戸建ての中古不動産、新築戸建て不動産、どちらにしようか迷う……。
マイホームの購入を検討されている方の中には、中古の戸建て不動産を買おうと検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
戸建てには、新築の戸建て不動産と、中古の戸建て不動産の2つの選択肢があります。
今回は、新築の戸建て不動産との違いを知りたい方のために、
・中古の戸建てのメリットやデメリット
・新築戸建住宅との比較
以上の2点を、不動産投資についてのコンテンツを発信している当メディア「不動産投資の教科書」が紹介します。
さらに、中古戸建て不動産の購入を本気で考えている方のために、
・中古住宅を選ぶ際に気をつけるべきポイント
・中古戸建てリフォームのポイント
もあわせて紹介します。
今回の記事で、不動産購入の少しでも助けになれば幸いです。
目次
1、戸建て中古不動産のメリットデメリット
中古でも、戸建てであれば土地と建物は自分の所有物となります。
中古戸建ては、内装や外観を自分好みにリフォームできることで、人気があることも事実です。
本章は、そんな中古戸建て不動産の
・メリット
・デメリット
・新築戸建てとの比較
以上の3点を紹介します。
(1)メリット
①費用が抑えられる
中古戸建てのもっとも大きなメリットは、なんといっても価格の点になるでしょう。
新築戸建てに比べれば、販売価格の費用が大幅に抑えることができます。
特に、木造建築は20年で価値がほとんどなくなるため、土地の値段だけで購入できる物件もあります。
②リフォームやリノベーションが可能
最近では、費用を抑えて中古戸建てを購入して、リフォームやリノベーションをする方が増えています。
リフォームやリノベーションによって、安く購入した中古の戸建て不動産が、自分好みの理想の家にすることができます。
リフォームやリノベーションによっては、新築と同じような状態にすることも可能です。
③中古物件は見学可能
中古の戸建ては、見学して購入を検討することができるため、
・写真でわからない部屋の細かい傷や汚れ
・生活動線
・日当たり
・間取り
・近隣の環境
などといった、求めている情報が具体的に手に入ります。
(2)デメリット
①設備が古い
中古戸建てのもっとも大きなデメリットは、設備が古いことです。
中古物件ということで設備が古いのは仕方のないことですが、年数が経過しているほど建物が傷んでいることが多いです。そのため、築年数を少なからず気にして購入を考えなければなりません。
物件によっては、早い時期に想定していなかったリフォームやメンテナンスをしなければいけない時もあります。
特に、水回りは痛みが出やすいので、中古戸建ての物件を選ぶ際には必ず確認しましょう。
しかしながら、「(1)②リフォームやリノベーションが可能」で説明したように、設備が古くてもリフォームなどで新築同様に改善することができます。
設備が古いのは、中古戸建ての最大のデメリットになりますが、簡単に改善方法があります。
②維持費
先ほど「(1)メリット ①費用が抑えられる」で紹介した通り、中古戸建ては物件価格を抑えることができる一方で、購入後に維持やメンテナンスに費用がかかる場合があります。
「(2)デメリット ①設備が古い」の通り、中古物件なので設備が古く、想定外の修繕工事やメンテナンスに費用がかかる場面があります。
直すところが多すぎて、新築戸建てを購入する費用と変わらないことにならないように、中古戸建てを購入するならば、慎重に選びましょう。
中古戸建てを購入するならば、想定外の出費に対応できるために一定のお金を準備しておかなければなりません。
③耐震性
中古の戸建て不動産を購入するならば、必ず耐震性は確認しなければなりません。
1981年に、新耐震基準の施行によって大地震に耐えられるかのチェックが行われました。
1981年以前の建物は、旧耐震基準の建物です。中型の地震には耐えられるように設計していますが、大型の地震に耐えられるかのチェックはしていません。
1981年以前の旧耐震基準で建てられた家は、震度6〜7の大地震が起きた場合、損傷だけでなく倒壊してしまう可能性があります。
日本は地震が多い国です。万が一のことを考えて、中古の戸建て不動産を選ぶのであれば、必ず1981年以降に建設された物件を選ぶと良いでしょう。
(3)新築戸建て不動産との比較
中古の戸建て不動産と、新築の戸建て不動産の違いを知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
基本的に中古の戸建てのメリットは、新築戸建てのデメリットであり、中古の戸建てのデメリットは、新築戸建てのメリットになります。
中古の戸建てと比較して、新築の戸建ての違いは以下の通りです。
①物件価格が高い
新築の戸建ては中古の戸建てに比べると、価格が大幅に高くなります。
戸建てを購入するならば、土地も同時に購入することになるので、費用が嵩み憧れのエリアに住めないこともあります。
②新築
やはり、新築戸建ての最大のメリットは、「新築だから」ということです。
新築であれば、未入居の状態で過去に誰も住んでいないので、家の全てが綺麗な状態です。
さらに、進化している最新の設備を導入したり、耐久性にも優れています。
新築に住めば、中古では感じることができない満足感を得られることができます。
③税金
新築物件は、中古に比べて購入時の税金が優遇されます。
・固定資産税
・登録免許税
・不動産取得税
この3つの税金は、新築物件に対して軽減措置があります。
④瑕疵担保責任の義務
新築の戸建て不動産には、販売した事業者に10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。
瑕疵担保責任というのは、傷や欠陥、不具合などの契約時には記載がなかった瑕疵があった場合に、売主が責任をもつことです。
10年間の瑕疵担保責任があれば、長い間安心して暮らせることができます。
2、中古戸建て不動産を選ぶ際に気をつけるべきポイント
(1)築年数
中古の戸建て不動産を選ぶ際は、築年数を気にしなければなりません。
家が建ってから年数が経過していればいるほど、設備の古さが目立ちます。
そして、中古戸建ての物件で築年数が20年以上経っている場合、住宅ローン控除が受けられないことがあります。
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して、一定の条件を満たせば所得税の還付が受けられることです。
木造建築の中古戸建ての物件は築年数が20年以内、鉄筋コンクリートや鉄骨造のような耐火建築物は築年数25年以内でないと控除を受けられません。
ただし、耐震基準に適合する建物である場合は、築年数にかかわらず控除が受けられます。
(2)床下や天井
床下や天井の環境、壁などは必ず確認しましょう。
床下のシロアリや天井の雨漏りなどは、中古住宅でよくある被害です。
雨漏りをして木材が濡れると、シロアリが寄って来ます。
見学する際に、壁に雨染みのようなものがあれば、雨漏りがある物件なので再度検討しましょう。
定期定にメンテナンスを行っている物件を選ぶようにすれば、リスクは最小限にすることができます。
(3)瑕疵担保責任
「1、戸建て中古不動産のメリットでメリット」の(3)で紹介したように、瑕疵担保責任というのは、傷、欠陥、不具合などの契約時には記載がなかった瑕疵があった場合に、売主が責任をもつことです。
新築物件の場合には10年の瑕疵担保責任が義務付けられていますが、中古物件の場合は、最低2年以上瑕疵担保責任を設けることが定められています。
ただし、個人の売主から購入する場合は、売主と買主の間で交渉によって決められます。
一般的には、1〜3ヶ月程度になることが多いです。
「3年住んでみて瑕疵が見つかった。けど、瑕疵担保責任の期間が終わっている……。」
以上のようになると、売主に瑕疵責任を問うことはできずに、修理や補修などは自己負担になります。
重要事項説明の際に必ず説明されるので、これから住む物件がどれくらい瑕疵担保責任の期間が適用されるのか、聞き逃さないようにしましょう。
中古物件には瑕疵責任に3つの種類があります。
①物理的瑕疵
・雨漏り
・シロアリ
・排水管の故障
などといった、物理的な瑕疵があります。
②心理的瑕疵
・騒音
・近隣トラブル
・訳アリ物件
などといった、心理的な瑕疵になります。
③法律的瑕疵
・土地の境界線が違う
・近隣の建築計画
などといった、法律的な瑕疵があります。
(4)検査済証の有無
中古の戸建て不動産を探していると、「検査証無し」という物件を見かけます。
検査証がない物件は、できる限り避けましょう。
家を建てるときに、建築基準法や自治体の条例に適合しているか申請して承認を受けると、建築確認証が発行されます。
検査証は、工事完了後に建築確認通りに建ててるかどうか確認されると発行されます。
しかし、この建築確認証と検査証は、費用と手間の関係で戸建て住宅の場合ほとんど申請せずに発行されてない物件が多いです。
検査証がないと、以下のようになる場合があります。
・違反建築物の可能性がある
・住宅ローンを組めない場合がある
・増築や使用用途の変更ができない
・資産価値が下がる
・完了検査をしていない場合、検査証は再発行ができない
以上の通り、検査証がないと困る場面は多くあるので、中古の戸建て不動産を購入する前に販売会社に検査証の有無を確認しましょう。
3、中古戸建てリフォームのポイント
中古の戸建て不動産を購入を考えている人の中には、リフォームやリノベーションして住もうとしている方も多いと思います。
そんな方に向けて、本章では、中古戸建てを購入してリフォームをする際の注意点やポイントを紹介します。
(1)構造
住宅の強度において、構造部分がどのような状態であることは非常に重要です。
特に、地震などによる倒壊を防ぐために設置された耐力壁の筋交いの位置や、柱の位置が適正化確認しましょう。筋交えが適正に入っていなければ、必ず補強をします。
建物の内部は、外観からはわかりません。自分で確認することはできないので、住宅診断士に一度診断してもらいましょう。
(2)断熱性能
中古の住宅は、断熱材の性能が良くない場合があります。
住宅の断熱性能は、省エネ法で定められていますが、徐々に変化しています。
新省エネルギー基準が制定された1992年以前の住宅は、現在の住宅と比べて断熱性能が非常に悪く、「夏は暑い、冬は寒い」という住宅が多いです。
断熱リフォームを加えることで、快適に過ごせる中古の戸建て不動産に変わります。
(3)水回り
住宅の中でも特に痛みやすく、汚れが目立ってしまうのがキッチンやトイレ、浴室の水回りです。中古住宅を購入する際に、リフォームする方が一番多い場所です。
水回りは、以前住んでいた方が使っていたものをそのまま使うとなると、抵抗がある方もいるかもしれません。
築20年以上経過している中古住宅であれば、水回りの老朽化が進んでいるので、全てリフォームした方が後に面倒がなくて良いでしょう。
水回りが綺麗だと快適に生活することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は中古の戸建て不動産の購入を検討している方のために、メリットやデメリットに加えて、物件選びのポイントやリフォームのポイントを紹介しました。
中古の戸建てを購入して、リフォームする方法は「安く、快適に住む」ための一番合理的な方法だと思います。
本記事が、中古の戸建ての購入を迷っている方の助けに少しでもなれば幸いです。