• 不動産投資, 相続税対策
  • 2017/4/26

平成29年度税制改正の4大ポイントを、「不動産投資の教科書」が徹底解説

平成28年(2016年)の128日に平成29年度税制改正大綱が公表され、そこから国会審議を経て平成29年度税制改正の骨子が決まりました。平成29年度税制改正の目玉はいくつかありますが、中でも関わりのある人が多い「配偶者控除・配偶者特別控除の見直し」についてはインパクトが大きいため注目度も高くなっています。

その他には事業承継や中小企業支援、ビール系飲料に関する酒税改革など、有名なものがいくつかあります。

この記事では、特に多くの人の生活に関わりがあるもの、もしくは不動産の投資や購入を検討している人などに関わりがあるものを中心に平成29年度税制改正のポイントを、「不動産投資の教科書」流に解説したいと思います。


1、平成29年度税制改正の4大ポイント

平成29年度税制改正は全体的に小幅な改正であると言われていますが、その中でも多くの人に関りのある「目玉」や注目度の高いもの、住宅など不動産に関わるものなどを中心にポイントをピックアップしました。

なお、「平成29年度税制改正」の全容については財務省が公開している資料をご覧いただくと分かりやすいかと思います。

(1)配偶者控除・配偶者特別控除の見直し

平成29年度税制改正の中で最も多くの人に関わると見られている「目玉」が、配偶者控除と配偶者特別控除の見直しです。夫婦のどちらも働いている家庭で長年意識されてきた「103万円の壁」にメスが入っているため、影響を受ける方はとても多いと思います。

配偶者控除・配偶者特別控除の見直しについては、「2、配偶者控除・配偶者特別控除が見直されると、どうなる?」で詳しく解説します。

(2)積み立て型のNISAが盛り込まれた

株などに投資をしている人にとって売却益(キャピタルゲイン)や配当(インカムゲイン)に対する税金を年間120万円分の投資まで免除するという制度としてNISAが設けられていますが、それが平成29年度税制改正によって要件が緩和され、積み立て型の投資商品にも拡大されました

積み立て型NISAについては、「3、積立NISAが盛り込まれると、どうなる?」で詳しく解説します。

(3)タワーマンション節税が通用しなくなる?

不動産に関連する改正ポイントとして、平成29年度税制改正では通称「タワーマンションの課税強化」が話題となりました。それまで一般的に認識されてきたタワーマンションを活用した節税ができなくなるということで、該当する方はその中身を押さえておく必要があるでしょう。

タワーマンションの課税強化については、「4、タワーマンションの課税が強化されると、どうなる?」で詳しく解説します。

(4)住宅取得やリフォームを促進する減税が設けられた

不動産流通の活性化や住宅の耐震改修や省エネ化を推進するため、関連する税負担を軽減する措置が設けられています。これから住宅を購入する人、リフォームをする人に関りがある制度です。

これらの制度については、「5、住宅取得とリフォームを支援する減税制度」で詳しく解説します。 

2、配偶者控除・配偶者特別控除が見直されると、どうなる?

(1)配偶者控除についておさらい

平成29年度税制改正で最も目立った存在なのが、配偶者控除・配偶者特別控除制度の見直しです。先ほどご紹介した財務省のパンフレットでも1番目に紹介されています。

この改正ポイントを解説するにあたり、まずは配偶者控除の仕組みについておさらいをしておきたいと思います。

配偶者控除とは、主な収入を得ている世帯主に対して配偶者の年収が103万円までという条件をクリアしている場合に世帯主に38万円の所得控除があるという制度です。これだけだと分かりにくいかも知れませんので、もう少し平たい表現にしてみましょう。世帯主が夫、配偶者が妻というよくあるケースを仮定すると、「妻の年収が103万円までであれば、夫の年収から38万円を差し引いた金額が所得税の課税対象となる」という制度です。逆に考えると、妻の年収が103万円を超えると配偶者控除の適用から外れて夫の38万円控除がなくなるというものでした。この制度によって妻の年収が103万円を超えないように調整する人がとても多く、俗に「103万円の壁」と呼ばれてきました。

しかし今ではこの「103万円の壁」は解消されています。その根拠は、配偶者特別控除の存在です。次項でこの配偶者特別控除についてもおさらいをしておきましょう。

(2)配偶者特別控除についてもおさらい

配偶者特別控除とは、年収が103万円を超えた配偶者であっても141万円までは段階的に世帯主の控除額が下がっていくという制度です。141万円を超えると控除額はゼロになってしまいますが、それまでは配偶者の年収が上がるごとに世帯主の控除額が38万円から徐々に下がる仕組みなので、「103万円を超えて働くと損になる」という不公平感はすでにある程度解消されています。

(3)平成29年度税制改正で配偶者控除はこう変わった

これまで配偶者控除の適用を受けても最大で年収103万円までだった「38万円控除」の枠が、平成29年度税制改正によって150万円まで大幅に引き上げられました

ここには配偶者(=多くの場合は妻)の社会参加を促す狙いがあり、これまでのように年収を調整しなくても良くなる人が増えるでしょう。

150万円を超えた分については段階的に控除額が下がり、201万円でゼロになるように改正されました。それまで配偶者特別控除として適用されていた103万円から141万円のゾーンが、そのまま150万円から201万円に引き上げられたと考えると分かりやすいと思います。


出典:財務省「平成29年度税制改正

3、積立NISAが盛り込まれると、どうなる?

(1)そもそも、NISAとは?

平成29年度税制改正では配偶者控除制度の見直しと並んで目立った存在なのが、ここで解説する「積立NISAの創設」です。この積立NISAを解説する前に、まずはNISAについておさらいをしておきましょう。

NISAとは「日本版ISA」とも呼ばれる口座の一種で、「最大で年間購入額120万円まで」と決められてはいるものの、そこで得られた売却益(キャピタルゲイン)と配当(インカムゲイン)に対して非課税になるというメリットがあります。もともとはイギリスで始まったISAの仕組みを日本に導入したのがNISAで、頭文字のNNipponを表しています。

分かりやすく言い換えると、「年間120万円までなら無税で投資ができる口座」という認識で問題ないでしょう。 

NISAについて詳しくは「NISA(ニーサ)とは?賢く活用するために事前に知っておきたいメリットとデメリット」を参考にしてみて下さい。

(2)積立NISAの登場で変わること

平成29年度税制改正では、このNISAに新しいカテゴリーが追加されました。それが、積立NISAです。NISAとの主な違いは、以下の通りです。

  • NISAが年間120万円なのに対して積立NISAは年間40万円まで
  • 投資対象を積立型の株式投信に限定する
  • NISAが最長5年なのに対して積立NISAは最長20年

積立型の投資商品に特化したNISAということで、投資対象が限定されているものの口座保有年数が大幅に緩和されています。これまでのNISAとは違って、長い期間を使ってコツコツと資産形成をしたいという人にもメリットが得られる制度改正と言えるでしょう。

4、タワーマンションの課税が強化されると、どうなる?

(1)これまでのタワーマンション評価方法

投資対象としてタワーマンションを購入する人の中には、タワーマンションの資産価値に目を付けたというだけではなく、節税を目的として購入している人もかなりの数に上ります。その理由は、タワーマンションに対する従来の均一的な評価です。

多くの方がご存知の通り、タワーマンションは階数が上がるほど物件価格が高くなっていきます。上層階には「億ション」と呼ばれる高額物件があるタワーマンションであっても、低層階だと庶民的な価格で購入可能という場合もあります。

このようにタワーマンションは階数によって価格差が大きくなる傾向が強いのですが、固定資産税の評価は均一でした。つまり最上階であっても低層階であっても同じ広さの物件であれば評価額は同じになるというわけです。

高い資産価値を持つ上層階の物件を所有していながら低層階と同じ固定資産税で済むため、この節税効果に目を付けた人によってタワーマンション投資がちょっとしたブームにもなりました。

(2)タワーマンションの節税効果が薄れる?

この「タワマン節税」と呼ばれてきた手法が、平成29年度税制改正によって大きく様変わりします。なぜなら、固定資産税の評価に取引価格の差を反映するように改正されたためです。その主な骨子は、以下の通りです。

  • タワーマンションの中間層を基準に上層階は増税、下層階は減税する
  • マンション1棟全体の評価額は変更せず、階数と取引価格によって内訳を調整する
  • 目的は富裕層に対する課税強化

このタワマン節税は固定資産税の評価だけでなく、派生的に相続税の評価額にも影響を及ぼしてきました。つまり、相続対策でタワーマンションを購入していた人も多かったのですが、平成29年度税制改正でその様相が一変して逆に低層階の人気が高まるのではないかという声もあります。 

5、住宅取得とリフォームを支援する減税制度

不動産市場の活性化や耐震改修、省エネ住宅の普及促進という目的で、平成29年度税制改正では住宅に関する改正ポイントも盛り込まれています。その中でも目を引くのが、登録免許税の軽減と長期優良住宅リフォームの減税です。

(1)登録免許税の軽減措置

登録免許税とは、不動産の売買や所有権の移転を登記する際に必要な費用のことです。不動産市場を活性化する目的から、平成29年度税制改正では軽減税率が適用されます。

登録免許税が発生する以下のような場面において軽減税率が適用され、住宅を購入しやすい環境が作られます。

  • 住宅用家屋所有権の保存登記が0.1~0.15%に軽減
  • 住宅用家屋所有権の移転登記が0.1~0.3%に軽減
  • 住宅ローン融資における抵当権設定登記が0.1%に軽減

上の2つに「0.1%~」とあるのは、長期優良住宅もしくは認定低炭素住宅の場合に適用されるさらに優遇された税率です。それ以外の一般住宅はそれぞれ0.15%0.3%です。 

(2)長期優良住宅化リフォーム減税

住宅の耐震性能や省エネ性能向上を促進するため、耐震改修や省エネ改修に要した費用を控除する制度が、平成29年度税制改正から盛り込まれました。

その内容は、以下の通りです。

  • 所得税は「自己資金の場合、最大50万円」、「ローンの場合は最大62万5,000円」の控除
  • 工事翌年度に限り、固定資産税が3分の2減額される

耐震補強や省エネ工事などを予定している方にとっては良い機会となる税制改正と言えるでしょう。

(3)住宅ローン減税の延長

従来から続けられてきた住宅ローン減税が平成29年度税制改正によって平成33年まで延長されることが決まりました。住宅ローン減税については、「住宅ローンでアパート大家に?賃貸併用住宅のメリットと注意点」の「3ー(5)住宅ローン減税のメリット」でも解説していますので、詳しくはそちらをご覧ください。

この住宅ローン減税の延長により、住宅購入をしやすい状況が当面続くと言って良いと思います。 

まとめ

毎年、税制改正には社会情勢の変化や国の思惑が色濃く反映されます。平成29年度税制改正も例年にならって世相や国の方針が色濃く表れた内容と言えるでしょう。

全体的な傾向としては女性の社会進出や働き方改革、そして不動産市場の活性化や住宅性能の向上など、これまでの社会的変化の延長線上にあると言えるものが多いので、税制改正をうまく利用すると大きな減税効果を得ることもできます。

「自分には関係ない」と思うことなく、控除や減税など受けられるメリットはしっかりと享受したいものです。

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