ハウスクリーニング料金の相場は、多くの方にとって、知っておいたほうが良い料金です。賃貸オーナーやこれから賃貸経営を始めたいと考えている方にとっては、物件を清潔に保つことで、入居者の満足度を高めるだけでなく、物件価値を維持するためにもハウスクリーニングは欠かせません。
また、現在住んでいる家を売却する際、より高値で売却するための手段としてクリーニングを検討している方も多いでしょう。さらに、賃貸住宅を退去する際、オーナーに支払うハウスクリーニング費用がどれくらいになるのか気になる方もいらっしゃるはずです。
本記事では、ハウスクリーニング料金の相場を詳しく解説し、物件の種類や間取りに応じた料金目安を紹介します。ワンルームからファミリー向けの物件まで、さまざまなタイプの物件における料金の違いや、依頼する際のポイント、コストを抑えるための方法など、ハウスクリーニングに関する知識を網羅的にお伝えします。ハウスクリーニングを検討中の方にとって、費用の参考になる内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
1、ハウスクリーニングの料金相場を見てみよう
(1)空室のアパート・マンション1部屋の料金相場
ハウスクリーニングを行っている業者が提示している価格の相場は、おおむね以下の通りです。部屋が広くなるにつれて作業箇所が多くなるため、比例して相場も高くなっていきます。
部屋の広さ、間取り | 料金 |
ワンルーム、1K | 15,000~30,000円 |
1DK、1LDK | 30,000~40,000円 |
2DK、2LDK | 30,000~70,000円 |
3DK、3LDK | 50,000~85,000円 |
4DK、4LDK | 70,000~100,000円 |
それ以上 | ほとんどの業者に設定がなく、別途見積もり |
上記の一覧はあくまでも目安であり、複数の業者が提示している料金を参考にしてまとめたものです。
また、上記の料金は空室アパート、空室マンションのものであり、居住中のアパートやマンションの場合は料金が異なります。
(2)居住中のアパート・マンション1部屋の料金相場
居住中と空室では、ハウスクリーニングの相場が大きく異なります。
全体的に空室時の方がハウスクリーニングの相場は低めになっており、それには以下のような理由があります。
- 家に何も置いていないので作業をしやすい
- 家財道具を汚さないようにする養生の必要がない
- 居住者がいないので、作業の時間帯も比較的自由になる
居住中の自宅についてハウスクリーニングを依頼したい場合は、前項の相場から20~50%程度加算した相場観が目安となります。
(3)一戸建て住宅のハウスクリーニング料金相場
一戸建て住宅であってもハウスクリーニングのサービス内容が特に変わるわけではないので料金相場にそれほど差はありません。ただし、一戸建て住宅の場合は階段や廊下などマンション、アパートにはないようなクリーニング箇所があるのでその分だけ割高になります。
また、1階と2階それぞれにトイレや水回りがあるような住宅など、基本サービスでは1ヶ所のみとなっているクリーニング箇所が複数ある場合だと家全体のハウスクリーニングであっても、多くの業者では2つ目がオプション扱いとなります。
(4)部位別ハウスクリーニング費用相場
前項までは家全体のハウスクリーニング相場でしたが、次は個別の部位に対する相場を見てみましょう。大手ハウスクリーニング業者が提示している料金から、目安となる金額をご紹介します。
床(ワックス込み) | 8,400円~15,000円(6畳あたり) |
エアコン1台あたり | 12,000円前後 |
トイレ | 8,000円~10,000円 |
浴室 | 14,000円~17,000円 |
台所 | 15,000円~25,000円 |
洗面、脱衣所 | 8,000円~9,000円 |
これらはすべて実際にハウスクリーニングサービスを提供している業者の実勢価格です。実際の見積もりでは諸要素によって金額が変わってくる可能性があります。
そうした事情を踏まえて言えるのは、個別の部位だけだと割高になることです。「ハウスクリーニング=家全体のクリーニング」というイメージが強いのは、家全体を丸ごと依頼したほうが安く感じるからだと思います。
2、Q&A|ハウスクリーニング料金についてよくある質問
ハウスクリーニングの料金はどのように決まるのか?
ハウスクリーニングの料金が決まる代表的な要因は下記の通りです。複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。
- 家のサイズ:家の広さや部屋の数など、清掃する面積の大きさ
- クリーニング箇所:清掃箇所によっても料金は変わります。汚れやすく、クリーニングが困難な場所は、より高い料金が設定されることがあります。
- クリーニングの種類:一般的な清掃に加えて、エアコンやカーペットの清掃など、追加のクリーニングが必要な場合は、追加料金がかかる場合があります。
- 地域による違い:地域によって人件費などが異なるため、料金も異なる場合があります。
ハウスクリーニング料金の相場は?
- 地域によって人件費などが異なりますが、大まかに1平方メートルあたりの単価は1,000円〜1,500円くらいが相場です。
居住中の物件でハウスクリーニングを依頼したい場合は、20~50%程度加算されるとお考えください。
ハウスクリーニング業者を選ぶときの注意点は?
ハウスクリーニング業者を選ぶときには、以下の点を考慮しましょう。
- 実績と評判: ハウスクリーニング業者のウェブサイトで実績を、口コミサイトなどで評判をチェックして、過去の顧客のフィードバックを読んでみましょう。
- 料金: 料金体系が、他の業者と比較して合理的であるか、わかりにくい追加料金がないかを確認しましょう。
- クリーニングの品質: ハウスクリーニング業者が使用するクリーニング剤や器具、クリーニングスタッフが十分なトレーニングを受けていることも重要です。
- 保険: ハウスクリーニング業者が適切な保険に入っているかも確認しましょう。保険があれば、万が一事故が発生しても保護される可能性が高くなります。
3、ハウスクリーニングの主なサービス内容
ハウスクリーニングとは、一般的に言われている掃除よりもさらに専門的な装備や技術を用いてプロが家全体をクリーニング(美化)することです。専門の業者が清掃を行うため、素人の掃除では思いが及ばないような部分も含めて、隅々まできれいに磨き上げてくれます。
ハウスクリーニングは居住している人が大掃除の代わりに依頼することもできますし、賃貸オーナーが入居者が引っ越して空室になった部屋を、次の入居者が入るまでにきれいにするという目的などで利用されています。
(1)どんな事業者がハウスクリーニングを行っている?
ハウスクリーニングを行っている業者として最も多いのは、掃除を本業としている専門の業者です。
社名に「おそうじ」「クリーニング」などの言葉が含まれている業者が多いので、そういった業者は社名を見ただけでハウスクリーニングの専門業者であることが分かります。
その他には引っ越し業者や便利屋ビジネスを行っている業者などもハウスクリーニングに参入しているので、その裾野は広くなっています。
業者間の競争も激しいため利用者としては比較検討をしやすいですが、賃貸住宅の入退去が集中する春先や年末の大掃除シーズンはハウスクリーニング業者にとっても繁忙期となり、例年その時期は作業予約を取りにくくなります。
(2)ハウスクリーニング作業の内容
サービスを行っている業者によって作業内容や相場はまちまちですが、一般的にハウスクリーニングと呼ばれているのは、マンションの部屋全体または一戸建て住宅の家全体をクリーニングすることを指しています。
そのサービス内容は、どの業者もおおむね以下のようになっています。
- 玄関
- 台所、ダイニング
- 換気扇、レンジフード
- 浴室
- トイレ
- 洗面所、脱衣所
- ベランダ、バルコニー
- 窓、サッシ
- 各室、廊下、階段などの床・壁
- エアコン
レンジフードやエアコンについては内部に汚れがたまりやすいので、分解したり内部のフィルターを洗浄するサービスが含まれている場合が多いようです。
これ以外に、以下のサービスが含まれていたり、オプションサービスとして用意されています。
- 一戸建て住宅の外壁
- クリーニングで出たごみの処分
- 天井、屋根裏
- 床のワックスがけ
- 光取り窓の洗浄
- 浴室のカビ防止コーティング
- ロフト
- クロス張り替え
- 畳表替え
こうしたサービスの組み合わせや内訳は業者によってまちまちなので、相場を調べる前に必要なハウスクリーニングの内容で業者の目星をつけておくことも重要でしょう。
もちろん、これらの部位を個別に依頼することもできます。気になる部分だけ、自分たちではできない場所だけ、といった依頼の仕方もOKです。
(3)ハウスクリーニングの繁忙期と閑散期
ハウスクリーニングサービスには、時期によって繁忙期と閑散期があります。繁忙期は新年度を控えて引っ越しが多くなる3月と、年末の大掃除需要が高くなる12月です。この中でも新年度に関わる引っ越し集中期というのは引っ越しが集中しやすいため、希望の日時にハウスクリーニングの予約を取りにくい事態も十分考えられます。
繁忙期と閑散期では予約の取りやすさだけでなく料金相場にも違いがあるので(閑散期の方が安い)、繁忙期のハウスクリーニング依頼は早め早めに手を打つことが重要です。
4、ハウスクリーニングの料金を安く抑える方法
すでにハウスクリーニングを利用している方であっても、「今の業者が高い、もっと安くやってくれる業者はないか?」と思いませんか?
相場を知った上でハウスクリーニングの業者を比較検討すれば、安くやってくれる業者、コストパフォーマンスに優れた業者に出会う可能性も高くなります。
(1)できるだけ「まとめて依頼」する
家全体のハウスクリーニングと、部位別のハウスクリーニングについてそれぞれの相場をご紹介しましたが、これを見ると「個別部位で依頼すると割高になる」ことは明らかです。
どうせ依頼するならまとめて、という考え方を基本に、同時に複数の箇所を依頼できる状態になってから依頼するのも一つの手です。
賃貸住宅の退去時に行うハウスクリーニングであれば家全体が基本ですが、居住中の住宅について依頼される場合は「まとめて依頼」を心がけましょう。その方が価格交渉の余地も大きくなります。
(2)繁忙期よりも閑散期
ハウスクリーニング業界には繁忙期と閑散期があります。繁忙期は大掃除が集中する12月と新年度を控えた3月で、その時期から離れるほど閑散期となります。
エアコンの利用を控えた6月や11月など、小規模な繁忙期もあるので、賃貸オーナーのように時期的な制約があまりない方はできるだけ閑散期を狙いましょう。
(3)複数業者からの相見積もり
ハウスクリーニング業者選びにおいて、比較検討は基本中の基本です。少なくとも複数社からの見積もりを取ってみてください。そのサービス内容や価格体系が大きく異なるため、できるだけ広い視野で比較することをおすすめします。
また、ハウスクリーニング業者との価格交渉において、他の業者からも見積もりを取っていることは交渉を有利にする可能性もあるので、特に賃貸オーナーなど長く付き合える業者をお探しの方は面倒がらずに取り組みたいところです。
(4)安さだけを追求しないこと
ハウスクリーニング業者の比較検討となると、どうしても「価格」に目線がいきがちです。もちろん価格で比較することは重要なのですが、業者側もそれを熟知しているので価格の表示にはさまざまな工夫を凝らしています。
それを知らずに安さだけに注目をして依頼してしまうと失敗の原因になるので、「妙な安さ」に対しては少し疑いの目をもって臨むようにしてください。
5、ハウスクリーニング業者の選び方 傾向と対策5選
ハウスクリーニングは「たかが掃除」と思われている部分もありますが、ご自宅の衛生管理や快適性、さらに資産価値にも関わる部分なので、相場だけでなくサービスの質にもこだわりたいところです。
賃貸オーナーにとっては物件の内覧に訪れた入居希望者をガッカリさせるようなハウスクリーニングでは無駄になります。
ハウスクリーニング業者選びで失敗したくない方に必須の情報をまとめていますので、ご参考にしていただければと思います。
(1)相場より妙に安い業者は要注意
ハウスクリーニング業者の多くはネット集客に力を入れているので、ネット上には無数の広告が出されています。やはりネットでは価格で比較されやすいので、価格の安さを前面に打ち出している広告が目立ちます。
そこで注意したいのが、「相場より妙に安い業者」です。安さに飛びつきたくなるのは当然ですが、料金表示が「〇〇円~」「〇〇円から」となっている場合は要注意です。
こうした広告に表示されているのは、最低料金です。現場を見てからの見積もりで汚れの程度によって加算があるなど、結局はそんなに安くないことになってしまう場合があります。
対策:この場合は問い合わせ時に「どんな場合に加算があるのか」という基準を尋ねてみてください。それが明確になっていないのであればどんぶり勘定で料金を加算される恐れがあります。
(2)基本料金が安い場合はオプションに注目
家全体のクリーニングをパッケージ商品として提供している業者は多く見られますが、その基本料金が相場より安く感じる業者も何らかの理由があるかも知れません。なぜなら掃除は手間賃仕事なので人件費に大きな違いはなく、相場より妙に安い基本料金だと採算が取れないからです。
その場合、些細なことであっても全てオプション扱いとなり、オプション料金を加算すると結果的に高くなってしまうことも珍しくありません。
対策:基本料金が相場より妙に安いと感じたら、「どこまでが基本料金の範囲なのか」をしっかり確認してください。見積もりをもらう場合は、それを書面でもらっておくとトラブル防止に役立ちます。
(3)「人」にも注目を
ハウスクリーニングは人が提供するサービスです。大切な所有物件に人が入ってきてクリーニングを行うのですから、どんな人が来るのかにも関心を持ちましょう。
大手の場合はあまり見られませんが、小規模経営をしているハウスクリーニング業者の多くは掃除を担当する人の写真を広告に出しており、多くの依頼者が「どんな人が来るのか」という点に関心を持っていることが分かります。
人手が不足している業者だと雇ったばかりのアルバイトがやって来ることもあるそうなので、それだとハウスクリーニングの仕上がりに不満が残りそうです。
対策:写真を見ると「どんな人が来るのか」という雰囲気までは分かりますが、その人のスキルにも注目したいところです。何が得意なのか、どんなスキルを持っている人なのかを尋ねるだけで、雇ったばかりのアルバイトなどサービス品質が高くない人派遣されるリスクを軽減できます。
(4)大手vs個人経営の業者
全国展開をしているような大手業者と、地域密着の小規模業者がありますが、やはり大手の方がテレビCMをやっていたり知名度が高いので安心だと思ってしまいがちです。
対策:ハウスクリーニングというサービスの内容に大きな違いがあるわけではありません。大手だからと言って特別な人が来るわけではなく、また大手企業の看板を出していても経営母体は小規模なフランチャイズ店というケースもよくあります。
大手だから良さそうと無条件に考えることなく、小規模であっても長い付き合いができるような信頼に足りる業者も多くありますので、電話の対応や見積もり時の対応などでフラットな目線で比較検討しましょう。
(5)損害保険加入の有無を確認
大切な所有物件の中に入ってきて作業をするため、万が一室内に傷や汚れなどをつけてしまった場合は資産価値を下げることにもつながります。
そんな事態に備えて多くのハウスクリーニング業者は損害保険に加入していますが、相場より安いハウスクリーニング料金を前面に打ち出している業者の中には保険に加入していない場合があるので要注意です。
対策:問い合わせ時、見積もり時などに損害保険加入の有無を確認してください。業者側から説明があれば、リスク管理も行き届いている業者なのでポイントアップだという判断材料にしても良いと思います。
全国展開のハウスクリーニング業者
ベアーズ暮らしサポート
創業20年の家事代行最大手・ベアーズのハウスクリーニングです。安心と実績があり、高い品質のハウスクリーニングを提供しています。
お客様満足度は96.5%で、以下の5つの部門でNo.1を獲得しています(2021年9月期ブランドのイメージ調査。日本マーケティングリサーチ機構調べ)。
- 口コミランキング No.1
- サービス品質が高いと思うサービス No.1
- サポートも充実のサービス No.1
- 共働き家庭が選ぶサービス No.1
- 企業の福利厚生におすすめのサービス No.1
おそうじ本舗
ハウスクリーニング業界の成長企業として知られ、全国展開をしている大手グループです。価格にもこだわりがあるため、うまく時期やキャンペーンを狙うと安く依頼することができます。
6、賃貸住宅とハウスクリーニング
賃貸住宅のオーナーで物件の管理を委託している場合、自らハウスクリーニング業者を探すということはあまり無いかもしれません。
しかし、退去後のハウスクリーニングにいくらかかるのかという相場観を持った上で、管理会社からの請求書や精算書をチェックする必要はあるでしょう。
また、退去後のハウスクリーニング費用は、賃貸オーナーだけでなく入居者にとっても関心事です。
入居時に支払った敷金や保証金が、ハウスクリーニング費用を差し引かれて返還されたという場合、まず賃貸借契約書を確認しましょう。
敷金や保証金は、通常使用している範囲での経年劣化に対する修繕費用に充ててはいけないということが原則です。退去時のハウスクリーニング費用負担については、賃貸借契約で別途定める必要があるのです。
契約書に入居者が負担することが明記されていれば、料金の相場を確認し、敷金から差し引かれる金額をチェックしましょう。
参考:【賃貸管理者向け】退去時クリーニングの費用の相場|発注先探しならEMEAO!
まとめ
ご自宅や投資用の物件は大切な資産です。
そのメンテナンスであるハウスクリーニングは信頼できる業者に依頼したいもの。
口コミやレビューを調べた上で、
- 事前にサービス内容とオプションなど含む料金を明確化する。
- 保証の有無と保証内容を確認する。
上記のような基本的ポイントをクリアしている業者であることが大切です。