「不動産投資のIRRって結局何%あれば合格なの?」「Excelですぐ計算できるテンプレートがほしい」——そう思って検索された方ではないでしょうか。
結論から言います。不動産投資のIRR合格ラインは、区分マンションで6〜10%、一棟RCで8〜12%、一棟木造・戸建で10〜15%、新築ワンルームで4〜6%が目安です。これを下回る物件は、見送り or 価格交渉が原則です。
この記事では、不動産投資の教科書(運営歴10年超)編集部が、2026年時点の融資環境・物件相場を踏まえて以下を独自にまとめました。
- 物件タイプ別 IRR合格ライン早見表(区分/一棟RC/一棟木造/戸建/新築ワンルーム)
- コピペで動くExcel IRR計算サンプル(10年保有想定の表構成つき)
- レバレッジでIRRがここまで上がる比較表(自己資金100% vs LTV70% vs LTV90%)
- IRRと他指標(NPV/ROI/CCR/表面利回り/実質利回り)の使い分け早見表
読み終わる頃には、Excelに数字を入れて自分でIRRを5分で計算でき、目の前の物件が「買い/見送り/要交渉」のどれかを判断できるようになります。
不動産会社から提案された物件を「表面利回り◯%だから良さそう」と直感で買って後悔する前に、IRRという”投資の真の成績表”を必ずチェックしてください。
不動産投資におけるROIの活用方法をまとめた、ROIは不動産の投資効率を示す指標!経営で活かす5つのポイントもぜひご覧ください。
目次
1.【独自】不動産投資のIRR合格ライン早見表(2026年版)
まずは、編集部が2026年時点の融資環境・物件相場・主要不動産投資家の実績データを元にまとめた「物件タイプ別 IRR合格ライン早見表」を公開します。
| 物件タイプ | 合格ライン(IRR) | 優良ライン | 補足 |
|---|---|---|---|
| 新築ワンルーム(区分) | 4〜6% | 7%以上 | 業者利益が乗るためIRRは出にくい |
| 中古ワンルーム(区分) | 6〜10% | 12%以上 | 築年数・立地で大きく変動 |
| 一棟RCマンション | 8〜12% | 15%以上 | 融資が引きやすくレバレッジが効く |
| 一棟木造アパート | 10〜15% | 18%以上 | 減価償却スピードが速くIRRが伸びる |
| 戸建(中古) | 10〜15% | 20%以上 | 高利回り型・出口は土地値で勝負 |
※10年保有・売却想定で試算。融資条件(金利・返済年数)と空室率の前提次第で目安は変動します。
表からわかる重要なポイントは3つです。
- 新築ワンルームのIRRは構造的に低い——営業色の強い販売価格に業者利益が含まれているため。
- 一棟RC/木造はレバレッジが効きやすくIRRが二桁になりやすい——銀行融資が引けるかどうかが分水嶺。
- 戸建・木造はIRRが伸びる代わりに空室・修繕リスクも上振れする——目安だけでなくリスクとセットで評価する必要がある。
「物件の合格点が分からない」状態を脱するだけで、不動産投資の成功確率は大きく上がります。
2.IRRとは?30秒でわかる定義と他指標との使い分け早見表
2-1.IRRの定義(一行で)
IRR(Internal Rate of Return=内部収益率)とは、「投資の総合的な利回り(年率)」のことです。物件購入から売却までの全キャッシュフロー(家賃収入+売却益)を考慮し、「年率何%で運用したのと同じか」を1つの数字で示してくれます。
たとえば、「IRR 10%」の物件=「年利10%で運用しているのと同じ」という意味。預金金利0.001%、株式の長期平均7%と比較すれば、不動産投資のパワーが直感的に理解できます。
2-2.【独自】IRRと他指標の使い分け早見表
不動産投資には似たような収益性指標が複数あります。それぞれが何を測っているかを整理しましょう。
| 指標 | 何を見る指標か | 主な使い場面 | 時間考慮 |
|---|---|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃 ÷ 物件価格 | 物件の一次フィルター | × |
| 実質利回り | (年間家賃−経費)÷ 物件価格 | 運営コスト込みの収益力 | × |
| ROI | 年間収益 ÷ 投資額 | 単年の投資効率 | × |
| CCR | 年間CF ÷ 自己資金 | 自己資金の効率 | × |
| NPV | 割引後CF合計 − 初期投資 | 投資の絶対額の価値 | ○ |
| IRR | 投資全期間の総合利回り | 物件比較・最終判定 | ○ |
表面利回り・実質利回り・ROI・CCRは”単年スナップ”の指標で、「時間の経過」と「売却時の価格」を考慮していません。一方、IRRとNPVは10年・20年といった保有期間全体を見るため、不動産投資の最終判断はIRRで行うのがプロの定石です。
IRRの計算式(理論)
A0+ A1÷(1+r)¹ + A2÷(1+r)² + A3÷(1+r)³…+ An÷(1+r)ⁿ = 0
A0=初期投資(マイナス)/A1〜An=各年のキャッシュフロー+売却金額/r=IRR
※実務ではこの式を解く必要はなく、ExcelのIRR関数で一発計算できます。
3.Excel IRR関数の使い方【コピペで動くサンプル付き】
ExcelのIRR関数なら、セルに数字を並べて関数を1つ入れるだけでIRRが瞬時に算出されます。ここでは、コピペでそのまま使えるサンプル表を公開します。
3-1.Excelに貼り付けるだけのサンプル表
下記の表をExcelにそのままコピー&貼り付けしてください。最下行のIRRセルに自動で内部収益率が表示されます。
| A列 | B列 | 入力例(中古一棟RC・10年保有) |
|---|---|---|
| 年 | キャッシュフロー | |
| 0年目(購入時) | -2,000万円 | 頭金+諸費用 |
| 1年目 | +150万円 | 税引後CF |
| 2年目 | +150万円 | |
| 3年目 | +140万円 | 空室発生 |
| 4年目 | +150万円 | |
| 5年目 | +140万円 | 原状回復費 |
| 6年目 | +145万円 | 家賃微減 |
| 7年目 | +140万円 | |
| 8年目 | +135万円 | 大規模修繕積立 |
| 9年目 | +135万円 | |
| 10年目(家賃+売却) | +1,800万円 | CF130万+売却手取り1,670万 |
| IRR算出セル | =IRR(B2:B12) | → 自動計算で約 9.8% |
3-2.Excelで使う具体的な手順(3ステップ)
- セルA1〜B12に上記データを入力(0年目はマイナス値で入れる)
- B13セル(または任意のセル)に「
=IRR(B2:B12)」と入力 - 表示形式を「パーセンテージ」に変更(小数2桁推奨)
これだけでIRRが算出されます。例の数字ならIRR 9.8%——一棟RCの合格ライン(8〜12%)に入っているので「合格物件」と判定できます。
3-3.Excelテンプレート活用の3つのコツ
- キャッシュフロー(CF)は税引後で入れる——所得税・固定資産税控除後の純CFで計算する
- 10年目に「家賃CF+売却手取り」を合算する——売却手取り=売却価格−残債−譲渡所得税
- 0年目(初期投資)は必ずマイナス値——頭金+仲介手数料+登録免許税+不動産取得税の合計
4.【独自】3パターンのIRRシミュレーション(保守的・標準・レバレッジ最大化)
同じ物件でも、融資条件・空室率・出口価格の前提次第でIRRは大きく変わります。同じ物件価格1億円のRC一棟マンションで、3パターンを試算してみましょう。
| パターン | 自己資金 | 10年間累計CF | 10年後の売却手取り | IRR |
|---|---|---|---|---|
| 保守的(売却価格−10%) | 2,500万円 | 1,200万円 | 2,500万円 | 約6% |
| 標準(売却価格−5%) | 2,500万円 | 1,500万円 | 3,500万円 | 約11% |
| レバレッジ最大化(自己資金圧縮) | 1,000万円 | 1,200万円(金利分減) | 3,000万円 | 約18% |
同じ物件・同じ家賃でも、自己資金を抑える=融資を最大化するとIRRは2〜3倍に跳ね上がるのが不動産投資の最大の魔力です。これが「レバレッジ効果」と呼ばれるものです。
5.【独自】レバレッジでIRRはここまで上がる比較表
レバレッジの威力を、もう少し詳しく見てみましょう。同じ物件価格1億円・年間家賃収入700万円・経費200万円・10年後8,500万円で売却の前提で、融資比率(LTV)を変えた3ケースを比較します。
| 融資比率 | 自己資金 | 借入額 | 年間返済 | 税引後CF | IRR |
|---|---|---|---|---|---|
| 自己資金100% | 1億円 | 0円 | 0円 | +500万円/年 | 約5% |
| LTV 70% | 3,000万円 | 7,000万円 | −380万円 | +120万円/年 | 約11% |
| LTV 90% | 1,000万円 | 9,000万円 | −490万円 | +10万円/年 | 約18% |
※金利1.8%・返済期間25年で試算。
同じ物件でもLTV90%まで融資を引けばIRRが3倍以上に跳ね上がります。ただしレバレッジは諸刃の剣で、空室や金利上昇で一気に逆回転するリスクもあります。融資余力を正確に把握したうえで、リスク許容度の範囲内でレバレッジを使うのが鉄則です。
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6.IRRが下がる物件の3つの特徴(要注意ポイント)
6-1.売却時の価格が大きく落ちる物件
IRRに最大のインパクトを与えるのが10年後の売却価格です。例えば1億円で買った物件が10年後に7,000万円にしかならない場合、IRRは想定の半分以下まで落ちます。
売却価格が落ちる物件の特徴:
- 築古すぎる木造(耐用年数を超えると融資が付きにくい)
- 地方の駅遠物件(人口減少エリア)
- 新築ワンルーム(5〜10年で20〜30%下落が標準)
6-2.空室率が高くなる物件
家賃CFが想定の70〜80%に落ちると、IRRは2〜3%下がります。新築時は満室でも、5年以降に競争激化する立地には注意が必要です。
6-3.大規模修繕費が読めない物件
築20年超のRCマンションでは、外壁・防水・給排水で1,000万円超の修繕費がかかることもあります。長期修繕計画書がない物件は要警戒です。
7.IRRで物件を判定する4ステップフロー
提案された物件を「買い/要交渉/見送り」で判断する、編集部おすすめの4ステップを紹介します。
ステップ1:物件タイプ別の合格ラインを確認(第1章の早見表)
区分なら6〜10%、一棟RCなら8〜12%、新築ワンルームなら4〜6%——まず自分の検討物件のレンジを把握。
ステップ2:Excelで実際にIRRを計算(第3章のサンプル)
0年目の自己資金、1〜10年目の税引後CF、10年目の売却手取りを入力して=IRR()関数を実行。
ステップ3:保守的・標準・楽観の3シナリオで試算
売却価格を「−10%/−5%/±0%」の3パターンでブレ幅を見ます。保守シナリオでも合格ラインを超えていれば「買い」。
ステップ4:合格ラインを下回るなら「価格交渉」or「見送り」
IRRが合格ラインを下回る場合、買付価格を下げる交渉を行うか、別の物件に切り替える判断を。営業トークに乗せられて感覚で買うより、数字で判定する方が圧倒的に成功率が高いのが不動産投資です。
8.不動産投資の融資余力をチェックしてIRRをさらに高める
IRRは融資レバレッジで大きく上振れします。逆に言えば、自分が銀行からどれだけ借りられるかを把握していないと、最適な物件レンジが判断できません。
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9.物件提案を受けたら必ず第三者の意見も聞く
IRRを自分で計算するスキルは身についても、「不動産会社が出してきたCF想定や売却価格の前提が妥当かどうか」は、初心者では判断が難しいケースが多いです。
営業担当者が出してくる収支シミュレーションは、楽観的な前提になっていることも珍しくありません。家賃下落率が低すぎたり、空室率が想定より甘かったり、出口価格が右肩上がりに描かれていたり——こうした前提を見抜けないと、IRRの数字も机上の空論になります。
不動産投資の教科書では、運営10年超の経験をもとに、購入前の物件についてセカンドオピニオンを提供しています。営業担当者ではない第三者から「この物件は本当に買って良いのか」を確認できる無料の機会です。気になる物件があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
10.よくある質問(FAQ)
Q1.不動産投資のIRRは何%あれば合格ですか?
物件タイプによって異なります。区分マンションで6〜10%、一棟RCで8〜12%、一棟木造・戸建で10〜15%、新築ワンルームで4〜6%が合格ラインの目安です。これを下回る物件は見送り or 価格交渉を検討してください。
Q2.Excelテンプレートはどこからダウンロードできますか?
本記事の第3章「Excel IRR関数の使い方」のサンプル表をそのままExcelにコピペすれば、IRR関数=IRR(B2:B12)を入力するだけで動作します。専用テンプレートのダウンロードを希望される方は、当サイトのメルマガ登録特典としても順次配布予定です。
Q3.IRRと利回り(表面・実質)の違いは何ですか?
表面利回り・実質利回りは「単年スナップ」の指標で、保有期間や売却益を考慮していません。一方IRRは「投資全期間(購入〜売却)の総合利回り」で、時間と売却益も含めた最終収益力を表します。物件の最終判断にはIRRを使うのが定石です。
Q4.IRRとNPVはどちらを優先すべきですか?
同じ物件群を「年率の利回り」で比較するならIRR、「絶対額の儲け」で比較するならNPVが向いています。初心者が物件を比較する場合はIRRの方が直感的でわかりやすいです。
Q5.レバレッジを効かせすぎるとどんなリスクがありますか?
融資比率(LTV)を90%以上に高めると、空室・金利上昇で一気にCFがマイナスに転落するリスクがあります。理想的な目安はLTV70〜80%。融資余力ぎりぎりまで借りると、次の物件購入や緊急時の資金繰りに支障が出ます。
Q6.売却価格はどう想定すれば良いですか?
築年数・立地・収益還元法の3軸で想定します。10年後の想定売却価格は「現在の購入価格 ± 10〜30%」のレンジで複数パターン試算するのが安全です。新築ワンルームは購入直後から20〜30%下落が標準である点に注意してください。
Q7.IRRが10%なら株式投資より良いと言えますか?
株式の長期平均リターンが年7%前後と言われているので、同じリターンでもIRR 10%の不動産は税引後ベースで競合できる水準です。ただし不動産は流動性が低く、空室・修繕などの個別リスクもあるため、リスクとセットで評価する必要があります。
Q8.IRRを高めるにはどんな物件を選べばいいですか?
①融資が引きやすい物件(一棟RC・木造) ②賃料下落が緩やかな立地(駅近・東京/政令市) ③築古で減価償却を多く取れる物件 ④出口価格が読みやすい物件(土地値が固い戸建・木造) ——この4つの特徴を持つ物件はIRRが高くなりやすいです。
まとめ
本記事のポイントを整理します。
- IRRは「投資の総合的な利回り(年率)」。物件の最終判断はIRRで行うのがプロの定石
- 合格ラインは区分6〜10% / 一棟RC 8〜12% / 一棟木造10〜15% / 新築ワンルーム4〜6%
- ExcelのIRR関数(
=IRR(B2:B12))で5分で計算可能 - レバレッジ(融資)でIRRは2〜3倍に跳ね上がる——ただしリスクも増える
- 提案された物件は4ステップフローで「買い/要交渉/見送り」を判定
- 融資余力の見える化にINVASE、判断に迷ったらセカンドオピニオンを活用
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不動産投資は、IRRという”投資の真の成績表”を理解して数字で判断できるかどうかで、5年後・10年後の手元資産が大きく変わります。営業担当者の言葉ではなく、自分自身のExcelで導き出したIRRを判断軸に、納得のいく物件選びを進めてください。
判断に迷ったときは、不動産投資の教科書のセカンドオピニオンを使って第三者の視点を取り入れていただければ、後悔のない投資につながります。あなたの不動産投資が長期的に成功することを、心より祈っています。





