• 相続税対策
  • 2017/3/22

二世帯住宅は相続税の節税対策になる?|税制改正で大幅に減額できるケースも

二世帯住宅にすると、相続税の節税対策になる、という話を聞いたことがありませんか。

平成27年の税制改正で相続税は増税となりましたが、工夫次第では最大80%減の節税をすることも可能です。

実家のリフォームなどを機に二世帯住宅の購入を考えている方へ、二世帯住宅と相続税の関係について以下にまとめました。

  • そもそも相続税とは何か
  • 小規模宅地等の特例
  • 二世帯住宅の種類
  • 具体的な節税パターン

二世帯住宅と相続税の関係について詳しく知りたい方のご参考になれば幸いです。 


1、なぜ二世帯住宅が節税につながるのか

本題の前に「相続税」についておさらいしましょう。

(1)そもそも相続税って?

相続税とは、親族が亡くなって財産を受け継いだ場合や、遺言の内容に基づき財産を譲り受けた場合に課される税金をいいます。

①相続税の計算式

相続税は以下の計算式にて計算されます。

相続税額=(全ての課税対象相続財産額—基礎控除額)×相続税率—税額控除

②不動産と相続税の関係

現金や有価証券を相続する場合、相続税は時価に対して課税されます。

一方で不動産の場合、相続税は時価ではなく「固定資産税評価額や路線価」などから算出した評価に対しての課税となり、納める相続税額が少なくなる傾向にあります。

一般的に「不動産購入が相続税対策になる」と言われるのはこのためです。

詳しくは「不動産は相続税対策として有効?不動産の相続税の仕組みについて」をご覧ください。

(2)「小規模宅地等の特例」とは

ここから本題の「二世帯住宅と相続税の関係」について解説していきます。

キーワードになるのが「小規模宅地等の特例」です。

これは簡単に説明すると、相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で一定の要件にあてはまる場合は、土地面積のうち330㎡までは相続税評価額を80%減額するというもので、同居もしくは二世帯住宅の土地を相続した場合この特例が適用できる可能性が高いと考えられます。

(3)そもそも平成27年の税制改正とは?

冒頭で「平成27年の税制改正」と書きましたが、どこが改正されたのか説明します。

①相続税は増税

平成27年以降、相続財産の基礎控除額が以下のように縮小されました。

(改正前)基礎控除額=5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)

(改正後)基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

たとえば法定相続人が1人だった場合、相続財産が6,000万円以内に収まっていれば相続税は課税されませんでした。しかし改正後は3,600万円を超えた分について課税されることに。

これによって今まで相続税とは無縁だった層にも課税される可能性が出てきたのです。

②一方、二世帯住宅は有利に

先述した「小規模宅地等の特例」については要件が緩和され、80%減額される対象が拡がりました。

大きな変更点は以下のとおりです。

  • 土地の限度面積

(改正前)限度面積240

(改正後)限度面積330

  • 構造上区分のある二世帯住宅の要件

(改正前)親世帯の居住部分に対応する土地のみ適用

(改正後)子世帯の居住部分も含めて適用

2、小規模宅地等の特例の適用条件は?

親世帯と子世帯が別々に生活している場合は、小規模宅地の特例が適用されるのは親世帯の土地のみとなります。

しかし、親と同居していた場合、もしくは二世帯住宅の場合、親世帯子世帯両方の土地にこの特例が適用され、節税につながります。

具体的には

  • 被相続人(亡くなった人)の配偶者が自宅を相続する場合
  • 被相続人と同居していた親族が自宅を相続する場合

などです。二世帯住宅の場合は2つ目に当てはまります。

ただ、二世帯住宅には「台所共有」「渡り廊下だけ共有」など、さまざまなスタイルがあるでしょう。

次の項目で、どのような二世帯住宅がこの特例に当てはまるのか、詳しく見ていきましょう。

3、どこまでが二世帯住宅?

平成27年の税制改正では、完全分離型のように共用部分がないケースでも、二世帯住宅として認められるようになりました。

そのため、以下はいずれも「小規模宅地等の特例」に当てはまります。

(1)完全分離型

共有部分や行き来できる通路が全くない、世帯ごとで完全に独立した状態をいいます。

(2)完全共有型

玄関、キッチン、風呂、トイレなどを共有し一つの家族として生活する状態です。

(3)部分共有型

玄関のみ共有、キッチンのみ共有など、一部を共同利用する状態。最も一般的な二世帯住宅です。

4、具体的な節税パターン

特例措置の計算例を実際に見ていきましょう。

(1)80%減になるケース

  • 120万円の土地が250㎡の場合

そのまま計算した土地の価額は「20万円×250㎡=5,000万円」となります。

しかし、250㎡は適用限度面積330㎡の要件を満たしていますので、80%減額して計算できます。

減額分を計算すると「20万円×80%×250㎡=4,000万円」です。

つまり、実際には評価額5000万円となるところを、5,000万円-4,000万円=1,000万円として、相続税を計算することになります。

(2)全額控除でも申告は必要

上記の結果、土地については1,000万円の評価額となりました。

建物の相続税評価額が2,600万円以下であれば、もしこれ以外に相続する財産が無い場合は、3-(1)で述べた基礎控除額3,600万円に収まります(法定相続人が1人の場合。2人以上の場合はさらに控除額が大きくなります)。

というわけで控除の結果、相続税はゼロ円となります。

ただし、小規模宅地の特例は税務署への相続税申告書提出が必須となっています。相続発生(故人の死亡)から10ヶ月以内に提出しましょう。

(3)具体的な節税事例

節税事例として、以下のような家族の場合をシミュレーションしてみました。

  • 【被相続人】父
  • 【財産】自宅8,000万円(土地の評価額)+ 2,500万円(建物の評価額)
  • 【相続人】母・長男

基礎控除は「3,000万円+600万円×2=4,200万円」です。

8,000万円+2,500万円から4,200万円を差し引いた「6,300万円」に対して課税されます。

しかしここで小規模宅地等の特例を使った場合、8,000万円の土地が80%減額されます。

8,000万円-(8,000万円×0.8)=1,600万円」が土地の評価額となります。

建物の評価額2,500万円を加えても基礎控除4,200万円に収まるので、相続税は課税されません。

5、登記方法に注意

二世帯住宅の場合、建物を区分所有登記(例:親が1F、子が2Fを所有登記)にするか、親と子の共有名義にするか、二択あります。

しかし相続税の節税を考える場合、区分所有登記にすると、特例措置が受けられません。

そのため、建物は親子共有名義にするか、親の単独名義にしておく必要があります。

6、相続税以外の二世帯住宅のメリット

節税対策以外にも、二世帯住宅での生活にはいいことがたくさんあります。

(1)近くにいる安心感

他人には頼みにくいことでも、身内になら相談できたりするものです。

子世帯としては高齢の両親を近くでサポートできますし、親世帯としては子世帯の育児を手伝うことができます。他にも、家事を協力し合ったり、病気になったら支え合ったりできるのは身内だからこそです。

(2)経済的負担を抑えられる

子世帯が一から土地を購入してマイホームを建てるよりも、親世帯の住居をリノベーションする方が、土地代がかからないため断然安く済みますし、かかる費用も助け合うことができます。

7、その他相続税を節約する方法は?

二世帯住宅に関する節税(小規模宅地等の特例の活用)以外に、基本的な相続税対策として、

  • 不動産を購入する
  • 生前贈与をする
  • 生命保険に加入する
  • 養子縁組で相続人を増やす

4つの方法が挙げられます。

これらの詳しい内容は「相続税を節税するには?有効な4つの相続税対策」にまとめてあります。 

まとめ

今回は二世帯住宅と相続税について書きましたが、いかがでしたでしょうか。

同じ敷地、同じ建物でも完全分離型スタイルの二世帯住宅でも節税対策になるので、参考にしていただければ幸いです。

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