空室対策をしているかしていないかでは、不動産投資の成否を分けます。
不動産投資では、空室リスクを最も懸念される方が少なくないないのではないでしょうか。
実際に投資物件を購入したのはいいものの、空室になってしまい、安定した収益が得られない上に、空室でも支払わなければならない管理費や融資への返済などで困っている方も多いでしょう。
今回は、空室になった場合にやっておくべき5つの空室対策を「不動産投資の教科書」が紹介します。
なかなか入居者が決まらず、悩まれているオーナーさんのご参考になれば幸いです。
その他の不動産投資におけるリスクに関しては、不動産投資の10個のリスクと回避策を徹底解説も併せて参照ください。
不動産投資のバイブル
- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
空室対策とは、賃貸物件に空室が出ないよう、オーナーや管理会社が家賃の見直しや、リフォームで空室が出ないよう魅力的な物件を維持するためにとる対策のことです。
目次
1、空室対策するなら、まず現状を知ろう
空室対策を紹介する前に、まず現在の日本の住宅の空室率の現状を把握しておきましょう。
(1)現在の空室状況について
株式会社タスが今年11月に発表したデータでは、1都3県の賃貸住宅の空室率は以下の通りです。下記のグラフの通り、全ての地域において下落傾向にあります。
東京23区や千葉県が31ポイントなのに対して神奈川県は35ポイントと、地域によって空室率に差があります。
そのため、不動産投資で成功するにはエリア選びがかなり重要と言えます。
出典:株式会社タス「賃貸住宅市場レポート」(2022年2月版)
(2)なぜ空室率が下がっているのか?
では、なぜ空室率が下がっているのでしょうか?
新型コロナウイルスによるテレワークの浸透などにより、都心郊外や地方にうつる傾向にありましたが、徐々に都心部の人気が戻ってきていると考えられます。
しかし、コロナ禍以前の水準よりは空室率が高くなっているため、物件の需要に対して供給量が多い状態が続いていると言えるでしょう。
(3)なぜ新設賃貸物件が増加しているのか?
では、なぜ賃貸のニーズが減っているにも関わらず新設賃貸物件が増えているのでしょうか?
その背景にあるのは「相続税の節税対策」です。 2015年1月から、基礎控除額が4割引き下げられたため、課税対象者が改正前と比較して年間約5万人の1.5〜2倍に増えたと言われています。 賃貸物件は、人に貸しているとのことで、相続税の課税対象として評価額が更に大きく下がります。
そのため、個人の節税対策としてアパートなどの賃貸物件の建設が急増しています。 これは、都市部に限らず地方でも同様の現象が起きています。このような賃貸物件の増加が要因となって空室率が上昇傾向にあるのです。
賃貸住宅の空室率が上昇し続ける原因について詳しくは「室率の推移は?首都圏のデータと影響を与える要因」を参考にしてみて下さい。
2、 やっておくべき空室対策4選
今後も空室率は上昇傾向にあります。その中で、様々な対策を試してもなかなか入居者が決まらず困っているオーナーさんもいらっしゃるでしょう。
(1)空室対策①|家賃相場を知る
空室になる原因の一つとして、家賃が相場より高くなっていることが考えられます。対策を行う前にまず現在設定されている賃料が適切であるかどうかを確認するようにしましょう。
LIFULL HOME‘Sなどのポータルサイトでは「無料」にて調べることができます。気になる方はぜひ利用してみて下さい。
①LIFULL HOME‘S
②CHINTAI
(2)空室対策②|家具や家電などつけてすぐ入居できるようにする
賃貸物件を借りる際に、
- 家賃
- 仲介手数料
- 敷金
- 礼金
- 管理費
- その他鍵交換代、保証料など
など様々な費用を合わせると、初期費用として大体家賃の3〜6ヶ月分がかかると言われています。
更に、家具や家電なども新規で購入するとなるとかなりの出費となります。そこで、あなたの物件は家具と家電付きにすると、その分の出費を節約することができるので、喜んで借りてくれる方が増えると見込めます。
しかし、ここで注意して頂きたいのはターゲットとなる借主に合った内装にすることです。赤など個性が強い色を選ぶより、ベージュや黒など無難な色でコーディネートするといいでしょう。
(3)空室対策③|集客力の高い賃貸管理会社に変更する
現在、賃貸物件の情報を検索する時は、PCサイト・スマートフォンなどを使って部屋探しをしている方は8割を超えているそうです。
建物の外観写真から、部屋の中の写真を数多く掲載し、最近は部屋の雰囲気を動画で紹介するサイトも多くなってきました。管理会社のスキルによって入居者付けの期間も大きく異なります。
一般的には、売主である不動産投資会社から物件を購入した場合、そのまま賃貸管理を依頼することができます。
不動産投資会社が管理する場合、もともと空室になりにくい物件を選定していることから、空室で困るようなケースはほとんどありません。
一方、仲介会社などの会社から購入された方は、ご自身で賃貸管理会社を探す必要があり、客付けできる賃貸管理会社と出会えないと空室で悩まれるオーナーも多くいらっしゃいます。なかなか客付けができない管理会社であれば、ここは新しく切り替えるといいでしょう。
最近では、自社の物件でなくても管理を引き受けてくれる不動産投資会社が増えました。無料で管理会社の相見積もりができるサービスもあります。
(4)空室対策④|入居したくなるような魅力的なサービスをつける
空室の期間が少しでも長くなると、「家賃を下げた方がいいのでは?」と考えるオーナーは少なくないようです。確かに、相場家賃より安ければ入居者も決まりやすくなりますが、しかし、一旦下げた家賃をもう上げるのは非常に難しいでしょう。
そのとき、家賃を下げるのではなく、
- 礼金をゼロにする
- 一ヶ月分の賃料をサービスする
など、入居者にとって嬉しいサービスをつけてみるのはいかがでしょうか。
短期的に見ると少し損をしているように見えますが、中長期的に見たとき、一旦下げた家賃を下げ続けるよりメリットが大きくなります。
魅力的なサービスを付けられれば、場合によっては相場より家賃が高くてもいいのではないでしょうか。
3、一番の空室対策は、空室になりにくい物件を選ぶこと
上記にて物件が空室になった時の空室対策について書きましたが、やはり購入後の空室リスクをおさえるためには、購入前にきちんと空室になりにくい物件を選ぶことが大切と言えます。
では、どのような物件は空室になりにくいのでしょうか。
具体的には以下のような条件が挙げられます。
- 通勤・通学に便利な路線である
- 最寄り駅から徒歩10分以内
- オートロックなどセキュリティがしっかりしている
- トイレ・お風呂別など住み心地がいい間取りである
物件の選び方について詳しくは「不動産投資物件の選び方!失敗しないための4つのポイント」を参考にしてみて下さい。
まとめ
今回は空室対策について書きましたが、いかがでしたでしょうか?
人口減少などにより住宅に対する需要減少傾向であると言われていますが、家を借りる人がいなくなるわけではありません。今回の記事で紹介した空室対策を参考にして頂き、空室対策を徹底して安定した収益を上げてもらえれば幸いです。