• 海外不動産
  • 2019/6/2

日本の常識は通じない「中国人大家」の信じられない実態とは

「中国人大家」と聞いてどのようなイメージを思い描きますか?

筆者は20世紀末より中国(上海、山東省・青島)に通算16年駐在し、合計7軒のマンションに居住しました。

またこの間に中国人女性と結婚し、2005年にマンションと駐車場、2010年に2軒目のマンションを購入(いずれも青島)しました。

筆者がそのような経験の中で実際にあった話を踏まえながら、中国大家の実態を少しだけ見て行きましょう。(高野悠介・中国貿易コンサルタント)

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・中国の居住用不動産といえば?

中国の大都市で住居用不動産といえば、通常はマンションを指します。

一軒家も別荘も中国語訳では同じ「別墅」となり郊外にある金持ちの立派な家、のイメージです。市場では少数で、取引きの中心はマンションです。

また日本は専有面積を表しますが、中国は建築面積を表すことをご存じでしょうか。

中国では共有建築部分(エントランス、エレベーター、廊下等)を含むのに対し、日本は専有という通り部屋だけの面積となるため同じ表示であれば、中国は狭く日本は広いということです。

物件によって異なりますが、中国で100平米は日本なら70平米くらいの感覚と思っておけば良いでしょう。

価格表示も日本とは異なり、日本の総額表示に対し中国は平米当たりの単価表示となっています。

・中国人大家(1):福建省のバブリーな男性

北京・上海はもちろん、それ以下の大都市にも日本人向けの不動産業者が存在し、筆者のように日本から来た駐在員たちはまず彼らに家具付き物件を依頼します。

上海や北京の場合の家主は外地人が多く、地方都市の金持ちが資産運用の一環としてマンションを所有しているケースが多いです。

家主は表に出ることも出ないこともありますが、業者を通じてどのような人間かが多少分かることもありました。

筆者は上海の福建省家主と青島の広東省家主の2人がとても印象に残っています。

まず福建省の家主は30代くらいのバブルを思わせるような風貌をした男性で、さりげなくロレックスを見せびらかすわりには一見誠実そうに見えました。

しかし実際に退去の際に、備え付けの椅子が一脚ないとか、カーテンが変わっているといったこちらとしては意味不明の難癖を多々つけられ、大変驚きました。

筆者はこの家主はきっと、「とりあえずなんでも良いから何かしら要求しておけば、金を払うヤツがいないとも限らない」というような考え方だったのではないかと感じています。

またこの家主は筆者が退去した後、もともと50万元で買ったこの物件を150万元で売却したそうです。1元=16.68円と考えると、840万円程度で買った物件を約2500万円で売ったことになりますね。

現在はこんな安い物件はありませんが、2009年の不動産バブル以前には実際にこのような事があったのです。

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・中国人大家(2):広東省の退役軍人

もう1人は、広東省の退役軍人でした。

青島にマンションを買い、毎年蒸し暑い広東省から避暑のために来ていたそうです。しかし高齢となり移動もおっくうとなったため、物件を娘夫婦に譲ってそれを賃貸に出していました。

絵に描いたように恵まれた一家だ、といたく感心したものです。

ただ自分が住んでいたとき、もしかすると誰かにこのマンションを売ってしまうかも知れないから、そのときはよろしくと事前に2回ほど言われていました。

つまり家主が新しくなった場合に新しい家主の意向次第では追い出されるかも知れないということだったのですが、案の定それからしばらくして売却が決定したと知らされました。

その後どうなるのか心配な気持ちで過ごしていましたが、しばらくして連絡が無いため問い合わせてみると、買い手に銀行ローンが下りず失敗したとの返事が来たのです。

その理由は、兄弟に信用事故の過去があるからでした。

中国には「個人征信系統」という銀行の信用システムがあり、それには親族による事故も反映されるため親戚にそのような信用事故があった場合は本人にもローンが下りない可能性があるのです。一族中心社会の中国ならではの発送ですね。

・中国は借り主ではなく「大家ファースト」

中国人は金融リテラシーが高いので、一般的に根底にはお金は足りなければ借り、余れば貸すと言う考え方があります。

さらにダイナミックに動かすこと、不動産でもこれは全く変わりません。

また現在の巨大都市の不動産価格は一般労働者の手には届かず、中国富裕層同士の転売ゲームとなっています。当然、隙あらば利益の確定を狙うため、借り手の事情など二の次です。

日本人から見ると、中国人は強欲な大家ばかりのように感じる事が多いのではないでしょうか。

中国は何事も交渉が基本であるため、日本人の借り手も憶すことなく自己主張をしましょう。また揉め事になれば、その都度交渉をすることが大切です。

潔癖症の日本人は、中国人家主に大歓迎されているのですから。

【海外不動産のいま】