• 資産運用
  • 2017/11/1

財形貯蓄のメリットとは?「わずか数年で100万円貯まる」説も検証

財形貯蓄メリットってどんなもの?という疑問をお持ちですか?

会社に財形貯蓄という制度があるのは知っているものの、どんな制度なのかよく分からない、ましてどんなメリットがあるのか分からないので気になっているものの、始めるかどうか迷われている方も多いのではないでしょうか。

財形貯蓄はサラリーマンとして勤務されている方の資産形成を支援する制度で、法律に基づいて運用されています。最近ではメリットが薄れてきたという声も聞かれますが、それを判断するために必要な情報をご提供したいと思います。 

  • 財形貯蓄の概要
  • 財形貯蓄の始め方、終わり方
  • 財形貯蓄のメリット、デメリット
  • NISA、個人型DC、積立預金など他との比較

不動産投資家を中心に、お金の問題に関心をお持ちの方々が月間24万人訪問するメディア、「不動産投資の教科書」が、これを知っていただければ「今、財形貯蓄を始めるべきか?」という判断をできるだけの知識と情報をまとめました。 


1、25歳で財形貯蓄を始めたら、10年後はこうなった

(1)25歳で財形貯蓄を始めた人は、35歳の時に360万円を手にする

財形貯蓄がどんなものかという前に、「一般財形貯蓄」という仕組みを使って毎月3万円ずつ10年間積み立てた結果を見てみましょう。「ろうきん」が提供している財形貯蓄のシミュレーターで計算してみたところ、税引き後で「3602,145円」という結果になりました。

後述しますが財形貯蓄は給料から天引きされて積み立てられていく貯蓄なので、仮に25歳の時に財形貯蓄を始めた人は、35歳の時に360万円を手にすることになります。 

(2)35歳で360万円の貯金、できますか?

前項の事例では、25歳という社会人になって数年後の人が財形貯蓄を始めて10年後の35歳という若さで360万円もの貯金を作ることに成功しています。特に給料が高い人でなくても、独身であれば「毎月3万円が天引きされた後は全部使ってしまっても貯金できている」という状態が続きます。貯金への強い意志を持っていなくてもまとまった金額を貯められるのが財形貯蓄の特徴です。
自分の意志で35歳までに360万円もの貯金を作ることができる人がどれだけいるかというと、そう簡単ではないでしょう。それができてしまうところが、財形貯蓄の大きなメリットです。 

(3)マイホームを購入する際にも有利

もしこの人が、35歳時にマイホームを買おうと思っていたとします。「一般財形貯蓄」ではなくマイホーム購入用途に限定されている「住宅財形貯蓄」で同じ積み立てを10年間したとしたら、35歳時に手にするのは360万円3,042円です。

利息の分だけ若干高くなる上に、「財形住宅融資」という住宅ローン制度もあるので、こうした制度をうまく活用すればこれも大きなメリットになることは間違いありません。 

2、それでは、財形貯蓄の基本から

(1)財形貯蓄とは?

財形貯蓄とは、会社勤めをしているサラリーマンの方々のために設けられた資産形成の仕組みです。給料から天引きで積み立てが行われるのが大きな特徴で、「貯金している意識が薄い」という中で着実に貯金が増えていくという実感を持つ人が多いようです。

財形貯蓄には税制面での優遇や住宅ローンを利用できる制度もあるので、長期的なスタンスで「○○歳までにこれだけの貯金が欲しい」「○○歳でマイホームを買いたい」という人生の目標をお持ちの方にとっては計画を実践するのに役立つでしょう。

なお、財形とは「財産形成」の略です。勤労者財産形成促進法という法律に基づいて運用されている制度なので財産形成という言葉が使われており、それを略して財形といいます。 

(2)3種類の財形貯蓄

財形貯蓄には、3の種類があります。それぞれ特徴が異なるので、始める際には貯めたお金の用途によって使い分けられています。 

①一般財形貯蓄

貯金の用途が限定されておらず、いつでも引き出すことができる財形貯蓄です。加入要件は「勤労者であること」と「3年以上の積み立て」だけで自由度が高いことから、非課税の優遇はありません。 

②財形住宅貯蓄

マイホーム購入のための資金に用途が限定された財形貯蓄です。加入要件は「55歳未満、勤労者であること」と「5年以上の積み立て」です。住宅購入費用であることを条件に引き出しは自由で、利息には非課税の優遇があります。

一般的にはマイホーム購入時の頭金を貯めるために利用されます。 

③財形年金貯蓄

老後の資金に用途を限定し、引き出しは60歳以降からという条件のついた財形貯蓄です。加入要件は「55歳未満、勤労者であること」と「5年以上の積み立て」です。

現役世代の時に貯めておいた貯金が老後になってから一定額ずつ払い戻されるという理解で問題ありません。 

(3)財形貯蓄を始める方法

財形貯蓄は勤務先の会社が給料から積立金を天引きして金融機関に預ける制度なので、申し込みは勤務先になります。勤務先の経理部門などに申込書を提出することで始められます。

申込用紙も勤務先で入手できます。記入方法を公開している自治体があるので、そちらも参考までにご覧ください。

出典:財産形成貯蓄申込書の記入方法(青森県)

(4)財形貯蓄をやめる方法

一般財形貯蓄はいつでも引き出しが可能で、住宅財形貯蓄はマイホーム購入の資金であればいつでも引き出しが可能です。ただし、この「いつでも」というのは所定の年数が経過した後からです。
財形貯蓄は申し込みも解約も勤務先経由となるので、解約したい場合は会社に申し出をします。会社が保管している証書と身分証明を持って財形貯蓄の口座がある金融機関に行って解約手続きをすればOKです。 

3、財形貯蓄のメリット3つ

(1)給料天引き、半ば強制的に貯金ができる

財形貯蓄が持つ最大の特徴でありメリットといえば、給料天引きであることです。人間は意志の弱い生き物で、「給料から最初に3万円を貯金して、残りでやりくりする」という目標を立てても自分でその作業をすると忘れてしまうことや、「今月は苦しいから積み立てはやめておこう」と甘さが出てしまいます。

また、自らの意志で貯金をするので残高を知ることとなり、その貯金を常に意識しながら生活をするようになってしまいます。「あの口座に○○万円あるから大丈夫」といった具合です。

財形貯蓄は給与明細に天引きされた金額こそ表示されますが、他に社会保険や税金など色々と差し引かれている中に記載されているので貯金をしている意識が薄くなりやすく、それゆえに残高を頻繁に確認することもないので、自分の意志とは無関係に強制的に貯金をしたいという方に適した制度です。

(2)利息の非課税優遇制度がある

住宅財形や年金財形には、550万円を上限に利息への非課税制度があります。利息には20%少々の税金がかかるので、それがゼロになるというのは財形貯蓄に設けられた優遇措置です。 

(3)財形住宅貯蓄には住宅ローン制度がある

財形住宅貯蓄を利用している人の目的はマイホームの購入です。その目的をさらに支援するために、財形住宅貯蓄には財形住宅融資という制度が設けられています。「貯蓄残高50万円以上」「住宅購入またはリフォーム用途」「加入から1年以上継続」という要件を満たせば、最高で財形貯蓄の残高の10倍まで融資が受けられます。

財形住宅融資(住宅金融支援機構)

http://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/zaikei1.html

4、財形貯蓄のデメリット3つと注意点

(1)金利が低すぎて非課税制度のメリットも薄れる

住宅や年金の財形貯蓄には「550万円までは非課税」という優遇措置があると述べましたが、昨今のマイナス金利時代ではそのメリットをほとんど享受できません。

記事冒頭の例では10年で2千円少々の利息がついていますが、2千円に対する税金は約400円です。財形貯蓄の非課税優遇が適用されてオトクになるのは10年で400円というのでは、非課税制度のメリットがほとんど実感できないと思います。

財形貯蓄はマイナス金利時代になるはるか前からあった制度なので、金利が高かった時には大きなメリットでした。さすがに財形貯蓄制度ができた時にはここまで低金利になるとは想像できなかったのかも知れません。 

(2)途中解約、目的外解約のペナルティ

一般財形にはない概念ですが、住宅や年金の場合は本来の目的外であったり支払い時期ではない時に解約をすると、非課税優遇措置が無効になります。解約をした時点からさかのぼって5年分の税金を改めて徴収されることになります。

ただし、これについてもそもそも非課税優遇措置のメリットが小さくなっている金利情勢なので、逆にこのデメリットも小さくなっています

目的外の解約だという理由で数百円の税金を徴収されても、あまり大きなダメージには感じないでしょう。 

(3)財形貯蓄以外の金融商品と比べて見劣りする

財形貯蓄の制度自体が古いので、現在の経済情勢に合っていない部分があるというのは以前から指摘されています。例えば、財形住宅融資を利用して住宅ローンを組んだとしても、その金利よりも市中銀行の金利のほうが安いといったこともあるのです。

年金についても同様で、老後の備えという目的で積み立てるのであれば財形年金貯蓄よりも確定拠出型年金を選択するほうがメリットが大きいとも言われており、これらについては「6、財形貯蓄よりも有利な選択肢はある?」で解説します。 

5、結局のところ、財形貯蓄はアリなのか?

(1)最大のメリットは強制天引き

財形貯蓄を現在進行形で利用している人の多くが感じているメリットは、何と言っても「強制的に天引きされる」ことです。この記事でも何度か触れていますが、人間は貯金をすると決めてもなかなかその通りに動けないものです。その点、財形貯蓄であれば給料が出た時点ですでに天引きされているので、四の五の言う前に定額が積み立てられます。

昔のように利息に関するメリットは薄れてしまいましたが、強制的に貯金ができるというメリット今も健在です。 

(2)マイホーム購入計画がある人にとってはアリ

一般財形だと銀行の積立定期預金とほとんど違いがなく、そればかりか金利面で不利になることもあるので、「不動産投資の教科書」としても一般財形貯蓄については貯金が苦手な人以外にはあまりメリットがないと結論づけています。

しかし、将来マイホームを購入する予定、計画がある人にとっては財形貯蓄のメリットがあります。金利面では優位性が薄れている住宅財形融資ですが、他の金融機関で審査に通るかどうか厳しいという人にとっては、財形貯蓄をしていることがプラスに働きます。

計画的に自己資金を用意したい人が強制的な天引きでマイホーム購入を考えている時期を目標に財形住宅貯蓄をしていくのは、計画通りにお金を用意するという意味でも価値があるでしょう。 

(3)新社会人など若い人にはアリ

社会人になったばかりの人にとっては、貯金の習慣をつける時期でもあります。結婚をして家庭を持つと自由になるお金が少なくなりますが、独身のうちであればお金に余裕を持ちやすいので、その時期に強制的な天引きによって貯金をするのはアリです。それが結婚資金やマイホーム購入資金にもなりますし、何よりも最初から給料の一部を強制的に貯金に回すという習慣が身につきます。 

6、財形貯蓄よりも有利な選択肢はある?

(1)NISA

通常であれば20.315%かかる運用益への課税が120万円までであれば非課税になるのが、NISAです。NISA口座の開設数はすでに1千万口座を突破しており、投資家からの人気がとても高いことが窺えます。

NISAは株や投資信託の運用を目的としているので財形貯蓄の積立預金のように元本が保証されているわけではありません。しかし、10%を超えるような運用益も珍しくない世界なので、それだけの利息に対する税金がゼロというのは資産形成のスピードを速める効果も絶大です。

ただし、NISA上限が120万円までです。それ以上の資産形成をお考えの方にとっては不向きなので、少額の資産運用という視点で選ぶのが妥当です。 

(2)積立預金

銀行や郵便局が提供している元本保証の積立預金の中には、財形貯蓄よりも利率が高いものがあります。特にネットバンクやベンチャー系の銀行などに多く、その場合は一般財形貯蓄と投資効果が全く同じなので、わずかな差ではありますが金融機関の積立預金を選択するのも一考です。 

(3)個人型確定拠出型年金(iDeCo

アメリカで導入され、多くの加入者がいる401kの日本版とも言えるのが、確定拠出型年金(iDeCo=イデコ)です。個人型DC、個人型401kとも呼ばれ、金融機関が積極的に募集をしています。

サラリーマンの方が支払っている公的年金に上乗せをする形で加入し、運用先を選ぶことで運用益に応じた年金支給が得られるという制度です。公的年金だと運用先を選ぶことは全くできませんが、iDeCoだとどんな運用をするのかという商品で選ぶことができるので、年金運用に自分の意向を反映させることができます。

年金商品なので財形年金貯蓄との比較になりますが、iDeCoの場合は財形貯蓄の積立金に相当する掛け金が全額所得控除されるため、節税効果は財形貯蓄を大きく上回ります。

30歳でiDeCoに加入、毎月3万円を60歳まで積み立てるという想定で節約できる税額を試算すると、なんと216万円というと結果になりました。これはかなりのインパクトになると思います。

60歳まで引き出しができない点は財形年金貯蓄と同じですが、運用成績によって年金額が変動するというリスクはiDeCo特有のものです。加入には職場の同意が必要になるなど簡単に加入できない一面もあるのですが、税金面でのお得感と運用成績によって年金額が増えることに魅力を感じる方にも、iDeCoがオススメです。

まとめ

財形貯蓄のメリットを中心に財形貯蓄の有効な活用法、その一方でデメリットや注意点、他の制度の比較を交えて解説してきました。いかがでしょうか、最終的に判断をするのは皆さんご自身ですが、その判断材料はご提供できたかと思います。

古い制度なので今の事情に即していない面はあるものの、「強制的な天引き」による資産形成というメリットは健在なので、強い意志を持って貯金をしたい方は検討の価値があるのではないでしょうか。

今だけ限定公開中!初心者が知っておくべき不動産投資の全知識(無料ダウンロード)

こちらは、不動産投資初心者のあなたのための教科書です。
不動産投資はとても高額な投資です。間違った知識で行えば、あなたの資産はすぐに消え失せてしまうでしょう。 そこで、私たちが普段お客様と直接やりとりする中で、必ず押さえておくべきだと痛感している内容を一冊にまとめました。

  • 基礎知識が身につくので、安心して不動産投資を始められます
  • 信頼できる不動産投資会社を見極められるようになります
  • 自分に一番合った物件を探せるようになります
  • 不動産投資をサラリーマン業と両立させるコツが分かります

この資料をダウンロードすることで、リスクを出来る限り防ぎ、効率良く投資ができるようになります。 投資に対する知識不足から不安になったり、間違った判断をしてしまわないために必要なことばかりです。 初心者の方や、もう一度基礎からしっかり学びたい方は、ぜひダウンロードしてお読みください。

期間限定!不動産投資のプロの生の声が大公開!

インタビュー動画

不動産投資には大きく

  • 新築区分マンション
  • 中古区分マンション
  • 新築一棟アパート
  • 中古一棟マンション

と4つの投資タイプがあります。それぞれの投資タイプにメリットとデメリットがあり、自分にはどの投資タイプが適しているのかをなかなか判断できず悩まれている方も少なくないのではないでしょうか。

今回はそれぞれの投資タイプのプロに

  • 不動産投資市場の最新の市場動向
  • 不動産投資ローンの動き
  • 自分に合った投資タイプを選ぶ際に基準にするポイント

などについて、八木がインタビューしながら伺わせて頂きました。 この動画を見ることで、それぞれの投資タイプのリアリティな情報やみなさんが感心の高いの質問の回答を得ることができます。 これから不動産投資を検討されている方は、ぜひ動画をご覧下さい。