• 不動産売却
  • 2017/3/2

相続した空き家は売却すべき?知らないと損する空き家売却に関する「特別措置」について

この記事をお読みの方の中に、せっかく相続にて取得した家が空き家になってしまい、処分にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。特にすでに家を持っている方は、売ってしまうか、賃貸に出すか、対処方法が分からずそのままに放置してしまった方も少なくないでしょう。

実は、このような空き家問題はテレビでも取り上げられる程社会問題化しています。そのため、空き家問題を改善すべく、平成28年度税制改正により、空き家売却における税制優遇措置が受けられるようになりました。

そこで今回は、この特例を利用する場合のメリットや重要な注意チェックポイント、実際に空き家を売却する場合の流れなどについて紹介していきます。空き家の売却を検討されている方はご参考になれば幸いです。


 1、空き家は売却すべき?売却した場合のメリット

空き家を売却したいと思っていても、物件が遠方にあったり、売却が手間だからなどの理由からそのまま放置にされている方も多いでしょう。

空き家を放置せずに売却した場合、以下のようなメリットが挙げられます。

  • 毎年の固定資産税や家の定期的なメンテナンスなどの維持費がなくなる
  • 誰も住んでいない家が犯罪に巻き込まれるリスクを避けることができる
  • 現金化することによって、その他の出費にあてることができる 

など。 

つまり、空き家は出来る限り早く売却した方がメリットが大きいのです。

2、空き家を売却した場合にかかる税金

では、空き家を売却した場合、どのくらい税金がかかるのでしょうか。

一般的には不動産を売却する時は、大きく下記3つの税金がかかります。

  • 売買契約書に貼付する印紙税
  • (抵当権がついている場合)抵当権抹消登記の登録免許税
  • (売却益が出た場合)譲渡所得税

 など。空き家は相続によって取得されたケースが多く、売却することによって、「譲渡所得税」が課税されます。そこで、国は空き家を減らすため、相続した空き家を対象に「特例措置」を設けました。措置の詳しい内容は「3、相続した空き家を対象となる「特例措置」とは?」をご参照下さい。

なお、不動産を売却する時にかかる税金について詳しくは「損したくない方必見!事前に知っておきたい不動産売却時にかかる3つの税金」を参考にしてみて下さい。

3、相続した空き家を対象となる「空き家の発生を抑制するための特別措置」とは?

(1)空き家の発生を抑制するために特例措置とは?

 空き家の売買を活発化し急増する空き家の発生を抑制するため、国は平成284月から期間限定の税制の特例措置を実施しました。

制度の概要は、以下のようなものです。

相続日から起算して3年を経過する日の属する年の1231日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋 を相続した相続人が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む。)又は 取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除する。

(国土交通省のホームページより抜粋)

この制度が適用される物件の場合、家を売却して得た譲渡所得から3,000万円を特別控除として差し引くことができるので、譲渡所得税が大きく減税することができる優遇制度です。

 つまり、譲渡所得が3,000万円以下の場合、売却利益を得られても非課税になるという大きなメリットを享受することができます。

(2)適用条件とは?おさえておくべき4つのポイント

このようにメリットの多い特例ですが、利用するにはきちんと要件が設けられいます。

まず大前提として、「相続したあとに空き家となった」ことです。

その他適用要件を以下にてまとめましたので、自分が所有している空き家の条件をチェックしておきましょう。

①適用期間の要件

まずは、適用期間の要件をみてみましょう。 

相続日から起算して3を経過する日の属する年の12 31まで、かつ、特例の適用期間である「平成2841日か ら平成311231日までに物件を譲渡(売却)すること。


出典:国土交通省の「空き家の発生を抑制するための特別措置

②相続した家の要件

続いて相続した家の要件をみてみましょう。

  • 相続開始の直前まで被相続人(親など)の居住用として使われていた物件である
  • 相続開始の直前において、被相続人以外に居住しているものがいない物件である
  • 昭和56531日以前に建築された家屋である
  • 相続時から譲渡時まで事業用、賃貸などに使用していない物件である 

③譲渡(売却)する際の要件 

最後に譲渡(売却)する際の要件は以下の通りです。

  • 譲渡価額(売却価格)が1億円以下である
  • 家屋を譲渡する場合(土地も併せて譲渡する場合も含む)、譲渡時に現行の耐震基準に適合するものである 

なお、マンションは区分所有となるため、適用不可となっています。

④その他の特例との併用が可能

「空き家の発生を抑制するための特別措置」だけでもかなり節税できるのにも関わらず、下記特別控除のいずれかと併用することもできます。

  • 「自己居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」
  • 「自己居住用財産の買換え等に係る特例措置」

また、「相続財産譲渡時の取得費加算特例」と選択適用することもできます。

出典:出典:国土交通省の「空き家の発生を抑制するための特別措置

なお、「自己居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」と「自己居住用財産の買換え等に係る特例措置」について詳しくは「不動産売却したら確定申告が必要?損しないために知っておきたい9つのこと」を参考にしてみて下さい。 

「相続財産譲渡時の取得費加算特例」については詳しくは「相続した土地の売却!事前に知っておきたい7つのこと」を参考にしてみて下さい。

「空き家の発生を抑制するための特別措置」の適用要件のチェックシートを添付しますので、ぜひ活用してみて下さい。

3、「空き家の発生を抑制するための特別措置」の手続きの流れ

所有している空き家が特例措置の適用条件を満たせる物件である場合、以下の手続きにて3,000万円の控除を受けることができます。

(1)必要な書類を用意する

まず、特別措置申請に必要な書類を準備しましょう。 

国土交通省のホームページより被相続人居住用家屋等確認申請書をダウンロードの上記入し、以下の書類を揃えましょう。

  • 被相続人の住民表の除票の写し
  • 相続人の住民票の写し
  • 法務局にてその空き家、および敷地の「登記事項証明書」
  • 「売買契約書」の写し
  • 指定確認検査機関などの機関が発行する「耐震基準適合証明書」または登録住宅性能評価機関が発行する「建設住宅性能評価」の写し
  • 電気、ガスの閉栓証明書または水道の使用廃止届出書などいずれか
  • 譲渡所得の金額の計算に関する「譲渡所得の内訳書」

 なお、必要な書類のチェックシートを添付しますので、ぜひ活用してみて下さい。

(2)手続きについて

申請書と上記書類を併せてまず市区町村に被相続人居住用家屋等確認書を提出し申請します。 

市区町村で被相続人居住用家屋等確認書を交付されたら、譲渡翌年の確定申告の際に、譲渡所得の金額に関する計算の明細書や売却の際の売買契約書の写しを税務署に提出しましょう。

4、実際にどのくらい節税できる?

では、実際に特別措置を活用して、どのくらい節税ができるかをみてみましょう。

<前提>

昭和55年に1,000万円で建築した木造家屋に住んでいた両親が他界したため、ご両親が20年も所有していた家を2年前に相続で取得した空き家を土地込みで3,000万円で売却した。なお20年前に耐震工事を行なっているものとし、取得費は減価償却分を引いて500万円とします。また、譲渡費用は仲介手数料と印紙代で171万円かかりました。

譲渡所得=譲渡価格(売却価格)−(取得費+譲渡費用)−特別控除

特例が適用されない場合

譲渡所得=3,000万円—(500万円+171万円)−0=2,388万円

譲渡所得税=2,388万円×20%(長期譲渡所得税率)=477万円

特例を適用した場合

譲渡所得=3,000万円—(500万円+171万円)−3,000万円=0万円

譲渡所得税=0万円

なんと、特例の適用が受けられれば、「477」万円の税金を節約することができました。もちろん、譲渡所得が3,000万円に満たない場合は、特例適用後の税金は非課税でゼロ円になります。 

5、相続ではない空き家を売却する場合は「マイホームを売ったときの特例」を利用 

親が介護施設に入居したことによって、空き家となった実家を売却するケースも増えてきています。

その場合の売却で売却益が出た場合には、要件を満たしていれば「マイホームを売った時の特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除)」が適用されます。

以下にて特例の適用要件について確認しましょう。

(1)「マイホームを売ったときの特例」とは?

「マイホームを売ったときの特例」とは、個人がマイホームを譲渡(売却)したときに利益が出た場合、定められた要件を満たせば3,000万円まで控除を受けられる特例のことをいいます。つまり、売却益が3,000万円以内の場合、非課税になるということです。 

(2)特例の適用要件!チェックすべき4つのポイント 

「マイホームを売ったときの特例」を利用するには以下4つの適用条件に該当する必要があります。 

  • その家に住まなくなった日から3年目の1231日までに売却すること
  • 実際に住んでいた(この場合は親が住んでいた)家であること(別荘などの仮住まいや、名義のみで実際は住んでいない場合は適用不可となる)
  • 家を売却する相手が親子、夫婦など、生計を共にしている親族ではないこと
  • 住宅ローン控除、買い替えの特例などとの併用はできない

(3)特例を受けた場合に注意したいポイント

マイホームを売ったときの3,000万円の特例の適用は、その家の所有期間や耐震性能などは問われませんが、親が生活の拠点として実際に住んでいた家であることが前提となります。 

なお、空き家の発生を抑制するための特例措置とは違い、住まなくなってから売却が決まるまでの間は第三者に貸すなど賃貸していても構いません。

しかし、空き家を取り壊して更地で売却する場合には、取り壊した日から1年以内に売れないと、特例が受けられなくなること注意しましょう。

6、空き家を高く売却する

一般的には住みながら売却するより、空き家の方が売れやすいと言われていますが、空き期間によって家の状況が良くないなどデメリットが多いケースも考えられます。 

では、空き家を高く売却するにはどうしたらいいでしょうか。

以下にて、空き家を高く売却するために知っておきたいポイントをまとめましたので、参考にしてみて下さい。

(1)複数の不動産会社に査定を依頼する

家を高く売却するには、家の資産価値を正確に把握することが大切です。

従って、売却すると決まりましたら、まず一括査定サイトを利用して査定を受けましょう。

以下利用者数が多い一括査定サイトをピックアップしましたので、ぜひ活用してみて下さい。

ソニー不動産

ソニー不動産

公式サイトはこちら

HOME4U

スクリーンショット 2016-09-21 9.49.30

公式サイトはこちら

RE-Guide

スクリーンショット 2016-09-21 10.26.37

公式サイトはこちら

なお、空き家は、人が住んでいないことによって、家が傷んでいたり、庭に雑草が生えていたり、人が住んでいる家より痛みやすいと言われています。一括査定を依頼した後に、対応が良かった業者を3社ほどに絞り、訪問査定もぜひ受けるようにしましょう。 

(2)ホームステージングを利用して見た目を良くする

長期間に空き家となった場合、思っていたより家が汚れていたり、水回りが錆びていたりと自分で掃除するのは結構大変な作業になることが多いです。

その場合、せっかくの空き家を活用して、家の中をモデルルームのようにインテリアコーディネートをし、ホームステージングを検討してみてはいかがでしょうか。

何もない部屋を見せるより、実際に生活した場合のイメージが湧きやすく、購買意欲をかき立ててくれるでしょう。

なお、ホームステージングについて詳しくは「ホームステージングとは?中古物件の魅力をアップしてより高額で不動産売却する方法」を参考にしてみて下さい。

(3)余裕を持って売りに出す

特例を受けるために「早く売らなければ!」と焦ってしまうと、相手にその焦りが伝わり、安く買い叩かれてしまう可能性があります。

従って、特例を受けられるギリギリの期限になって売却するのではなく、余裕を持って早めに売りに出しましょう。 

(4)信頼できる不動産会社の担当者に売却を依頼する 

家を高く売却ができるかどうかは、責任を持って売却プランを立ててくれる不動産会社の担当者にかかっていると言っても過言ではありません。特に相続にて取得した家の場合、遠方にあったりなどの理由から、内覧などほとんど担当者に任せるケースが多いため、空き家の売却はなおさら担当者が大切と言えるでしょう。

信頼できる担当者なのかどうかは、様々なチェックポイントがありますが、大きく

  • 定期的に売却の状況を報告してくれる
  • 確認事項はきちんと対応してくれる
  • 内覧者の感想をきちんとフィードバックする
  • レスポンスが早い

などが挙げられます。信頼できる担当者のチェックポイントシートを添付しますので、ぜひ活用してみて下さい。

7、実際に空き家を売却する流れ 

最後に空き家を売却する流れをみてみましょう。

  1. 特別措置の適用要件を確認する
  2. 一括査定サイトを活用して資産価値を把握する
  3. 不動産仲介業者を決め、売却活動を始める
  4. 購入希望者と交渉する
  5. 売買契約書を締結する
  6. 決済し、家を引き渡す
  7. 特別措置に必要な書類を準備し、税務署にて手続きを行う

など。

まとめ 

今回は相続にて取得した空き家を売却する際に、特別措置を活用して節税する方法について書きましたが、いかがでしたでしょうか。

空き家を売却することによって、譲渡所得税を支払わなければならないの理由で放置された方は、適用条件さえ満たせば特別措置を利用することによって大きく節税することができます。ぜひ、この記事を参考に放置にしていた空き家の売却を検討して頂けたら幸いです。

不動産を高く売却するには?当メディアが最もオススメする査定サイト3選

「不動産を売却したいけれど、どこに依頼すれば良いか分からない」
「うっかり相場よりも安く売ってしまい、あとで後悔したらどうしよう」

そのような悩みを解決してくれるのは、無料で利用できる査定サイトです。
査定サイトは、物件の資産価値を「査定」してもらえるのと同時に、信頼できる不動産会社を探すという活用方法もあります。
こちらのページでは、「不動産投資の教科書」が特にオススメする査定サイトを3つ紹介しています。

  • 売主だけを担当しているので、売主目線で最短・高額で対応してくれるサイト
  • 厳しい選定基準をクリアした500社以上もの提携会社から、条件の良い査定額を提示してくれるサイト
  • 24時間対応の無料相談窓口があるので、疑問をすぐに解消できるサイト

実は、これまで700名以上もの方が当メディア経由でご自身に合った不動産売却査定サイトを見つけています。
ぜひ、こちらから比較検討し、今後のスムーズな売却にお役立てください。