• 不動産投資
  • 2018/3/21

平成28年の税制改正後も不動産投資の消費税還付を受ける3つの方法

不動産投資消費税還について、「平成28年以降は通用しなくなる」と気がかりではありませんか?

不動産は高額商品だけに消費税の金額も大きく、それが還付されるとなると数百万円、もしくはそれ以上のお金が戻ってくるのでとても魅力的です。

しかし、国としてもそれだけの税収が失われることに対して穏やかではいられません。そこで2度にわたって税制が改正され、不動産投資消費税還付を取り巻く状況はその度に大きく変わってきました。

平成28年には最も新しい改正が行われており、ついに消費税還付が封じられてしまったとも言われています。

そこでこの記事では、

  • 消費税還付の仕組み
  • 平成22年の改正ポイント(自販機スキーム封じ)
  • 平成28年の改正ポイント(消費税還付の完全封じ?)
  • 平成28年以降も消費税還付が受けられる可能性

という、重要な情報をまとめました。

不動産投資家にとって、キャッシュフローは経営の命です。一度納めた数百万円レベルのキャッシュが戻ってくるのは経営上も大きな意味を持つことなので、消費税還付の仕組みをしっかり理解して、「自分は還付が受けられるのか」という可能性を模索するのにお役立てください。


1、もう消費税還付が受けられなくなる?と気になっている方へ

まずは不動産投資における消費税還付について説明していきます。

(1)高額の税金還付が続出、不動産の消費税還付

不動産投資の税務にはさまざまな節税テクニックがありますが、消費税還付も税制をうまく利用した節税スキームのひとつです。

簡単に言ってしまうと、

不動産投資に微々たる事業を加えて通算することで物件取得時に支払った消費税の大半が戻ってくる

というものです。

1億円の物件を購入するのに支払う消費税は800万円(10%になると1,000万円)ですが、自動販売機を設置するなど不動産投資とは異なる事業を行ってそちらで消費税を支払うことで、不動産投資の仕入れで支払った消費税が支払いすぎたとして取り扱われ、還付されるという仕組みになっています。

例えば、自動販売機事業で支払った消費税が1万円だとすると、不動産投資で支払った800万円の消費税と通算され、800万円のほぼ全額が還付されるのです。

不動産投資はキャッシュフローが非常に重要なので、800万円近い現金が上積みされるのは経営上、とても魅力です。そのため不動産投資の税務では消費税還付が強く意識され、最初からそれを考慮した税務が行われてきたのです。

(2)消費税還付を計算に入れた投資計画をしている方は注意!

詳しくは後述しますが、平成28年の税制大綱では不動産投資においてこれまでとても魅力的だった消費税還付がほぼ不可能になりました。やはり国としても消費税還付スキームによってかなりの税金を還付してきたので、その方法を封じる方向で改正をしてきました。

これまで通用してきた消費税還付の仕組みや、何かが変わったために消費税還付スキームが使えなくなったのかについては、順次解説していきますが、まずはとても重要な事実として「今後、不動産投資で消費税還付はほとんど無理」になったことをご承知おきください。

消費税還付によって戻ってくる税金を計算に入れた投資計画を立てている方は大幅にキャッシュフローが変わってくる(しかもマイナス方向に)ので、くれぐれもご注意ください。

2、不動産投資で消費税が還付される仕組み

次は、以前よく活用されていた消費税が還付される仕組みについて紹介していきます。

(1)そもそも、不動産投資の消費税還付とは?

不動産投資の消費税還付は、事業者が消費税を預かった上で納税するという仕組みの中で生まれた節税テクニックです。実際にこのテクニックが通用していた頃は多くの不動産投資家が物件購入時に発生する消費税をほぼ全額取り戻していました。

消費税は税率が8%で、この先10%になることが決まっています。1億円の物件購入で発生する消費税は8%でも800万円という高額なので、これを取り戻せるとなると非常に魅力的なので、消費税還付を受けることを前提とした資金計画で不動産投資をすることも珍しくありませんでした。

(2)消費税の仕組みと不動産投資の消費税還付について

不動産投資で消費税還付が受けられる仕組みを理解するには、消費税を納税する仕組みを知っておく必要があります。

一般的な事業には仕入れと販売があります。事業者は仕入れの際にも消費税を支払っているので、販売した際に消費者から預かった消費税のうち、仕入れ時に支払った消費税を差し引いて納税をします。

これを雑貨店で「ぬいぐるみ」を仕入れて販売するケースに例えてみましょう。ぬいぐるみは仕入れ値が500円、販売価格は1,000円だとします。仕入れ時には問屋に40円の消費税を支払い、店頭で売れた時には来店客から80円の消費税を預かります。この雑貨店が確定申告で納税するのは、差額の40円です。その理由は、仕入れ時に問屋に40円の消費税をすでに支払っているので、ここで80円全額を納税すると支払いすぎになるからです。

この雑貨店が本業とは別に不動産取引をしたとします。お店が古くなったので近くに新築したとしましょう。この費用が1億円だとします。この費用にかかる消費税は800万円です。

実際にはもっとたくさんの商品を仕入れて売っているはずなので税務はそれを合計したものとなりますが、ここでは1年間にぬいぐるみ1個しか売れなかったと仮定すると、この雑貨店の消費税は以下のような内訳になります。 

ぬいぐるみ売り上げ 1,000円 80円(預かり消費税)
ぬいぐるみ仕入れ 500円 40円(支払い消費税)
店の新築費用 1億円 800万円(支払い消費税)
消費税の差し引き   800万40円―80円=799万9960円

この内容で確定申告をすると、消費税を払いすぎていると見なされて7999960が戻ってきます。

これが消費税還付の仕組みです。不動産取引の際に発生する高額の消費税がほぼ丸々戻ってくるので、不動産投資家にとって非常に魅力的であることが分かります。

(3)不動産投資で消費税還付を受けるには

前項の雑貨店の例では、不動産取引の目的が「店の新築」であり、不動産投資ではありません。たまたま店を新築した年の税務がそのようになっただけで条件を満たしたわけですが、不動産投資家がこの雑貨店のように消費税還付を受けるには、これと同じ状況を意図的に作る必要があります。

消費税還付を受けるための条件

①消費税課税事業者になる

消費税の課税事業者にならなければ、そもそも消費税の税務を行うことができません。そこで「課税事業者選択届出書」を提出して消費税課税事業者となることで、消費税還付の下準備をします。

②不動産を購入する

投資対象の不動産を購入して、消費税を支払います。しかし、この物件で家賃収入は発生させません。なぜなら家賃は消費税が非課税なので、消費税の対象となる売り上げとは見なされず、これを計上しても還付の処理はできないからです。

③課税売上を計上する

最も重要なのは、消費税の課税対象となる売り上げを何か発生させることです。次項で解説しますが、最も手軽な方法として自動販売機を設置してそこでジュースやコーヒーが売れた分を課税対象の売り上げとして計上する手法が広く用いられました。

以上の条件を満たすことにより、その年に不動産を購入、新築した代金の消費税と自動販売機の売り上げが差し引きされ、数百万円規模の消費税が還付されるわけです。

(4)平成22年までの「自販機スキーム」

前項で解説した自動販売機の売り上げを計上する消費税還付テクニックは、「自販機スキーム」とも呼ばれる人気の手法でした。一棟ものの不動産を購入したのであればマンションやアパートの1階部分に自動販売機を設置しやすいですし、そうでなくても自宅の一部や所有している駐車場など、不動産投資家であれば自動販売機を設置する場所を確保しやすいことも人気の理由でした。

もちろん、計上する課税売上は自動販売機でなくても構いません。本当に何か他に事業を営んでいる方であればその事業で発生する課税売上を活用しても良いと思いますが、自販機スキームのポイントは「不動産取引で発生した消費税と課税売上の差が圧倒的に大きい」ことなので、あまり課税売上が大きいと還付される差額が少なくなるので、「課税売上が発生するものの少額である」ことを満たすには自動販売機が最適だったのでしょう。

この自販機スキームは多くの不動産投資家が適用を受けて消費税が還付されたため、その規模の大きさから国が問題視する事態に発展しました。

その結果必要とされたのが平成22年の税制改正です。

3、平成22年と平成28年の改正ポイント

次はどのようにして消費税還付スキームを国が制限していったかについて説明していきます。

(1)平成22年の税制改正で自販機スキームが封じられた

自販機スキームによって高額の消費税を取り戻した投資家が続出すると税収への影響が懸念され、平成22年の税制大綱では「消費税課税事業者選択届」を提出して2年以内に不動産を購入すると消費税還付を受けられるものの、取得の3年後に「調整対象固定資産に係る調整計算」という再計算が行われ、最終的に還付された消費税を返さなければならないように改められたのです。

そのままの文面を見ても分かりづらいですが、早い話、これは自販機スキームを封じるのが目的です。

これで不動産投資の消費税還付は道が完全に閉ざされてしまったのかというと、そうではありませんでした。

(2)平成22年以降に通用した2つの消費税還付方法

平成22年の自販機スキーム封じを目的とした税制改正にも、実は抜け道がありました。その抜け道を使った消費税還付スキームは、2通りあります。

①元から課税事業者になっておく

平成22年の税制改正では「届出提出後2年以内に不動産を取得」ということに縛りが設けられたので、課税事業者になる届出に関係なく最初から課税売上が発生している事業者になっておけば関係がありません。

年間の売り上げが1,000万円を超えると自動的に課税事業者となるため、不動産を購入する前にそうした売り上げを作っておけば、従来通り消費税還付のスキームが通用しました。

②課税事業者となってから2年間は何もせず3年目に不動産を取得

すでに課税事業者になっておくという方法は、1,000万円以上の売り上げを伴うので納税額もそれなりのものになります。投資家の中にはこの金銭的、時間的なコストが気になる人も多く、その場合は届出によって課税事業者になる方法が選択されました。

平成22年の税制改正では「届出提出後2年以内に不動産を取得」すると消費税還付を封じるように改められたので、「それなら2年経過後に」というわけで、3年目に不動産を取得するスキームが確立され、2年間の寝かせ期間はあるものの従来通りの消費税還付が可能でした。

しかし、この平成22年版とも言える消費税還付スキームも、平成28年の税制改正でさらに封じられることとなったのです。

(3)平成28年税制改正以降の消費税還付はどうなる?

平成28年の税制改正では、それまで通用していた平成22年版の消費税還付スキームが通用しなくなりました。税制大綱に書かれていることを分かりやすくポイント整理すると、こうなります。

  • 消費税課税事業者選択届を提出してから2年以内の不動産取得という縛りがなくなり、いつ取得しても還付スキームが使えなくなった
  • 1,000万円以上の売り上げを計上して課税事業者となっても還付スキームが使えなくなった 

これは見事に、平成22年版の消費税還付スキームを狙い撃ちにしています。それまで通用していた「2年間寝かせてから不動産購入」「1,000万円以上の売上計上で課税事業者になる」といったことが意味を成さなくなったのです。

4、それでも消費税還付を今後も受けたい方へ

このように消費税還付を受けることは極めて難しくなりました。

それでも消費税還付を受けたいという方に、極めて難しい条件を満たす必要がありますが、還付を受けられるケースを紹介していきます。

(1)もう消費税還付は受けられない?

平成28年の税制改正で遂に詰んでしまった感もある消費税還付ですが、数百万円レベルのお金が戻ってくる魅力的なスキームはもう使えないのでしょうか。

先に結論を述べますと、「極めて難しくなった」と言わざるを得ません。その理由は後述しますが、それでも全く方法がゼロになったわけではありません。

平成28年版とも言える消費税還付の可能性について、次項で3通りの方法を解説します。

(2)平成28年以降も消費税還付が受けられる3つの可能性

平成28年の税制改正でそれまでの方法で消費税還付を受けることは実質上不可能になりましたが、可能性は残っています。いくつかある中で、より現実味のあるものは3通りです。

①元から不動産投資以外の事業がある

不動産投資以外に元から本業として別の事業がある場合は、そちらで課税売上が発生するので、自然な形で消費税還付が受けられる可能性があります。

自販機スキームのように、不動産投資家が消費税還付を目的として「事業を用意する」のではないところがポイントです。

②住居用物件以外に投資する

アパートやマンションなど住居用の物件だと家賃が消費税非課税なので、不動産収入を計上しても課税売上とはなりませんが、オフィスビルや商業テナント物件であれば話は別です。不動産収入がそのまま課税売上となるので、特定のスキームを使うことなく不動産物件の購入代金に対する消費税還付が受けられます。

③課税売上を3年間計上し続けて自然な形を作る

それまで通用していた自販機スキーム封じの切り札となったのが、課税売上割合が著しく変動した時の調整です。不動産の購入は大きなお金が動くので、自販機の売り上げに対して高額の消費税が発生します。それによって課税売上割合が大きく変動するわけですが、それを不自然だと見なし、調整することで一旦還付した消費税を返還させるという仕組みになりました。

それなら課税売上割合が著しく変動しないようにすれば良いというのが、この手法です。課税売上として計上できる商取引を繰り返しておくことで、不動産を購入しても「著しく変動」しないようにすれば、調整を免れるという考え方です。

具体的な手法としてよく用いられているのが金の売買です。金を商品として売買をすることで課税売上が立つ一方で、価格が安定しているので売買損が出にくく、売買を繰り返すことで低コストで売り上げを立てられるからです。

(3)消費税還付がオススメできない3大理由

平成28年の税制改正以降も消費税還付の可能性は残されており、それを前項で3通り解説しました。それならその形でこれからも消費全還付を…とお考えの方も多いと思いますが、そこにはデメリットやリスクがあることを十分に理解しておいていただきたいと思います。

メディア不動産投資の教科書としては、消費税還付を「可能ではあるがオススメしない」というスタンスです。その3大理由は、以下の通りです。

①手続きが煩雑で節税メリットが小さい一方でコストが高い

以前の自販機スキームのような簡単な手続きであれば投資家が自ら行うことができましたが、平成28年以降の消費税還付がスキームだけでなく手続きが複雑になっているため、自力で行うのは現実問題不可能です。

税理士に依頼をする必要があるわけですが、成功率が以前より低く還付によって得られる節税メリットが小さくなっている一方で3割程度の成功報酬を税理士に支払っていたのでは、トータル収支としてのメリットも薄れてしまいます。

②消費税還付は税務署から睨まれている

度重なる税制改正によって不動産投資の消費税還付を封じてきたように、国はこれらのスキームによって税収が減ることを懸念しています。つまり消費税還付は税務署から睨まれやすい手続きであり、その傾向は平成28年の税制改正以降はさらに強まるでしょう。

不動産投資家にとって税務署を敵に回すことは百害あって一利なしなので、短期的な利益だけのために消費税還付をしたばかりに事業者としての健全性を疑われてしまうのは割に合いません。

③金融機関が敬遠する可能性が高い

不動産投資と資金調達は切っても切れない関係にありますが、当の金融機関が消費税還付のスキームを敬遠する傾向が強まっています。制度上は違法でないとはいえ税務署から睨まれやすい手続きを前提とした不動産取引に対して融資をつけるのは、その片棒を担いだことにもなりかねないからです。

資金調達ができなければ不動産投資は絵に描いた餅なので、金融機関からの信用を得るためにも強引な消費税還付には慎重になるできでしょう。

まとめ

自分も消費税還付を受けて高額の消費税を取り戻したいと思われている方にとって、最後までお読みいただいた上での感想はいかがでしょうか。

特に平成28年の税制改正が気になっている方にとっては、ガッカリされた部分もあると思いますが、短期的な利益よりも長期的な視野に立った上での損得勘定を考えると、消費税還付がなくても経営が成り立つ不動産経営を目指すのが最も得策だと言えます。

今だけ限定公開中!初心者が知っておくべき不動産投資の全知識(無料ダウンロード)

こちらは、不動産投資初心者のあなたのための教科書です。
不動産投資はとても高額な投資です。間違った知識で行えば、あなたの資産はすぐに消え失せてしまうでしょう。 そこで、私たちが普段お客様と直接やりとりする中で、必ず押さえておくべきだと痛感している内容を一冊にまとめました。

  • 基礎知識が身につくので、安心して不動産投資を始められます
  • 信頼できる不動産投資会社を見極められるようになります
  • 自分に一番合った物件を探せるようになります
  • 不動産投資をサラリーマン業と両立させるコツが分かります

この資料をダウンロードすることで、リスクを出来る限り防ぎ、効率良く投資ができるようになります。 投資に対する知識不足から不安になったり、間違った判断をしてしまわないために必要なことばかりです。 初心者の方や、もう一度基礎からしっかり学びたい方は、ぜひダウンロードしてお読みください。

無料E-BOOKダウンロード

今だけ限定公開中!
初心者が知っておくべき不動産投資の全知識

このような方に是非読んでいただきたいです!

  • 不動産投資の仕組みについて知りたい
  • 不動産投資のリスクを最小限におさえる対処法
  • 自分に合った投資タイプの選び方
  • 始める前に知っておくべき失敗事例
  • 有利な条件にて融資を活用する方法
  • 不動産投資で成功した方の共通点
  • 信頼できる業者の探し方
  • 効率よく掘り出し物件の探し方
  • 成功させる業者との付き合い方

無料E-BOOKお申し込みフォーム