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  • 2020/1/27

年金はいくらもらえる?受給額の確認方法から老後に必要な生活費まで解説!

高齢化や低金利の日本で、年金だけで老後の生活がどれだけできるのか、不安に感じる方は多いと思います。

一方で、日本の年金制度の仕組みや、自分が将来どれくらいの年金額をもらえるのか把握している方は少ないのではないでしょうか?

資産形成を始める前に、今回の記事を通じて、将来どれくらいの金額が年金で受け取れるのかしっかり確認しましょう。

1、まずは年金のしくみを確認しよう

(1)公的年金は2階建て

日本の公的年金は、日本国内に住む20歳以上の人全員が加入する国民年金(基礎年金)と、会社などに勤める方が加入する厚生年金の二階建て構造となっています。
まずは、国民年金と厚生年金について解説します。

(2)国民年金

国民年金は、日本国内に住む20歳以上の全員に加入義務があり、納付を怠ると、将来受け取れる年金額を減額されてしまいます。

保険料は年齢などに関わらず、加入対象者は全員同額を納付します。なお、国民年金の保険料は毎年見直しが行われており、令和2年(2020年)は月額16,540円の納付が必要です。

ただし、保険料を納めることが難しい場合に、学生であれば納付を猶予される「学生納付特例」のほか、若年層を対象とした「納付猶予制度」、所得に応じて納付の免除が受けられる「保険料免除制度」が用意されています。
猶予・免除ともに制度を利用するには手続きが必要な点に注意が必要です。

(3)厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員が加入する年金であり、月々の給料によって納付額と将来の受け取り額が変化します。

自営業者や専業主婦は、厚生年金の加入対象者ではないため、基本的に国民年金のみ受け取ることになります(なお、専業主婦の国民年金の保険料は、厚生年金に加入している家族が負担しています)。

(4)私的年金

国が制度として用意している国民年金・厚生年金以外にも、企業が任意で設立し社員が加入する企業年金があります。

また、自営業者など厚生年金の対象外となる人の一部が加入できる国民年金基金、個人が任意で加入できる個人型確定拠出年金(iDeCo)など、それぞれ任意で加入できる私的年金制度が存在しています。

2、おおよそ年金はいくらもらえるの?

(1)国民年金の平均受給額と満額はいくら?

年金の基本的な仕組みを把握したところで、具体的に将来いくらもらえるのかを解説していきます。

国民年金は20歳から納付が始まり、60歳になるまで保険料を支払います。納付期間が通算10年以上であれば受給資格があり、原則65歳から年金の支給が開始されます。

支給金額は納付期間に応じて変更され、最長40年間の納付を行った場合、月額約6万5,000円が支給されます。
ただ、毎年12月に厚生労働省から公開される「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均給付額は、約5万5,000円となっており、満額支給されていないことがわかります。

出典:厚生労働省年金局「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

(2)厚生年金の平均受給額と満額はいくら?

厚生年金は加入期間とその期間中の平均収入(月額換算した賞与を含む)によって受給金額が変動します。

計算上、収入の上限額は月額62万円と定められていますが、現実的に働き始めてからずっと上限となる収入を継続することは考えにくいので、満額というものは事実上存在しません。

例えば、厚生年金に40年間加入して、その間の月額平均年収が550万円だった場合、厚生年金の受給額は月額約10万円となります。

また、「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の現在の平均給付額は約14万5,000円となっています。

ただし、厚生年金の給付額は男女差が大きく、65歳以上の場合、男性の平均月額は約17万円、女性の平均月額は約11万円と6万円ほどの差がついています。

出典:厚生労働省年金局「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

(3)実際の年金額を知りたい場合は「ねんきん定期便」で確認しよう

毎年自分の誕生月に、日本年金機構より「ねんきん定期便」が送付されます。

ねんきん定期便を確認することで、自分の将来の年金見込み額や加入実績(年金記録)が把握できるので、より具体的に自分の年金額の見込みを把握したい方はチェックすると良いでしょう。

また、同じく日本年金機構が運営する「ねんきんネット」で、パソコンやスマートフォンから24時間いつでもどこでも、年金記録の確認や年金見込み額の確認ができます

なお、ねんきんネットの利用には、事前にユーザIDの発行が必要です。ユーザIDの発行には、年金手帳などに記載される基礎年金番号が必要となります。

ユーザIDはハガキで送られてくるため、発行申請から郵送されるまでに、5営業日ほど時間がかかる点に注意しましょう。

3、老後の生活は大丈夫?

年金として支給される金額の概要が分かったところで、年金だけで老後の生活を賄えるのか考えてみます。
結論から述べると、普通の家庭が年金だけで老後の毎月の生活を送ることは、難しいと言えます。

2019年2月に総務省統計局が公開した「家計調査報告(家計支出編)」によると、2018年の高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入は22万2,834円ですが、可処分所得は19万3,743です。

それに対して、消費支出は23万5,615円となっており、年金額だけでは毎月約4万2,000円不足することとなります。

また、公益財団法人生命保険文化センターの調査によれば、趣味や旅行などの、ゆとりある老後生活費は平均36万1,000円となっており、年金額だけでは毎月約16万8,000円不足します。

また、医療の発達などにより「人生100年時代」と言われるように、老後の期間は長期化していますよね。毎月不足額が赤字として累積していけば、年金額だけでは最低限の生活も維持できない恐れもあります。

日常の生活費や「ゆとりある老後」の定義は人それぞれなので、不足額の程度にもばらつきがあるでしょう。

しかし、何らかの対策を講じる必要があることは、感じていただけたのではないでしょうか?次の章では、具体的に年金額では足りない部分を、どう補っていくのか考えます。

出典:
総務省「家計調査報告(家計収支編)―平成30年(2018年)平均結果の概要―」
公益財団法人生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」

4、大切なのは老後の生活に今から備えておくこと

(1)貯金をする

年金では不足する可能性が高い老後の生活費を、補うためにまず考えられることは、できるだけ早い段階から貯金を始めることです。

例えば、先ほどの平均値で想定される老後の不足金額を計算すると、年間約50万4,000円(12ヶ月×4万2,000円)の資金が必要です。さらに、老後にゆとりのある生活を送ろうとすれば、年間で約200万(不足分:12ヶ月×16万8,000円)かかります。

これだけ不足金額が生じることが予測されますので、今のうちから少しでも多くの貯金をしておくことが重要です。

(2)節約をする

現時点で既に十分な貯金ができる方は良いですが、毎月の生活費でなかなかまとまった貯金ができない方もいるでしょう。

貯金額を増やすには通常、収入を増やすか支出を減らすしか方法はありませんが、すぐ収入を増やすのは、簡単なことではありませんよね。

その場合、支出をできる限り減らせるように、毎月の生活費を細かく見直し、少しでも節約することが考えられます。

また、毎月の支出額の中で割合が比較的大きい住宅ローンなどの、見直しを行えば毎月の返済額が減る場合があります

特に低金利の現在の環境を活かせば、借り換えで得するケースもあります。その他、昔職場で加入して、そのまま契約している生命保険契約が残っている方も多いと思います。

古い契約は現在の生活にマッチしていない場合もあります。本当に必要な保証内容に見直すことで、毎月の支出額を抑えられるかもしれません。

(3)iDeCo(イデコ)を活用する

現在日本の金利は0%に近いため、銀行に長く貯金を置いてもほとんど資金は増えません。

年金受給までの長い期間を味方につけて、積極的に資金を増やすためには、私的年金であるiDeCoへの加入も選択肢の一つとなります。

iDeCoでは、毎月掛け金を拠出して、運用商品の積み立てを行います。運用商品は、運営管理機関が提示する3〜35種類の中から複数組み合わせて選択します。

海外や日本の株式市場の動向によって評価額が変動する商品などが用意されており、自己責任で運用を行うこととなります。

なお、iDeCoで発生した運用益や利子は課税対象外となるほか、掛け金は全額所得控除となる税制上のメリットもあります。

iDeCoは、下記のような人以外であれば、誰でも加入資格を持っています。

  1. 60歳以上の人
  2. 海外に住んでいる人
  3. 国民年金の保険料を納付していない人
  4. 企業型の年金に加入しており、その企業年金のルール上iDeCoへの加入を禁止されている会社員

自営業者やフリーランス、学生、会社員、主婦など、ほとんどの現役世代が加入できる制度で、毎月拠出する掛け金の額は、月額最低5,000円から1,000円単位で決定できます。

拠出額の上限は加入者の属性によって変化し、例えば、自営業者であれば月額6万5,000円、勤めている会社に企業年金がない会社員の場合は、月額2万3,000円と設定されています。

ただし、銀行に貯金していれば原則資金は減らないのに対して、自分で運用方法を決めるiDeCoの場合だと、掛け金として拠出した額よりも将来の給付金額が減ってしまうリスクもある点に注意しましょう。

運用商品の中には、拠出元本が保証されるタイプもあるので、自分の運用経験などに照らし合わせて選ぶことが大切です。

(4)無理のない範囲での投資

そのほか資金をさらに積極的に増やす方法として、株式投資やFX、不動産投資を取り入れることも選択肢としてあります。

ただし、これらの投資は当然リスクを伴います。初心者が何も準備をせずに投資をすれば、損をしてしまい、大切な資金が少なくなってしまう可能性もあります。

もし投資を検討するならば、いきなり大きく儲けようとするのではなく、最悪失っても良いと思える範囲の金額で、投資を始めることをオススメします。

現在は書店やインターネットで、投資手法の解説として、多くの情報を入手することができます。

不動産投資に関しては、この不動産投資の教科書で基礎知識からセミナー紹介、インタビュー記事による現場の声まで、不動産投資の初心者から経験者まで役立つコンテンツを揃えているので、ぜひ活用してみてください

まとめ

年金が減っていることから、老後に備えて何か始めなければとは思いつつ、実際にどこから手をつけていいか分からない人も多いのではないでしょうか。

まずは老後の生活設計の中心となる年金額が、どれくらいもらえるのか、老後にどんな生活をしていくらくらいの支出がありそうかを大まかに知ることが重要です。

そして、どれくらいの不足額なのか把握して、いきなりリスクの高い大きな儲け話に飛びつくのではなく、貯金や節約など、できることから着実に毎日の生活を見直していきましょう。