50代で独り身となると、どうしてもその後の生活をどう行っていくかが心配になることも多いのではないでしょうか。
今回の不動産投資家は50代女性バツイチの方です。
子供がいないこともあり一人で暮らしていく分には特段問題はありませんし、40代の頃から老後にも備えて対策をと考え、すでに不動産投資を行っていましたが50代になってから、その傾向が加速していきます。
今回はそのようなケースをご紹介していきましょう。
・【投資家の横顔】55歳のバツイチ女性
Mさんは55歳女性です。20代の時に結婚した経験がありますが、パートナーとの相性があまりよくなく、その後離婚しました。
そして、30代から一人での生活を送っています。
不動産投資を始めて開始したときには預貯金が1,000万円ほどあり、一件ワンルームマンションを購入してみたいとの思いから東京都中野区にある当時築25年であったワンルームマンションを750万円ほどで購入しました。
サブリース物件のメリットを活かし、毎月安定的に入ってくる点を重視されたとのこと。金融危機後の購入であったことから、実質利回りで7%ぐらいと良い買い物をされたのではないかと筆者は思います。
その後8年が経過し、二件目を購入する前の預貯金は1,300万円ほどでした。老後資金問題の話題が出る前の話ですが、老後には2,000~3,000万円必要だろうと考え、そのうち家賃収入である程度まかなえる体制を構築したいとご希望でした。
・【投資の背景】将来への不安
Mさんは30代では海外旅行や買い物など自由に暮らす生活をしていましたが、さすがにこのまま一人でいく場合にはそろそろいろいろ考えないとと思い老後資金対策の意味も込めて不動産投資を40代から本格的に始めました。
最初に購入した物件がサブリースで安定収入を得られていたこともありサブリース物件での購入を検討されていましたが、果たして東京でサブリースをつける意味があるのか多少疑問に思ったこともあったようです。
とはいえ築年数が古くなっていく今でも、当初と同じ家賃収入が得られているためとりあえず一件目はこのまま保有し、二件目以降で築年数や立地も考慮した不動産投資を行いたいとお考えでした。
・【物件選び】土地勘のある出身地への不動産投資
Mさんはもともと新潟県出身であったことから、次は新潟駅周辺に不動産投資を行いたいとお考えでした。
これは、帰省などの際に新潟へ行くため、不動産投資を行うことで不動産物件を確認する交通費として費用計上したいこと、地元に少しでも貢献出来たらという思いからです。
また年齢的に融資は徐々に難しくなることはわかっているため、利回りのよいもので現金で購入ができて、かつ手ごろな物件で駅近くの物件という条件を設け、新潟市の物件を探していました。
その結果、新潟駅から徒歩4分のワンルームマンションで、サブリース物件があったため、ここなら大丈夫だろうという土地勘のもと購入されるに至ります。
価格は300万円ほど、実質利回り10%程度、築30年とやや古めですが、回収は十分できると踏んで投資されました。
続けて福岡市のワンルームマンションにも投資を決意されます。これもサブリース物件であり、大橋駅から徒歩5分の立地、価格は250万円ほど、実質利回り10%程度、築29年でした。
福岡は今後も人口が増加する地域であり、地域分散という意味合いで投資されるにいたったようです。
・【FPの分析・アドバイス】少し早めの売却を
Mさんは今3件の不動産投資を行っています。
年間で実質的に100万円以上の家賃収入が得られており、年金の足しになっていくことでしょう。
ただ、もしかすると年金を受給する前に売却されるほうがよいかもしれません。
なぜならMさんが65歳になった段階で築年数はいずれも40年を超えて来るため、資産の組み換えも行うべきではないかと筆者は考えるからです。
サブリースのためこのまま保有し回収できたら売却でもよいですが、少し早めに売却し築年数のやや新しいものに投資するなど検討されるとよいでしょう。
老後資金のためということであれば、預貯金を今後も貯めつつ、60歳前後で不動産投資を再度行い地域・年数分散なども考慮した年金構築を行うとよいのではないでしょうか。