ホームインスペクションとは、住宅を購入する前に、専門のインスペクターが建物全体を調査し、構造上の問題や設備の不具合などを確認するプロセスです。
基礎や屋根、外壁から、水回りや電気設備に至るまで、見落としがちな箇所も含めて詳細に点検し、購入後に発生しうる問題を事前に把握できることが大きな利点です。
特に中古住宅では、老朽化や隠れた欠陥がある可能性が高く、インスペクションを行うことで大きな修理費用を回避できる場合もあります。
本記事では、ホームインスペクションの具体的な効果や、検査で注目すべきポイント、またインスペクター選びの際の注意点について詳しく解説します。安心して家を購入するために、ホームインスペクションをどう活用すべきか、そのメリットやデメリットも踏まえてご紹介します。
不動産売却について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
不動産売却をできるだけ高くするコツと見落としがちなポイントを解説
目次
1、ホームインスペクションとは
そもそも、ホームインスペクションとは?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
本章では、
- ホームインスペクションとは
- ホームインスペクションの活用場面
- 不動産投資におけるホームインスペクション
について、それぞれ解説していきます。
(1)ホームインスペクションとは?
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に詳しい専門家が、第三者の立場から目視で建物の劣化状態・欠陥の有無・改修すべき箇所などを調査することを指します。
住宅に詳しい専門家は、ホームインスペクターと呼ばれ、専門的なスキルと資格が必要です。
ホームインスペクションは、基本的な住宅であれば実施することは可能で、新築や中古の一戸建て住宅に限らず、アパートやマンション診断も対象の物件に含まれます。
(2)ホームインスペクションの活用場面と目的
ホームインスペクションを使う場面は、不動産を売買するタイミングが最も多くなっています。
最近では、中古物件の不動産売買時に、販売者がホームインスペクションの説明をすることが義務付けられました。
ホームインスペクションの活用目的を、以下にまとめました。
- 適切な価格設定の確認
- 中古住宅の売買促進
- 瑕疵保険の検査のため
- 施工ミスの抑止
- 定期点検のため
- 売買後のトラブル防止
(3)不動産投資におけるホームインスペクション
不動産投資を始めるときは、ホームインスペクションを依頼することをおすすめします。
特に、不動産投資の初心者の方は、不動産の適切な価格を知ることや、素人にはわかりづらい瑕疵を見つけることは難しいでしょう。
不動産投資は、購入してからがスタートであり、購入後に欠陥が見つかれば、修繕費用が嵩むリスクが潜んでいます。
ホームインスペクションを依頼することで、検討している物件の価格が適切かどうか、重大な問題がないか確認することができ、最小限にリスクを抑えることができるでしょう。
2、ホームインスペクションの費用相場
次に、ホームインスペクションの費用相場を解説します。
ホームインスペクションの費用は、多くの方が気になる点です。
ホームインスペクションの費用相場は、【5万円】程度と言われております。
実際には、業者や専有面積、建物によって料金体系はバラバラであり、5万円は目安です。
不動産会社によっては、中古住宅の購入の際に、無料でホームインスペクションが付帯するサービスを展開しています。
3、ホームインスペクションのメリットデメリット
続いて、ホームインスペクションのメリットとデメリットを紹介します。
ホームインスペクションのメリットとデメリットを理解しておくことで、自分にはホームインスペクションが必要なのかわかる一助となるでしょう。
(1)メリット
まずは、ホームインスペクションのメリットを紹介します。
ホームインスペクションのメリットは、
- 不動産売買の重要な判断材料になる
- 売買後のトラブルを回避できる
- 安心感につながる
①不動産売買の重要な判断材料になる
不動産は、素人の目では物件の価値が分かりにくいものです。
ホームインスペクションを依頼することによって、第三者の立場に加えて、プロの目で物件の価値や状態を把握することができます。
対象の物件の価格が適切かどうか、状態はどうかがわかることで、不動産売買に重要な判断材料となります。
②売買後のトラブルを回避できる
不動産売買では、購入してから瑕疵が見つかって買主と売主の間でトラブルが発生してしまうことも多々あります。
ホームインスペクションであらかじめ物件の状態を調査しておくことで、購入後のトラブルを回避することができます。
売買後のトラブルを回避できることは、買主・売主の両者にとって、大きなメリットとなります。
③安心感につながる
以上のメリットを踏まえて、ホームインスペクションの最も大きいメリットは、「安心感につながる」ことです。
買主にとって不動産購入は、人生においても非常に大きな買い物となるでしょう。
物件の価値や状態があらかじめ把握できること、それによって売買後のトラブルを抑止できることは、買主・売主の両者にとっても安心感につながります。
(2)デメリット
次に、ホームインスペクションのデメリットを紹介します。
ホームインスペクションのデメリットは、
- すべての欠陥が見つかるわけではない
- コストと時間を要する
①すべての欠陥が見つかるわけではない
ホームインスペクションを依頼しても、すべての欠陥が見つかるという保証はありません。
ホームインスペクションを行うホームインスペクターは、いくら住宅の専門家とはいえ、目視で調査します。目視での調査には限界がありますし、属人的であるため、担当者によっても精度にばらつきがあります。
そのため、目視では確認できない内部の瑕疵が後から出てくることもあるでしょう。
②コストと時間を要する
ホームインスペクションを利用するには、費用が発生してきます。
「安く買いたい」「高く売りたい」と思っている方にとって、費用が発生してしまうことはデメリットになるでしょう。
調査自体は当日中に終わることが多いですが、担当者が即日調査できることは稀で、手配されるまで一定の期間待たなければいけません。また、調査から結果が報告されるまでの時間も要します。
「今すぐ買いたい」「今すぐ売りたい」と思っている方には、時間的なロスがあることがデメリットになるでしょう。
4、ホームインスペクションを依頼するときの注意点3選
前章で、ホームインスペクションのデメリットを解説しましたが、デメリットを踏まえて、
ホームインスペクションの注意点を解説します。
ホームインスペクションの注意点は、以下の通りです。
- コスト、時間に余裕を持つ
- 全ての欠陥が見つからないことを認識しておく
- ホームインスペクションの依頼先に注意する
(1)コスト、時間に余裕を持つ
ホームインスペクションを依頼する時は、コスト、時間を考慮して全体予算を考えましょう。
ホームインスペクションのデメリットで説明した通り、依頼には一定のコストと時間を要します。
不動産は非常に高額な商品となるため、できる限り費用を抑えようとしたり、「今すぐ買いたい」「今すぐ売りたい」と焦って意思決定してしまうのは、非常にリスクが高いです。
焦って購入した後に、重大な瑕疵が見つかってしまえば、かえって費用が高くなったり、トラブルが発生してしまったりするでしょう。
(2)全ての欠陥が見つからないことを認識しておく
ホームインスペクションを依頼しても、すべての欠陥がみつかるわけではありません。
依頼する方は、全ての欠陥が見つかるわけではないと認識しておきましょう。
(3)ホームインスペクションの依頼先に注意する
ホームインスペクションを依頼する場合には、依頼先に注意をしましょう。
依頼先によっては、買主にとって不都合な事柄を、正確に伝えない悪質な業者も存在します。
では、どのような業者に依頼するのが良いのでしょうか?次章で詳しく、解説します。
5、ホームインスペクションを依頼するポイント
前章で、ホームインスペクションの依頼先に注意すると解説しました。
そこで、ホームインスペクションを依頼しようと思った方のために、依頼するポイントを紹介します。
ホームインスペクションを依頼するポイントは、以下の通りです。
- 中立性が高い
- 実績が多い
- 建築士の資格者
- 適切な価格設定
- 自身で住宅建築に関わる経験の有無
特に、ホームインスペクションの担当者は、「中立」であることが重要です。
中には、提携先の不動産会社の意向で、依頼者に正確な報告をしないなど、不動産会社寄りの業者もあります。
中立な立場で、誠実な対応をしてくれることを重視して、依頼先を選ぶようにしましょう。
**ホームインスペクションとは?**
ホームインスペクションとは、住宅の状態を専門家が検査することです。家の構造、電気設備、水道、暖房・冷房システム、屋根などを確認し、問題点や修理が必要な箇所を見つけるのが目的です。主に住宅を購入する前に行われ、購入判断に役立ちます。
ホームインスペクションに関するQ&A
Q1:ホームインスペクションはなぜ必要ですか?
購入予定の住宅が安全で問題がないか確認するためです。目に見えない欠陥を発見することができ、修理費用や将来のトラブルを避けるために重要です。売買契約後の後悔を防ぐための保険ともいえます。
Q2:ホームインスペクションの費用はどのくらいですか?
インスペクションの費用は地域や住宅の大きさによりますが、一般的には5万〜10万円程度が相場です。住宅の規模が大きい場合や、特別な検査が必要な場合は、さらに費用がかかることがあります。
Q3:ホームインスペクションはどのタイミングで行いますか?
通常、売買契約を結ぶ前に行います。契約の条件としてインスペクションの結果に基づく交渉や修理依頼を行うことができるため、事前に行うことが推奨されます。
Q4:ホームインスペクションで検査する項目は何ですか?
1.基礎や構造
地盤沈下やひび割れなど
2.屋根や外壁
雨漏りの可能性や劣化
3.電気設備
配線の安全性や漏電のリスク
4.配管や水道 漏水や配管の状態
暖房・冷房システム 機器の作動状況
5.換気や断熱
快適性や省エネ性能の確認
まとめ
今回は、ホームインスペクションについて解説しました。
ホームインスペクションは、住宅購入の重要なステップです。費用はかかりますが、長期的な安心とコスト削減につながるため、慎重に行うことが大切です。
ポイントは以下の通りになります。
ポイント
- ホームインスペクションは、ホームインスペクターと呼ばれる住宅の専門家が、第三者の立場から住宅の欠陥や状態を調査すること。
- ホームインスペクションの最大のメリットは、買主・売主両者にとって、安心感につながること。
- 一方、デメリットは、コストが発生すること。ホームインスペクションを依頼する場合には、依頼先に注意する必要がある。
不動産売却を検討されているなら、ホームインスペクションを利用すると良いでしょう。
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ホームインスペクションを利用して不動産の状態を確認できたら、不動産売却の準備をしましょう。
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