• 不動産投資
  • 2020/4/28 (更新日:)

実はニーズが多い戸建て住宅、今注目を集める戸建て賃貸の魅力とは?

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一口に不動産投資といっても一棟アパートや区分マンション、シェアハウスなど種類はさまざまです。それぞれにメリットとデメリットの両方がありますが、なかでも戸建て賃貸はその特殊性からライバルが少なく、不動産投資家から注目を集めています。

しかし、戸建て賃貸は一棟アパートや区分マンションに比べて市場に出回っている数はそれほど多くありません。そのため、興味があってもどのようなメリットやリスクがあるかをよく理解できていない人もいるのではないでしょうか。そこで、この記事では戸建て賃貸の概要やメリットおよびリスク、経営を成功に導くポイントまで紹介していきます。

初心者が知っておくべき不動産投資のバイブル
初心者が知っておくべき
不動産投資のバイブル
  • 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
  • 営業マンのいうことを鵜呑みにして失敗したくない…
  • しっかりと基礎から学び、できる限りリスクを避けたい…
  • 今は不動産投資の始めどきなのか?
  • 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
  • 不動産投資の失敗例から学ぼう


1、戸建て賃貸って何?

戸建て賃貸とは、「戸建て住宅を賃貸して家賃収入を得る方法」です。不動産投資歴の浅い人ほど、賃貸経営というと「一棟アパートや区分マンション」というイメージが強いでしょう。たしかに、一棟アパートや区分マンションによる不動産投資を行っている人が多いのは事実です。だからといって、戸建て賃貸が投資先として劣っているわけではありません。むしろ、戸建て賃貸ならではのメリットがあることから、注目を集めつつあるのです。

戸建て賃貸という形態自体はかなり昔から存在していました。かつての戸建て賃貸は、リロケーション、つまり居住者が自宅として所有していた物件を転勤など個人的な事情で一時的に貸し出すといったケースがほとんどでした。そのため、戸建て賃貸のニーズはそれなりにあるのに、アパートやマンションに比べると市場に供給される物件の数は多くありません。つまり、不動産投資のなかでも比較的競争相手が少ないのが特徴です。

かつての戸建て賃貸は「もともと居住用だった物件を貸し出す」という性質上、どうしても古いデザインの物件が多く、なかなか借り手が見つからないケースがあったのも事実です。しかし、築古物件をリノベーションしたり、賃貸用の新築戸建てを建設したりするという手法で問題点を解決している不動産投資家もいます。

このように、「競争相手が少ない」「問題点も解決可能な場合が多い」といった理由から、不動産投資としての戸建て賃貸の人気は高まりつつあります。では、一棟アパートや区分マンションに比べて、どのようなメリットやリスクがあるのかを、次の段落から具体的に見ていきましょう。

2、戸建て賃貸投資のメリット

(1)少額から始められる

築古の木造戸建て物件はマンションや一棟アパートに比べて比較的安く購入できます。区分マンションや一棟アパートの購入には1000万円以上の費用がかかることも多いですが、築古の木造戸建て物件であれば数百万円単位で購入できるケースも珍しくありません。不動産投資には多額の費用がかかるので、「なかなか勇気を出して一歩踏み出せない」という人でも、比較的挑戦しやすい点はメリットです。

また、少額から始められるため、自己資金が少ない人でも不動産投資を始められる点もメリットでしょう。区分マンションや一棟アパートでは多額の借り入れが必要になるケースも多く、融資の審査が難航する可能性もあります。それに対して、戸建て賃貸は多額の融資が必要ないケースも多く、頭金をたくさん用意できない人でも取り組める可能性があります。

(2)利回りが高い

戸建て賃貸は物件の購入にかかる費用を抑えられるため、利回りが高くなるケースも多いです。なぜなら、表面利回りの計算は「家賃収入÷物件価格」だからです。物件の購入価格を安くできれば分母が小さくなるため、同じ家賃収入であっても利回りは高くなります。

また、戸建て賃貸は上述したように、競争相手となる物件が少ないのが特徴です。区分マンションや一棟アパートであれば、近隣の競合物件と比べて設備や家賃などで差別化を図らなければいけません。

しかし、戸建て賃貸でそのような心配をするケースはあまりないので、周辺物件と家賃の値下げ競争が起こるのはまれです。結果的に家賃を高く保ったまま入居募集を開始でき、利回りの向上につながります。

(3)立地条件が厳しくない

戸建て住宅は主にファミリー層をターゲットにした物件なので、アパートやマンションほど駅近にこだわって物件を探す必要はありません。なぜなら、駅近は「飲食店などもあり小さい子どもがいると治安の面で心配」といった理由で敬遠される可能性があるからです。

むしろ、戸建て賃貸は郊外にあるほうが「自然が豊か」「街中のように騒々しくない」などの理由から好まれるケースもよくあります。

立地条件が厳しくないというメリットは、物件の購入価格を安く抑えるという点でもメリットです。一般的に駅近で周辺に商業施設があるような物件ほど利便性が良く、不動産価格は高くなる傾向にあるからです。反対に、郊外にある築古の木造住宅であれば街中にあるマンションやアパートに比べてかなりお得に購入できるでしょう。

(4)入居期間が長い

前述したように、戸建て賃貸のメインターゲットはファミリー層です。子どもがいる世帯は引っ越しをすると通う学校が変わる可能性があり、それを避けるため入居期間が長くなる傾向にあります。

つまり、戸建て賃貸は一般的なアパートやマンションに比べて、空室リスクを低減できる点はメリットです。また、頻繁に入退去があるとハウスクリーニングや壁紙の張替えなどの原状回復費用がかかってしまいますが、そうした支出を抑えられる点も魅力だといえます。

(5)管理がしやすい

戸建て賃貸とアパートやマンションの大きな違いとして、「共有部分の有無」があります。当然のことながら、廊下や駐車場といった共有部分の管理は本来ならオーナーが行わなければいけません。物件の大きさにもよりますが、廊下の清掃および電灯交換や駐車場の草取りなどで管理にかなりの労力がかかる場合もあります。

それに対して、戸建て賃貸は敷地全体を貸し出す形になるので、基本的に共有部分は存在しません。共有部分の管理をしなくて良いという点はメリットです。

また、戸建て賃貸で入居するのは1つの物件につき一世帯なので、入居者同士のトラブルに悩まされない点もメリットだといえます。騒音などのトラブルは個人差も大きく、容易に解決できないケースも少なくありません。戸建て賃貸のほうがアパートやマンションに比べてオーナーの負担は減るでしょう。

(6)リノベーションの自由度が高い

木造物件はSRC造やRC造で建築されているアパートやマンションに比べてリノベーションしやすい点はメリットです。SRC造やRC造のなかでも「壁式構造」と呼ばれる工法で建設されている物件は壁が建物を支えるように設計されているため、簡単に間取り変更できません。

それに対して、木造物件は比較的加工しやすいので、間取り変更や増床といったリノベーションにも対応できるケースが多いです。築古物件を安く購入してリフォームした後で、高い家賃を設定するといった計画を立てやすいでしょう。

(7)売却がしやすい

戸建て賃貸はアパートや区分マンションに比べて、売却しやすい点も特徴です。なぜなら、一棟物アパートや区分マンション(とくにワンルーム)は家賃収入を得るための収益物件としての売却がメインになるため、基本的には不動産投資を目的にする人しか対象者になりません。

それに対して、戸建て賃貸なら購入者自らが住むことを目的にする実需物件として売却することもできます。不動産投資に興味がない人にも売却できる可能性があるというのは対象者を広げるという点において大きな意味があるでしょう。

特に戸建て賃貸は入居年数が長くなるケースが多いので、周辺環境や物件に愛着がわき、そのまま暮らしたいと考える入居者も一定数います。一般的に古い物件は購入者が限られてくるものですが、築古物件でも購入希望者が自ら声をかけてくれる可能性があるのは出口戦略を考えるうえで大きなメリットです。

3、戸建て賃貸投資のリスク

(1)融資を受けにくい

戸建て賃貸投資は一棟アパートや区分マンションに比べて自己資金が少額でも取り組める可能性が高い点はメリットです。一方で、木造の築古物件でもそれなりの融資を必要とするときに、融資を受けにくい場合があります。

なぜ戸建て賃貸では融資が受けにくい場合があるかというと、木造物件は法定耐用年数が短く、融資の際の担保としての価値が低いケースがあるからです。法定耐用年数は物件の用途と、構造によって法律で決まっています。木造住宅の法定耐用年数は22年なのに対して、鉄骨造は19~34年、RC造は47年です。

法定耐用年数と建物の寿命が必ずイコールの関係になるわけではありませんが、一般的には法定耐用年数の残存年数の長い建物ほど価値が多く残っていると判断されます。木造の築古物件のなかにはすでに法定耐用年数を超えてしまっている物件もあり、そうした物件の購入にあたっては金融機関から融資が受けられない可能性があります。

その場合は、比較的審査が通りやすい日本政策金融公庫やノンバンクを利用したり、現金で購入を余儀なくされたりするケースがあるのです。

(2)空室が生じると家賃が0になる

区分マンションにも言えることですが、戸建て賃貸投資も1物件につき一世帯の入居という形態です。そのため、入居者が退去してしまうと、家賃収入が途絶えてしまいます。ローンの返済が残っている場合、いきなり家賃収入がゼロになってしまうとかなりつらい状況に陥るかもしれません。また、賃貸住宅はたとえ入居者がいなくても、所有しているだけで固定資産税や火災保険の支払いなど、さまざまな支出があります。

戸建て賃貸投資は基本的に高い利回りが期待でき、入居期間も比較的長いのですが、万が一空室になったときのことを考えて普段から資金的な余力を蓄えておくことが重要です。もしも、空室が発生したときはファミリー層の引っ越しが多い年度末には必ず入居が決まるように、不動産仲介会社へ早めに依頼をかけておく必要があります。

(3)思いがけない瑕疵

築年数の古い物件を狙う戸建て賃貸投資は瑕疵担保責任でトラブルが発生した際に、買主が不利になりやすい点には注意しなければいけません。戸建て賃貸投資に限らず、個人間同士の不動産取引は売主が瑕疵担保責任を限定するケースが多いです。

瑕疵担保責任は民法上、「買主が瑕疵を見つけたときから1年間は売主に責任を追及できる」という規定になっています。ところが、個人間取引では売主もプロではないため、細かな部分まで責任を負いたくないと考える人が多いです。

その結果、「引き渡し後3ヶ月」や「一切の瑕疵担保責任を負わない」という内容にしないと契約がまとまらないケースもあります。特に築古物件ほど瑕疵が見つかる可能性が高いため、中古の戸建て住宅を購入する場合は、あらかじめ瑕疵担保責任について確認しておきましょう。

(4)リノベーション費用がかかる

基本的に築古物件ほど残存価値が減少するため、安く手に入れやすい傾向にあります。ただし、その反面古い建物ほど老朽化しているため、リノベーション費用がかかりやすい点はデメリットです。

内装や水回りのちょっとした補修程度であればよいのですが、屋根や柱といった主要構造部分が傷んでいる場合はかなり大がかりな工事が必要になるかもしれません。購入費用とリノベーション費用を合わせて、結果的に新築物件を購入する場合と大差ないほどの費用がかかってしまっては本末転倒だといえます。

購入を検討するときは、物件自体の購入価格だけでなく、リノベーションにどれぐらいの費用がかかるかも試算してトータルでメリットのある物件を選びましょう。

4、築古か新築か、戸建て賃貸投資の戦略

(1)築古物件を再生させる

戸建て賃貸投資で、とにかく高い利回りを追求したい人は「築古物件の再生」に取り組むことをおすすめします。築古物件は新築に比べて購入価格が安いケースが多いので、リノベーションして賃貸すれば高い利回りを狙えるからです。

築古物件の再生にあたって重要なポイントは2つあります。1つ目のポイントは「できるだけ安い物件を購入すること」です。築年数自体は古い建物なので、いくらリノベーションをしても新築物件と同じような家賃設定をすることはかなり難しいでしょう。

それに対して、「築古物件だから」という理由で購入価格を値切れるケースは珍しくありません。利回りを高くするためには「家賃設定を高くする」「投資費用を安く抑える」の2つを実行することが重要ですが、築古物件の場合は後者をより強く意識したほうがよいです。

2つ目のポイントは、「周辺地域のニーズにマッチした物件を選ぶこと」が挙げられます。戸建て賃貸住宅は、アパートやマンションに比べて立地条件が多少悪くても問題ないケースが多いです。ただし、周辺地域の需要にマッチした物件でないと、入居者がなかなか見つからないという点は同様です。

たとえば、周辺の賃貸住宅の空室率が高い場合には、「もともと人気のないエリア」だということが分かるでしょう。そのようなエリアで戸建て賃貸投資を始めても苦戦するのは目に見えています。投資する前に「商圏の賃貸需要」「人口動態」「家賃相場」などを調査しておき、ニーズにマッチしているかを確認しておきましょう。

(2)新築の戸建て賃貸商品の購入

より長期的な視点で戸建て賃貸投資を考えている人は、メーカーが発売している新築の戸建て賃貸商品を購入したほうがよい場合もあります。新築物件は購入価格が築古物件に比べて高くなりがちですが、担保価値も高いので不動産投資ローンを組みやすい点はメリットです。

新築戸建て投資を行って不動産投資の経験を積み、自己資金が再び溜まってきたら担保価値の高さを活かして2軒目、3軒目と買い進めていくこともできます。新築物件なのでしばらくは大きな修繕の心配もなく、長期的な投資計画を立てやすい点もメリットでしょう。

ただし、新築戸建て投資は購入価格の高さから、利回りはあまり期待できません。築古物件に比べると利回りは低くなるケースが多い点には注意しましょう。

(3)自分で企画する新築戸建て賃貸

戸建て賃貸投資はあくまでも戸建て住宅を貸し出す投資なので、メーカーから購入するのではなく自分で地元の工務店などに建設を依頼して始めることも可能です。自分で企画する場合のメリットは、メーカーから購入するよりも投資金額を安く抑えられる点が挙げられます。

メーカーが販売している物件は、一般的に建築費に加えて手数料や広告費などが上乗せされているからです。自分で企画する場合は、そのような費用がかからないので安くなり、結果的に利回りの向上に役立ちます。また、自分の要望を反映させられるので、自由度の高い物件にできる点もメリットでしょう。すでに土地を所有している場合には検討してみる価値のある投資方法です。

ただし、当然のことながらオーナーは諸々大変です。知り合いの業者がいればスムーズに話が進むかもしれませんが、ゼロから始める場合はかなりの時間と労力がかかるでしょう。どちらかというと上級者向けの方法なので、初心者のうちは別の方法を検討することをおすすめします。

まとめ

融資金利の低下によって不動産投資は人気が高まり、実際に多くの人がアパートやマンションの経営をしています。しかし、戸建て賃貸はあまり多くないので競合相手となる物件が少なく、高い利益を期待できることも珍しくありません。

空室リスクなどのデメリットがないわけではありませんが、事前に対策をとっておけば解決できる問題も多いです。不動産投資を検討している人は、今回紹介した「戸建て賃貸投資の戦略」を参考に、戸建て賃貸投資について前向きに考えてみてはいかがでしょうか。

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