• 海外不動産
  • 2019/6/16

米国ジャーナリストが見る最新アメリカ不動産【vol.3】進む不動産テック

日常生活に欠かせなくなったアマゾン、ソーシャルネットワークで世界23億人のユーザーをつなげるフェイスブック、インターネットの検索でお世話にならない日はないグーグル、超便利な配車アプリのウーバーなど、アメリカはテクノロジー革新のメッカです。

これまでの生活のあり方を一変させるようなアプリや技術が毎日目まぐるしく登場していますが、不動産の分野においても買い手や売り手の利便性を飛躍的に高め、コストや手間を下げることにより市場を活性化させ、より気軽でより安全に取引ができるテクノロジーが話題になっています。

不動産投資をより身近にしてくれるイノベーションもあるので、そちらも合わせて見ていきましょう。(岩田太郎・在米ジャーナリスト)






・不動産テックで問題を解決

不動産テックとは、テクノロジーの力によって不動産売買、賃貸、投資の新しい仕組みを生み出し、売り手・買い手や不動産業界が抱える課題を解決し、従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのことです。

具体的には不動産ポータルの網羅的な検索、バーチャルリアリティーや拡張現実による内覧、人工知能(AI)アルゴリズムを使った売り出し物件の価格査定、物件のマッチング、賃貸管理などが挙げられます。
日本の投資家がアメリカの不動産を取引する場合に最も利用しやすく、実際に様々な場面でお世話になるのが、物件のマーケットプレイスである不動産ポータルサイトでしょう。

・アメリカ不動産の代表的な不動産ポータルサイト

代表的なポータルサイトには業界最大手のZillow(ジロー)をはじめ、Redfin(レッドフィン)、realtor.com(リアルター・ドットコム)、Homes.com(ホームズ・ドットコム)などがあり、買い手自ら物件を訪問する手間が省けます。

特にジローは、不動産の3Dツアーを売り物にしており、必見だと言えるでしょう。

同社が開発したエージェント(仲介業者)向けのiPhoneアプリを使って室内のパノラマ写真を撮影すると、ジローのサーバーにおいて画像が切れ目なくつなぎ合わされ、3Dツアーがカンタンに出来上がるものです。

買い手は、グーグルのストリートビューと同じ感覚で画面を指(パソコンの場合はマウス)で上下左右にコントロールしながら、自分の見たい方向や細部をチェックできるため、日本に居ながら買い手がバーチャル内見を行い、だいたいの雰囲気や大きさ、部屋の配置などが事前に把握できるのです。

「内見に行ったけれど、期待したようなものではなかった」「内見に来る買い手のために家を空けたが、結局購入してくれなかった」など、買い手や売り手やエージェントのムダ手間がありません。

また不動産ポータルサイトでは、全米の不動産業者向け物件情報システムであるMLS(Multiple Listing Service)に登録されている、物件の価格と過去の価格推移、広さ、間取り、写真、登記情報、修繕履歴、売買履歴、学区、周辺の人口データ、災害リスクや税務情報などあらゆる客観的なデータが比較・閲覧できます。

テクノロジーがデータの可視化をさらに容易にすることで、公正で信頼できる取引が誰にでも可能となっています。

・販売交渉や成約まで「最短2日」

日本から不動産に投資した後に、益出しや資金調達で売却が必要になることもあるでしょう。

アメリカではここ数年、売り手側の立場から不動産テックが急激な進歩を遂げています。

たとえば、不動産テック企業が「ごく普通の」築年数や間取りの物件を瞬時に査定し、実勢価格より約10%安く買い取ることにより、平均2か月かかっていた査定、販売、内見、交渉、成約までプロセスを、最短2日で済ませることができる価格査定システムが都市部市場に現れています。

・極限まで自動化する「米国不動産テック」

このように、査定でも自動化できるところは極限まで自動化するところがアメリカ不動産テックの特徴だとも言えるでしょう。

ただ日本から投資する場合には遠隔内見など、距離や時間を克服できる有利な機能は使い倒し、実際の売買における取引では不測の事態を避けるために、地元の事情に通じた信頼のおけるエージェントを頼るのが無難です。

テクノロジーではまだ代用がきかない知識や知恵を、彼らは持っているからです。

それでは次回は、アメリカで不動産を探す際に重要なポイントとなる「学区」と不動産価格の関係について探っていきましょう。

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【米国ジャーナリストが見る最新アメリカ不動産】

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