• 海外不動産
  • 2019/7/25

コンビニはもう行かない?中国のマンションの実態と急成長するデリバリー産業

コンビニはもう行かない?中国のマンションの実態と急成長するデリバリー産業

中国では今、「国家新型城鎮化計画2014-2020」という都市化政策を進めているのをご存じでしょうか。

かつては農戸と非農戸の二重戸籍を設けて地方から都市への人の流入を厳しく制限していましたが今は180度変わり、積極的に都市化を進めているのです。

そのため都市の大都市化や大都市の巨大都市化が進み、大都市は今でもマンション建設の槌音が絶えず、将来的には3~4億の農民が都市へ移動し、マンションを買うとみられています。

そして中国の不動産価格はバブル崩壊の危機をはらみながらも今年5月まで約49ヶ月連続上昇していますが、その実態を少しだけ垣間見ていきましょう。

・中国のマンションの実態とは?

マンションは主に高層と中層に分かれます。

まず高層マンションは30階建てくらいで、1フロアはエレベーター2基を備えた4戸のユニット(単位と呼ぶ)が2つから4つくっついて構成されています。

そのため同じフロアでも別ユニットの人と顔を合わせることはありません。

もちろん中には1ユニット2戸の高級物件もあり、敷地への門には保安要員が常駐、カードキーを持つ住民以外は訪問理由を申告しなければなりませんし、各棟でも訪問者は居住者に開錠してもらう必要があります。

現在はAI化に伴い、最近建てられた物件はほとんどカードキーかは虹彩認証または顔認証に変わりつつあります。

そして中層のマンションは5~6階建てです。

こちらは団地のようなイメージでセキュリティは高層マンションよりゆるやかとなっており、最大の違いは、エレベーターがないことでしょうか。

さて、2019年6月の中古マンション取引価格を見ていきましょう。(1元=15.73円)

1位 北京…5万9242元
2位 深セン…5万4672元
3位 上海…5万2803元

参考URL:全国房价到底是跌是涨?这些城市的房价很难发生变化了(2019/07/04)

これらは高層と中層、中心部と郊外を総合した全市の平均です。

そのため実際にこの価格で買えるのは、市街地と郊外の境くらいの場所でしょう。

北京の場合90平米(日本基準なら65~70平米)で7640万円に相当しますから、もはや一般の勤労者に手の出る水準を超えています。

・驚異の発展を遂げる中国のデリバリーサービス

しかし特に中層マンションはエレベーターが無いこともあり、飲料や生鮮食材を運び入れるのはかなり大変で高齢者に苦痛を強いているのは、間違い無いでしょう。

そのため、日本では想像できないほどデリバリー産業が発達しました。

まず登場したのはフードデリバリーです。

レストランの料理をバイク便で配達するサービスで、時代のニーズを捉え、急発展を遂げました。

2018年、中国外食産業の売上げ4兆4591億元(約70兆円)のうち10.6%、4712億元がデリバリーされています。

参考URL:2018年在线外卖市场收入约4712亿元 占全国餐饮业比重不断提高(图)(2019/03/11)

大都市の比率はもっと高いはずで、業界はすでに大手2社、青の「餓了?」と黄色の「美団外売」に集約されました。今や街中を青と黄色のバイクが走り回っています。

そして現在では生鮮食材のデリバリーへと発展しています。

若者層が主導し、従来型オフライン店舗の「ウォルマート」や「イオン」新型スーパーの「盒馬鮮生」店舗を持たない「毎日優鮮」など、バラエティーに富んだメンバーたちが、30分から1時間でのスピード配送を競っています。

このようにデリバリー産業においてもオンラインとオフラインの融合、OMO(Online Merges Offline)の状態が達成されつつあり、お客を待っているだけの店ではすでに経営が成り立たなくなって来ています。

・コンビニさえ行かなくてよい?

居住者はもはやコンビニへ行く必要さえありません。

コンビニがOMOへ参戦しているからです。

セブンイレブン北京が宅配を始めたとき「世界一のコンビニ、中国の怠惰な若者たちに完敗。」と揶揄されました。

また「蜂巣」という宅配ボックスが100都市15万ヶ所に設置され一般的な風景になっており、高層マンションで不便を嘆く必要はなくなりました。

・本当に豊かになりつつある中国

高層マンションの緑地スペースには、豊かになった中国を象徴するように孫の世話をする幸せそうな祖父母たちの姿であふれています。

そしてまだ3~4億人の潜在需要を背景に、高層マンションの建築ラッシュは終わる兆しを見せていません。

これからの中国はどのように変わっていくのか、まだまだ目を離せない状況が続きそうです。