• 不動産投資
  • 2017/7/21

高いほどいい?不動産投資のROIについて知っておきたい4つのこと

不動産投資を検討されている方、もしくは投資物件をお探しの方にとって最近よく登場するROIという言葉が気になりませんか?投資の世界ではよく使われている言葉ですが、それは不動産投資であっても同じです。

そんな気になるROIについて、この記事では

  • ROIの基本的な知識と考え方
  • 不動産投資でのROIを計算する方法
  • 実践的なROIの計算
  • ROICCRの関係とレバレッジについて

などについて解説していきます。

いずれも不動産投資を成功に導く重要な知識ばかりなので、40万人の不動産投資家が訪問するメディア「不動産投資の教科書」が可能な限り分かりやすく解説していきます。ぜひ最後までお読みください。


1、不動産投資の成否を分けるROIの基本的な考え方

(1)そもそも、ROIとは?

ROIとは不動産投資だけの用語ではなく、投資全般で使われている用語です。ROIとは「Return On Investment(投資のリターン)」の頭文字を並べたもので、「ロイ」または「アール・オー・アイ」と発音します。

日本語では投資収益率、投資利益率、投下資本利益率などと訳されており、不動産投資の場合は不動産に投じた資金からどれだけの収益を稼ぎ出すことができるかを示す指標です。詳しくは後述しますが、ROIを算出する計算式は以下の通りです。

年間のキャッシュフロー ÷ 投資総額 = ROI

それでは次項からは、このROIが持つ意味について解説していきます。

(2)不動産投資とROIの深い関係

不動産投資の目的は言うまでもなく、不動産に対する投資活動で利益を上げることです。そこで投資物件には利回りなどの数字が提示されているわけですが、一般的に表示されている表面利回りは家賃収入を物件価格で割ったものなので不動産経営に関わるさまざまなコストが算入されておらず、目安の域を出ない数値です。

それに対してROIは不動産投資の現実により即した数値で、「ROIが高い」ことはすなわちその投資に要した資金をどれだけ早く回収できるかを知る指標になります。これをまとめると、不動産投資のROIから分かるのは以下のような情報です。

  • 不動産投資に投じたお金から収益を生み出す効率
  • 不動産投資に投じたお金を何年で回収できるか

このことを踏まえると、ROIが高いことは投資金を早期に回収できることになるので、ROIの高低を考慮することは不動産投資のシミュレーションをする上で一つの基準です。

(3)ROIを活用するメリットとデメリット

不動産投資における投資判断ではROIの検討が欠かせないと述べてきましたが、実際にROIを活用することにはメリットだけでなくデメリットもあります。ROIは有効な指標ではあるものの万能ではないので、メリットだけでなくデメリットにも目を向けてみましょう。

ROIを活用するメリット

ROIを活用することによって、正確性の高い不動産投資のシミュレーションが可能です。なぜなら、投資金の早期回収を目指すのであればROIが高いかどうかを見れば判断しやすいからです。

キャッシュフローからROIを算出するため、表面利回りのような目安よりもはるかに精度が高く、投資物件の判断材料になります。

ROIを活用するデメリット(盲点)

万能であるかのように見えるROIですが、1つ大きな盲点があります。それはROI計算の根拠となっている数値が変化することを想定できていないことです。もう少し詳しく解説するために、ROIの計算式をおさらいしてみましょう。

年間のキャッシュフロー ÷ 投資総額 = ROI

この数式において年間のキャッシュフローは常に変化し続けるものであることは、お分かりいただけると思います。家賃相場や空室率は常に変化するので、そのたびにROIも変動します。

投資総額は最初に決まるものなので変化しないと思われがちですが、変動金利でローンを組んでいた場合は、その限りではありません。なぜなら金利の変動によってローン返済額が変動し、投資総額に影響を及ぼすからです。

投資物件を評価するために使用するROIですが、それは検討時に得られた数値によるその時点でのものであって、そのROIがずっと同じとは限らないという認識が大切です。実際に不動産投資を始めた後からでも毎年ROIを計算して投資が現在どんな状況にあるのか、どれだけ投資金を回収できているのかをチェックすることが重要になるのです。

2、不動産投資のROIを計算する方法

(1)基本となるROI計算式

不動産投資のROIは、すでにご紹介した通り以下の計算式で求めることができます。

年間のキャッシュフロー ÷ 投資総額 = ROI

年間のキャッシュフローとは、言い換えると「年間のオーナー手残り」です。家賃収入はあくまでも売上であり、そこから維持管理コストやローン返済などを差し引いたものがオーナーの手元に残ります。これをキャッシュフローというので、年間のキャッシュフローが算出されたらそれを投資総額で割ることで、ROIが求められます。

ただし、ROIはパーセンテージで表記されるのでこの数値に100を掛けた数値が使用されます。それを反映した計算式は、以下の通りです。

年間のキャッシュフロー ÷ 投資総額 × 100 = ROI

この計算式に基づいて、一棟アパートと区分マンションについて次項から事例を想定してROIを計算してみましょう。

(2)実践的な不動産投資のROI計算(一棟アパート編)

一棟アパートのROIを計算するために必要なのは、そのアパート物件を取得するのに要した費用の総額と、年間のキャッシュフローです。これから投資をする場合は計算上の数値でも構いません。

そこで、以下の条件を想定してみました。

物件価格 4,000万円
自己資金 400万円
ローン借入額 3,600万円
ローン金利 2.50%
ローン返済期間 20年
年間家賃収入 360万円(6戸×家賃5万円)
想定空室率 15%
年間維持管理コスト 家賃収入の20%

この条件から年間の家賃収入を計算すると、以下のようになります。

6戸 × 5万円 × 12ヶ月 × 85% 306万円

6戸の部屋があって家賃が5万円なので12ヶ月分だと360万円になりますが、そこから空室率15%を考慮しているので85%を掛けて306万円です。

まずここで求められるのが、表面利回りです。表面利回りは「年間の家賃収入÷物件価格×100」で求められるので、以下の通りになります。

360万円 ÷ 4,000万円 × 100 9%

この物件の表面利回りは、9%となりました。

次に、年間の維持管理コストを考慮に入れます。相場では家賃収入の20%と言われているので、306万円から20%を差し引きます。

306万円 × 80% = 2448,000

この時点で求められるのが、実質利回りです。「年間の家賃収入から維持管理コストを引いたもの÷物件価格×100」で求められるので、以下の通りになります。

306万円 × 4,000万円 × 100 7.65%

この結果から、実質利回りは7.65%です。続いてROIの計算へと進んでいきましょう。

次に、この家賃収入からローン返済額を差し引きます。

物件価格が4,000万円で自己資金が400万円なので、ローン借入額は3,600万円です。返済期間が20年で金利が2.5%なので、これをもとに毎年の返済額を計算してみましょう。

3,600万円 × 1.025 ÷ 20 = 1845,000

それでは、この2448,000円からローン返済額を引いてみましょう。

2448,000円 - 1845,000円 = 603,000

この603,000円が年間のキャッシュフローなので、これを物件取得総額で割ればROIが求められます。

603,000円 ÷ (3,690万円 + 400万円) ≒ 1.4743%

上記の条件で購入した一棟アパートのROIは、購入時点(検討時点)でROIが約1.47%という計算結果になりました。

(3)実践的な不動産投資のROI計算(区分マンション編)

前項では一棟アパート物件についてのROI計算をしましたが、不動産投資の初心者向けのジャンルとして区分マンションについてもROIの計算をしてみたいと思います。

ROIの計算にあたって、想定条件を以下の通りとしました。

物件価格 2,000万円
自己資金 200万円
ローン借入額 1,800万円
ローン金利 2.50%
ローン返済期間 20年
年間家賃収入 180万円(1戸×家賃15万円)
想定空室率 10%
年間維持管理コスト 家賃収入の20%

一棟アパートとの違いは、戸数が1戸であることと、それゆえに空室率が0%か100%の二択なので、「1年あたり10%程度は空室の時期がある」という想定で10%としました。実際に1年のうち1割が空室になるということではなく、計算上の理論値であることをご留意ください。

それでは、ROIの計算に必要な数値を順に算出していきましょう。まずは、この区分マンションの年間キャッシュフローを求めるために家賃収入から順に必要な数値を求めていきます。

180万円 × 80% = 144万円 → 維持管理コストを引いた手残り 

先ほどの一棟アパートと同様、最初に表面利回りと実質利回りも求めていきましょう。

表面利回りは、

180万円 ÷ 2,000万円 × 100 9%

実質利回りは、

144万円 ÷ 2,000万円 × 100 7.2%

と、なりました。

続いて、ROIを求めるための数値も計算していきましょう。

まずは、この物件の購入に要した費用を年間ベースで算出します。

1,800万円 × 1.025 ÷ 20 = 922,500

ゆえに、この区分マンションの年間キャッシュフローは以下の通りとなります。

144万円 - 922,500円 = 517,500

後は、この517,500円を投資総額で割ればROIを求めることができます。

517,500円 ÷ (1,800万円 × 1.025 + 200) × 100 ≒ 2.5305

この区分マンション投資のROIは約2.53%という結果になりました。

3、投資効率におけるROICCRの関係

(1)ROIと並ぶ重要指標、CCRとは?

ここまでROIについての基礎となる知識と実践的な計算方法を解説してきました。ここまでは投資金額全体についての投資効率としてROIに注目してきましたが、不動産投資においてはキャッシュフローがとても重要なので、「現金(キャッシュ)」に対する投資評価にも着目する必要があります。

そこで用いられているのが、CCR(Cash on Cash Return)という指標です。ROIとの最大の違いは「Cash」という言葉が2回も登場していることからも分かるように、投資に含まれている現金に絞って効率を評価できる点です。不動産投資における現金とは、要するに自己資金のことです。家賃収入によって得られた収益によって、自己資金をどれだけ回収できているかを計る数値として広く用いられています。

2、不動産投資のROIを計算する方法」では一棟アパートと区分マンションの2パターンを想定してROIを計算しましたが、それぞれ一棟アパートの時は400万円、区分マンションの時は200万円という自己資金を想定しました。

CCRは、この自己資金をどれだけのペースで回収できているか、その結果として何年で回収を終えるかを知ることができます

(2)実例をもとにCCRを計算してみよう

それでは、「2、不動産投資のROIを計算する方法」の事例を再び使って、それぞれの事例におけるCCRを計算してみましょう。

①一棟アパートでCCRを計算する方法

想定条件は同じなので、自己資金が400万円であることに着目します。その事例では年間のキャッシュフローが603,000円と算出されました。これを投資総額で割るとROIを求めることができますが、これを自己資金で割るとCCRとなります。

キャッシュフロー年額 ÷ 自己資金 × 100 = CCR

それでは、実際に計算してみます。

603,000円 ÷ 400万円 × 100 = 15.075

この一棟アパートでは、毎年15.075%のペースで自己資金の回収が進みます。このキャッシュフローを積み上げていくと約6.63年で回収を完了する計算になるので、7年目に自己資金の回収が完了すると考えられます。

②区分マンションでCCRを計算する方法

先ほどROIを計算した事例で、区分マンションのCCRも計算してみましょう。この区分マンションの年間キャッシュフローは517,500円と算出されたので、これを自己資金の200万円で割ればOKです。

517,500円 ÷ 200万円 × 100 = 25.875

毎年25.875%のペースで自己資金の回収が進むので、4年で回収が完了する計算になります。

(3)ROICCRの関係から分かること

ここでCCRについて解説をしたのは、ROIとの関係を見ることによって投資効率を知ることができるからです。

先ほどまで一棟アパートと区分マンションそれぞれについてROICCRを計算しましたが、その結果は以下の通りとなりました。

■一棟アパート

  • ROI → 1.4743%
  • CCR → 15.075%

■区分マンション

  • ROI → 2.5305%
  • CCR → 25.875%

この両者をざっくりと比較しただけでも分かることがあります。それはどちらも10倍程度の差があるということです。この差のことを、投資の世界では「レバレッジ」と言います。

レバレッジとはテコという意味で、少ない投資金で大きな投資を可能にする仕組みとして知られています。証拠金を用意するだけで最大25倍の外貨取引ができるのはFXの大きな特徴ですが、これもレバレッジと呼ばれています。

ROIは投資金全体に対する効率を表し、CCRはその中の現金部分だけに対する効率を表しています。その差が生まれるのはローンを利用している(つまり他人のお金で投資をしている)からですが、その恩恵として投資効率が10倍も跳ね上がっています。なぜ10倍の差が生じているのかというと、どちらも物件価格に対して10%の自己資金を投じているからです。

ローンを利用しているからと言っても家賃収入が少なくなるわけではなく、その物件が持つ価値に応じた収益を得ることができます。不動産投資が一部の資産家や富裕層だけでなく、サラリーマン大家など一般の人にも広く門戸が開かれるようになったのは、こうしたレバレッジ効果が深く関係しているので、不動産投資が持つ魅力のひとつと言って良いでしょう。

4、「ROIが高い」ことは万能ではない

(1)ROIが高い=投資すべき?

ここまで不動産投資とROIの関係について解説をしてきましたが、ROIは投資判断のための材料ではありますが、万能ではないという点に留意すべきだと思います。

なぜならROIが高いということは投資金の早期回収ができる判断材料にはなりますが、その物件に投資すべきかどうかという判断材料のすべてではないからです。

ROIが高くなるケースについては次項で解説しますが、ROIが高いということは融資額が大きくなりがちで、返済分が大きくなると毎月のキャッシュフローが少なくなってしまい、金利変動の影響を受けるなど不動産経営が脆弱になります。

ROIが高いというだけで投資判断はできないので、あくまでも投資判断におけるひとつの材料という位置づけにするべきでしょう。

(2)ROIが高くなるケース

ROIの計算式をおさらいすると、「年間キャッシュフロー÷投資総額×100」です。つまり、「年間キャッシュフロー」と「投資総額」の増減によってROIが高くなるケースがあります。

まず考えられるケースが、築古物件など物件価格が安い場合です。「投資総額」という分母が小さくなるので、同じキャッシュフロー額という条件下だとROIが上昇します。

もう一つ考えられるのは、自己資金が少ない場合です。ROIは投資効率を計る数値なので投資効率が高い(=自己資金が少なくローン借入比率が高い投資)場合は数値が高くなります。

これらのケースは計算の結果としてROIが高いとは言え、これだけで物件の投資価値が高いとは言えません。

これらは、ROIの数値だけで不動産投資の判断をしてはいけないという典型例です。

(3)ROIとの正しい付き合い方

ROIは不動産投資における効率を示すものであり、物件の価値を示すものではないと述べてきました。ここで結論として、「不動産投資の教科書」では以下のポイントを押さえつつROIと付き合うのが正しいと考えます。

  • ROIは高ければ良いというわけでではない
  • 欲しい物件があるのであればそれを優先し、ROIは参考程度でOK
  • ROIはあくまでもバランスとケース・バイ・ケースで
  • ROIが高くなるケースを知って「ダマシ」を回避する

これらのポイントに留意して、ROIを不動産投資の成功に結び付けるのが最も安全で確実です。

まとめ

不動産投資とROIの関係や計算方法、さらにキャッシュフローに深く関わるCCRについての解説をしてきましたが、いかがでしたか?収益不動産には利回りが必ず表示されていますが、利回りよりもはるかに現実に即したキャッシュフローや、そこから得られるROI、さらにCCRに注目することの重要性をご理解いただけたと思います。その一方でROIが決して万能ではなく、ROIの数値が高くなるケースを踏まえつつ正しい付き合い方を押さえていただけたのではないでしょうか。

計算式ができるだけ複雑にならないように解説をしましたので、実在する収益不動産物件についてもご自身でROIを計算してみるなど、数字に強い(=失敗しない)不動産投資家を目指す一助になれば幸いです。

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