不動産投資における地方の物件とは、日本においては東京23区や大阪市内中心部などのいわゆる都市圏以外の物件で投資することを言います。
北海道や九州、関西など地方ごとに特色があり一概に述べるのは難しいのですが、銀座や表参道のような地価の乱高下が起きにくいエリアであると言えます。
地方都市で不動産投資をするためにはどこに重点を置くか見ていきましょう。(尾嵜豪・不動産コンサルティングマスター、ウィンドゲート代表取締役)
目次
・地方の物件の魅力はズバリ「価格」
地方の不動産投資物件の魅力は、ズバリ価格が低い点でしょう。
今後の伸びが期待できるエリアであれば、大変お得な物件に変わります。
都心の優良地も戦後すぐは価値が低く、都市の発展により一等地へと変わりました。先見の明があれば、最も面白い投資とさえいえるのです。
伸びしろがありそうな地域を見つけるためには、行政情報などを常に注意しておくと面白い情報が手に入ることがあります。
例えば駅前の再開発計画や都市計画道路などの情報を入手して、そのエリアに土地を持っていれば、再開発後に価値が上がることが期待できます。
そういった面白さも地方物件ならではと言えます。
・地方の物件の最もデメリットとなる「空室リスク」
地方の物件で最もデメリットが大きいのが空室リスクでしょう。
人口が少ないエリアな上、持ち家率が高い地方では、貸家・貸室の需要が低くなります。
そのため一度空室が発生すると、空室期間が長くなるケースが多いのです。
空室期間が長くなると早く部屋を埋めるためには、住居者が決まるまで賃料を下げ続けなければなりません。
一度下げた賃料を、再度上げるのは難しく、購入した当初の利回りとはかけ離れた利回りで運用することになる可能性もあります。
・今注目すべき地方都市はココだ
今注目すべき地方都市の一つは、大阪の郊外でしょう。
キタやミナミといったまさに中心部ではなく、今まで注目されていなかった環状線の駅や、郊外に延びる地下鉄の駅の近くが面白いと思います。大阪中心部は既に高くなりすぎており、これから伸びていくエリアに注目すべきです。
大阪は中国や韓国、東南アジアなどの観光客が押し寄せ、急激に景気が回復しており、さらに成長が見込まれます。
大阪以外にも福岡などが面白いと思います。やはりアジア圏からのアクセスの良さに注目しています。
・地方の物件セミナーで「利回りが高い」と言われたら注意しよう
地方の物件は都市圏に比べ利回りが高くなり、その魅力を前面に打ち出してくるセミナーが多いのですが、少し気を付ける必要があります。
高利回りには理由があり、その一つは価格が低い点でしょう。
購入する時にはありがたい理由ですが、価格が低い理由として、今後も価格の伸びが期待できない、空室リスクが高いなどが価格に織り込まれていると考えるのが妥当です。
ですので、こう言ったセミナートークに踊らされずに、じっくり吟味する必要があります。
・お宝が眠る地方の投資物件にも目を光らせよう
総人口が減っていく日本において、人口が増える可能性の低い地方への投資のマイナス面が多いのは事実です。
しかし地方にも目を光らせて成長が見込める可能性がある地方を見つけたら大きくリターンを掴めるチャンスをつかめるかもしれません。
それこそが不動産投資の醍醐味とも言えるでしょう。
よりよい投資ライフになりますように。
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