「低位株って何?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
低位株とは、株価が比較的安い銘柄のことです。しかし、同じ低位株であっても、
- 株価が低迷しているので投資価値ナシ
- 今は低迷しているが未来のお宝株かも
という2つの解釈ができると思います。
今をときめく大企業や有名企業も、かつては業績や知名度の低さゆえに低位株だった時期もあったはずです。ということは、今は低位株であっても将来は・・・?と思うこともできるわけです。
この記事では、低位株からお宝株が誕生する可能性を含めて、そのメリットやデメリット、将来大化けするかも知れない銘柄を低位株から見つけ出す方法を解説します。さらには「不動産投資の教科書」が考える、将来のお宝株になる可能性を秘めた銘柄を公開してみたいと思います。
最後には低位株投資に役立つツールや参考になるブログなどもご紹介していますので、低位株投資をお考えの方は、ぜひ最後までお読みください!
資産運用にご興味がある方は「資産運用とは?|金融商品の種類、メリットデメリット徹底解説」も併せてご参照ください。
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目次
1、低位株の中に眠るお宝銘柄を見つけると資産が10倍以上に!
低位株投資の魅力は、何と言っても上昇余地の大きさです。低位株の中からお宝銘柄を見つけることができれば、どの程度の資産増があるのでしょうか。
(1)低位株から大化けした銘柄の実力
定位株から大化けをして「一流銘柄」の仲間入りをした企業は多々ありますが、その典型ともいえるのが、ユニクロで知られるファーストリテイリング(9983)でしょう。
同社株のチャートを見ると、その大化けぶりを実感することができます。
上場後しばらくは数百円で推移していた同社株は、ユニクロの好調とともに株価も上昇、2013年頃はさらに急上昇を何度か繰り返し、ついには6万円台を突破しました。仮に600円の時に同社株を買った人がそのまま持っていれば、なんと100倍です。
2021年には10万円を超えて話題になりましたが、2022年7月現在は7万円台で推移しています。
ここから同社の株価がさらに100倍になるというのは考えにくいので、やはり大化けでの資産増を狙うのであれば低位株のうち、ということになりそうです。
(2)テンバガーは低位株から生まれる
株価が10倍以上に成長する銘柄のことを、テンバガーといいます。バガーというのは「塁打」を意味する言葉なので、テンバガーは「10塁打」です。実際の野球で10塁打になることはまずありえませんが、それくらいの猛攻撃を達成したという意味が込められています。
10倍クラスの成長を遂げようと思うと、もともとの株価が高ければ成長余地が少ないので困難です。テンバガーに分類される銘柄の多くは、やはり低位株から生まれています。
低位株として株価が低迷した状態に、一発逆転ホームランのような材料が飛び出して急成長を遂げるというのがテンバガーのよくある上昇パターンです。
(3)低位株からの大化けは株式投資家の夢?
青田買いという言葉があります。まだ実っていない状態でコメの買い付けをするという意味ですが、低位株からのテンバガー探しはそれと似ています。まだ入門して間もない力士を応援して大横綱に出世していく姿を見守るのが相撲ファンの醍醐味だと言いますが、それにも似ています。
しかし、無名の力士を応援してその人が横綱になったとしても金銭的なメリットはありません。その一方で無名な低位株からテンバガーを探すのは、資産が10倍以上になるという金銭的なメリットがあります。
低位株からお宝銘柄を見つけ出し、その成長を資産増につなげるというのは、株式投資家の夢なのです。
2、低位株とは?低位株投資とは?
ここから低位株投資の解説をするにあたって、低位株とは何か、なぜ低位株は株価が安いのかといった基本を解説します。
(1)低位株の定義
低位株かそうでないかの判断は、株価がいくらなのかによって分かれます。一般的に低位株と呼ばれているのは、現状の株価が300円以下の銘柄です。さらに安くなって100円以下の株は、少々言葉が悪いですが「ボロ株」と呼ばれています。
ここでは、低位株投資にあたって、ターゲットとなるのはボロ株も含む株価300円以下の銘柄と定義したいと思います。
(2)有名企業にも意外に多い低位株
株価が300円以下の銘柄だけをスクリーニングしてみると、中には意外にも東証プライムに上場している有名企業、大手企業が含まれていることに気づかされます。
大手企業は、いわゆる業績低迷や不人気によって低位株に甘んじているとは考えにくく、発行済株式数が多いと企業価値が同じであっても1株あたりの単価は低くなるので、大手企業であっても株価が低いという現象が起きます。
これでおわかりかと思いますが、低位株からお宝銘柄を探す際には、発行済株式数が多いことによって株価が低い銘柄については、対象外ということになります。
(3)低位株の株価が安い理由
低位株がなぜ低位株なのか、現状株価が上がらないのには以下のような理由が考えられます。
- 成長性があるものの投資家に認知されていない(アナウンス不足?)
- 配当が出ていない
- 現段階での業績が芳しくない
- 不祥事があった
- 今後の業績に不安要素がある
これらの理由を見ると、低位株に甘んじているのも不自然なことではありません。しかし逆に考えると、これらの理由の1つでも解消されると、低位株である理由がなくなります。つまり、お宝株に変身する可能性があるということです。
(4)低位株投資に求められるのは、見つけ出す力
今は低位株でも将来の有望株かも知れないというのは、株式市場では珍しいことではありません。株価とは投資家からの企業に対する評価点とも言えるので、今の株価はその程度の評価ということなのかも知れませんが、その評価が一変することは大いにあります。
そもそも株式投資とは、将来の有望株を見つけ出して企業の成長に伴って資産を増やすのが本筋です。低位株投資は、まさにそんな株式投資の本筋であり、スクリーニングや投資家の観察力、判断力が低位株投資の成功の鍵を握っているのです。
3、低位株投資のメリット
低位株投資には、実に多くのメリットがあります。そのメリットを4つのポイントにまとめました。
(1)少額の資金で始められる
低位株というだけあって株価が安いので、最低投資金額もかなり安くなります。例えば株価200円の株で最低売買単位が100株だとすると、必要な投資金はわずか2万円です。
少額で投資できるということは、より多くの投資家に投資機会がもたらされるということです。また、投資家にとっても金額が少なければ、「最悪、全額なくなってしまっても許容できる」と思えるのであれば、より大胆な戦略を取ることができるようになります。
(2)同じ資金額でもたくさん買える
株価が安いということは、同じ投資金を用意したとしてもたくさん買うことができるということです。たくさん買えるということは、その低位株が大化けして低位株ではなくなった時に、得られる値上がり益も大きくなります。
このメリットをいかして低位株投資をしている株式投資家は意外に多く、もともと低位株ということで値が動きやすいことに目をつけて、短期売買を繰り返す手法もあります。
(3)安く仕込んで大化けの可能性がある
株価が安い(つまりまだ成長していない)時に買い、企業の成長に伴って株価が上昇することで資産を増やしていくのは、株式投資の本筋です。企業の存在理由は、利益の追求です。企業とは利益を上げて人とカネを集め、成長していく意思を持った生き物のようなものです。
どんな低位株であっても成長の意思を持っていることに変わりはなく、その中には努力が奏功して大化けする銘柄が出てくるのは、何ら不思議なことではありません。
日本の株式市場では毎年10~20程度のテンバガー(10倍銘柄)が誕生していますので、低位株が大化けする可能性は常にあるのです。
(4)夢がある
ダイヤの原石を見つけ出しても今はまだ、ただの石ころにしか見えないかも知れませんが、それがやがて輝きを増して財宝のようになるというのは、株式投資家にとって夢に近い魅力だと思います。
わずかな値動きで利ザヤを稼ぐ短期売買に注目が集まりがちな昨今の株式市場ではありますが、このように低位株が大化けして大きな資産増を達成するという夢を描くのは投資の楽しみでもあります。
夢があるというのは主観的なメリットですが、実は多くの投資家が感じている低位株投資のメリットだと思います。
4、低位株投資のデメリット
とても夢があって魅力も多い低位株ですが、もちろんデメリットもあります。そもそも、なぜその銘柄が低位株なのかという点に深く関わるものなので、こちらも必ず押さえておいてください。
(1)そもそも低位株なので、特に材料がなければ低位株のまま
その銘柄が低位株であることには、必ず理由があります。その理由はどれも投資家にそっぽを向かれてしまうようなものばかりなので、その理由が解消されるような材料がなければ、いつまでも低位株のままです。
そのままだと低位株を狙う短期売買の餌食になってしまい、原因不明な株価乱高下に振り回される可能性もあります。
(2)配当が少ない、もしくは無い
低位株に甘んじているということは業績も今ひとつという企業が多いので、配当が少ない、もしくは無いということが多いでしょう。つまり、株価が上がらず持ち続けていても配当収入をあまり期待できないということです。
(3)最悪は経営破綻や上場廃止のリスクも
低位株が持つ最大のリスクが、その株が紙切れ同然になってしまうことです。低位株は株価300円以下、500円以下といった銘柄のことを指しますが、それよりもさらに株価の低い100円以下の銘柄は「ボロ株」と呼ばれることもあるほど、投資メリットが低いカテゴリーに属します。
こうした銘柄には経営破綻や上場廃止といったリスクが常に付きまとうため、長期的視野で成長を見守るというスタンスで買う場合は、注意が必要です。
一向に株価が上がらず、逆に下がり続けていることを確認できる場合は、早めの損切りをオススメします。
5、低位株の中からお宝銘柄を見つける5つのスクリーニング条件
前章で低位株投資のデメリットを解説しました。このデメリットを知るにつれて、低位株を買う場合はしっかりと銘柄を選ばないとリスクが高くなることがおわかりいただけたと思います。
そこで、この章では低位株の中から「しっかりと銘柄を選ぶ」ためのスクリーニング条件を解説します。このスクリーニングを支援するツールを「7-(1)トレーダーズWEB 銘柄スクリーニング」でご紹介しています。
(1)株価が500円以下
前提条件として、株価が300円以下、または500円以下の銘柄が低位株と呼ばれています。先に定義した300円以下で絞り込んでも良いのですが、少しでも選択肢を広げるという意味で若干条件を緩めて500円以下としたいと思います。
(2)PERが10倍以下
PERとは株価収益率のことで、1株当たりどれくらいの利益が出ているかを示す指標です。PERは株価の割安感を計るために用いられているため、このPERが低いということは割安感がある(=低位株?)と判断できるわけです。
標準的なPERは15倍前後であることを基準にすると、10倍程度の銘柄に割安感があると判断できます。
(3)PBRが1.0倍以下
PBRとは株価あたりの純資産です。1.0倍だと企業価値と株価が等価になるのでこれが基準となります。つまり、PBRが1.0倍を下回っているということは企業価値に対して株価が低い(=割安感がある)と見ることができます。
低位株の中にPBRが1.0倍以下の銘柄があるということは、少なくとも1.0倍に近づいていく力学が作用すると考えられるので、PBRが1.0倍以下というスクリーニング条件も追加します。
(4)営業キャッシュフローがプラスである
営業キャッシュフローとは、簡単に言うとその企業が事業によってどれだけの儲けを出しているのかを示す数値です。当然ですが、低位株の中で儲けが出ていない企業の株を買おうと思う投資家はいません。低位株であっても営業キャッシュフローが黒字になっている企業であれば、その点に注目が集まって買われる可能性も出てきます。
また、儲けが出ているということは今後の事業への投資も可能になるわけで、その投資から大化けの可能性も出てくるというわけです。
(5)自己資本比率が20%以上
低位株投資のデメリット解説のところで、最大のリスクは経営破綻であると述べました。保有している低位株が紙切れになってしまうリスクは何としても避けたいので、経営破綻のリスクがどれくらいあるのかを考慮する必要があります。
その物差しとして使えるのが、自己資本比率です。経営に使われているお金のうち、返済義務のないお金がどの程度占めているのかを示すものなので、無借金経営であれば自己資本比率100%です。このように自己資本比率は高ければ高いほど良いのですが、低位株にそのような企業はほとんどありません。
そこでひとつの目安として20%としました。
6、2018年版の大化け期待低位株4選と2022年の株価
前章のスクリーニングを含め、「不動産投資の教科書」が注目する大化け期待の低位株を4つピックアップしてご紹介します。いずれも低位株投資の魅力十分ですが、最終的な投資判断は必ずご自身で行ってください。
(1)日本乾溜工業(1771)
北九州に本社を置く企業で、福岡証券取引所にのみ上場している銘柄です。すでに低位株を「卒業」しそうな成長を続けている企業ですが、移動平均線の並走などチャート的に見てもまだ上場余地はありそうです。
2018年の記事執筆時点から、少しずつですが上昇しているのがわかります。配当利回りも2.06%ですので、保有するメリットもあるといえるでしょう。
(2)日本コークス工業(3315)
2018年の初頭、2020年にも大きな下落があったものの、踏みとどまって上昇している銘柄です。配当利回りは5.98%なので、保有する価値もある程度は見込めます。
(4)筑波銀行(8338)
銀行株は全体的に低位株が多いのですが、景況感の改善によって金融業全体に好材料が多くなっており、上昇基調が期待できる銘柄です。ただし長らく低位株にカテゴライズされてきた銘柄だけに、再度500円を突破していけるかは微妙です。
(5)ルックHD(8029)
かつて大物仕手集団による仕手戦で有名になった銘柄です。その後も投機的な売買が続いており、ある意味で低位株投資の面白さは健在です。ただし長期的な視野で大化けを期待するというより、投機的な短期売買向きです。
2018年の記事執筆時点では1,560円だった株価は、新型コロナウイルス流行の影響を受け600円台にまで下落しましたが、2022年7月には1,583円まで戻しています。これからの上昇も期待できる銘柄といえるでしょう。
7、低位株、ボロ株投資に役立つツール&ブログ5選
低位株投資に役立つスクリーニングツールや情報サイト、低位株投資で有名なブロガーによるブログなどをまとめました。
(1)トレーダーズWEB 銘柄スクリーニング
多くの条件から銘柄のスクリーニング(絞り込み)ができるツールです。「5、低位株の中からお宝銘柄を見つける5つのスクリーニング条件」で示した条件についても、一部はこちらでスクリーニングをしました。
株価、PER、PBRなどでの絞り込みに役立ちます。
トレーダーズWEB 銘柄スクリーニング
(2)株ドラゴン 低位株 安い株一覧ランキング
毎日、リアルタイムで低位株情報が更新されています。株価が低い順にランキングされており、ここで上位に並んでいる銘柄はほとんどがボロ株です。
株ドラゴン 低位株 安い株一覧ランキング
https://www.kabudragon.com/ranking/teii.html
(3)株価アルゴREAL 低位株・ボロ株 銘柄スクリーニング
毎日更新で、低位株が一覧表示されています。検索条件によって表示銘柄を絞り込むこともできるので「今日怪しい銘柄」が一目瞭然です。
株価アルゴREAL 低位株・ボロ株 銘柄スクリーニング
http://kabureal.net/lower/list/
(4)【日刊】怪しい低位株&ボロ株ランキング
低位株は株価変動の軽さやコストの安さゆえに、いわゆる仕手筋からも狙われやすい傾向があります。そうした仕手筋の動きを早めに察知することを目的としたサイトで、怪しい低位株情報が目白押しです。
【日刊】怪しい低位株&ボロ株ランキング
http://kabu-sokuhou.com/teii_shite/
(5)遠藤洋(投資家)‐ Monja〈もんじゃ〉お金と暮らしの情報サイト
こちらは、ブログではありませんが、低位株投資で1憶円の資産を築いた遠藤洋氏の「小型株で資産づくり」という20回にわたるコラムを読むことができます。
遠藤洋(投資家)‐ Monja〈もんじゃ〉お金と暮らしの情報サイト
https://mon-ja.net/author/endo-hiroshi/
低位株投資を始めるには
低位株を購入するためには、証券会社の口座開設が必要です。
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25歳以下であれば、株式の現物取引が無料となっています。
出典:松井証券
まとめ
少ない資金から始められて、大きな夢を見ることができる低位株投資。その魅力や銘柄の選び方、デメリットに至るまで解説をしてきました。
「面白そうだからやってみよう」と感じていただけたでしょうか?
低位株投資の最大の魅力は「面白そうだから」という理由だけで始められる手軽さです。実際にやってみると気づくことも多いと思いますので、まずは数万円で買える銘柄を買ってみてはいかがでしょうか。