• 株式投資, 資産運用
  • 2022/12/5 (更新日:)

インバウンド銘柄10選!復活が期待されるインバウンド銘柄とは?

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インバウンド銘柄は、新型コロナが5類に移行し観光客の増加が期待される現在、大きな注目を集めています。

新型コロナ流行以前、インバウンドは多大な経済効果をもたらし、株価に影響を与えるほど成長していました。

ところが、2019年から新型コロナが流行し各地の観光客が激減、インバウンドは全く期待できないものになりました。

その後2022年10月の規制緩和以降、外国人観光客が増え始めたことから、インバウンド景気の回復が期待されています。

復活が期待されるインバウンド景気と、その恩恵を受けるインバウンド銘柄。この関係を理解することが、これから株価が大きく成長する銘柄を見つけ出すことにつながります。

株価上昇が期待できるインバウンド銘柄を発掘するためにも、しっかりとインバウンド銘柄について学んでいきましょう。

※本記事の内容には、将来的な業績や出来事に関する予想が含まれていることがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。投資に関するすべての決定は、ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。








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インバウンド銘柄とは、訪日外国人観光客が日本国内での消費活動をすること(インバウンド消費)に関連のある株式銘柄のことです。

目次

1、インバウンド銘柄の株価が上昇する理由

インバウンド銘柄は、今後どのような動きを見せるのでしょうか?

新型コロナ流行以前、そして5類に移行した後のインバウンドの動きを確認しておきましょう。

(1)訪日外国人観光客数の推移

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2023年6月の訪日外客数は2,073,300人で、新型コロナの拡大により大幅に減少した2020年2月以降、初めて200万人を突破しています。

参照:訪日外客数(2023年6月推計値)|報道発表

令和5年3月31日には「新たな観光立国推進基本計画」が閣議決定されました。

持続可能な形での観光立国の復活に向けて、以下3つの基本的な方針が掲げられています。

  1. 持続可能な観光地域づくり戦略
  2. インバウンド回復戦略
  3. 国内交流拡大戦略

上記の政策が決定したことからも、インバウンド景気の回復に伴いインバウンド銘柄の株価が上昇することが期待できるのです。

(2)新型コロナ流行以前のインバウンド景気をおさらい

新型コロナ流行以前、長引く不況でどん底の状態にあった百貨店やホテル、家電量販店などが軒並み空前の好景気に沸いていました。その原動力は言うまでもなく、訪日外国人客によるインバウンド消費の効果です。

特にその恩恵は関西地区で顕著に表れており、百貨店の売り上げに占める免税客(つまり訪日客)の比率が全国平均で4%であるのに対し、関西地区では倍の8%に上っていました。

関西地区には人気の観光地が密集する京都や、買い物や食の好適地である大阪が近接しているため、どちらも楽しみたい観光客から高い人気がありました。

関西地区はインバウンド景気の回復とともに、再度外国人観光客で賑わいをみせることが期待できるでしょう。

(3)爆買いが一服しても力強いインバウンド消費

一時期、主に中国人観光客による大量の買い物、いわゆる「爆買い」が話題になったことがありましたが、しばらくすると落着き、大量の買い物はあまり見られなくなりました。

爆買いがあまり見られなくなったにも関わらずインバウンド消費が伸びていたのは、

  • 全体の訪日外国人客の人数が増えていたこと、
  • モノ消費だけでなくコト消費にも経済効果が及んでいたこと

が理由として考えられます。

これはつまり、インバウンド景気が爆買い頼みというわけではなく、訪日外国人客の人数が好調である限り腰折れしにくいということを意味しています。

インバウンド景気の回復とともに訪日外国人客の増加傾向が続くと、インバウンド消費は回復後さらに拡大すると期待できるのです。

(4)すでにインバウンド銘柄では株価が復活の兆しを見せている

インバウンド景気は、年々市場規模が拡大して存在感を増し、それに伴ってインバウンド銘柄も成長しました。

インバウンド銘柄には、新型コロナの流行により企業戦略を大きく変えざるを得なかった銘柄もあります。一方、インバウンドにとって大打撃となった新型コロナ流行に対応し、戦略を変えることにより株価を戻している銘柄や、復活が期待できる銘柄があることも事実です。

2、インバウンド銘柄の有望性

(1)モノ消費からコト消費へ、インバウンド消費が多様化

インバウンド景気が存在感を示し始めた当初は、訪日外国人客の消費行動は大半が買い物(モノ消費)でした。それを象徴するのが、中国人観光客による爆買いです。

モノ消費は一段落したものの、引き続きモノ消費への意欲は強く、それに加えて体験やアクティビティといったコト消費が拡大し、インバウンド景気の恩恵を享受する業種も増えました。

これはつまり、インバウンド銘柄に分類される銘柄も多彩になり、数が増えたということです。

(2)従来の国に加えて東南アジアや中東からの訪日客も増加していた

2018年の訪日外国人客の国別内訳を見ると中国、韓国、台湾、香港などが上位を占めています。

日本国内で見かける訪日外国人客を見ていると、おおむねイメージ通りといったところですが、新型コロナ流行前はこの内訳にも変化が生じてきていました。

女性の旅行客の中に、頭にヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭にかぶる布)をまとった人の姿を見ることが多くなっていたのですが、こうした人たちはインドネシアやマレーシアといった東南アジアのイスラム教諸国からの訪日外国人客であると思われます。

その他にも、明らかに中国や韓国といった国からではない人たちの姿を見ることが多くなり、訪日外国人客の内訳が多様化したことを物語っています。

つまり、特定の国からの訪日客が減ったとしても、それを補完するように世界中の国々から観光客が訪れるため、インバウンド景気の足腰がとても強くなっていたことが分かります。

(3)庶民の台所だった商店街がインバウンド最前線に変貌

大阪ミナミからほど近くにある「黒門市場」はもともと、庶民の台所と呼ばれるように生鮮食料品の店が軒を連ねる商店街でした。今もその役割は残っていますが、訪日外国人客による「日本の庶民的な商店街を見たい」という人気が高まり、今では観光商店街へと変貌しました。

新型コロナ流行以前には、実際に商店街を歩いてみると英語や中国語の看板や張り紙が目立ち、多くの観光客が屋台で食事を楽しんでいる様子が多く見られていました。

商店街自身がこのように変貌をしたということは、それだけインバウンド消費が魅力的であることの表れです。

この黒門市場のような場所は、京都の「錦市場」や、北海道倶知安町の「ニセコ」など、全国各地に誕生しています。中には寂れてしまっていた観光地や商店街に、大量の訪日外国人客が訪れることにより復活を遂げた場所もあり、インバウンド景気の凄まじさを実感させられます。

3、インバウンド銘柄にはどんな業種がある?

インバウンド銘柄には、どんな業種があるのでしょうか。

さらに、インバウンド銘柄と呼ばれる業種の新型コロナ流行以前の状況も合わせて解説します。

(1)航空、鉄道

訪日観光客が増えれば、まず業績回復が期待できるのが航空でしょう。

また、国内での移動において最も手軽かつ安全な手段は、鉄道です。日本の鉄道は世界的にも時間に正確で安全、快適という評判が知れ渡っており、日本の鉄道に乗ることを目的にしている訪日外国人客も少なくありません。

その他にも観光列車やプレミアム列車などを運行している鉄道会社も、インバウンド銘柄に属しているといえます。

(2)ホテル

日本に滞在をしたら、どこかに宿泊をする必要があります。交通機関の次に重要なのが宿泊施設なので、ホテル業界も立派なインバウンド銘柄です。

ホテルチェーンなど直接的にインバウンド銘柄だと分かる企業だけでなく、不動産会社がホテル事業を手掛けていたりする場合もあります。ホテル運営をしている企業の銘柄も含めてインバウンド銘柄を探すのが良いでしょう。

(3)旅行会社

旅行会社は日本人向けに事業をしている一方で、訪日外国人客向けにも国内ツアーの手配などを行っており、インバウンド景気の恩恵を享受していました。

旅行会社は新型コロナ流行の影響を最も受けた業界の1つといえますが、一時的なBPO事業への転換や外国人観光客の受け入れ数増加により復活が期待されています。

(4)百貨店

消費行動の変化により、一時は不要説まで囁かれていた百貨店ですが、インバウンド景気により軒並み業績の回復を果たしました。

高島屋(8233)や大丸を傘下に収めるJ.フロントリテイリング(3086)、三越伊勢丹(3099)がインバウンド銘柄の最有力候補です。

(5)家電量販店、ドラッグストア

訪日外国人客の中でも、中国人観光客の消費行動はインバウンド景気に大きな役割を果たしてきました。

中国人観光客が好んで足を運ぶ買い物先が、家電量販店とドラッグストアです。

(6)化粧品メーカー

多くの中国人観光客が日本のドラッグストアで何を買っているのかというと、その多くを化粧品が占めています。

中国に帰ってお土産にすると喜ばれる、転売すると儲かるなど理由はさまざまですが、ドラッグストアに化粧品を供給している化粧品メーカーは、インバウンド銘柄として業績、株価ともに好調でした。

4、編集部が注目するインバウンド銘柄10選

ここまでの解説を踏まえて、「不動産投資の教科書」編集部が注目するインバウンド銘柄を10銘柄ピックアップしました。

各銘柄のチャートは2022年7月現在のもので、チャートの下に記載されているURLを開くと現在の株価を確認することができます。インバウンド銘柄投資の参考になさってください。

(1)ANAホールディングス(9202)

航空会社大手ですが、ANA本体の業績向上よりも傘下のLCCであるPeachとバニラエアの好業績による貢献度の高さが目立っていました。
下落後大きな回復が見られず2400円付近を上下していますが、インバウンドの復活とともに業績回復を期待できるため、今から投資してみるのもひとつの選択肢になるでしょう。

出典:https://minkabu.jp/stock/9202/chart

(2)リゾートトラスト(4681)

会員制リゾートホテル首位の企業です。

訪日外国人客を強く意識した立地や価格設定、グレード設定によって人気を博しており、インバウンド景気の恩恵を受けてきました。

ホテルも新型コロナ流行の影響を受けて低迷する業界ですが、見事な回復を見せており、2022年4~6月期連結決算は売上高が過去最高になるなど株価上昇が期待できる銘柄となっています。

出典:https://minkabu.jp/stock/4681/chart

(3)共立メンテナンス(9616)

ビジネスホテル「ドーミーイン」を全国に展開しています。

もともとは日本人出張客を見込んだホテルチェーンですが、インバウンド景気の盛り上がりに対応して訪日外国人客向けのホテル展開にシフトした戦略が奏功して好業績が続きました。

新型コロナ流行の影響を受けて株価は下落しましたが、見事に回復し、高値更新を狙える銘柄となっています。

出典:https://minkabu.jp/stock/9616/chart

(4)星野リゾート・リート投資法人(3287)

こちらは株式ではなく、日本で初めて観光に特化したREIT(不動産投資信託)の紹介です。

星野リゾートからは独立した経営組織である星野リゾート・アセットマネジメントが、ホテル、旅館及び付帯するスキー場、ゴルフ場、プール、物販店など大型施設を運用する投資信託となっています。

新型コロナ流行の影響で下落してからの回復が目覚ましく、コロナ以前の高値を更新する上昇となっています。

出典:https://minkabu.jp/stock/3287/chart

(5)KNT-CTホールディングス(9726)

近畿日本ツーリストやクラブツーリズムといった個人旅行向けパッケージサイトを運営している企業です。

3期連続で赤字が続いているものの、2022年3月期通期決算(21年4月1日~22年3月31日)は大幅に赤字を解消しています。ワクチンやPCR検査の事業を自治体から受託するなどBPO事業が好調で、23年3月期は40億円の純利益を見込んでおり、株価も回復の動きを見せています。

出典:https://minkabu.jp/stock/9726/chart

(6)高島屋(8233)

インバウンド景気に沸く関西地区に多くの店舗を持ち恩恵を受けるという、インバウンド銘柄の典型例でした。

2012年頃から株価の上昇が始まりましたが、新型コロナ流行の影響で700円まで下がりました。その後少しずつ回復の兆しを見せています。

出典:https://minkabu.jp/stock/8233/chart

(7)J.フロントリテイリング(3086)

前項の高島屋と並び、関西地区を地盤に大丸百貨店を展開しています。さらに東京・銀座の「GINZA-SIX」でもインバウンド景気の恩恵を享受していました。

高島屋と同様、新型コロナ流行の影響により下落しましたが、現在は底値の2倍程度まで回復しています。

 

出典:https://minkabu.jp/stock/3086/chart

(8)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)

量販店の「ドン・キホーテ」を運営する持ち株会社です。安売りと多彩な品ぞろえを売りにしていることもあって訪日外国人客から人気があります。

株価は上下はしているものの安値を切り上げており、これからの高値更新も期待できるチャートとなっています。

出典:https://minkabu.jp/stock/7532/chart

(9)寿スピリッツ(2222)

「LeTAO」をはじめとするブランド菓子の展開が特に中国人観光客から人気を博し、爆買いを象徴する商品となりました。その後もインバウンド強化の戦略をとっており空港など外国人の目に止まりやすい場所での展開も功を奏していました。

2022年は3年ぶりに行動制限のない大型連休を迎えるなど観光しやすい環境となり、菓子の販売が増えました。2022年4~6月期の売上高が概算で前年同期比65%増えたとの発表があり、収益改善への期待が株価にもあらわれています。

 出典:https://minkabu.jp/stock/2222/chart

(9)ヤーマン(6630)

美顔器や痩身器具などの美容健康機器の製造・販売をしている企業です。

「モノ消費」の恩恵を受けてきたことから、外国人観光客が増えることにより業績の伸びが期待できます。

株価は上下はしているものの安値を切り上げており、長期的に上昇を期待できるチャートになっています。

出典:https://minkabu.jp/stock/6630/chart

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この記事では、インバウンド銘柄について解説してきました。不動産投資の教科書では、株式投資を本格的に学びたいとお考えの方に、株式投資スクールをご紹介しています。

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インバウンド銘柄に関するよくある質問

Q1.インバウンド銘柄とはなんですか?

インバウンド銘柄とは、訪日外国人観光客が日本国内での消費活動をすること(インバウンド消費)に関連のある株式銘柄のことです。

Q2.株を買うためにはどうしたらいいですか?

証券会社に口座を開設し、購入する方法が一般的です。現在の主流はネット証券で、オンライン上で口座開設、株式の売買取引、情報収集ができます。

おすすめの証券会社を比較した記事「ネット証券おすすめ10選!自分に合ったネット証券を選ぶポイントも解説」を併せてお読みください。

Q3.株の銘柄をテーマで探せるツールはありますか?

みんかぶのサイトには、「株テーマから探す」という機能があります。検索窓に「インバウンド」と入力すると、インバウンド関連の銘柄を簡単に探すことができます。

まとめ

インバウンド景気は、新型コロナ流行以前には凄まじい勢いがありました。また、その恩恵を受ける企業の好調ぶりも目立っていました。

現在、新型コロナ流行により低迷を続け回復の兆しが見えない企業もあれば、対応して舵を切ることですでにコロナ流行前の水準まで株価を戻している企業もあります。

この記事でご紹介した銘柄だけでなく、各銘柄の同業者や関連業種などから上昇するインバウンド銘柄を見つけ出すことができるでしょう。

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