不動産投資とはいわゆる「大家さん」になることです。
投資する不動産物件選びは非常に重要とはいえ、不動産物件を購入してから本格的に始まります。マンション、一戸建て、アパートなど物件の種類や規模が違っても、基本は同じです。
物件を管理する大家さん(家主)のお仕事がどういうものかご紹介して行きましょう。(小山智子・不動産コンサルティングマスター、ファイナンシャルプランナー)
・管理会社を選ぶコツ
家主から物件管理の業務委託を受ける不動産会社を管理会社と言います。
不動産会社が受託する管理業務は、集金代行や契約更新、退去に関する事務手続き、賃料滞納や苦情対応、物件の清掃や不動産仲介業者への入居募集の依頼など幅広いものがあります。
管理業務を自分ですることもできますが、意外とやることも多いので他の仕事との両立が難しい方は、信頼できる管理会社を選びましょう。
・設備対策は事前に確認がマスト
家主は、賃貸借契約で設備に含むとしたものは、修繕や交換を自分の費用負担で行わなければなりません。
入居者が決まる前に、物件の設備や内装の状態をきちんと確認しておきましょう。
国土交通省の「2018年度住宅市場動向調査」によると(外部リンクに飛びます)、賃貸住宅の選択理由は「家賃が適切だったから」が第1位で50.3%、次いで「住宅の立地環境が良かったから」(42.8%)、「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」(32.9%)となっています。
物件の立地は変更できませんが、「家賃の割に設備が良い」という評価になれば物件そのものの魅力を高めることができるので、こうした費用は最終的に入居者が払う礼金や家賃でまかなえるように資金計画を立てておことが大切です。
・家賃は毎月確認しよう
家賃収入は不動産投資の主たる利益になるので、入居者からはきちんと家賃を支払ってもらわなければなりません。
そのため、当たり前のことですが毎月入金の確認をおこたらないようにしましょう。
すぐに連絡すればすぐに払える入居者でも、家主が気づかず連絡が遅れると放置されることがあります。
問題が長期化し法的な措置を視野に入れるなら、適切な手順を踏んで進めるよう、宅建協会などの相談窓口や弁護士に相談しましょう。
家賃滞納トラブルを未然に防ぐために、入居者審査をしっかりする、家賃保証会社を利用するなどの方法もあることを覚えておきましょう。
・空室対策はどうする?
入居者がいない状況を「空室」と言いできるだけ早く入居してもらえるよう、入居者の募集、問い合わせ対応、審査、契約締結、物件の改装などを行います。
空室または現在の入居者が退去する予定が出たら、すぐに家賃・共益費(管理費)・敷金・礼金などの条件を決め、次の入居者の募集を開始しましょう。
なぜなら家賃収入を得るためには、購入した物件を誰かに借りてもらわなければならないからです。
不動産仲介業者に賃貸借契約の仲介を依頼する場合は、入居者募集や審査、契約手続きのサポートを受けられますが、成約したら仲介手数料を支払います。
・入居者のケアは早めに対応
入居者が決まってからは日常の入居者からの苦情の対応や、契約更新の際の契約書再発行、更新料の受け取りなどがあります。
入居者からの苦情には、できるだけ早く対応しましょう。家主(管理会社)の対応に不満が理由の退去は対応によって避けられる場合があります。
共用部分の管理・清掃が行き届いている、家主が迅速な対応をしてくれる、入居者同士のトラブルが少ないなど入居者の安心を得られるよう、気配りが必要となることも覚えておくと良いですね。
・まずは小さい規模から全容を理解しよう
まずはマンションの一区分、一戸建てなど小さい規模で始めて、大家さんのお仕事を実際に体験してみると良いでしょう。
物件管理に加えて、賃貸に係る収支の管理や確定申告などの税務など現場を体験したあとに分かってくることが多いです。
不動産投資の全容が理解できたあと、一棟アパート・マンションへのステップを上ってみるのも良いかも知れませんね。