そろそろ家の外壁が古ぼけた感じに見えるし、新築からずいぶん経っているので外壁塗装の時期かな・・・とお感じですか?
外壁塗装の耐久年数は長くても15年程度ですから、見るからに劣化している様子でそれだけの時間が経っていれば外壁塗装が必要な時期が来ていることはご理解いただけると思います。
しかし、そこで気になるのが先立つもの、つまり費用の問題です。
- 自分の家を外壁塗装すると費用の相場はどれくらいなのか?
- ちゃんと比較検討しないとぼったくられる?
- 外壁塗装の費用はどこまで安くできる?
- でも安くしすぎると何か不具合が起きたりする?
・・・などなど、外壁塗装の費用の問題となると湧いてくる疑問もリアルなものばかりです。
こうした疑問が湧いてくる根底にあるのは、現段階で外壁塗装の費用相場をご存じないからです。
まずは相場を知ることで色々なことが見えてくるでしょうし、実際にやるのかどうかも費用を見てからでないと判断できないものです。
そこでこの記事では、外壁塗装について最も気になる費用の相場について、さらに費用を安くするための知恵、最後には減税制度という別の角度から費用を安くする方法など、外壁塗装にまつわるお金事情を徹底的に網羅しました。
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目次
1、外壁塗装の費用相場ってどれくらい?
まずは、外壁塗装を依頼すると費用の相場はどれくらいなのか?少しでも費用を安くする方法はあるのか?という疑問に簡単にお答えしたいと思います。
(1)2階建ての戸建て住宅なら安くて70~80万円から
家の延べ床面積やどんな塗料を使うのかによって費用は変わるので一概には言えませんが、多くの事例から見えてくる費用の相場は、「2階建ての戸建て住宅なら70~80万円から、上は150万円前後まで」となります。ほとんどの事例がこの費用帯に収まっているので、上限と下限を知ることで費用感をつかんでおいてください。
(2)外壁塗装の費用はどうやって決まる?
外壁塗装の総費用は、材料費と人件費、足場代、そして移動などの諸費用をすべて合算して算出されます。
材料については良いものを使えば高くなり、安いものを使えばその分費用は圧縮されます。人件費や足場代についてはそれほど差がありませんが、施工地域やどこの業者に依頼するかによっては移動費の変動幅が大きいので、諸経費もそれによって変動します。
外壁塗装の費用については、「2、外壁塗装の費用相場と価格が決まる仕組み」で詳しく解説します。
なお、昨今の人手不足や後継者不足の影響によって塗装職人の人件費は高くなる傾向が見られます。
(3)外壁塗装の費用を少しでも安くする方法はある?
高いと150万円以上のお金を出すのですから、外壁塗装の費用を少しでも安くしたいとお考えの方はとても多いと思います。しかし、後述しますが必要なものまで費用をカットしてしまうと外壁塗装自体の品質が損なわれる恐れがあるため、過度な値引きや低価格ありきの比較検討はオススメしません。
では、どうするか?「不動産投資の教科書」としては、相見積もりと地元業者の活用、そして減税制度を適用することによる実質的なコストダウンという3つの方法をご提案します。それぞれの方法については順次詳しく解説していきますので、どうぞご期待ください。
(4)変な業者に引っかかって「かえって高くつく」ことだけは避けたい
外壁塗装はリフォーム工事の一種に分類されます。リフォームというと、どうしても怪しげな業者の存在を連想される方が多いと思います。以前にあった悪質リフォーム問題はもちろんのこと、そうではなくてもよく分からない人をカモにするような実態があるのではないかという懸念は今もくすぶっています。
変な業者に依頼をしてしまい、「こんなはずではなかった」「かえって高くついてしまった」ということだけは避けたいところなので、安全に依頼をするための業者選びについても解説していきます。
2、外壁塗装の費用相場と価格が決まる仕組み
ここでは、外壁塗装の費用相場を単価ベースで解説し、そこから全体の費用が決まっていく仕組みを解説します。この解説を読むことで、施工業者の見積書をしっかりと理解することができます。
(1)外壁塗装の費用内訳
外壁塗装の総費用は、材料費と人件費、足場代、そして諸費用で構成されているとすでに解説しました。
その内訳は、材料費が全体の20%程度、職人の人件費が30%程度、足場の設置と解体費用が20%程度、そして諸費用が30%程度というのが相場です。こうして見ると、材料費以外のほとんどが人件費に関連する費用であることが分かります。
諸費用は移動代や事務手続き費用などで構成されていますが、こちらも人が動くことによって発生する費用が多いので、外壁塗装は人に関わる費用が多くを占めています。
(2)塗装材料別の特徴と費用の相場
外壁塗装に使用する塗料には、さまざまな種類があります。それぞれ特徴と費用相場が異なりますが、全体を通して言えるのは性能の高いものほど費用も高くなり、その逆も然りであるということです。
塗装材料の名称 | 特徴 | 費用の相場 平方メートル当たり |
シリコン塗料 | 外壁塗装としてのシェアがとても高く、広く使用されている | 3,000円程度 |
フッ素塗料 | 耐久性に優れておりその分費用は高いがコストパフォーマンスは良い | 4,000円程度 |
アドグリーンコート | 遮熱性に優れた外壁塗料で耐久性にも優れている | 5,000円程度 |
ウレタン塗料 | 安いが機能面や耐久性の面で今はあまり採用されていない | 2,000円程度 |
ほとんどの外壁塗装事例では上記の塗装が使用されているので、見積書を見る時にはこれらのうちどれかが採用されていることと思います。単価が相場通りかどうか、こちらの単価情報を参考にして吟味してみてください。
(3)塗装材料以外に必要となる費用と相場
次に、塗料以外の大半を占める費用の相場です。それぞれの費用内訳とどんなことをする費用なのか、そして単価の相場という順に並べました。
費用の名称 | 内容 | 費用の相場 平方メートル当たり |
足場代 | 作業用の足場を組み、解体する費用 | 700円程度 |
外壁の洗浄 | 塗装前に高圧洗浄を行う費用 | 300円程度 |
飛散防止ネット | 塗料や材料、工具などが風で飛ばないようにかけるネットの費用 | 200円程度 |
コーキング | ひび割れの補修で、シーリングともいう | 700円程度 |
養生作業 | 塗料がついてはいけない場所をシートで保護するための作業 | 一式で数万円程度 |
シーラー | 下塗り材を使用して外壁に下塗りを行うための費用 | 600円程度 |
こちらも見積書に登場する項目ばかりなので、そこで算出のもとになっている単価が上記の相場とかけ離れていないかをチェックしてください。
(4)外壁塗装費用の算出方法
外壁塗装は「塗装」というだけあって、平面に対して行うものです。そのため見積もりはどれだけの面積に対して塗装を行うかによって積算されます。上記それぞれの単価に塗装面積を掛けると、それぞれの項目の費用が分かります。
後はそれらを全部合計したものが総費用です。もちろん商談の現場では値引き交渉があると思いますので、そこからある程度の値引きをしたものが実質的な総費用です。
3、外壁塗装の費用を少しでも安くするためのポイント5つ
決して安い金額ではない外壁塗装の費用を、少しでも安くしたい!という方が知っておくべき5つのポイントです。あくまでも健全な品質が維持される範囲内でのコストダウンを前提に解説しています。
(1)相見積もりを取って比較検討する
ある程度高価な買い物をする際には、比較検討をするのが基本中の基本です。「他社に浮気されるかも」という危機感があるからこそ、相場を意識した適切な見積もりが出やすくなります。
最初からボッタクリを目的としているような悪質業者はすっかり少なくなったので、その心配をする必要は薄れているとは思いますが、「騙されているのではないか」という疑心暗鬼を解消する意味でも相見積もりは意義があります。
ネットを使って相見積もりを簡単に取れるサービスもあるので、そういったサービスを利用すれば必要事項を入力して送信するだけで同時に複数のリフォーム業者などに見積もり依頼を出すことができるので、とても便利です。
- 外壁塗装110番
https://www.gaiheki110.com/ikkatsu/
こちらは有名な一括見積もりサイトですが、他にもあるので色々と探して試してみてはいかがでしょうか。
(2)過度な値引き要求をしない
相見積もりを取ることには値引きという目的も含まれているわけですが、ここで注意したいのは価格ありきで比較検討をしてはいけないということです。すでに述べてきたように外壁塗装には適正価格の相場があります。それを大きく逸脱するような値引きを要求するのは、「100円のものを10円で売ってほしい」と無理難題を言っているのと同じです。
価格だけで業者選びをしてしまうと、不自然に安い業者に依頼をしてしまい、最終的に大損をしてしまうという失敗につながる可能性が高くなります。値引きの要求は、あくまでも相場にもとづく適正価格の範囲内を心がけましょう。
(3)必要な工程や材料までケチらないこと
前項と同じく、とにかく安くしたいあまりに必要な工程や材料までケチろうとするのは感心しません。その工程や材料が見積もりに盛り込まれているのは必要だからであり、必要なものまで省いてしまうと、そのツケは必ずどこかで表面化します。
費用を抑えるために安い塗料を選ぶと、当然ながら耐久年数は短くなります。その結果、外壁塗装が必要になる時期が早く来てしまったら、最終的な出費は多くなります。「安物買いの銭失い」という言葉がありますが、まさにその通りです。
外壁全体を塗装すると高くなるので、面積を少なくするために最小限の面積に抑えて部分補修をするという場合も同じです。前回の塗装が同じ時期に施工されたのであれば、見た目にまだ大丈夫そうであっても見えないところで劣化は同じように進んでいます。費用を抑えて外壁塗装を終えたものの、次は今回塗装しなかった部分の劣化が目立ち始めることでしょう。
(4)時間的余裕をもって外壁塗装の計画を立てる
費用を抑える知恵のひとつとして、時間的な余裕を持つことは有効です。外壁塗装の繁忙期となる年末近くや年度末近くの時期は避け、業者を急かすことなく依頼をすれば、業者にとって手の空いた時に工事ができるため、その分値引きをしてもらう余地が生まれます。
逆に工事を急かすと、業者にとっては他の仕事を止めることにもつながるため、値引きに応じてもらいにくくなるばかりか、特急料金のような意味合いの費用上乗せが発生します。
(5)地域特性を無視したコストダウンをしない
外壁は家の中でも最も過酷な役割を担っています。風や雨、雪、太陽光といった自然からのダメージから家を守る重要な役割を果たしているので、こうした自然からのダメージがどの程度あるのかという地域特性を無視することはできません。
典型的なのが、海から近い場所で外壁に潮風が当たる家の場合です。潮風はダメージが大きく、同じ外壁塗料を使っていても早く劣化します。この場合は耐久性の強い塗料を選択するべきですし、直射日光がよく当たる場所であれば遮熱性の高い塗料を選ぶことで室内の温度への影響を食い止めるなどの工夫が必要です。
このように地域特性を理解した外壁塗装にすることにより、結果として外壁塗装のサイクルが長くなって総費用を抑えることができますし、直射日光が強いところで遮熱性の高い塗料を使えば空調コストが抑えられるため、こちらもトータルで費用を抑えることにつながります。
目先のコストだけでなく、あらゆる要素を考慮した上で「最終的にオトクになる」というのが理想的なコストダウンなのです。
4、外壁塗装で失敗しないための業者選びポイント5つ
ここまでの解説をお読みになって、結局は外壁塗装の成否を分けるのは業者選びであるとお感じになっていることと思います。そこで、外壁塗装で失敗しないための業者選びについて重要な5つのポイントを解説します。
(1)格安を売りにしている業者にはリスクがいっぱい
100万円クラスの費用規模になる外壁塗装だけに、少しでも安くしたいという思いが強いと、どうしても格安を売りにしている業者に目が行きがちです。しかし、安いということは必ず何か理由があります。
考えられる理由としては・・・
- 後で何らかの理由をつけて追加料金を取って調整しようとしている
- 経験の浅い職人、もしくは職人でもないような人が施工する
- 見積もりとは違う材料、粗悪品などを使おうとしている
ある程度までの安さであれば企業努力の成果かも知れませんが、それには限界があります。あまりにも安い業者には上記のようなリスクが付きまとうので、選択しないのが無難です。
(2)見積書の「一式」にご用心
2、で見積書の見方を解説しましたが、業者によっては見積書がそこまで詳細に書かれておらず、何もかもが「一式」という表記になっている場合があります。
ここから読み取れるのは、いい加減な見積もりをしているか、もしくは内訳を明かせない理由があるのか、いずれもロクな理由ではないので、そういった業者は避けるか一式になっている理由を尋ねてみてください。
「分かりにくいと思って一式にしました」というような曖昧な返答しかないようであれば、その業者は選択肢から除外して問題ありません。それぞれの項目が単価×面積になっており、それらが積算された見積書であることは比較検討の大前提です。
(3)できるだけ地元の業者に依頼する
見積もりの内容にそれほど大差がないのであれば、できるだけ地元の業者に依頼をするのが無難です。理由はたくさんあるのですが、重要な順から並べるとこうなります。
- 地元だけが営業エリアなので逃げも隠れもできず誠実な対応が期待できる
- 移動コストが少なくその分諸費用を安くできる
- アフターサービスにおいても迅速な対応が期待できる
根底にあるのは「逃げも隠れもできない」ということなので、一人ひとりの顧客を大切に扱ってくれる可能性が高いことは、依頼側にとって大きな安心感となります。
(4)ネットだけでなくアナログ情報にもアンテナを張っておく
いざ外壁塗装をしようと思い立った段階になってから業者を探すよりも、普段から何となくアンテナを張っておくことが理想です。近隣のフリーペーパーや折り込みチラシなどには地元の有力な業者が広告を出していることが多く、こうした媒体でよく目にする業者があれば、何かあった時に相談してみようという具合に業者名を覚えておくと良いでしょう。
これは外壁塗装などリフォームなどに限らず、数年ないし十数年に一度程度という周期で必要になるようなもの全般で意識しておくと良いと思います。
(5)最後に頼りになるのは口コミ
前項では敢えてアナログな手法による情報収集の重要性を説きましたが、究極のアナログ情報収集といえば、何といっても口コミに勝るものはありません。特に地元の業者に依頼する予定なのであれば、近所の口コミ情報は予想以上に頼りになるはずです。
筆者は浴室の給湯器を買い換える際に、商店街で聞き込みをした経験があります。商店街の人たちが口々に良い評判を教えてくれた業者に依頼したところ、とても誠意のある対応をしてくれたので満足しています。
土地柄によってはそういったコミュニティがあまりないかも知れませんが、可能な限り人の口から出た評判に耳を傾けるようにしておくと、ネットでは到底得られないような良質な情報に接することができます。
もちろんネット上の口コミ情報も、取捨選択をすれば十分活用できます。ただし、ネット上の口コミはスポンサーの意を汲んで書き込まれているものも含まれているため、すべての情報を鵜呑みにしないほうが賢明です。
5、ご存じですか?外壁塗装の費用をさらにオトクにできる減税制度
外壁塗装の費用を少しでも安く、オトクにしたいという方のために、最後には減税という別の視点からのコストダウンに触れたいと思います。業者に支払うお金を値切るよりも、こちらの方法で税金が戻ってくるように手続きをするほうがスマートでオトクだと思います。
(1)外壁塗装の費用で住宅ローンを利用すると減税になる可能性
詳しい要件については次項で解説しますが、外壁塗装に要した費用のために住宅ローンを利用すると、その分が控除されて所得税の減税対象になる可能性があります。リフォームなど住宅にお金をかけることを促進するための制度なので、適用の可能性がある方はぜひとも利用したいところです。
(2)外壁塗装の費用で減税を受けるための要件
こちらが、外壁塗装の費用支払いで減税を受けるための要件です。ご自身の外壁塗装がこれらに該当するかどうか、チェックしてみてください。
- 自己居住用の住宅である
- 工事費用が100万円以上
- 返済期間が10年以上の住宅ローン
- 建物の床面積が50平方メートル以上
- 本人の年間所得が3,000万円以下
この記事をお読みの方は、これから外壁塗装をお考えの方が大半だと思います。これから外壁塗装を行うにあたって、上記の要件に該当するようにして減税を受けるようにすると数万円単位で税金が戻ってくるようになります。
施工業者に相談する際には、この減税についても希望を伝えると良いでしょう。
(3)必要書類と手続き方法
外壁塗装の費用で減税を受けるために必要な書類は、以下の通りです。このうち、一番上の「増改築等工事証明書」は施工業者が発行するものなので、減税適用を希望する場合は事前に業者にこの書類が出るかどうかを確認しておきましょう。
- 増改築等工事証明書(業者が作成)
- 住宅ローン残高証明書
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(税務署)
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
その他、会社員は源泉徴収票が必要
これらの書類を揃えて、外壁塗装工事を行って代金を支払った時から直近の確定申告時期になったら、税務署に確定申告をします。
(4)減税に詳しいリフォーム業者に依頼するのがオススメ
減税を受けるために必要な要件や書類、手続き方法について解説してきましたが、「ちょっと難しそう」とお感じになった方もおられると思います。もちろん施工業者の多くはこのことを知っていて精通しているので、事前に減税の件も含めて相談をしておけばしっかりとサポートしてくれるので、ご安心ください。
もっとも、こうした手続きにあまり詳しくない業者だと思ったら、それを判断材料にして他の業者を選ぶというのもひとつの方法です。
まとめ
外壁塗装を検討されている方にとって最大の関心事である、費用や相場の問題。それを解決するための情報や、失敗しない業者選びや減税という視点でコストダウンをする方法などを網羅してきました。
費用の問題を解消したら、あとは実行あるのみ。特に外壁塗装の必要性をお感じなのであれば早めのほうが効果も大きくなるので、ぜひ情報収集から始めてみてください。