• 海外不動産
  • 2019/6/17

まだまだ冷めない?中国人富裕層の「日本の不動産」熱

3年前の2016年は、中国人の海外資産配置元年だったと言えるのではないでしょうか。2015年の上海株大暴落、不動産市況の頭打ち感から、中国人富裕層は新たな投資先を求め始めました。

金融資産では配当金目的の保険商品が大きく伸び、外貨の購入も一時期ブームとなったあと、やがて彼らの目は海外不動産へも向かうことになります。

そのような中で増え続けている日本の不動産の魅力と今後を見ていきましょう。(高野悠介・中国貿易コンサルタント)






・中国の物件紹介サイトの日本の不動産掲載数

物件紹介サイト「神居秒算」によると、日本の不動産は首都圏5895戸、関西地区1549戸、北海道736戸、その他地区384戸が掲載されていました。

首都圏は、東京4584戸、横浜704戸、埼玉376戸、千葉231戸掲載されています。東京の平米当たり単価は2.8万元となっています。

中国の一線級都市から見てみると、北京は5万9968元、深圳は5万4342元、上海は4万9576元、広州が3万2065元ですから、これに比べると東京は破格の安さという事がわかるのではないでしょうか。

東京は3年で23.1%上昇し、投資リターンは4.92%と表示されています。

一例を見てみると、

港区南青山、投資用マンション2LDK・72.2平米(1997年)、平米当たり6万4000元、投資リターン4.15%。

荒川区西日暮里、投資用ワンルームマンション31.35平米(1983年)平米当たり2万9000元、投資リターン8.0%。

これでも北京、上海の中心部に比べれば極めて安く、想定利回りは中国の2倍になっているのです。

・中国にはない「日本のアドバンテージ」とは

海外不動産に目が向いた中国人の投資先として、日本の不動産は高い関心を集めることになりました。

中国から見て距離も近く、しかも安いというだけではなく、日本の不動産は中国にはないアドバンテージがあります。

それは一体どのようなものか見ていきましょう。

  • 高い利回り:中国の家賃収入利回りは2~3%だが、日本は最大10%前後まで望める可能性も
  • リスク小:日本の緻密な法体系により、中国とは違い投資者の合法的権利は保護されていて安心して投資できる
  • 永久性:中国は使用権(70年)のみで所有権が無いが、日本は家屋も土地も所有権は完全に個人に属するものとなっている
  • 購入後の心配がない:中国に比べたら優秀といえる管理会社のきめ細かいメンテナンスにより、物件は美しく保たれ、入居者探しもしてくれる

法律的な問題や日本人のきめ細やかなメンテナンスなどは中国人にはないポイントだったのです。

・高い関心は継続する?

中国において物件紹介は居住用と投資用に分かれていますが、この区分は大変わかりやすいため顧客の要望をくんで改良を重ねたことが見て取れます。

中国人の日本の不動産取引における関心の高さは、慣習や法の違いから始まり、日本の治安やきめ細やかなサービスから来ているものなのではないでしょうか。

当面の間、中国人の日本不動産投資熱は冷めることはないと言えそうです。

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