会・ガバナンスを考慮した投資)やインパクト投資の普及も進んでいます。
注目
金融業界では、低金利環境の影響や規制の強化、サイバーセキュリティのリスクが大きな課題となっています。
(6)エネルギー業界
トレンド
再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマス)の普及が進んでおり、脱炭素化に向けた技術開発が加速しています。また、水素エネルギーへの関心も高まっています。
注目
原油価格の変動や、エネルギー転換に向けた政策的な後押しが業界の収益に影響を与えています。
(7)消費財・小売業
トレンド
eコマース(オンラインショッピング)の成長が加速しており、特にダイレクト・トゥ・コンシューマー(DTC)モデルが注目されています。加えて、持続可能な商品やエコフレンドリーな消費への関心が高まっています。
注目
インフレによる消費者行動の変化や、サプライチェーンの混乱が商品価格や流通に影響を与えています。
(8)旅行・観光業
トレンド
コロナ禍からの回復が進んでおり、特に国内旅行や近場の観光需要が高まっています。また、デジタルノマドやリモートワークの普及による長期滞在型の旅行も増えています。
注目
コロナ禍からの回復が進んでおり、特に国内旅行や近場の観光需要が高まっています。また、デジタルノマドやリモートワークの普及による長期滞在型の旅行も増えています。
業界ごとのトレンドは常に変動するため、スクリーニングツールを活用して銘柄を選んだ後は、最新の業界動向やニュースをウォッチしながら投資判断を行うことが重要です。
株式投資のスクリーニングQ&A
Q1: 株主還元政策とは?
企業が成長し、株主に対してどのように利益を還元するかということです。
Q2: 配当利回りが高い会社はどうですか?
配当利回りが高い企業は、株主に対する利益還元を重視している証拠です。特に成長性と財務健全性を兼ね備えた企業が高配当を維持している場合、株価上昇と配当収入の両方を享受できる可能性があります。
Q3: 自社株買いをしている企業はどうですか?
自社株買いを積極的に行っている企業は、株価の下支え効果が期待できます。自社株買いは、株式の希薄化を防ぎ、株主価値を高める手段の一つとして、成長株でも注目される要素です。
まとめ
大化け銘柄を狙う際には、リスク管理も重要です。急成長が期待できる銘柄には高いリターンの可能性がありますが、同時にリスクも伴います。分散投資を行うことでリスクを軽減し、資産全体を守ることができます。
大化け銘柄を見つけるためには、しっかりとしたスクリーニング基準を設け、成長性や財務健全性に注目することが重要です。さらに、業界トレンドを理解し、スクリーニングツールを活用することで、効率的に投資先を見つけることが可能です。リスク管理を忘れずに、大化け銘柄を狙ってみましょう!