今所有しているマンションを売却したいけど、リフォームした方がいいのか悩んでいませんか。
リフォームと不動産の高値売却の関係には諸説が入り交じっており、結局のところはケースバイケースであるという結論になっていることが多いのも事実です。
少しでも不動産を高く売却したいとお考えの方のために、『不動産投資の教科書』の豊富な情報をもとに
- リフォームと不動産の売却価格との関係
- リフォーム後に不動産を売却するメリット・デメリット
- 中古物件を探す買い手の本音
- 売却前のリフォームはアリかナシか
- リフォーム後の物件をより高く早く売却する方法
についてまとめました。ぜひ最後までご覧ください。
なお、より手間なく高く売却したいのであれば不動産売却査定サイトの活用がオススメです。
様々な売却査定サイトがありますが、その中でも不動産投資の教科書がオススメするのは、以下の大手6社が参画している「すまいValue」です。
- 東急リバブル
- 住友不動産販売
- 野村の仲介
- 三井のリハウス
- 三菱地所の住まいリレー
- 小田急不動産
※この記事は2015年3月30日に公開したものを2021年10月14日に加筆修正しました。
今回の記事をご覧の方は以下の記事も併せて読んでみてください。
目次
1、リフォームと不動産の売却価格との関係
まずは、リフォームと不動産の売却価格との関係について説明します。
(1)売却前リフォームとは?
売却前リフォームとは、戸建住宅やマンションなどを売却する前にリフォームしてから売却することです。
戸建住宅やマンションなどの中古物件を売りに出す際、そのままだと古くなった印象を与えてしまったり、傷みや劣化によって物件の魅力が低下して売却価格に影響が出る可能性が高いでしょう。
それを防ぐため、事前にリフォームまたはリノベーションをしてから売りに出した方が有利になるのではないかという考え方があります。
(2)リフォーム済みの中古住宅が人気を集めている理由
リフォームをしてから売却される物件は「リフォーム済み住宅」と呼ばれ、中古物件の中でもひとつのジャンルが確立されています。
それだけリフォーム済み住宅の人気が高いことを示しているわけですが、その理由は価格の安さです。
中古住宅なので当然ながら新築よりも安く購入でき、リフォームをすることによって新築と変わらないような状態に仕上げれば、新築よりも安く新築同然の家が手に入るというわけです。
どうせならより綺麗な戸建住宅やマンションに住みたいと考える方が多いのは必然でしょう。
売却前リフォームが注目されているのは、買い手側のリフォーム済み住宅人気が背景にあります。
2、リフォーム後に不動産を売却するメリット
それでは、売却する側が不動産を売却する前にリフォームをするメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
リフォーム後に不動産を売却するメリットは主に3つです。いずれも高値売却、早期売却につながるものです。
詳しくみていきましょう。
(1)普通の中古物件よりも第一印象がとても良い
リフォーム後の不動産売却は、何といっても第一印象を大きく向上させるというメリットがあります。
自分の生活の場を求めている買い手候補にとって、リフォーム済みの美しい中古物件であるならば、第一印象の段階で候補から外れてしまう可能性は低くなるでしょう。
内覧の印象が良いということは高値売却(もしくは値引きをせずに済む)、そして早期売却の可能性はそれだけ高くなります。
(2)購入後すぐに住めるため、早期売却につながる
売却前にリフォームを完了している住宅は、購入後すぐに住める状態であることも大きな魅力でしょう。
転勤などで引っ越し需要が高まっている時期であれば購入後すぐに住める物件を探している人も多く、「すぐに住める」ことはこうした人たちのニーズにも合致します。
その分早期売却につながる可能性も高まります。
(3)リフォーム費用も住宅ローンで手当てできる
中古物件をリフォーム前提で購入した場合、購入後に行うリフォーム費用は購入者が自前で用意することになります。
その費用をローンで手当てする場合、リフォームローンを利用することになりますが、住宅ローンより金利が高いことに加えて購入時の住宅ローンと2つのローン返済が重なることになり、返済負担が大きくなります。
リフォームをしてから売却される物件であれば、リフォーム費用が上乗せされていたとしても全額を住宅ローンで工面できるのでローンが重なることがなく、住宅ローンなので金利も安いというメリットがあります。
このことは売却を有利にする要因なので、つまりリフォーム費用を負担する代わりに、高値売却・早期売却につながるということです。
3、リフォーム後に不動産を売却するデメリット
リフォーム後売却にはメリットがある一方で、デメリットもあります。
むしろリフォームが裏目に出てしまうこともあるので、デメリットに関してもしっかりと押さえておきましょう。
(1)リフォーム費用を売却価格に上乗せしづらい
売却前にリフォームをするということは、リフォーム費用である数百万円を売却価格に上乗せする必要があります。
高い買い物だけに買主は価格に対してとても敏感なので、この上乗せ分が早期売却の可能性を低くします。
価格交渉の段階で数百万円単位の値引きに応じざる得ないことになると、事実上リフォーム費用を全く回収できないという事態も考えられます。
(2)逆に売れ残る可能性がある
リフォームやリノベーションは、家をその人の好みに作り替えるためのものです。人の好みによる部分が大きく、どんなリフォームをするかの好みは人それぞれです。
せっかくお金をかけてリフォームをしてから売却しようとしても、そのリフォームを好む人が見つからなければ意味がありません。
売却を有利にするために行ったリフォーム工事のせいで、かえって物件が売れ残ってしまう場合もあるでしょう。
ですが、リフォーム前の物件でも売れ残る可能性はあるので、これに関してはそこまで深く考える必要はないでしょう。
(3)リフォーム工事期間中は売却活動ができない
大規模なリフォーム/リノベーションの工事となると工事期間が数ヶ月に及ぶこともあります。
その期間中は売却活動ができないので、早く売却したい人にとってはリフォーム工事期間が逆にネックになるでしょう。
早期売却を希望する場合は、リフォームはせずにその分売り出し価格を低く設定した方が有利なのでは?ということも一度は検討して良いかもしれません。
4、中古物件を探す買い手の本音とは?リフォーム後に売却される物件が欲しいのか
中古物件のリフォームと売却の関係を考えるには、買い手の本音を知っておく必要があります。
買い手が中古物件に何を求めているのかを知ることで、売却前リフォームの是非が見えてきます。
(1)そもそも中古物件に新築の状態を期待していない
新築ではなく中古物件を探している買い手候補が最も重視しているのは、価格です。
新築より安く買えることに魅力を感じているので、少々古い物件であっても中古物件で構わないと考えている人が大半です。
費用をかけてまでリフォームをしても、中古物件を探している人たちには「好みが違う」などの理由からその価値が伝わらない可能性もあるわけです。
(2)見えない部分に問題があるかも知れないと考えている
リフォーム済みの物件であっても中古物件であることに変わりはなく、「売主が認識していない不具合があるかも知れない」と考える買主もいます。
事実、ネット上の記事などでも中古住宅を購入する際には見えない部分の不具合に対する注意が喚起されています。
買い手候補はこうした中古住宅の事情をある程度理解しているので、売主が隠している不具合は論外としても、売主も認識していない不具合が隠れているかも知れないと考えたとしても不思議ではないでしょう。
リフォームをしたとしてもその疑念を完全に払拭することはできないので、リフォーム済みであることが売却を有利にするとは限りません。
(3)中古物件をリフォームしたいと考える人もいる
中古物件を探している買い手候補の中には、購入後に自分でリフォーム/リノベーションをしようと考えている人が多くいます。
そんな人たちにとって、中古物件は自分の好みにリフォームするための「素材」です。
すでにリフォームされている中古物件がその人の好みと奇跡的に一致していれば売却に有利となりますが、そうでない場合の方が多いため「素材」を探している人が多い中古住宅市場において、リフォーム済み物件は不利になります。
(4)築年数まではリフォームできない
売却前にリフォームをする理由は売却を有利にさせるためですが、中古物件の「年齢」にあたる築年数までは取り繕うことができません。
リフォーム済みのきれいな中古住宅であっても築年数からかなり古いことが分かれば、かえって見えない部分の劣化や不具合への懸念が大きくなり売れ残るリスクを高くします。
5、結局、売却前のリフォームはアリなのか?ナシなのか?
リフォーム後の中古物件売却は結局、アリなのか?ナシなのか?その結論を考えてみたいと思います。
(1)リフォームのコストパフォーマンスを考える
売却前リフォームの是非についてを整理すると、以下の2つに集約されます。
- リフォームに要した費用よりも資産価値が向上して高く売れるか
- リフォーム費用分だけ資産価値の向上が見込めないのでそのまま売るか
それぞれのケースが成り立つ条件を順に見てみましょう。
①リフォームに要した費用よりも資産価値が向上して高く売れる場合
売却前リフォームをした結果高く売却できれば、リフォームをしたことが正解になります。
そのためには、以下の3点がポイントになります。
- 資産価値が向上するリフォームを行う
- リフォーム費用を安く抑える
- 売却査定サイトを利用するなど高額売却の工夫をする
資産価値が向上するリフォームとは、どんなリフォームのことでしょうか。
不動産なので立地条件を変えることはできませんが、家の中の美観や設備、一戸建ての場合は外観も含めてリフォームや修繕で改善すれば物件の魅力が増して高値で売れやすくなります。
では、どの部位をリフォームすると資産価値が向上するのでしょうか。
その傾向を知ることができるデータがあります。国土交通省がまとめた「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」という調査結果によると、人気部位は以下のようになっています。
出典:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」
この結果を見ると、水廻りと住宅設備に人気が集まっており、これらの部位をリフォームした住宅は資産価値が向上すると考えられます。
こうした部位に対して「少しでも安く」リフォームをすることが、リフォーム後売却の重要なポイントとなります。
リフォーム費用を節約する方法については、「予算オーバーしないために!リノベーションの費用について知っておきたい6つのこと」の記事にある「4、リノベーションの費用を節約する方法は?」をご参照いただければと思います。
②リフォームをせずにそのまま売却する場合
もうひとつの選択肢、リフォームをせずにそのまま売却する場合は購入者がリフォームを行う必要があるため、リフォームにかかるであろう費用分だけ安く売りに出すことが早期売却もしくは高値売却のコツです。
実は、不動産業者の多くはこちらの選択肢を推奨する傾向があるのをご存知でしょうか?その理由については次項で解説します。
(2)リフォームをせずに売却した方が良いと考える不動産業者が多い
中古物件を探している買い手候補の心理や要望を考慮すると、大規模リフォームは行わずそのまま売りに出すのが正解であると考える不動産業者が多いようです。
リフォームに要する費用分だけ安く売りに出せば、買い手は安く買えた分だけ購入後のリフォームにお金を回すことができるからです。
購入後のリフォームであれば買主の希望に沿ったリフォームができるため、その「素材」として中古住宅を探している人の目に留まりやすく、早期売却につながるというわけです。
これだと高値売却が難しいように見えるかも知れませんが、リフォーム費用を上乗せしたことで売れ残ってしまい、出回り物件として知られるようになってからだと値引きに応じざるを得ず、結局はリフォームをせずに売却した価格よりも低くなってしまう可能性が高くなるのです。
不動産の売却は情報の鮮度も大切なので、リフォーム前の状態で早期に売り抜けるのが得策だと言えるでしょう。
どちらを選択するかを最終的に決めるのは売主本人ですが、仲介を依頼している不動産業者に「リフォームすべきかどうか」を相談して一緒に決めるのが得策であることは間違いありません。
(3)それでも、安くできる修繕やリフォームはプラス材料
前項で、リフォームをせずに売却した方が良いと考える不動産業者が多いと述べましたが、リフォームといってもその規模は様々です。
トイレや浴室などを大々的にリフォームするのとは違って壁紙の張替えや障子の張替えなど、こうした目に見える部分を修繕しておくのは内覧時に好印象を与えることに役立ちます。
厳密に言うとリフォームとは呼べないものですが、こうした見える部分の修繕であればお金をあまりかけることなく物件の印象も良くなるのでおすすめです。
中古車を売りに出す場合、売主の好みでカスタム仕様にしている車が高く売れるかどうかは買い手の好み次第ですが、全体をきれいに洗車しておいてタイミングベルトやブレーキなど走行の安全に関わるような部分をしっかりとメンテナンスしておくことは売却のプラス材料になるのと考え方は同じです。
さらに、中古車を売りに出す際に洗車が有効なのと同じく、中古住宅を売りに出す際には掃除や整理整頓で買い手候補に好印象を与える努力を惜しまないようにしましょう。
これは中古住宅と中古車、どちらにも共通する高値売却と早期売却の基本です。
(4)リフォームではない、ホームステージングという売却戦略
売却前にリフォームをするべきかどうかという選択肢の次に、もうひとつ考慮したいものがあります。
それは、ホームステージングです。
ホームステージングとは家具や小物などのコーディネートによって物件の魅力を高める演出のことです。
インテリアコーディネートとの違いは、いかに高く売れるか、売れやすくするかという目的に絞っていることです。
ホームステージングも高値売却、早期売却への戦略として効果的なので、詳しくは「ホームステージングとは?中古物件の魅力をアップしてより高額で不動産売却する方法」も併せてお読みください。
6、リフォームに限らず、物件をより高く早く売却するなら不動産売却査定サイト
より高く早く売る方法としては、「不動産売却査定サイト」を活用する方法もあります。
不動産売却査定サイトとは、以下の図の通り、一度に複数の信頼できる不動産会社から売却価格の見積もりをもらえるサイトです。
また、複数の信頼できる会社から見積もりをもらうことで、以下の通りどこが一番高く買ってくれるかをすぐに知ることができます。
ですので、「より早く売れる」ということに加えて「より高く売れる」ということもメリットとなります。
数多くの不動産売却査定サイトがありますが、不動産投資の教科書が最もおすすめするのは、以下の大手不動産会社6社が参画する「すまいValue」です。
- 東急リバブル
- 住友不動産販売
- 野村の仲介
- 三井のリハウス
- 三菱地所の住まいリレー
- 小田急不動産
他にも、不動産投資の教科書がおすすめする不動産売却査定サイトについて知りたい方は「【2020年版!】不動産売却の査定サイト!選ぶ基準とおすすめサイト5選」も合わせて」ご覧ください。
まとめ
中古物件のリフォームと売却の関係について解説してきましたが、いかがでしたか?
「リフォームできれいにすれば高く売却できる、早く売却できる」ということが、必ずしも真実ではないことがお分かりいただけたと思います。
不動産取引には様々な立場の業者が関わっているため、それぞれの業者の立場によって言うことが異なるかも知れませんが、そんな時はフラットな視点を持って最終的に何が一番プラスになるのかを、この記事の情報も参考にしながらご判断いただければと思います。