都会生活を楽しんでいる40代独身のAさんが相談に訪れたのは2018年12月でした。
Aさんは、独身を楽しみたいという希望を持ち、特に結婚する気もなかったので、特段投資で増やすという発想もありませんでした。しかしある日転機が訪れます。
いったいAさんに何があったのか、なぜ不動産投資を始めたのか?ご紹介しましょう。
【投資家の横顔】40代の独身女性
Aさんは40歳女性です。好きなことをやりたいとこれまで転職を2回経験し、とあるベンチャー企業に勤務しています。
ベンチャー企業ではあれよあれよと出世し、いつのまにか部長になっていました。その結果給料もうなぎ登り。もうこれ以上増えなくてもよいと思っており、ある程度のところで辞めることも考えていました。
そこに、まさかの上場準備の話が。面白そうだし上場するまでは頑張ってみるかと決意し、これまで仕事に励んできました。
【投資の背景】在籍企業の上場で一変?
そして、実際にそのベンチャー企業は上場を果たします。Aさんはもともと株式投資が好きだったこともあり、入社後継続して自社株を毎月最大金額購入していました。
入った頃は数名の会社だったものが、いつの間にか数十名の企業へと拡大し、上場しました。気づいたら自社株だけでおよそ2億円ほどの財産になっていることが判明しました。
ロックアップ期間(一定期間持ち株を売却できないようにする制度)を経過した後にある程度売却し、その資金をどうするかといった相談で連絡が来たのです。
【物件選び】空室リスクの無い不動産小口化投資
Aさんはその後実際に保有自社株を売却し、税金等支払った後の金額から5,000万円程度は何か投資を行い、安定収入を得たいと考えていました。
当初は株式投資も検討しましたが、ハラハラドキドキが楽しいものの、金額が大きくなるためストレスにしたくないとのことでしたので、安定収入を得る不動産投資を検討していきます。
様々な個別の不動産も検討しましたが、できる限りわずらわしくない投資方法がよい、空室などのリスクもとりたくないとのご希望であったため、J-REITや不動産小口化投資の提案を行いました。
その結果、1口50万円や100万円から投資できる不動産小口化投資による地域分散、住宅や商業施設など幅広く分散させリスクヘッジする手段を選ばれることにありました。
実質利回りは年3~4%程度のものですが、これまでの投資商品が完売していること、実際に安定的な分配金の享受が滞りなくできているという実績を重視し、不動産小口化投資を選択されます。
実際には、不動産小口化投資により6物件にそれぞれ200万円ずつ、計1,200万円を投資し、残りに関しては新しい案件が出たら検討していくとのことです。
【FPの分析・アドバイス】資金分散の投資は大きなメリット
Aさんのように、不動産現物そのものではなく、不動産小口化投資による運用を検討するのも悪くありません。
管理などすべてプロに任せることができるため、煩わしさも無い一方、プロにお任せするため、どうしてもコストはかかってしまいます。
ただし預貯金等の利率と比べたり、株投資のリスクを考えると安定している上分配金も高いため、Aさんのように検討される方は多いのではないでしょうか。
Aさんの場合、運良く会社が上場できた事もありある意味では宝くじに当たったかのような状況ですので、まとまった資金を分散させながら投資ができる点にメリットがあります。
今後も定期的に不動産小口化商品で運用を行い、分配金で普段の生活費がまかなえるようになったら仕事を辞めたいとのこと。
なんともうらやましい話ですが、今後は実際に不動産投資を行ったとき良い物件に出会えるかどうかが大きなポイントです。
最終的には自社株式をすべて売却し、その資金で不動産投資を行い、年に300~400万円ほど分配金を得ることができるようになればそれでよいとのこと。
儲かったお金をさらに大きく増やそうとするとおおよそ失敗するケースが多いと言えますが、Aさんはそのような意味では結構手堅い運用となりそうですね。