• 不動産投資
  • 2017/6/14

賃貸アパート建築費用っていくら必要?計算方法と安くする方法と具体的な調達方法

相続などですでに土地をお持ちの方、または土地を購入して本格的な不動産投資をお考えの方それぞれにとって、賃貸アパート経営は魅力的かつ現実味のある選択肢です。実際に人気も高まっており、賃貸アパートを新築して大家さんとして家賃収入を得たいと考える方は多くなっているのですが、そこで気になるのが賃貸アパート建築費用です

いったいいくらくらい必要なのか?という相場観から、賃貸アパート建築費用を調達する具体的な方法など、先立つものに対する疑問は尽きません。

この記事では、

  • 賃貸アパート建築費用とは何か
  • 賃貸アパート建築費用の見積もりを取る方法
  • 少しでも安くしたい方のためのテクニック
  • 建築費用の調達方法

などを中心に解説します。今回の記事は毎月40万人が訪問するメディア「不動産投資の教科書」が徹底リサーチの上まとめましたので、あなたのお役に立てることでしょう。

賃貸アパート建築費用は不動産投資の利回りにも直接影響するため、後悔することがないよう、ぜひ最後までお読み下さい。

1、賃貸アパート建築費用の概要

(1)賃貸アパート建築費用に含まれるもの

一般的に不動産業界で「賃貸アパート建築費用」と見なされているのは、賃貸アパートという建物を建築するための費用です。賃貸アパートとして使用するための建物を建て、その中で生活に必要なトイレや浴室、台所といった住宅設備を用意するまでの工事に必要な費用だと考えて良いでしょう。

ただし、こうした建築費用については定義が曖昧で、どこまでの工事が賃貸アパート建築費用に含まれているのかは建築業者によって考え方が異なることがあります。よって、実際に見積もりなどを比較する際には工事に含まれているものが何かというところまで注目する必要があります。

(2)賃貸アパート建築費用は坪単価で表示される

賃貸アパートをはじめ、建物の建築費用を表示する単位は「坪単価」です。1坪あたりの建築費用を表示することで比較しやすいようにするために、単位が統一されています。

建築する賃貸アパートの床面積が何坪になるかは設計段階で正確に知ることができるので、その坪数に坪単価を掛けると賃貸アパート建築費用の全体像が見えてきます。

(3)構造別に異なる賃貸アパート建築費用の坪単価

建物を建築する際にはさまざまな構造があります。大きく分けると木造、鉄骨造、そしてRC造です。後者になるほど強度が高くなりますが、その分建築費用は大きくなるというトレードオフの関係にあります。

建物の構造別に坪単価の相場は以下のようになっているので、ひとつの目安にしてください。

木造(2~3階建て) 50万円前後/坪
軽量鉄骨(2~4階建て) 50~70万円
鉄筋コンクリート(主にマンション) 70~100万円

鉄筋コンクリートはRC造とも呼ばれ、高層建築にも採用される強度の高い構造です。46戸規模の標準的な賃貸アパートであれば木造が最も多く、標準的なアパート建築費用は坪単価で50万円前後を目安にするのが良いでしょう。

(4)標準的な賃貸アパートだと、いくら必要?

投資対象となる標準的な規模として、戸数が6戸、土地の広さが40坪程度で建ぺい率が80%という2階建ての木造賃貸アパートを想定して、この賃貸アパートの建築費用を計算してみましょう。

土地の広さが40坪、建ぺい率が80%という土地に2階建ての賃貸アパートを建てると、床面積は以下のように計算できます。

40坪 × 80% × 2階 = 64

この64坪に対して坪単価が50万円とすると、

64坪 × 50万円 = 3,200万円

となります。これにより、アパート建築費用は概算で3,200万円であることが分かります。

さらに構造別に、40坪より大きな敷地面積の場合の坪数別賃貸アパート建築費用を一覧表にしてみました。

賃貸住宅の構造としては木造、鉄骨造、RC造がありますが、RC造は主にアパートというより中高層マンション向けの構造なので、ここでは木造と鉄骨造に絞っています。

①木造

木造アパートの坪単価は50万円前後という前項の解説に基づき、以下の数式で求めています。 

敷地面積 × 建ぺい率 × 階数 × 50万円 = 賃貸アパート建築費用

敷地面積 2階建て 3階建て
50 4,000万円 6,000万円
80 6,400万円 9,600万円
100 8,000万円 12,000万円

※建ぺい率80%として計算しています。

②鉄骨造

鉄骨造の場合は5070万円であると前項で述べていますが、ここでは便宜上坪単価60万円と仮定して求めます。

敷地面積 × 建ぺい率 × 階数 × 60万円 = 賃貸アパート建築費用 

敷地面積 2階建て 3階建て 5階建て
50坪 4,800万円 7,200万円 1億2,000万円
80坪 7,680万円 1億1,520万円 1億9,200万円
100坪 9,600万円 1億4,400万円 2億4,000万円

※建ぺい率を80%として計算しています。

(5)利回りに大きく影響する賃貸アパート建築費用

賃貸アパートの大家さんにとって、建築費用は仕入れ原価に相当します。投資物件をいくらで仕入れるかが利回りを計算する際の分母になるので、最初の仕入れで以後の賃貸アパート経営の収益構造がほぼ決まります。

先ほどの建築費用の算出で想定した賃貸アパートの場合、6戸ある各部屋の家賃を7万円と想定すると、年間の家賃収入は

7万円 × 6戸 × 12ヶ月 = 504万円

となります。

この504万円を稼ぎ出すために賃貸アパート建築費用として3,200万円を使ったということで利回りは、

504万円 ÷ 3,200万円 × 100 = 15.75%

 となりました。

新築の賃貸アパートなので高利回りになりやすいですが、それを考慮しても15.75%は悪くない利回りです。

この計算はすでに土地を所有している人の場合で、この賃貸アパートを新築するにあたって土地の購入を伴ったのであれば、「3,200万円+土地購入費用」を分母にして利回りを計算します。

(6)賃貸アパート建築費用と出口戦略

賃貸アパート経営に限らず、不動産投資には必ず終わりがあります。最後に所有している物件をどうするのかという戦略は出口戦略とも呼ばれ、それがうまくいってはじめて不動産投資の最終的な収支が確定します。 

  • 30年後も所有し続けて安定的な経営を考えている
  • 10年後には新しいうちに売却する予定

この両者では、賃貸アパート建築の考え方がまるで異なります。前者の場合は30年後もできるだけ資産価値が保たれるような賃貸アパートを建てる必要がありますが、後者の場合は新築から10年間の集客力を中心に考えれば良いことになります。

これから建てようと考えている賃貸アパートを最終的にどうするのか?賃貸アパート建築費用を考える時には、出口戦略も考慮する必要があるのです。 

2、賃貸アパート建築費用を知る方法

(1)賃貸アパート建築業者の選択肢

賃貸アパート建築の依頼先としてよくあるのが、工務店やハウスメーカーです。大規模なマンション開発をするとなるとゼネコンなどが選択肢に入りますが、賃貸アパートの場合は戸建住宅の建築に近いので、多くの場合は工務店とハウスメーカーから建築業者を選ぶことになるでしょう。

(2)見積もりを取って比較検討

賃貸アパートの建築費用はいったいいくらになるのか?まずはそのたたき台となる数字を得る必要があるので、見積もりを取ってみましょう。見積もりを取ることは無料なので、まずは具体的な数字を見てみることから始めます。

そこには2つの方法がありますが、いずれも共通して意識したいのは1社のみの見積もりではなく広い視野を持つために複数業者の見積もりを取ることです。

①一括見積を取ってみよう

アパート建築を得意とする工務店やハウスメーカーなどが複数社登録されていて、各社に対して一斉に問い合わせや見積もりを依頼できるサービスがあります。こうしたサービスを利用すると一度の操作で複数業者からの見積もりを取れるため効率的です。

持ち家計画 

家づくりの総合ポータルサイト【持ち家計画】 

②個別の業者に見積もりを依頼する

一括見積サービスは建築業者のツテが特にないという方に有効ですが、すでにある程度のツテがあるという方や、具体的に思い浮かぶ社名がある方は、個別に見積もり依頼を出してみるのも有効です。

その際に注意したいのは、その業者だけでなく必ず他の業者にも見積もり依頼を出してみることです。1社のみの見積もりだとどうしても比較の対象がなく、偏った情報や角度からの検討になってしまいがちです。 

(3)建築業者を選ぶポイント3

安心して賃貸アパートの建築を任せられる建築業者とは、どんな業者でしょうか。比較検討時のチェックポイントとして以下の3つを意識すると、答えを導きやすいと思います。

①収支シミュレーションの根拠が明確である

1ー(5)利回りに大きく影響する賃貸アパート建築費用」では、賃貸アパート建築費用が利回りに深く関わっていることを解説しました。数字として表れる利回りが高いと賃貸アパート経営への期待も膨らむので、建築業者は利回りの高さをアピールして自社への発注を促します。

そこで述べた通り、利回りを決めるのは家賃と賃貸アパート建築費用です。家賃を高めに設定すれば想定利回りが高くなるのでその業者に決めたくもなりますが、その家賃設定に根拠があるのかが重要です。

同様に、見積もり結果として算出された賃貸アパート建築費用についても必要な工事を全て積算した数字なのかどうか、こちらも精査する必要があるでしょう。

業者が提示している数字に明確な根拠と、その説明があることは信頼に値する業者なのかどうかを知る1つ目のバロメーターです。

②大家さん目線の提案ができている

賃貸アパート経営をするのは建築業者ではなく、その賃貸アパートを所有する大家さんです。所有している土地(購入した土地・購入予定の土地)の立地条件や形状、広さなどによって最適な賃貸アパートのあり方は異なりますが、提案内容がそれに沿ったものであるかどうかは見極めのポイントとなります。

というのも、建築業者にはそれぞれ得意分野があります。木造アパートが適した条件でありながら、重量鉄骨を得意とする業者であれば鉄骨造を提案するかも知れません。2階建てで充分と考えられる立地条件でありながら、鉄骨造を得意とする業者だけに3階建てを提案されて、いざ賃貸アパート経営を始めてみたら空室率が高くなった…ということもあり得ます。

大切なのは、大家さん目線です。賃貸アパート経営を成功させるためにどれだけ具体的な未来像が描けているか、それが提案に盛り込まれているかは2つ目のバロメーターです。

③一緒に仕事をしたいと思える

数字の根拠や提案の具体性など客観的な視点が必要な2つのポイントが続きましたが、最後は人間的な信頼感という極めて主観的な視点も大切にしたいところです。

不動産投資は会社や担当者への親近感や信頼なども重要な鍵を握っているので、見積もりや提案などで接してみて「この人と一緒に仕事をしたい」と思えるかどうかという感覚的な部分にも注目してください。

主観に基づくもので曖昧さもありますが、最後の決め手は「」です。

(3)少しでも建築費用を安くしたい方へ

マンションと比べると安いとは言え、賃貸アパートの建築費用は数千万円規模になります。決して簡単にできる投資ではないので、少しでも安くしたいという思いは誰にも共通するところです。

そこで、賃貸アパート建築費用を少しでも安くするための考え方を3つのポイントに絞って解説します。

①その建築費用に余計なマージンが含まれていませんか?

賃貸アパートの建築を依頼した場合、その工事を誰がやるのかに注目しましょう。大手ハウスメーカーに依頼をした場合、実際に工事を行うのは地元の工務店であるケースがあります。この時点で工務店による工事費用に大手ハウスメーカーの中間マージンが発生します。

大手の建設会社などにも同様のことが言えるので、地元の工務店と直接やり取りをすることで中間マージンを抑えると、かなりのコスト削減が可能です。

②「ありがちな形」で建築費用を抑える

建物は形が複雑であったり、使用する材料が多くなるほど建築費用がかさみます。その逆に真四角に近い形の建物ほど設計や工事、材料がシンプルになるため建築費用を抑えることができます。

賃貸アパートは複雑な形よりも、例えば総二階になっているシンプルな形状のほうが部屋数を多く設けることができるので好都合ですが、それは部屋数という観点だけでなく建築費用の観点からもコストパフォーマンスが良くなるのです。

建築業者によってはデザインや構造などを規格化することで「大量生産」による低コストを実現しているところもあります。

「ありがちな形」には目新しさがないかも知れませんが、賃貸アパート経営においては十分価格的メリットがあります。

③建築費用をケチった賃貸アパートの未来を想像してみる

不動産に掘り出し物無しという言葉があるように、賃貸アパートの建築においても費用をかければそれだけ価値を長持ちさせることができますが、初期費用を抑えた場合はその部分が時間とともに目立つようになります。悪質な業者であればその限りではありませんが、建築費用と賃貸アパートの品質は比例する関係にあります。

ここで重要になるのが、出口戦略です。「1ー(6)賃貸アパート建築費用と出口戦略」では、最終的にその賃貸アパートをどうするのかによって方向性が異なると述べましたが、高い家賃を設定できる築浅のうちに売却して次の賃貸アパートを建てるという出口戦略を描いているのであれば、建築費用を極力抑えて建てることも経営上間違いではありません。

その一方で、数十年先も所有し続けて老後の安定的な収入を、とお考えなのであれば相応の費用をかけて色褪せにくい賃貸アパートを目指す必要があるでしょう。

3、賃貸アパート建築費用の調達方法

少なくとも数千万円規模になる賃貸アパートの建築費用。多くの場合は融資を利用することになると思いますが、その際の審査や金利が気になるところです。

そこで、賃貸アパート建築費用に使えるローン商品のご紹介と、具体的な利用方法を解説します。

(1)建築費用にも使える不動産投資ローン

多くの金融機関では「不動産投資ローン」という事業性のローン商品を用意しており、こうしたローン商品は賃貸アパート建築費用にも使うことができます。不動産投資ローンなので、建築費用だけでなく土地の購入費用や既存の収益物件購入などにも利用可能です。

金利はおおむね、1%台から4%台くらいまでです。住宅ローンと比べると全体的に高めですが、それは自己居住用ではなく投資用の不動産購入だからです。また、金利に開きがあるのは、金利が安い金融機関ほど審査が厳しく、逆も然りだと考えて良いでしょう。

全体的に大手メガバンクは金利が低い代わりに審査が厳しく、地方銀行やベンチャー系銀行などはその逆の傾向が見られます。審査に通らなければ賃貸アパート投資そのものが絵に描いた餅になってしまうので、「不動産投資の教科書」としては地方銀行やベンチャー系銀行の利用をオススメします。

(2)建築費用に使える主なローン商品

前項でオススメした金融機関が提供しているローン商品をご紹介します。

①オリックス銀行「不動産投資ローン」

http://www.orixbank.co.jp/

審査の早さや使い勝手などにおいて新規参入の強みが発揮されています。不動産投資への融資も積極的です。

②スルガ銀行「ドリームライフアセット」

https://www.surugabank.co.jp/

静岡県沼津市の地方銀行でありながら不動産投資への融資にとても積極的ということで全国的に高い知名度を誇ります。金利は若干高めですが審査の早さや通りやすさの面において一度は考慮したい選択肢です。

③JA「アパートローン」

http://www.ja-hainan.or.jp/

すでに土地を所有している人向け、賃貸アパート建築費用に特化したローンです。申し込みや審査のハードルが低いため条件に該当する方にはかなり有望です。

(3)審査で見られている3つのポイント

不動産投資に対する融資審査において、金融機関では大きく分けて3つのポイントを見ています。その3つのポイントとは、「属性」「収益性」「担保価値」です。

①申込者本人の属性

不動産投資ローンはあくまでも借金なので、申込者本人の収入や過去の履歴、資産状況などは重視されます。相談の段階から担当者とのやり取りが始まっているので、「人となり」も見られていると考えて良いでしょう。

②賃貸アパートの収益性

賃貸アパート経営という事業を始めるにあたって、その事業にどれだけの収益性があるかは返済能力にも関わる部分なので審査では重視されます。賃貸アパートの収益性を示す物差しとして利回りがありますが、金融機関側ではそれ以外にもマーケティング調査などを独自に行い、自らの物差しも使って賃貸アパートの収益性を審査しています。

逆に考えると審査に落ちた理由が「収益性」だった場合、金融機関としては「この賃貸アパートは儲からない」と判断したということになります。審査結果の理由は明らかにされないので申込者には分からないことですが、審査に落ちたということは採算性を一度疑ってみても良いと思います。

③収益還元法による担保価値の評価

いわゆる無担保ローンだと申込者の属性だけで審査されますが、不動産投資ローンの場合は不動産という担保があります。賃貸アパートにどれだけの資産価値があるかによって融資の可否や融資額が決まります。

賃貸アパートにどれだけの担保価値があるかを評価する方法は主に3つあります。「原価法」「取引事例比較法」、そして「収益還元法」の3つがある中で、賃貸アパートは収益物件だということもあって収益還元法が主に用いられます。この収益還元法は不動産がもたらす収益から不動産の価値を算出する手法で、「収益還元法とは?不動産投資で失敗しないためにおさえておきたい適正価格の計算方法」で詳しく解説していますので、ぜひご参考までにお読みください。

まとめ

賃貸アパート経営を始めるためにも、まずは先立つものが必要です。そのために必要な建築費用の内訳や費用の計算方法から、見積もりの取り方や建築資金の調達方法まで解説してきました。ぼんやりとしたイメージでしかなかった賃貸アパート経営が、より現実的に感じられましたでしょうか?

昨今は賃貸アパート経営がちょっとしたブームになっており、注目度も高くなっています。始めなければ家賃収入も入ってこないので、まずは賃貸アパート経営に対する現実味を感じていただければ幸いです。

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