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  • 2019/5/19

米国ジャーナリストが見る最新アメリカ不動産【vol.2】世界が認める透明性とは

アメリカ,不動産

アメリカの不動産の魅力のひとつとして、取引において高い透明性が挙げられます。

売買を仲介する者が、売り主あるいは買い主の利益を優先し、どちらかが一方的に不利になる利益相反状態を防ぐために、さまざまな中立的立場の第三者的な機関が設けられています。前回の米国在住ジャーナリストから見る「リアルなアメリカ不動産投資事情」とはに続き、今回はその中立性を高めるしくみを見ていきましょう。(岩田太郎・在米ジャーナリスト)






・世界的に認められているアメリカ不動産の透明性

1783年創業の世界的総合不動産サービス大手のジョーンズラングラサール社が2年ごとに公表する「グローバル不動産透明度インデックス」の2018年版ランキングにおいて、アメリカは世界第3位に輝いています。

アメリカでは物件の情報閲覧から権利証書の引き渡しに至るまで、不動産取引の流れやプロセスのすべてが客観的で中立的な業者によって可視化されており、買い手が極端に不利益になってしまう確率が低く抑えられています。

これがアメリカで不動産投資が活発である大きな理由であり、また日本を含めた海外からでも安心して投資が行える裏付けになっているのです。

・何重にもめぐらされた「安心」のメカニズム

全米の不動産業者向け物件情報システムであるMLSMultiple Listing Service)には、物件の価格と過去の価格推移、広さ、間取り、写真、登記情報、公図、所有者名、修繕履歴、売買履歴、学区、周辺の人口データ、災害リスクや税務情報など不動産に関する客観的なあらゆるデータが登録されています。

これを基に個人情報を除いたデータが、代表的な閲覧サイトであるジロー(Zillow)やレッドフィン(Redfin)を通して買い手にも公開されています。

アメリカでは物件の公開を義務付けたMLSが存在するため、不動産業者は情報独占によって物件価格のつり上げを狙うポケットリスティング(物件の非公開化)をすることが禁じられています。

このため企業の規模を問わず不動産業者が売りに出ている物件の同じ情報にアクセスでき、透明で平等な取引が保証されているのです。

また、過去の売買価格も明確に示されることで、買い手は将来の売却時のリスクを織り込んだうえで投資判断ができます。

これに加え、客観的な鑑定基準・標準化様式に基づく適正な価格査定を行う不動産鑑定士、業界基準に基づき建物の調査診断・報告書を作成する住宅診断士、物件代金の入金を確認後、買主には物件占有権を引き渡し、売主には代金を送金する登記調査会社(タイトルカンパニー)などが、不動産取引のそれぞれの段階で公正かつ安心な取引を可能にしています。

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・中立の立場で取引する「エスクロー会社」

アメリカでは、ほとんどすべての不動産取引で売り主、買い主双方にそれぞれ業者(ブローカー)がつく仕組みになっており、ブローカーが両方を代表することによって生じる利益相反が避けられるようになっています。

また、アメリカと日本の不動産取引における最大の違いとなっているのが、買い主と売り主の間に入り、中立的な立場で決済のプロセスを監視し、売買の安全性を高めるエスクロー会社です。

日本においては不動産取引の決済時には、ブローカー、仲介業者、不動産業者、司法書士、弁護士など関係者が一堂に会し、書類の引き渡しや確認業務を行なう必要がありますが、アメリカではエスクロー会社がそうした業務を一手に代行するため、売り手や買い手が別々の場所にいても取引は成立します。

具体的には、登記履歴の調査手配、銀行との調整、登記、買い手の銀行からの購入代金の受け取りと売り手への振り分け、費用負担計算や税金計算などを代行します。

すべての確認が完了したあと、登記調査会社へと引き継がれます。

・何重にもめぐらされたしくみが魅力を生む

アメリカ不動産はこのような第三者機関のしっかりとしたしくみにより詐欺やお金のトラブルを防いでいます。

こうした何重にもめぐらされた安心のシステムができたのは、不動産の流動性を高めて気軽に取引ができるようにするためでした。つまり、「住むこと」だけでなく、「取引や投資をすること」に重点が置かれたのです。

そのため、売りに出される物件が豊富で、売却時にも買い手がつきやすい市場となる傾向があり、その点がアメリカ不動産をさらに魅力的にしていると言えます。

次回は、最先端テクノロジーでと利便性で世界をリードするアメリカの不動産テックをご紹介して行きましょう。

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