前回「【vol.6】値上がり益が狙える?千葉と京都の2区」では千葉市と京都市において、区ごとに見た場合にどの地域が増加する可能性があるか確認してきました。
今回はさらに西に進み、大阪市と神戸市を見ていきましょう。そして前回同様に大阪市と神戸市を区ごとに見た場合、どこが注目したいエリアとなるのでしょうか?
・大阪市で注目の5区は?
大阪市全体の人口は、2020年推計で2,689,566人、2045年推計で2,410,820人と今後緩やかな減少が予想されています。
その中でも中心部は今後も人口増加予想されており、不動産投資する価値がある地域としては福島区と西区、天王寺区、北区、中央区の5区でしょう。
まず、福島区は、西日本のビジネスの中心である梅田のお隣です。そのため超高層マンションも並んでいなす。単身者を中心に快適なアーバンライフが過ごせる地域と言えるでしょう。
西区は、大阪市24区の中で老年人口の比率が最も低く、住宅地として再開発が進んだ地域で、京セラドームなどがあります。
天王寺区は、四天王寺、天王寺動物園がある地域であり、市内有数の文教地区でもあります。中心駅である天王寺駅は奈良、和歌山から大阪に向かう玄関口でもあり、関西地域における主要商業地域の一つでもあります。
中央区は、大阪城のある地域です。官公庁をはじめ、北浜の金融街などオフィス中心ではあるものの、最近ではマンションも増えており着実に人口が増えているまさに大阪の中心部といえましょう。
それぞれの人口予測は以下の通りです。
福島区は2020年推計で77,017人→2045年推計で85,112人、西区は2020年推計で100,066人→2045年推計で116,799人、天王寺区は2020年推計で80,562人→2045年推計で86,595人、北区は2020年推計で133,614人→2045年推計で148,012人、中央区は2020年推計で102,127人→2045年推計で113,840人(いずれも国立社会保障・人口問題研究所による推計)
それぞれの区のデータを見ても、2045年には人口が増加しているのが分かるのではないでしょうか。
・地価は着実に上昇中
大阪府の2019年の地価公示は、47都道府県中3位と地価は着実に上昇傾向にあります。
特に大阪市中心部での地価上昇が著しく、中央区は前年比+14.48%の上昇、北区は前年比+6.01%、天王寺区は前年比+3.89%、福島区は+8.16%、西区は+0.39%の上昇となっています。
坪単価で見ても、地価上昇率で見ても、これらの地域は大阪市内の中でもほぼ上位6~7位に入っています(西区のみ地価上昇率は該当せず)。
あくまでもマンションなど住居として貸すという視点で見た場合には、こうした人口が増加すると予測されている地域でコツコツ家賃収入を得ながら、地価上昇による恩恵を受ける投資の仕方がよいでしょう。
商業地域という視点からであれば、これらの区以外に、難波駅を有する浪速区も投資対象となってきます。浪速区の2019年の地価上昇率は前年比+14.66%と大阪府内でもっとも値上がり率が高い地域となっています。
・神戸市は中央区を除き人口減に悩まされそう
一方、神戸市はどうでしょうか。
大阪市中心にオフィスや商業施設、タワーマンションなどが集約されるようになった結果、大阪経済圏の西地区である神戸は人口面で衰退しています。
2016年には福岡市に人口が抜かれ、今後も中央区を除き人口減に悩まされることになりそうです。
そのためもし神戸で不動産投資を行うのであれば、中央区に特化した方がよいといえるかもしれません。
人口推計では、神戸市中央区の2020年推計は142,718人→2045年推計は149,003人となっています。神戸市全体では、2020年推計1,525,976人→2045年推計1,295,786人となっています。
神戸市中央区は、旧居留地、中華街、ポートアイランドなどがあるいわば神戸観光の中心地でもあります。主要地域としては三宮が該当し、商業地域としても、住居地域としても今後も神戸の中心を維持することでしょう。
以上、大阪市と神戸市について見てきました。いずれも市全体としては今後人口減少に悩まされることになりますが、中心部に特化して考えればまだまだ明るい兆しが見えると言えそうです。
不動産投資を行う上で参考にしてみてください。