• 海外不動産
  • 2019/8/19

固定資産税も無い超ブラック市場?中国と日本の不動産の大きな違いとは

固定資産税も無い超ブラック市場?中国と日本の不動産の大きな違いとは

以前も書きましたが(見えてきた?「中国不動産バブル」の限界)中国の不動産は値上がりを続け、今はバブル崩壊が近づいてきている危険な状態などと伝えられる事も多くなって来たのではないでしょうか。

このようなニュースを聞くと中国では自由な不動産市場が形成されているように思えますが、実は数値以外の実態はあまり知られていません。

中国の不動産の実情はどうなっているのでしょう。日本との違いに焦点を当てつつ、驚きの中国の不動産事情に迫ってみましょう。

・中国不動産の日本との違い(1)固定資産税がない

中国に固定資産税はなく、不動産取引は「70年の使用権」のみです。所有権を持てないため、ある意味固定資産税が無いのは当然といえば当然と言えるでしょう。

不動産購入時にかかる主要経費は次のようになっています。

印紙税…販売価格の1万分の5
登記費…建築平米当たり0.3元
契約税…販売価格の1.5~3%(一戸建ては高い)
修繕積立金…販売価格の2%

昨今、中国における固定資産税(房産税)の導入は常に検討課題として上って来ています。

2015年に上海市と重慶市をモデル地区に指定し、現在は徴税シュミレーション中でもあります。さらに2019年3月の全国人民代表大会(国会に相当)で、立法化の方向が明らかにされました。

近い将来、不動産市況に水をささないタイミングを計って導入することになる可能性が高いでしょう。

・中国不動産の日本との違い(2)管理人は居るの?

日本の管理人とは大きく異なります。

日本では一般的に、建物1Fの管理人室に詰めているイメージですが、中国のマンションは、少なくとも4棟以上ある集合大型物件が普通です。

これらは各門に詰め所があり管理会社の職員が常駐していてシステマティックに管理され、警備員の要素も含んでいたり、女性の相談員を置いているケースもあります。

住民の出入りはカードキーから虹彩認証に変わりつつあって、以前記事で書いたように(「進化する中国の「スマートマンション」はここまで来ている」)スマートマンションの建設競争も始まっています。

そもそも中国的な生き方とは自己主張と交渉の繰り返しで、道理より気迫を重視し、衝突を恐れないのでどんなことでも管理会社にぶつけてきます。

居住者と管理会社は、日々戦争を繰り広げているとも言えるでしょう。

・中国不動産の日本との違い(3)賃貸市場は超ブラック?

中国の賃貸利回りは売買価格の高騰によりせいぜい2%くらいしかありません。

そのため持ち家をあきらめ、賃貸住宅へ向かう流れも強くなっており中央政府も賃貸住宅市場の拡大を奨励しています。

具体策としては

・賃貸住宅企業の育成、大型化
・賃貸市場の取引プラットフォームの構築
・賃貸物件の有効な供給の増加
・賃貸住宅の管理サービス体制の刷新

を掲げています。

中国の不動産市況は順法意識を欠き、安全にも配慮しない少数の大家が実権を握り、ブラック仲介業者や偽物件が横行している状態です。

まず秩序の確立から始めなければならない、未整備の市場とも言えるでしょう。

・中国不動産の日本との違い(4)敷金礼金はある?

礼金、敷金は家賃1ヶ月相当の敷金をとるのが一般的なようです。ただ礼金のかわりとして、3ヶ月、半年、ときには1年分の家賃前納を求めることがあります。

筆者は妻名義のマンション(山東省・青島市)を7年間、日系の銀行さんに貸していましたが、毎年、1年分を前払いでいただいていました。

逆に上海市で借りる側となったときは、日系企業の高い信用により敷金1ヶ月以外、何も求められませんでした。

このように条件はさまざまで、前もって把握しておく必要があります。

敷金は貸主、借主の双方が合意した結果であり、法律的には未規定です。ただし合同法(契約法)という法律には、床の傷や油じみ、ドアに張った貼画やゴム印の跡などは、賠償の対象とはならない、という規定があります。

これぐらいのことで敷金を返さないということはほとんど認められません。ここにおいてはしっかり借り手を守っています。

・中国人は不動産がお好き?

中国人は基本的にはまぎれもない不動産好きで、実業で成功した企業家は必ず余資を金融や不動産へ投資しています。

そして不動産投資こそ自らのステージ上昇と考えていて、不動産王は尊敬の対象となるのです。

不動産に関するさまざまな不和も、逆に言うと中国人の不動産への並々ならぬ情熱や執着心が生んでいるとみなすことができます。

広大な土地なのにいつ何が起きるかわからない中国不動産業界は、常に注目を浴び続けているのではないでしょうか。今後もその動向から目が話せません。