• 相続税対策
  • 2018/7/30

相続貧乏も!相続税が支払えないときの対処法5選

遺産相続をすると、高額な相続税が発生するケースがあります。相続税を期限までに支払えないと、延滞税がかかってしまいますし、放置していると税務署から督促や滞納処分を受ける可能性もあるので要注意です

今回は、

  • 相続税の税率はどのくらいか?
  • 相続税が支払えないのはどのようなケースか
  • 相続税が支払えない場合の対処法

などについてお伝えしていきます。

ご参考になれば幸いです。



1、意外と高い!相続税の税率

遺産相続したときに、遺産の評価額が基礎控除の額を超えていると、基本的に相続税が発生します。

基礎控除の金額は、以下の通りです。

3,000万円+法定相続人の数×600万円

そして相続税の税率は以下の通りとなっています。

法定相続分に応じた遺産の価額

税率

控除額

1,000万円以下

10

3,000万円以下

15

50万円

5,000万円以下

20

200万円

1億円以下

30

700万円

2億円以下

40

1,700万円

3億円以下

45

2,700万円

6億円以下

50

4,200万円

6億円超

55

7,200万円

このように、相続税の税率は最高55%にもなり、相当高いです。遺産が預貯金や現金などであればそこから支払えば足りますが、不動産など現金化しにくいものの場合、支払いが困難になりやすいため注意が必要です。

2、相続税が支払えないのはこんな時

実際に相続税を支払えないのはどういったケースなのか、見てみましょう。

(1)相続財産の多くが不動産

相続財産の多くや全部が不動産の場合、非常に相続税を支払いにくくなります。不動産の価値が高ければ相続税が高額になりますが、相続税は現金で支払うのが基本だからです。

昔からの資産家の家庭などで相続が発生すると、子ども達が相続税を支払えずに土地を手放さざるを得なくなるパターンが多いです。

(2)遺産を処分したくない

相続財産に現金や預貯金などの流動資産が少ないにもかかわらず、相続人たちが遺産の処分を望まないケースがあります。たとえば先祖代々伝わる不動産を相続して高額な相続税が発生したけれど、どうしても不動産を売ることができないケースなどでは、相続税を支払えなくなりやすいです。

(3)処分できない相続財産

相続財産が一般取引になじまない性質のものである場合にも、相続税を支払いにくいです。たとえば相続財産が非上場株式の場合、相続税評価額が高額になっても売却が困難なケースが多いです。美術品や骨董品なども売りにくいですし、条例などで土地の分筆が禁止されているにもかかわらず、大きな屋敷が建っている広い不動産を相続したケースなどでも売れないので相続税を支払えません。

(4)遺産分割協議が成立していない

相続税の申告と納税の期限は相続開始を知った日(被相続人の死亡した日)の翌日から10ヶ月以内です。しかしその間に遺産分割協議が成立せず、相続税の手続きを進められないケースがあります。実際には仮で法定相続分に従って申告納税し、後で修正申告すれば良いのですが、特に相続人間で争いが発生している場合には、相続税の申告納税を放置しがちになります。

3、相続税が支払えない場合の対処法

もしも不動産などを相続して、相続税を支払えない場合、どのように対処したら良いのでしょうか?

(1)延納制度を利用する

まずは相続税の「延納制度」を利用する方法があります。延納とは、相続税を分割払いさせてもらえる制度です。

ただし、延納を利用すると、延納期間中「利子税」が加算されるので支払い税額が大きくなります。延納税額が100万円を超えて、かつ延納期間が3年を超える延納のケースでは、担保提供が必要です。

また、延納を利用するためには、相続税の納付期限内に延納の申請をする必要があります。

(2)物納制度を利用する

延納を適用しても相続税の支払いができない場合には「物納」を利用することができます。

物納とは、不動産などの「物」をそのまま税務署に引き渡すことにより、納税する方法です。物納の対象となる「物」には順位があります。

1順位の物は不動産や船舶、国債や地方債、上場株式などです。

2順位の物は非上場株式、第3順位の物が動産類となります。

物納を利用できるのは、延納によっても相続税を支払えない場合なので、延納で解決できるときに物納することはできません。

また、物納を利用したいケースでも、相続税の納税期限内に申請書を提出する必要があります。

物納をするとき、納付する物の評価方法は相続税評価と同じになるので注意が必要です。たとえば不動産の場合、相続税路線価による評価となるので、市場価格より低い金額でしか評価されません。小規模宅地の特例を適用した場合には、適用後の金額でしか評価されないので、かなり評価額が下がってしまいます。

(3)不動産を売却して納税する

不動産を相続して相続税を支払えない場合、不動産を売却して売却金から相続税を支払う方法が効果的です。

不動産を売却すると、市場価格で売れるので、不動産をそのまま物納するときよりも不動産の換価金額が高額になるからです。売りやすい不動産の場合には、物納するよりも自分で市場において売却し、売却金から支払った方がずいぶんと得になります。

ただし、不動産が売れない間は相続税の滞納状態となってしまいますし、最終的に売れなかった場合には滞納処分で差し押さえられてしまう可能性もあります。

不動産を売却して相続税を支払いたいのであれば、早い段階で売りに出して、相続税の納付期限前に売却を終えておくべきです。

(4)金融機関から借り入れをする

相続税を支払えないとき、金融機関からローン借り入れをする方法もあります。

ローン借り入れをするときには、不動産の売却をせずに納税資金を借りる方法と、不動産を売却することを前提に、売却までのつなぎとして借りる方法があります。

どちらの方法にするかによって、貸付の条件や審査なども異なってきますし金融機関によっても取扱いが異なるので、具体的な方法については借入先の金融機関に相談しましょう。

(5)相続放棄する

遺産相続をしたとき、どうしても相続税を支払えないのであれば、相続放棄してしまうのも1つの方法です。

たとえば不動産を相続した場合、相続税を支払うために売却手続きを進める必要があったり税務署とのやり取りが必要になったりして、大変面倒だと感じるケースがあります。そのような場合には、相続放棄をすると、相続人にならないので相続税の納付義務も無くなります。

ただし相続放棄をすると、一切の遺産相続権がなくなります。相続税が発生するということは、相続税を支払ってもまだプラス部分があるということです。単純計算で、相続税の最高税率が55%なので、最高税率が課されるケースでも、残り45%の部分は手元に残るはずです。相続放棄をしてしまったら、そのプラスの部分も受け取れなくなるので、差し引きすると損になる可能性が高いです。

4、不動産を売却するときの手順とメリットデメリット

相続税を支払えなくなるパターンで最も多いのは、不動産を相続したケースです。

この場合に有効な対処方法は「不動産を売却して、売却金から相続税を支払う方法」です。

(1)不動産売却の手順

不動産を売りたいときには、まずは不動産業者に査定を依頼します。そして、納得できる査定額を出してくれた不動産業者に売却の仲介を依頼し、媒介契約を締結します。

不動産会社が売却先を見つけてくれたら、相手先と売買の条件交渉をします。条件が合えば不動産売買契約を締結して、決済時に不動産を引き渡して代金を支払ってもらいます。

(2)不動産売却のメリットとデメリット

不動産を売却すると、以下のようなメリットがあります。

まず、不動産の譲渡所得税が軽減されます。相続税納付のために不動産を売却するときには、売却した不動産にかかる相続税相当額を「取得費」という経費に算入できる特例があるからです。また、上手に高い金額で不動産を売却できたら現金が手元に残る可能性もあります。

ただし、すぐに売却できるとは限らないので、相続税の納付期限に売却が間に合わないリスクがあります。売却に期限があるため、売り急いで低い価格で売却せざるを得なくなる可能性もあります。

(3)相続発生から納税までの流れ、やるべきこと

相続発生後、不動産を売却して納税するまでの流れは以下の通りです。

  • 相続人調査
  • 相続財産調査
  • 遺産分割協議
  • 合意書作成
  • 不動産の名義変更
  • 不動産の仲介業者の選定・契約
  • 売却開始
  • 売買契約
  • 決済
  • 申告と納税

(4)売却の際の注意点

不動産を売却するときには、仲介業者の選択に注意が必要です。業者によって査定額が大きく変わりますし、実際の売却活動の対応も異なるからです。

当初に不動産業者に簡易査定を依頼するときに、複数の不動産業者に査定依頼を出して、もっとも対応が良く査定額も信頼できそうな業者を選択しましょう。

5、相続税を支払えなかった場合はどうなるのか

相続税を納税できなかったらどうなるのか、見てみましょう。

(1)相続税申告の流れ

相続が発生したら、相続開始を知った日(被相続人の死亡した日)の翌日から10か月以内に相続税の申告書を作成し、税務署に提出します。そして、同じ期限内に決まった相続税を支払う必要もあります。つまり、申告期限と納税期限は同じです。

支払いの際には金融機関か税務署で納税できますし、クレジットカードで支払うことも可能です。

(2)期日までに支払えなかった場合はどうなるか

相続税を期日までに支払えなかった場合、以下のような手続きが行われます。

まず、相続税の申告をしなかった場合や申告内容に疑義があると思われると、税務調査が入る可能性があります。その場合、税務署の職員が自宅などにやってきて財産状況や帳簿、各種資料を調べて申告を促します。申告をしていなかったり少なく申告していたりすると、延滞税や重加算税などが加算されます。

税務調査を受けて初めて申告した場合には「無申告加算税」として税金総額の15%(50万円の税額を超える部分には20%)、過少申告していた場合には「過少申告加算税」として追加納付した税金額の10%(50万円の税額を超える部分には15%)が加算されます。

財産隠しをしたり財務資料を偽造したりすると、重加算税として35%の税金が加算されます。なお、無申告の場合には40%が加算されることになっています。

また、故意の無申告や申告書不提出などの脱税行為を行った場合には、所得税法違反として懲役刑や罰金刑が科される可能性もあります。

まとめ

今回は、相続税を支払えない場合の対処方法を解説しました。

相続税を支払わないと滞納処分で差押を受けることもありますし、高額な延滞税や加算税が加算されたり最悪の場合には刑罰が適用されたりする可能性もあります。

相続税の支払いが難しいかも知れないと思うなら、早めに不動産を売却するなどして、備えましょう。

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