• 相続税対策
  • 2018/12/18

家族信託まとめ|基本からメリット&デメリット、具体的な手続き方法など

今は元気であっても、将来認知症や病気などで判断能力を失ってしまったら、その後の相続や財産承継などはどうなってしまうんだろう?と不安をお感じではありませんか?

そのために用意されている制度として「成年後見制度」のことをご存じの方は多いと思いますが、この制度にはいくつかの制約や限度があるため、もっと「今の気持ち」を判断能力が失われてしまっても反映される仕組みはないのかという声はよく聞かれます。

そこでご紹介したいのが、家族信託です。

家族信託のことを名前だけでも見聞きしたことがあるという方は、すでに将来のリスクに対してかなり具体的にお考えの方だと思います。初めてこの家族信託という言葉を目にされた方もおられると思いますが、この家族信託は今後認知症などで判断能力を失ってしまっても「今の気持ち」をしっかりと財産管理や相続に反映することができる制度なので、そんな仕組みを求めていたという方は、ぜひとも最後までお読みください。

今何となく横たわっているモヤモヤしたものがスッキリと晴れて、安心して老後を迎えるための準備の一歩になるでしょう。






目次

1、家族信託が注目されている理由

人生100年時代と言われる今、家族信託がなぜ注目されているのでしょうか。その理由と家族信託のメリットを3つのポイントに整理してみました。

(1)自分が認知症になったら財産はどうしよう?

今は元気であっても、将来認知症に絶対にならないと断言できる人は1人としていません。誰もが持っているリスクであり、それと同時に誰もができることなら避けたいと考えているのが、認知症などで判断能力を失ってしまうということです。

厚生労働省が発表しているデータによると、2020年には認知症を発症する高齢者が300万人近くに上り、65歳以上の人に占める割合は8.9%になるとあります。

 

出典:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html

この比率がさらに高くなると仮定すると、現役世代の方が老後を迎えた時には101人くらいの比率で認知症になるかも知れないと予測できます。

自分が認知症になったら、財産はどうしよう?という疑問や不安は当然のことであり、そのために家族信託という制度があるということであれば、それをぜひとも検討したいと思う人たちからの注目が集まるのは当然なのです。

(2)成年後見制度では十分ではない

認知症や障がいなどによって本人に判断能力がない場合、後見人がそれを代理できる制度として成年後見制度があることはご存じの方も多いと思います。認知症などのリスクに備える制度として、この成年後見制度ではダメなのか?とお考えの方も多いことでしょう。

詳しくは後述しますが、判断能力を失った後の財産管理という意味においては成年後見制度だと不十分な部分が多く、あくまでも身体的な保護を目的としている制度であるところに限界があります。

その一方で家族信託は財産の管理や守っていくことを主眼に置いた制度なので、相続や財産承継などの問題を解決するのであれば、家族信託を利用するべきであると考えられます。

(3)法律にのっとった相続では自分の意向を反映できない

判断能力を失った後であっても、その人が一定以上の財産を持った状態で亡くなると相続が発生します。相続は法律にのっとって進められることになりますが、それが必ずしも故人の意向通りのものであるとは限りません。

判断能力を失った後の相続に懸念があるという方の多くは、「自分の意向がどこまで反映されるのか」という不安を持っています。家族信託をうまく活用すると、こうした問題も解決することができます。

同様の効果を持っている遺言よりも柔軟性が高く現実に即した財産承継ができるので、家族信託を選択する人が多くなっているのです。

2、家族信託の基礎知識5つ

認知症などのリスクに備える手段として、現段階で「何となく家族信託が良さそうだ」とお感じの方は多いと思います。そこで、まずは家族信託とはどういう制度なのかという基礎知識を解説します。

(1)そもそも、家族信託とは?

家族信託とは、文字通り「家族に信託」をするための法的環境が整備された制度のことです。では何を信託するのかというと、将来相続が発生すると思われるような不動産、有価証券、現金などの財産です。

財産を持っている人が「もし認知症になって判断能力を失ったらどうしよう」という懸念を持った場合、信頼できる家族に財産を信託することで、万が一懸念していたようなことが現実になったとしても信託された家族が財産を管理するため、信託契約をした時の意向がそのまま維持されます。

 

この図にあるように、家族信託には「委託者(財産を持っている人)」と「受託者」、そして「受益者」という3人の当事者がいます。信託をせず自分で管理するなら委託者と受託者は同一人物となりますが、信託の場合はこれが2者に分かれます。

また、判断能力を失った後でも自分の生活に必要なお金をちゃんと自分のために使ってほしいと思う方が大半だと思いますので、その場合は委託者と受益者が同一人物となり、自分の財産を信託によって管理を任された人からお金を出してもらうことによって生活を守ることができます。

(2)家族信託制度が設けられた背景

冒頭でも触れましたが、高齢化社会の進展に伴って認知症を発症する人数が増え続けています。人数だけならまだ高齢者の絶対数が増えているだけと解釈することもできるのですが、気になるのは発症者の比率も上がり続けていることです。

やがて10人に1人が認知症を発症するかも知れないという時代に向けて、「その後」の財産管理に何らかの手立てを打っておくことが重要になってきているのです。

まとまった財産をもっている人が認知症や病気などで判断能力を失ってしまうと、介護の問題だけでなく高い確率で相続の問題が発生します。なぜなら、本人が意思表示をできないのを良いことに財産を譲り受けると言っていたと主張する人が現れたり、故人の意向に反するような相続をしようとする人が出てくる可能性があるからです。

こうしたトラブルや問題の長期化を防ぐためにも、家族信託は有効な選択肢のひとつなのです。

(3)家族信託と成年後見制度の違い

よく言われているのが、家族信託と成年後見制度は何が違うのか?という点です。「成年後見制度ではダメなのか?」という疑問をお持ちの方も多いと思いますので、その違いや問題点について解説したいと思います。

成年後見制度にある問題や限界については、以下が主なポイントです。

  • 成年後見制度を利用できるのは本人の判断能力が低下し始めてから
  • 本人の財産を管理できるのは一代限り
  • 財産管理には厳しい制約がある
  • 成年後見人に対する報酬というコストが発生する

ここで注目したいのは、やはり1つ目です。本人の判断能力低下を懸念しているのに、判断能力の低下が始まってからでないと利用できないところに成年後見制度の不安があります。

また、財産管理についても家庭裁判所からの監督を受けるため、仮に財産の移動や処分が本人のためであったとしても不可能な場合があります。家族信託であれば信託された人にその権限があるので、かなり柔軟な財産管理が可能になります。

(4)他の相続対策、生前贈与との比較

相続対策という観点で、成年後見制度の次は生前贈与との比較を考えてみましょう。生前贈与には基礎控除といって毎年110万円の枠がありますが、これを使って財産の移転をするとなると財産の規模によっては何十年とかかることもあるでしょう。

それを超える金額を生前贈与すると、高い税率がかかることはご存じの方も多いと思います。

相続対策として生前贈与を活用してメリットが得られるのは、教育資金や結婚・子育て資金などの控除を受けられるケースや、何十年もかけて基礎控除の範囲内で財産の移転をしていけるだけの時間があるような場合です。

財産を持っている方がすでに高齢になりかけているという場合は、特別控除に該当しない限りはメリットを発揮しにくいと言えるでしょう。

なお、生前贈与を活用した相続対策についての詳細は、以下に詳しい解説がありますので、興味がある方はそちらも併せてお読みください。

【参考】

生前贈与が相続税対策になる理由と状況別5

(5)他の相続対策、生命保険との比較

生前贈与の次に、こちらも相続対策としてよく知られている生命保険と家族信託も比較してみましょう。生命保険の死亡保険金を事実上の相続として活用すると、相続人1人あたり500万円という控除が受けられることや、受取人を指定することで財産承継の道筋をつけやすいというメリットがあります。

判断能力を失った後の相続対策という意味では生命保険のほうがメリットが大きいのですが、最初に考慮するべきなのが「そもそも保険に加入できるか」という問題です。健康状態や年齢によっては保険に加入できないので、このスキームが成立しません。

生命保険を活用した相続対策についての詳細は、以下の記事で解説していますので、ぜひそちらも併せてお読みください。

【参考】

「相続税対策に生命保険が良いらしい」と見聞きした方へ、その根拠と選ぶべき保険商品

また、これは生前贈与でも同じですが生命保険で受取人を指定して財産承継の道筋をつけたとしても、その人の次の代まで道筋をつけることはできません。家族信託であれば二次相続まで意向を反映することができるので、このメリットについては次章で詳しく解説します。

3、家族信託のメリット

家族信託のメリットを、4つのポイントで解説します。

(1)財産管理が判断能力の有無に左右されない

信頼できる家族に財産の信託をしておけば、本人の判断能力の有無に関係なく財産が信託契約の内容通りに管理されます。これはおそらく家族信託をお考えの方にとって最大のメリットであり、期待する部分でしょう。

認知症など判断能力が低くなっている人に対する悪質な詐欺なども起きていますが、家族信託にしておけばこのようなリスクも回避することができます。

(2)成年後見制度よりも財産管理の自由度が高い

家族信託では、受託者の権限で柔軟な財産管理ができるようになります。成年後見制度だと本人のために財産を処分したいという場合であっても裁判所の判断を仰ぐ必要が出てきますが、家族信託だと受託者の判断でそれが可能になります。

成年後見制度よりも本人(委託者)の意向を反映しやすいのは間違いないでしょう。

(3)二次相続以降の資産継承についても信託可能

法律にのっとった相続や遺言による相続では、その効力が及ぶのは1回目の相続までです。その相続で財産を受け取った人が亡くなって次の相続が発生する場合であっても、そこまで意向を及ばせることはできません。

  • もし、遺産を受け取った妻がすでに高齢で認知症だったら?
  • もし、遺産を受け取る唯一の相続人が障がいで判断力がなかったら?

このようなリスクが考えられる時に、家族信託の契約内容に二次相続の意向も委託しておくと、それが法的な効力を持ちます。

上記の他にも相続人である子と疎遠になっていて相続した途端に財産を処分してしまうかも知れないが、本来はその次の代である孫に財産を承継したいと考えているような場合であっても、家族信託が有効になります。

(4)資産の塩漬け防止

遺産分割協議の結果、相続した不動産が相続人同士の共有名義になっているとすると、その不動産を処分するのに全員の同意が必要になります。この同意形成がスムーズにいかなければ、その不動産は前にも後ろにも動かせなくなります。

いわゆる塩漬けの状態になってしまうと不動産が資産どころかお荷物になってしまう恐れもあります。家族信託であれば受託者の権限で不動産の管理や処分ができるため、塩漬けになるリスクを回避できます。

4、家族信託のデメリット

メリットに次には、家族信託のデメリットについても解説します。

(1)受託者を決める際に揉める可能性がある

家族信託のメリットをお読みになった方は、あることにお気づきではないでしょうか。共有名義になっている不動産だと処分が難しいが、家族信託だと受託者の権限で処分が可能になる、というくだりです。そんなに一人に権限を集中させると、相続人同士で揉めるのでは?という疑問がわいた方は多いのではないでしょうか。

その疑問は正解で、家族信託では誰を受託者にするのかで揉める場合があります。事実上の財産継承者であり誰もが文句のつけようがないような立場の人であれば良いのですが、そんな人が複数いたり、逆にそんな人がいない場合にはトラブルの火種になります。

(2)成年後後見制度と違って身上監護権がない

すでに成年後見制度と家族信託の違いを述べてきていますが、そもそもこの2つの制度は与えられた役割が異なります。

家族信託は財産の管理をメインにしているのに対して、成年後見制度は判断能力を失った本人の保護がメインです。つまり、家族信託を利用して受託者を決めたとしても、その人に身体的な保護を管理する権限(身上監護権といいます)はありません。

どんな医療や福祉、介護を受けるのが適切かという判断は、家族信託の受託者にはないということです。

(3)長期にわたる意向の反映が足かせになることも

家族信託を利用して二次相続まで道筋をつけたとして、本人は安心できるとは思いますが、その家族信託によって2代先まで財産の取り扱いや当事者の関係性が拘束されるという意味でもあります。

信託時の事情がそのまま続いているのであれば良いのですが、何か事情が変わってしまったとしたら、どうでしょうか。相続トラブルを避けるために家族信託を利用したのに、今度はそれが裏目に出て新たな相続トラブルを起こしてしまう可能性があります。

5、家族信託を選択するべきなのは、こんな人

メリットとデメリットを知っていただいたところで、次の疑問である「実際に家族信託を利用するべきなのは、どんな人?」にお答えします。ご自身に当てはまるかどうか考えながら読み進めてください。

(1)将来、認知症になってしまったら財産の心配が大きい人

ここまで解説してきたように、財産を持っている人が認知症になることのリスクは多岐にわたります。相続トラブルだけでなく高齢者を狙った詐欺の被害にあう懸念もあるため、生活習慣病などで認知症のリスクが高いと指摘されている方や、特に指摘されていなくても判断能力を失ってしまった後の財産承継について不安が大きいという方は、家族信託を検討する余地が大いにあります。

(2)相続人も認知症や障害などで判断能力がない

近い将来に相続が発生する見込みがある方で、相続人となる予定の方がすでに高齢で認知症になっている場合など、判断能力が低くなっている方に財産を相続する可能性がある場合は、それ以外の人に家族信託をしておく必要性が高くなります。

二次相続を含めた信託契約が可能なので、判断能力が低い人に相続をしたとしても、その人を受益者として受託者が財産的な保護をすることも可能になりますし、その後の財産承継についての不安も解消できます。

(3)子供よりも孫など次の世代への財産承継を重視したい

法的には孫より子のほうが相続の優先順位が高いですが、被相続人の意向が必ずしもこの優先順位になっているとは限りません。

例えば、子とはすでに疎遠になっていて遠方に住んでいるような場合、子に財産を相続した直後に不動産を処分されるなどの可能性が考えられます。優先順位通り子に相続をしてからだと、その次の孫に財産を承継したいと思っていたとしても、その意向が反映できるとは限りません。

この場合であっても、家族信託で信頼できる親戚を受託者にとして、子に財産を相続するとしても受益者となるだけで受託者ではないため、勝手に財産を処分できなくなります。そして次の相続まで財産を守ることができるというわけです。

(4)相続で揉めて不動産が放置されそう

遺産分割では「争族」という言葉があるほど、揉め事が起きがちです。揉めると長期化しやすいため、仮に相続財産が不動産だった場合は、その不動産を動かすことができません。

また、遺産分割協議の結果として相続人同士の共有名義になった場合は、やはり相続人全員の同意がなければ不動産を処分することができないため、やはりその時に揉める可能性を残してしまいます。

このように何らかの形で相続人同士で揉め事が起きてしまうと、不動産を適切に活用したり売却したりできないため、財産どころかお荷物になってしまう可能性大です。

家族信託で受託者を決めておけば、その人の権限で不動産を処分したり活用したりすることができるため、財産としての活用に道が開かれます。

これだけだと受託者の思い通りになってしまう印象がありますが、他の相続人は受益者なので、売却益や不動産を活用した時の利益は受益者にも分配されるため、権利はちゃんと守られます。

6、家族信託の手続きをする方法

実際に家族信託をする場合の手続きは、どのようにすれば良いのでしょうか。家族信託の手続きについて解説します。

(1)家族信託手続きの3つの方法

家族信託の手続きには、主に3つの方法があります。それぞれ1つずつ解説していきましょう。

①当事者同士の信託契約

家族信託の当事者である、委託者と受託者が信託契約書を作成して署名押印することで信託契約が成立します。個人間の契約なので、双方が同意して契約書を作成すればOKです。

3つある家族信託手続きの中で、最もシンプルな方法です。

②遺言代用信託

銀行や信託銀行に、「遺言代用信託」というサービスがあります。受託者として銀行を指定して、委託者が存命のうちに判断能力を失ってしまった場合は受託者である銀行から金銭などを受け取って生活を支え、委託者である本人が亡くなった後は銀行から受益者に対して金銭が支払われる仕組みのことです。

これを図にすると、以下のようになります。

 家族信託だと家族や親戚の誰かに信託をすることになりますが、適任者がいない場合や特定の親族に信託をするとトラブルになりそうな場合は、受託者として銀行を指定することができるのが遺言代用信託です。

③自筆遺言書による信託宣言

家族信託の意向を遺言書に記載しておくことで、その本人が亡くなった時に遺言書が発行するのと同時に信託が成立するという方法があります。これを、信託宣言といいます。遺言書を作成する方法にのっとってさえいれば、特に役所などで手続きをする必要はなく、遺言書の中に家族信託の意向を記述していれば有効となります。

(2)専門家に相談する

家族信託はまだ世の中に広く認知されていないことや、信託契約の内容によっては財産の取り扱いに重大な支障が生じる可能性もあるため、専門家ではない人が自分でやろうと思うと非常に困難であると言われています。

この記事では家族信託の概要やメリット、デメリットなどを解説していますが、実際にやるということであれば、専門家に相談をさせることを強くオススメします。

いわゆる士業と呼ばれている人たちの中でも弁護士、司法書士や税理士などが家族信託の相談を受け付けているので、実際に家族信託をする場合にはこうした専門家に相談の上進めるようにしてください。

(3)家族信託に詳しい専門家の見つけ方

家族信託は専門家に相談するべきと述べたものの、専門家の間でも精通している人とそうでない人がいるのが実情です。相談して依頼するのであれば少しでも詳しい専門家に任せたいところなので、ネット検索を活用して家族信託に詳しい専門家を見つけることから始めるべきだと思います。

「家族信託+(地名)」といったように検索をすると、お住まいの地域で活動をしている専門家の中で、家族信託を取り扱っている人が見つかることと思います。注目したいのは、それらのサイトに記載されている家族信託に関する情報の豊富さと具体性です。「家族信託も取り扱っております」と1行だけしか書かれていないような場合は、あまり得意ではないものの取りあえず記載しているだけという可能性もあるので、少なくとも1ページを割いて案内をしている専門家を選択肢としたいところです。

7、家族信託の注意点5つ

最後に、家族信託の注意点を5つのポイントで解説します。

(1)家族信託は節税スキームではない

「家族信託は相続対策になる」という言葉だけを見ると、どこか相続税の対策のように見えてしまいますが、家族信託は節税のためのスキームではありません。相続「税」対策ではなく相続対策であることをご留意ください。

(2)信託した資産で赤字が出ても損益通算できない

家族信託の制度によって受託者となった人は、信託財産の管理をすることになります。この信託財産で仮に赤字が出たとしても、他の所得や収益と通算をして課税対象額を減らすといった税務処理はできません。

赤字が出ている収益不動産などの信託を引き受けようと思っている人がもし、「赤字を通算したら税金対策になる」をお考えだとしたら、それができないことを留意しておいてください。

(3)信託財産の漏れがあると相続対策効果が薄れる

家族信託の際には信託契約書を作成しますが、そこに記載されていない財産については信託の対象になりません。それが意図的なものだったとしても、不本意なものだったとしても、信託されていない財産は実際に本人が判断能力を失った時や、さらにその先に本人が亡くなった時に相続問題を引き起こす恐れがあります。

相続問題を避けるために行った家族信託なのに、漏れがあると相続対策としての効果が薄れてしまうのです。

家族信託には専門家が関与するべきというのは、素人がやることによってこうした事態を引き起こすのを避けるためでもあります。

(4)自分でやるのはリスクが高すぎる

前項で挙げたリスクも含めて、家族信託を素人だけでやることにはかなりのリスクが伴います。特に役所や裁判所などに手続きをする必要がなく、原則として個人間の契約だけで有効にできるものだけに、その契約の内容が後々になってもトラブルを回避できるものなのかどうかを検証する機会がないからです。

しかも本人が元気なうちは問題が表面化することがなく、本当に判断能力を失ってしまった時に問題が表面化して重大な事態を引き起こす可能性もあります。

こうした点を踏まえると、やはり家族信託には専門家の関与が欠かせないと考えておくべきでしょう。

(5)精通している専門家が少なく精査が必要

まだ制度自体の歴史があまり長くないため、専門家といっても精通しているかどうかが分からないのが家族信託の厄介な部分です。医師免許があれば歯科以外の全科目を診療することができますが、その中に専門の診療科目があり、それ以外については不得手な診療科目があるようなものです。

専門家だからといって相続の専門かどうかは分からないのと同じく、相続に詳しくても家族信託まで詳しいかどうかは精査が必要です。すでに解説してきたように、ホームページなどで家族信託についてどこまで具体的な言及があるかは大いに参考になるでしょう。

まとめ

人生100年といわれるほどの長寿社会は良いことですが、それと同時に認知症などで存命のうちに判断能力を失ってしまうリスクも高くなります。自分は関係ないと言い切れる方はいないと思いますので、万が一の際の財産管理に不安がある方は家族信託を検討してみてはいかがでしょうか。

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