• インタビュー
  • 2018/10/22

村上ファンドの再来といわれるアクティビスト型投資会社「M&S」とは

  • M&S
  • 代表
  • 内藤 昌弘

いつもメディア「不動産投資の教科書」をお読み頂き有難うございます。
不動産投資の教科書 代表の山本尚宏です。

今回は東京都中央区日本橋に本社を構える、投資会社「M&S」代表の内藤昌弘(ないとう  まさひろ)さんと対談させていただきました。

M&Sは、日本の中小型株市場におけるアクティビストのパイオニア的な独立系投資会社です。

この対談の中で、内藤代表の強い「企業理念」やハイパフォーマンスを継続して出し続けている理由などたくさんのお話を伺いました。

その中で、一番印象に残っているのは、アクティビスト投資において大切である「対話」にこだわっている内藤代表のお話です。

  • 資産運用をご検討されている方
  • アクティビスト投資にご興味のある方
  • 独立系投資会社の実態が気になる方

上記に一つでも当てはまる方は、ぜひ読んでみてください。

M&S設立の経緯について

山本
本日はよろしくお願いいたします。 
内藤
はい。よろしくお願いいたします。

山本
御社は日本でも珍しいアクティビスト型の投資会社ですよね。

なぜアクティビストをやろうとお思いになったのかその経緯について聞きたいと思います。 

内藤
経緯ですか、、、

今の日本市場の成り立ちにも問題があると思うのですが、実は、今の日本の上場企業の3分の1くらいは非上場化してしまっても良いと思ってるんですよね。

山本
今の上場企業の3分の1もですか? 

内藤
本当に上場する必要があるかどうかでいうと「No」である企業がそれだけあるという意味でですよ笑

企業価値向上に向けて何かをするわけでもなく、同じような事業を何十年も継続している。
それでは売上や営業利益も基本的には横ばいか右肩下がりです。

また、IRも特段工夫なく、内部留保だけを溜め続け、株価は下落するのみ。

それにも関わらず、社長や役員は退任せず居座り続け、毎年同じだけの役員報酬をもらっている。そんな企業が日本には多すぎると思います。

山本
上場企業なのに、株価を向上させるために努力をしていないということですか?

内藤
簡単にいうとその通りです。

特に中小型規模の会社は、東証(東京証券取引所)と大証(大阪証券取引所)が上場社数を競っていた誰でも上場できた時代に、銀行に推薦される形で意味もなく上場しています。

山本
なるほど。そんな現状を変えたくてM&Sを起ち上げたということですね。 

内藤
村上さんじゃないですけど、私自身もこの日本の上場企業の現状は変えるべきだと思ってます。

村上さんが提唱していたコーポレートガバナンス・コードの浸透も、もちろん大事ですけど、やはり日本の上場企業、特に中小型規模の上場企業に必要なのは上場企業としての責任を今一度認識し、危機感を覚えることだと思うんですよね。
日本の株主はみんな舐められすぎですよ笑

そこで、会社を立ち上げてアクティビストとして日本の上場企業に対して活動をすれば、上場企業としての責任を少しでも思い出してくれるのではないのかと。

また、アクティビストに狙われている会社があることで、他の会社も自分達もうかうかしていられないぞと思って、今一度上場企業として何をすべきなのか考えてくれるのではないかと。

そんな思いをもって、M&Sを起ち上げました。

山本
なるほど。そんな熱い思いがあったんですね。でもそんなに日本の上場企業ってひどいんですか。 

内藤
本当にひどい所だらけですよ。
投資先の社長や取締役の方と面談することが多いんですけど、話してるとどうもいつも話が噛み合わないんですよね。
なぜ噛み合わないかというと、自社の企業の株価や流動性に無関心な方が本当に多いんです。
我々が作成した資料を見て初めて類似企業との出来高やROEの違いを知るみたいな。
こんな上場企業の役員の存在が許されていたのは昔だけです。

そこで、財務面を中心に我々が株主としてどこを改善すべきかを提案しているような状況です。 

山本
上場企業の役員として働いているのにも関わらず、株価に無関心というのは許せないですね。 

内藤
本当そうですよね。
許せないので一株主として積極的に活動しているというのもあります。

今後もM&Sとして、パフォーマンスのためだけでなく、経済合理性を欠く行動をしている企業に対しては積極的にアクティビストとして活動していきたいですね。 

  

2、ハイパフォーマンスを生み出せた背景

山本
御社のパフォーマンスを拝見すると、2016年が+45.26%、昨年が+27.06%と凄まじいパフォーマンスを叩き出されていますね!

Asian Hedge Fund Awardsにも2年連続ノミネートされたとも伺っております。 

内藤
そうですか?ありがとうございます。

正直まだ全然満足してないところはあるんですけどね。 

山本
当時の日経平均と比べても大きな差がありますし、個人投資家からもかなり注目されてますよ。

ハイパフォーマンスを生み出した要因はどこにあるとお考えですか。 

内藤
やはり徹底した企業精査だと思いますね。

まずは、弊社独自のスクリーニングツール等を使い割安企業を発掘します。

投資対象となる企業を20社程度に絞った後は、事業の優位性や将来性、保有資産を算定し、企業本来の理論価値を算出します。

算出後は、運用チームでスクリーニング会議を何度も行い、数値の確認やExitまでのアクションプランを作成します。

投資に至るまでは、企業のIR担当者や代表等から事業の将来性についてヒアリングを行い、企業の今後の成長性についてもしっかりと確認します。

そこまで、確信を持てた段階で投資を開始します。

また、M&Sの運用チームは4名ほどで構成されているのですが、それぞれが違ったバックグラウンドを持っていて、上手く相乗効果が出ているんだと思います。 

山本
なるほど。あくまでファンダメンタルズに重きを置いた中長期投資ということですね。

また、金融業界出身者に限らない多種多様な人材を揃えたこともハイパフォーマンスに寄与しているとお考えということですか。 

内藤
はい。

実際、伝統的な金融業界では他業種からの転職等を排他的に捉えている印象があります。

その中で、特定の系列に属さない独立系の投資会社ならではの強みが発揮できたのではないでしょうか。 

山本
特定分野に偏らないメンバー構成はとてもおもしろいですね。

それにしても高いパフォーマンスですが、徹底した企業精査以外に要因はあるのでしょうか? 

内藤
やはり、中小型銘柄に特化したアクティビストという戦略がはまったんだと思います。

日本市場でこれくらいの規模感をターゲットにしてるのって我々だけじゃないですかね。

すごいブルーオーシャンでマーケットチャンスをひしひしと感じてます。 

山本
中小型企業に特化したアクティビスト?もう少し具体的にご説明いただけますか? 

内藤
アクティビストのターゲットになり易い企業は、キャッシュリッチ、コーポレートガバナンスの水準が低い、経営陣による経営力が弱い、優良資産を多く持つ等の特徴があると思うんですよね。

我々の投資先企業も当然これらの特徴がありますが、加えて、我々の場合は上場企業として時価総額が比較的小さな企業に絞って投資していることも特徴の一つなんです。

いわゆる中小型株は、運用額の大きい外資系ファンドにとってリターンの観点から投資しづらい対象となってます。

多くの機関投資家も中小型銘柄は投資先に組み入れていなない場合が多く、極端に割安な状態で放置され続けていることも珍しくないんですよね。 

山本
なるほど。確かに運用額が大きいファンドにとっては、時価総額が低い銘柄は投資妙味が薄れそうですね。 

内藤
そうなんです。

また、一部上場企業のような大企業と比べて、株主からの監視が強いわけではないので、ガバナンスも適切に働いてないし、非上場会社のように経済合理性をかく経営活動をしている企業もたくさんあるんですよね。

上場企業として、一般株主から多額の資金を投資していただいているのにも関わらず、独りよがりな経営を続けています。

我々M&Sはそこにマーケットチャンスを見出しました。 

山本
あえて大手ファンドが投資しづらい市場に参入することで、リターンを生み出しているということですね。

お話を聞いていると、やはり割安銘柄は中長期的な観点からは魅力的な投資対象といえるかもしれないですね。 

内藤
そうですね。

ただし、一言で割安といってもなぜ割安なのか、そうなった理由はなにか、なぜ割安なのに誰も買わないのか、など多角的な視点で分析する必要はあります。 

3、投資における「対話」の重要性

山本
M&Sはアクティビスト投資を主な投資手法にされているわけですが、心掛けていることはありますか? 

内藤
「対話」です。我々M&Sは、この「対話」こそが最重要事項だと考えています。 

山本
つまり、投資先企業との面談を重視されているということですか? 

内藤
その通りです。

投資先企業に資本を投入することは、同時にステークホルダーになることを意味します。

企業価値が上がれば必然的に我々も恩恵を受けますし、その逆もしかりです。

だからこそ、ある一定数の議決権を確保した後は、必ず投資先企業のIR部門を中心にインタビューを実施し、経営陣と共に企業価値の向上策を考えていきます。 

山本
なるほど。数字だけでなく、実際に人に会うことを大切にされているわけですね。 

内藤
はい。

たとえ、株主権利の行使要件を満たしている場合でも、対話なくして本質的な企業価値向上は期待できないと考えています。

ですので、対話のない状態での株主提案権の行使は原則行っていません。

面談に関しては、経営陣を中心にやり取りをしていますが、そこでは、決算報告書からは読み取れない定性的な情報を得ることができ、企業価値向上に向けた提案の選択肢が広がります。

もちろん、インサイダー情報には人一倍気を遣っていますよ笑 

山本
素晴らしいですね。

確かに投資っていうとPERやPBRのような定量的な情報を基に投資する方が多いですが、内藤さんは直接会いに行かれるということですね。

しかし、日本だといわゆるアクティビストはあまり良い印象を持たれないと思うのですが、そのあたりは実際いかがですか? 

内藤
良いご質問ですね。

確かに日本の上場企業にとっては、我々のような「もの言う株主」は煙たい存在だと思います。

実際、面談を申し込んでも、あまり前向きでない雰囲気が伝わってきます。 

山本
やはりそうなんですね。。

面談では具体的にどんな議論をされるんですか?
また、その際に心掛けていることがあれば教えてください。
 

内藤
基本的に決算報告書等の開示資料を基に、今後の成長ストーリーや保有資産の使途をヒアリングし、企業価値向上に向けた戦略を双方の立場から議論します。

心掛けていることは、我々はあくまで「企業価値向上を目的とした投資をしている」ことを伝えることです。

先ほど山本さんがおっしゃった通り、日本では我々のような存在は好かれません。

おそらく株主が発言する=昔の総会屋のような印象をお持ちなのでしょう。
例えば、増配提案をすると「一時的な利益しかみていない」「現金を吐き出すことが目的なのか」とみられますが、それは違います。

我々が提案する内容はそれ自体が目的ではなく、企業価値向上に向けた手段の一つであるということを理解いただきたいと思っています。

また、当然現金の使い道が明確であれば、そういった提案にまで至るはずがありません。 

山本
なるほど。確かに昔はそういった人たちがいましたが、今は違いますよね。

「株主提案はそれ自体が目的ではなく手段の一つ」という言葉が印象的です。 

4、最後に皆様に一言

山本
最後にこのインタビューをご覧の方に向けて、何か一言お願いします。 

内藤
このインタビューでさんざん日本の上場企業はだめだと言ってきましたが、この現状を作ったのは、我々株主のせいでもあると思っています。
政治と同じですよ。

株主の皆様には今一度自分が保有している銘柄としっかり向き合ってほしいですね。

一方で、上場企業の経営者は自分の経営が本当に上場企業として正しいものなのか、今一度考えてほしいと思います。
株主と経営者が一緒になって、企業をよくするために考えれば、日本の市場はまだまだ伸びるはずです。

政府もコーポレートガバナンスコードを改定する等、後押ししてくれています。

企業の経営者の方々も株主の皆さんも、日本の市場をよくするために一緒に頑張りましょう。

M&Sはその起爆剤くらいになれれば良いかなと考えています。 

5、対談を終えて

今回はアクティビスト「M&S」代表の内藤昌弘さんに話を伺わせていただきましたがいかがでしたか?

アクティビストというと、日本ではまだまだ知られていません。

しかし、

  1. ビジネスに活用していない内部留保が多い会社を見つける
  2. 株主となりプロキシーファイト等をしかけることでターゲット企業のビジネスを活性化(もしくは配当金を出させる)
  3. 結果としてターゲット企業を成長に導く
  4. さらにターゲット企業の株主や従業員などの全ステークホルダーに価値をもらたす
  5. ひいては日本経済を活性化

というアクティビストの投資活動は全ステークホルダーを幸せにし、社会貢献を実現します。

M&Sもまた、「強く意志ある投資で世界経済にインパクトを与える」という企業理念を掲げています。内藤さんの言葉からはその理念を実現することに対する覚悟と信念をひしひしと感じました。

個人的にも今後のM&Sさんに注目していきたいです。

また、資産運用方法についてお悩みの方は是非一度M&Sに相談してみて下さい。

https://ms-llc.net/

プロフィール

代表社員 内藤昌弘(ないとう まさひろ)

大学卒業後、大手警備会社へ入社。その後、独立系投資会社にて企業分析及びトレーディング業務の経験を経て、2016年に合同会社M&Sを設立。上場企業との対話を重視した運用スタイルを軸に、企業価値及び株主価値向上に向けた提案を行う。状況に応じて株主提案や委任状勧誘を行うなど、積極的なアプローチが話題となっている。

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