駐車場経営は、有効な土地活用の手段です。
少ない資金で手軽に始められてリスクが低い点や現金収入につながるという点で土地オーナーの方々から人気のある駐車場経営。建物を建てる必要もないため、「とりあえず何か土地活用をしたい」という方々からも人気を集めています。
しかし、いざ自分も始めるとなると、分からないことだらけでお困りではないでしょうか。
今回は、「そもそも、土地活用法として駐車場経営をお考えになっている理由は何なのか?」という点を一度自問自答していただいた上で、駐車場経営を始めるべきかどうかの判断ができる情報をまとめました。
そして、実際に駐車場経営を土地活用として始めることを決めた方のために、具体的な進め方や経営方法を解説しています。ご参考になれば幸いです。
土地活用についてもっと知りたい方は「土地活用ランキング! 種類とメリット・デメリットを徹底比較」も併せてご覧ください。
フドウくん
目次
1、駐車場経営とは?儲かるの?
駐車場経営とは、土地活用の方法として手軽で有効な手段です。本章では、駐車場経営の基本的な知識について説明します。
- なぜ、土地活用に駐車場が良いのか
- 駐車場による土地活用に向いている人
- 駐車場による土地活用に適した土地
(1)なぜ、土地活用に駐車場が良いのか
土地活用として駐車場経営をする魅力は、何と言っても手軽さです。詳しくは後述しますが、土地活用の方向性が定まっていない段階であっても、すぐに取り組めて現金収入になります。「とりあえず何か土地活用したい土地オーナーの方にとっては、大きな魅力になるでしょう。
(2)駐車場による土地活用に向いている人
数ある土地活用法の中で、駐車場経営が適している人の特徴を挙げてみました。下記に該当する方は、駐車場経営による土地活用をおすすめします。
- 放置していると税金が出ていくだけなので、とりあえず何か始めたい
- 最終的な土地活用法を決めかねているので転用性を残しておきたい
- あまり多くを望まず、少ないながらも収入があればいい
- できるだけお金をかけず、リスクも取りたくない
すでに土地を所有している方はご存知だと思いますが、土地は所有しているだけで税金が発生します。
税率1.4%の固定資産税と、0.3%の都市計画税です。固定資産税はすべての土地に課税されますが、都市計画税は市街化区域に指定されている土地のみです。都市部の土地は大半が市街化区域に指定されているため、合計で1.7%の税金が何もしなくても出ていくとお考えください。
数ある土地活用の選択肢の中で、駐車場経営は最も手軽な部類に入ります。建物が不要で、土地にアスファルトを敷くだけです。コインパーキングであれば、ほとんどの準備を業者に任せることができます。
以前であれば、駐車場経営というと近隣にたくさん土地を所有している資産家のビジネスというイメージが強かったと思います。そのため、駐車場経営のノウハウも資産家など特定の人に集中していましたが、今ではネット上のサービスを利用したりコインパーキングへの利用など、駐車場経営参入へのハードルがとても低くなっています。
土地を所有しており、手軽に土地活用を始めたい方には、非常におすすめの方法です。
(3)駐車場による土地活用に適した土地
駐車場経営による土地活用に適した土地、駐車場として活用するべき土地とは、どのような土地でしょうか。下記に該当する土地は、駐車場経営のメリットがより大きくなります。
- 人口が多い地域(住宅地、オフィス街など)
- 観光地、繁華街、商業施設など人が集まる場所
- 前面道路の道幅が十分ある
- 建物を建てるには面積が狭い、または形状がいびつである
- 駐車場経営が可能な土地(詳細は後述)
昼間人口もしくは夜間人口がある程度見込める場所であるということは、クルマも集まってくるため駐車場向きです。観光地などスポット的に人が集まる場所も十分勝算があるでしょう。
こうしたポジティブな条件の一方で、狭すぎて建物を建てるのに適さない、形状がいびつであるなど他の土地活用が難しい場合も駐車場という選択肢に妙味が出てきます。
2、駐車場経営で土地活用をするメリット
本章では、駐車場経営で土地活用をするメリットを解説します。駐車場経営のメリットは、主に以下の4つです。
- 少ない資金で始められリスクを抑えられる
- 転用性が高い
- 流動性が高い
- 現金収入を得られる
(1)少ない資金で始められリスクを抑えられる
建物が建築する必要がなく、初期費用を抑えられます。少ない資金で、すぐ始められるだけあって低リスクです。仮に経営がうまくいかなくても、すぐにやめられる転用性の高さも魅力的です。
(2)転用性が高い
建物がなく、長期契約も存在しないため「いつでもやめられる」という自由度の高さが特徴です。何か他の土地活用を始めたいと思った際、比較的スムーズに転用ができます。土地所有者の「とりあえず何か土地活用を」というニーズの受け皿となっています。
(3)流動性が高い
月極契約であっても、駐車場の賃貸において借地権は発生しません。土地所有者が権利関係に縛られることなく、他の土地活用法への転用や売却も容易です。今は駐車場で良くても、近い将来に売却するかも知れないという見込みがある方にとっては、流動性を確保しておく方法として有効です。
(4)現金収入を得られる
駐車場からの収入は、現金収入です。他の土地活用法と比べて収益性は劣りますが、収入はすべて現金です。土地を所有していることで発生する税金も現金で支払う必要があるため、現金収入を確保できることは何かと便利です。
3、駐車場経営で土地活用をするデメリット
本章では、駐車場経営で土地活用をするデメリットを解説します。駐車場経営のデメリットは、主に以下の3つです。
- 他の土地活用法と比較すると収益性が低い
- 収益が不安定
- 小規模宅地の特例から外れる可能性がある
(1)他の土地活用法と比較すると収益性が低い
手軽で低リスクであるということは、それだけ収益性も低くなるということです。家賃収入と駐車場使用料を比較すると、どちらが高いかは感覚的にお分かりいただけると思いますので、そもそも駐車場経営でアパート、マンション経営のような収入を望むことはできません。
(2)収益が不安定
駐車場の需要は水物です。若者のクルマ離れという構造的な事情から、近隣の人口変動や集客施設の移転など、ちょっとした周辺環境の変化で収益が増減します。
コインパーキングの場合、売上が少なくなると運営事業者から地代の引き下げを要求されることも多く、「駐車場を始めたから安泰」とはならないのが実情です。
(3)小規模宅地の特例から外れる可能性がある
固定資産税には「小規模宅地の特例」という優遇制度があります。名称の通り、「小規模宅地の特例」は住宅がある「宅地」にのみに適用されます。駐車場は更地にすることが前提なので適用されません。特例が適用されないため、固定資産税が丸々課税されることになります。
4、駐車場経営と他の土地活用法の比較
駐車場経営以外によく見られる土地活用法と、駐車場経営を比較してみましょう。それぞれの土地活用法と比べて、駐車場経営がどのような立ち位置にあるのかを、一覧表で確認してください。
土地活用の選択肢 | 駐車場経営と比較して |
アパート・マンション経営 | 本格的な収入を期待できるが初期投資が大きくなり、融資も必要。建物を建てるため転用性も低くなり、恒久的な土地活用法として勝算がある場合にのみ有効。 |
商業施設(コンビニなど) | 商業的な成功を収めれば収益性は断トツに高く、資産価値を維持しやすい。しかりリスクが高く土地の転用性の面でも駐車場には劣る。 |
医療施設 | 社会貢献度は高くテナントが安定的に入居すれば収益面で安定感も高いが、転用性や流動性では劣るため入念なシミュレーションを要する。 |
介護施設 | 社会貢献度と社会的なニーズの安定感は高い。老人ホームやサービス付き高齢者住宅では節税効果も高い。その一方で転用性はほぼなく、初期投資も大きくなりがちでリスクが伴う。 |
トランクルーム | 駐車場に次いで手軽であること、低資本・低リスクであることが魅力。節税効果は低いものの他に目立つデメリットがなく、駐車場経営と同列に検討する価値あり。 |
太陽光発電 | 他の土地活用法が見出せない場合に有効な選択肢。固定額買取制度がある限り収益の安定性は高い。節税効果は低いが、そもそも太陽光発電に適している土地は安価なため影響は少ない。 |
5、駐車場経営で土地活用を始める流れ
本章では、駐車場経営で土地活用を始める流れを説明します。主な流れは以下の通りです。
- 駐車場経営が可能な土地であるかどうか確認
- 需要の調査と月極かコインパーキングかの判断
- 月極、コインパーキングのそれぞれの始め方に沿って進む
(1)駐車場経営が可能な土地であるかどうか確認
最初にしなければならないことは、所有している土地が駐車場経営が可能かどうかという確認です。まず、土地自体がクルマの出入りに支障のない場所であることが前提条件です。それに付随して以下の条件を満たしているかをチェックしてください。
①幅が4メートル以上ある道路に接している
義務ではありませんが、あまり道路の幅が狭いと集客力に影響します。道路の幅が狭かったり出入りに支障があるがゆえに賃料を値下げしなければならないケースも多々あります。
②道路標識、ガードレール、電柱、街路樹など
駐車場予定地に面している道路に道路標識が設置されていたり、ガードレールや電柱があることでクルマが出入りできないという状況も考えられます。管理をしている自治体や警察、電力会社などとの協議によって撤去したり移動してくれる場合もありますが、必ずしも可能であるとは限りません。要確認です。
③土地の形状、高低差のチェック
土地の形状によって、駐車場に何台分の駐車スペースを作ることができるかをチェックしましょう。駐車できる台数が収益に直結するので、できるだけ多くの台数分を取れるように工夫したいところです。
おおむね長さ5メートル半、幅が3メートルあるとだいたいのクルマが収まります。どうしてもその広さを確保できない中途半端なスペースの場合は、軽自動車専用としても良いでしょう。
高低差については、クルマの出入りに支障がないようしておきましょう。あまりにも高低差がある場合は造成が必要になるので、更なるコストがかかってまいます。
高低差があまりにも大きな土地の場合は、造成分のコストを考慮して収支がプラスになるかどうかのシミュレーションが重要です。
ここまで3つのチェック項目を挙げましたが、調査をご自身で行うのは知識的、時間的、体力的に大変だと感じる方もいらっしゃるでしょう。駐車場開発業者に依頼することで調査を行ってもらうこともできますので、詳しく後述します。
(2)需要の調査と月極駐車場かコインパーキングかの判断
土地に関する調査の次は、所有している土地にどれくらいの駐車場需要があるのかを調査します。ネットを使えば、簡単に調査を行うことができます。
日本全国の月極駐車場の情報が登録されている「パーキングポイント」というサイトを使って、駐車場経営を予定している地区の駐車場を検索してみてください。どのくらいの駐車場があるのか、どのくらいの収益が得られるのかという相場観を掴むことができます。
①パーキングポイント
次に、コインパーキングの場合です。最大手のタイムズ24が運営している検索サイトを使って、近隣のコインパーキング相場を調べてみてください。
②タイムズ駐車場検索
ツールを使って調べるべきことは、「近隣に同様の駐車場があるか」「どれくらいの料金で貸し出されているか」といったマーケットの規模や相場です。
調査結果を踏まえてご自身の要望や事情を考慮し、月極駐車場として運営するのか、コインパーキングとして運営するのかを決めます。
今の段階でどちらを選べば良いのか分からないという方は、次章以降で月極かコインパーキングそれぞれの特性やどのような人が選択するべきかという点を解説します。判断の参考にしてみてください。
(3)月極、コインパーキングのそれぞれの始め方に沿って進む
月極駐車場か、コインパーキング。どちらで駐車場経営を進めていくかを決められたでしょうか?次章では月極駐車場、コインパーキングそれぞれの駐車場経営を始める具体的な方法を解説していきます。
6、駐車場経営の種類①月極駐車場
本章では、月極駐車場による土地活用が向いている人の特徴や土地、実際の始め方を解説します。
(1)月極駐車場経営がおすすめな人・土地
月極駐車場による土地活用がおすすめな人・適している土地は以下の通りです。
月極駐車場経営がおすすめな人
- 駐車場として土地活用をする予定期間が比較的長い
- 収入よりも手軽さと安定性を優先したい
- いつでもやめられる転用性を高いレベルで確保しておきたい
- 自宅に隣接または近い土地なので不特定多数の人の出入りを好まない
月極駐車場経営が適している土地
- 住宅街の土地である(夜間人口が多い)
- 狭小地、変形地
- 周辺環境が静かで治安も良い
(2)土地を駐車場として整備
古家が残っている場合は取り壊して更地したり、砂利や草むらの場合はアスファルトで舗装したりするなど、駐車場として使えるように整備をします。
多くの場合、駐車場開発業者に準備を依頼することになるため、手配は業者がやってくれます。ご自身ですべて運営する場合は、近隣の建設会社や土木業者に依頼をして施工をしてもらいます。
(3)近隣の不動産業者に利用者募集を依頼
月極駐車場の場合、更地にしてアスファルトを敷き、区画線を引いたらいつでも営業を開始できます。経営を開始したら、駐車場に「空きあります」「契約者募集」といった看板を出したり、近隣の不動産業者に客付けを依頼したりするなどの方法で集客をします。また、今はネット上で月極駐車場を検索できるサービスがあるので、こうしたサイトに自身の駐車場を掲載するのも有効な集客手段です。
HOME4U(ホームフォーユー)
アパート、マンション経営などを含めた総合的な土地活用について無料プランを一括請求できるサイトです。中にはパーキング業者も含まれているので、駐車場経営の提案を受けることも可能です。
もともとはコインパーキング業者ですが、月極駐車場についての運営管理サービスも提供しているので、こちらに問い合わせを出すことも有効です。
(4)管理委託方式と一括借り上げ方式について
月極駐車場経営は大きく分けて、「管理委託方式」と「一括借り上げ方式」の2つの方法があります。
「管理委託方式」は、不動産業者などに駐車場の管理だけを委託するもので、「一括借り上げ方式」は不動産業者に一括で駐車場を貸し出し運営そのものを任せてしまう方法です。「一括借り上げ方式」は駐車場のサブリースのようなものだと考えれば、お分かりいただけると思います。
ご自身でやることが多くなるものの収益性が高くなる「管理委託方式」か、すべて任せてしまうことができる「一括借り上げ方式か」。
オーナーの要望や事情によって選ぶことができますが、高齢の土地所有者の場合は「一括借り上げ方式」を選択するケースが多く見られます。
7、駐車場経営の方法②コインパーキング
月ぎめ駐車場に続いて、コインパーキングによる土地活用を始めるための手順です。
本章では、コインパーキングによる土地活用が向いている人の特徴や土地、実際の始め方を解説します。
(1)コインパーキング経営がおすすめな人・土地
コインパーキングによる土地活用がおすすめな人・適している土地は以下の通りです。
コインパーキングがおすすめな人
- 手軽に始めたい
- あわよくば高収入を狙いたい
コインパーキングが適している土地
- 昼間人口が多くなる地域もしくはそれに近い
- 観光地や商業施設など人が集まる場所から近い
- 狭い、変形地などコインパーキング以外の土地活用法が見当たらない
安定性重視の月極駐車場と比べて、コインパーキングは需要次第で高収入を狙うことができます。駐車場経営の中でも、収益性を重視する方におすすめです。
(2)コインパーキング業者に見積もりを依頼
コインパーキングの開発は、専門の業者が行います。所有している土地がコインパーキングとしてどのくらい集客することができて、どのくらいの収入を得ることができるのかシミュレーションから始まります。
主要なコインパーキング業者は以下の通りです。まずは、業者に問い合わせしてみることから始めましょう。
三井のリパーク
(3)自己経営方式か土地賃貸方式かを決定
コインパーキングの運営には、「自己経営方式」「土地賃貸方式」という2つの種類があります。
「自己経営方式」は駐車場の整備から設備の設置などを土地所有者が経営主体となって行い、駐車場の運営管理だけを業者に委託する方式です。初期費用は大きくなりますしリスクもある程度伴いますが、駐車場需要が大きくなったら収入も増えるという魅力があります。
一方で、「土地賃貸方式」は土地を駐車場業者に貸す方式です。地代収入以上の収入を見込むことはできませんが、土地所有者のリスクはグッと低くなります。
2つの種類は、コインパーキング業者との契約で選ぶことができますが、どちらがトクかという損得勘定も含めて考えておきましょう。
(4)コインパーキング業者と契約締結
運営方式が決まり、コインパーキング業者との契約を締結すると、土地所有者がしなければならないことはほとんどありません。駐車場開発や整備はパッケージ化されているので、営業開始できるようになるまで待つだけです。
(5)コインパーキング経営での注意点
手軽に始められて高収益を狙うこともできるのが魅力のコインパーキング経営ですが、全国各地で多くの駐車場を開発・運営している専門業者が相手になるだけに、注意点もあります。
コインパーキング業者を選定する際には複数業者への相見積もりを取るのが基本ですが、業者側もそれを熟知しています。
自社への依頼を獲得するために他社よりも高い収益シミュレーションを提示してくることがありますが、同じ土地を駐車場として活用したとして、特定の1社だけがずば抜けた経営をできるようなことはありません。
高い収益モデルを提示してくる業者は、後になって地代の引き下げを求めてくるなど、契約後に真の姿が見えてくることがあります。
こうした事例は極端ですが、コインパーキング経営は需要と売上がすべての世界です。稼働率が想定通りになっていない場合、それに見合った地代への引き下げを求めてくることは珍しくありません。高収益を狙える一方でこうしたリスクも表裏一体であることを念頭に置いておいてください。
8、駐車場経営で土地活用する際の注意点
本章では、駐車場経営で土地活用する際の注意点をお伝えします。
- 駐車場の立地選択と需要有無の判断がカギ
- 料金設定は周辺相場を考慮する
- 相続空き家の特例が使えなくなる可能性がある
- 不動産会社からの営業攻勢
(1)駐車場の立地選択と需要有無の判断がカギ
駐車場経営で収益を確保できるかどうかは、その土地の立地と需要の有無にかかっています。一般的に、住宅地においては月極駐車場、商業施設の周りや病院、観光地においてはコインパーキングの需要があります。基本的なことですが、人流のある立地なのか、需要を見誤っていないかなど経営の方法を正しく判断することが大切です。
(2)料金設定は周辺相場を考慮する
不動産経営全般にも共通していえることですが、駐車場経営においても適切な料金設定は非常に重要です。不適切な価格設定であれば、稼働率が低くなってしまう傾向にあります。周辺の駐車場の料金設定の相場を確認し、大きくかけはなれないようにしましょう。
なお、コインパーキングの場合、周辺駐車場よりも料金設定を若干低くすることで集客しやすくし、収益性を高める方法もあります。
(3)相続空き家の特例が使えなくなる可能性がある
相続で取得した空き家を更地にしたり、耐震リフォームをして売却して譲渡益が発生したりした場合、「空き家の発生を抑制するための特例措置」によって3,000万円までの特別控除が受けられる制度があります。
所有している土地が相続で取得したものである場合、下記に該当するような経緯で売却したのであれば、譲渡益に対する税金を大幅に圧縮することができます。しかし、駐車場として土地活用をしている場合、「空き家の発生を抑制するための特例措置」が適用されませんので注意が必要です。
- その土地が相続で取得したものであること、
- 相続が発生する前に被相続人が自分で住んでいた家であること、
- 現在の相場からだと譲渡益が発生しそうであること、
- そして近々売却する予定があること
上記の条件が揃っている場合、駐車場としての土地活用をしないほうが得策となるので、ご確認ください。
(4)不動産会社からの営業攻勢
多くの土地所有者にとって、駐車場経営は恒久的な土地活用ではありません。
月極駐車場として、長らく活用している土地も少なくはありませんが、特にコインパーキングの場合、暫定的な土地活用であると見なされやすく、不動産会社からの営業攻勢が考えられます。
ほとんどの営業攻勢が
- 「その土地売ってください」
- 「貸してください」
- 「もっと有効に活用しませんか?」
といったものですが、向こうから声をかけてくる話に魅力的なものは少ないので、そういった話が頻繁に来ることにウンザリしてしまうかも知れません。
まとめ
駐車場経営に興味がある方の多くは、所有している土地の活用方法として「駐車場が手軽で良さそうだ」というイメージをお持ちだと思います。実際に、駐車場経営の詳しい情報や具体的な始め方を知った上で、やはり手軽で高収入を狙うこともできる魅力的な土地活用法だという思いを強くした方も多いことでしょう。
月極であってもコインパーキングであっても、今は駐車場の整備から管理までを任せられる仕組みが整備されているので、オーナーの方が専門的なノウハウを持っていなくても参入できる環境です。
まずは、お持ちの土地がどのような駐車場経営に向いているのかから検討してみてください。