• 不動産投資
  • 2017/8/7

10分で分かる不動産特定共同事業法の改正のポイントとチャンスのツカミ方

不動産特定共同事業法の改正が閣議決定しました。この改正を機に不動産特定共同事業法ってどんな法律?不動産特定共同事業法があると何が変わるの?という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

不動産特定共同事業法を一言で説明すると、「小口の資金を集めて不動産投資をするための規定」となります。ではその法律が改正されるというのは、どういった背景や目的があるのでしょうか。

そこでこの記事では、この不動産特定共同事業法について、

  • 不動産特定共同事業法とはどんな法律か
  • 不動産特定共同事業法が改正される背景、目的

 といった基本事項を解説します。

さらに、不動産特定共同事業法の改正によって大きなポイントとなる

  • クラウドファウンディングとの関わり
  • 小規模不動産特定共同事業 

などについても詳しく解説します。

月間40万人を数える「不動産投資の教科書」読者の皆さんにとっても、投資機会の拡大など大いに関わりのあることなので、ぜひ最後までお読みの上、不動産特定共同事業法の恩恵を得ることができるよう備えておいてください。

1、不動産特定共同事業法の概要と改正の背景

(1)不動産特定共同事業法とは?

不動産特定共同事業法は、平成66月に制定された法律です。この「不動産特定共同事業」というのは、小口の資金を集めてその資金を元手に不動産投資を行い、そこから得られた収益を投資金額に応じて配分するという仕組みになっている不動産事業のことです。

不動産特定共同事業法はこうした業務を行うにあたって健全性や透明性を確保するために制定された法律で、制定当初はこの法律で定めている不動産特定共同事業者の許可制度を規定していました。

この不動産特定共同事業法の改正案が、平成293月に閣議決定されました。この改正によって小規模な共同事業が可能になったり、クラウドファウンディングが盛り込まれたりと、より多くの不動産業者や投資家に参入機会が開放され、また時代背景に即した不動産投資が可能になります

【参考】
不動産特定共同事業法の条文

(2)不動産特定共同事業法 3つの改正ポイント

不動産特定共同事業法の主な改正ポイントは、3つあります。それぞれのポイントについて解説しましょう。

①小規模不動産特定共同事業が創設される

これまで特定共同事業者の許可を得るための要件が厳しかったものを規制緩和することで、小規模特定共同事業という概念が盛り込まれました。こうして門戸が開かれたことにより、より多くの事業者が不動産特定共同事業を行うことができるようになります。

②クラウドファウンディングの法整備

ネットを通じて資金を集める手法としてクラウドファウンディングの普及が進んでいますが、その仕組みについて法整備がなされていませんでした。改正不動産特定共同事業法では、このクラウドファウンディングについても各種規定を整備して法的な根拠が設けられます。

③各種規制の見直し

不動産特定共同事業をもっと多くの投資家に開放するため、規制が緩和されます。機関投資家だけが事業参加者となる場合の特例を創設し、その一方で事業参加者の範囲が一般の投資家にも拡大されます。

(3)不動産特定共同事業法が改正される背景

このように不動産特定共同事業法が改正される背景には、全国的に見られる空き家の増加に対して不動産市場を活性化させたいという国の思惑があります。

改正前の不動産特定共同事業法では許可制度が厳格に運用されてきたため、実質上これに参加できる事業者は大都市圏の大手不動産業者となっており、地方の中小業者などに公平な事業参加機会を求める声が上がっていました。

また、地方を中心に空き家や老朽化した不動産の再生など活性化が喫緊の課題となっている一方で、クラウドファウンディングなど今時の有効な資金調達方法に明確な位置づけがなされていませんでした。

不動産特定共同事業法の改正は、これらの問題を解決するための法改正と位置づけられています。

(4)改正によって期待される効果

不動産特定共同事業法の改正を進めている国土交通省では、この法改正によって以下のような効果を見込んでいます。

  • 良質な不動産ストックの形成
  • 地方などの中小不動産業者の参入
  • 空き家、空き店舗の再生に伴う投資

地方などの不動産業者参入については800社、空き家再生による投資の活性化は500億円と、それぞれ2022年までの数値目標も立てられています。

この法改正が実効性を持つと、特に空き家など価値の低いまま放置されていた不動産の再生および投資の活性化が期待できます。この効果による不動産投資家への影響については、「4、不動産投資家が知っておきたい今後の動き」で詳しく解説します。

(5)旧制度下での不動産特定共同事業について

改正前の不動産特定共同事業法では、国土交通大臣または都道府県知事が許可を与える形で事業者が選定されていました。かなり厳格な基準で運用されてきたため、選定されている事業者を見ると大手の不動産会社などがズラリと並びます。

【参考】
不動産特定共同事業者許可一覧(平成29年6月15日現在)

改正後は不動産特定共同事業に参入するハードルが下がるため、飛躍的に事業者数が増えるものと思われます。

2、不動産特定共同事業法とクラウドファンディング

(1)クラウドファウンディングとは?

不動産特定共同事業法の改正において登場した「クラウドファウンディング」という言葉に、初物感を持たれた方もおられると思います。不動産特定共同事業法との関わりを論じる前に、クラウドファウンディングについて簡単に解説しておきたいと思います。

クラウドファウンディングとは「クラウド」から「ファウンディング」をするもので、それぞれ「群衆」「資金調達」という意味です。つまり、不特定多数の群衆から資金を募り、その資金を元手に事業や投資を行い、そのリターンを出資者に配分するという仕組みのことです。ただしクラウドファウンディングにおいてはリターンを求めず若い才能を応援したいという意味を込めた寄付の形を取ることもあるため、純粋に金融手法とは言い切れない部分があります。

クラウドファウンディングは主にネット上で情報が公開され、そこに資金を投じるという形が取られるため、ネット空間を意味する「クラウド」だと思っている方も多いのですが、CloudではなくCrowd(群衆)であることも、参考までに押さえておいてください。

(2)クラウドファンディングが不動産市場を活性化する?

不動産特定共同事業法の改正ではクラウドファウンディングの活用がひとつの目玉となっています。全国的な問題になっている空き家や空き店舗の中には、資金がないばかりに秀逸な活用アイディアが実行できていないものも多数あります。そこで国はクラウドファウンディングが拡大していることに目を付け、法整備をすることで不動産の再生に役立てようという思惑を持っています。

事実、クラウドファウンディングの市場規模は年々拡大しており、2012年からたった4年で7倍近くに膨れ上がっています。

出典:https://www.yano.co.jp/press/pdf/1573.pdf

クラウドファウンディングの旺盛な投資意欲が不動産の再生に向かえば、多くの不動産物件が再生され新たな投資機会を生むと思われます。

(3)空き家が魅力ある収益不動産になる?

クラウドファウンディングの現場では、斬新な発想やユニークなアイディアが続々と提案されており、そこに魅力を感じた人からの資金が集まっています。

不動産の再生においてもアイディアの有望性が人の心を捉えることができれば資金が集まり、再生の実行力が与えられます。

特に地方都市では不動産再生の重要度・緊急度が高く、「シャッター通り」と揶揄されるような中心部を再生するための資金調達手段としては有望でしょう。

不動産を再生することで投資価値が生まれれば、不動産投資家としても有望な投資先として認識できることになります。空き家として放置されてきた不動産が魅力的な収益不動産になる、という事例が続々と誕生するかも知れません。

3、小規模不動産特定共同事業の創設で、不動産市場はこうなる

(1)小規模不動産特定共同事業とは?

改正不動産特定共同事業法によって新たに創設される小規模不動産特定共同事業とは、これまで参入のハードルが高かった不動産特定共同事業への参入を促すために要件を緩和した「ミニバージョン」です。

地方の中小不動産業者などの新規参入を想定しており、こうした業者も不動産再生のユニークなアイディアがあれば応募して審査にパスすれば事業者になることができます。

応募に必要な主な要件は、以下の通りです。

  • 法人であること
  • 宅地建物取引業法の免許を受けていること
  • 資本金1,000万円以上
  • 負債額が資産額の10%以下

他にも要件として提示されているものがありますので、詳しくは株式会社価値総合研究所の「小規模不動産特定共同事業を活用した遊休不動産等の再生事業の具体的検討に向けた専門家派遣等の支援事業 支援対象事業者募集要項」の募集要項をご覧ください。

(2)全国各地で空き家や古民家の再生事業が行われる

小規模不動産特定共同事業として選定されると、不動産特定共同事業法に基づいて資金調達などがしやすくなるため、全国各地で不動産の再生事業が行われるようになります。

この法改正が想定しているのは空き家、空き店舗、古民家といった古い不動産や、現状のままで価値を失っている不動産です。地域の活性化や観光地としての村おこしなど、さまざまな事業が行われるでしょう。

もちろんその中には成功するものと失敗するものがあると思いますが、成功した事業についてはモデルケースとして知名度も向上し、ビジネスチャンスはより拡大するでしょう。

4、不動産投資家が知っておきたい今後の動き

(1)再生された不動産への投資機会が拡大

不動産投資を小口化して投資金額に応じて収益を配分するという仕組みは、すでにあります。代表的なものとしては不動産投資信託のREITがあります。

REITはすでに市場が確立しており、活発な投資が行われています。不動産特定共同事業法もこのREITのように小口の資金を集めて投資を行い、不動産を再生したり活性化したりすることを目的としているので、投資家にとっては投資先の選択肢が拡大します。

特に改正不動産特定共同事業法では地方の不動産再生など地方創生を目的としているため、地方の不動産投資家が地元のために投資をしたいという思いを形にしやすくなるでしょう。

(2)再生プロジェクトの周辺不動産市場も活性化

不動産特定共同事業法の改正が目指しているのは、特定共同事業に選定されたプロジェクトの成功だけではありません。空き店舗の再生などによって実現する商業施設の再生が成功すると、周辺一帯の不動産価値も上昇し市場が活性化する可能性があります。

こうした動きにより、これまで不動産投資の視点からは対象から外れていたエリアや物件が投資対象として現実味を帯びることもあり得ます。

(3)「ボロ物件」の価格上昇?

不動産特定共同事業法の主たる目的は、空き家や空き店舗の再生や有効活用です。これまでは借り手はもちろん、買い手がつくこともなかった不動産にも注目が集まることになります。

再生プロジェクトのための物件探しが活発になり、いわゆる「ボロ物件」として見向きもされてこなかったような物件の価格が上昇する可能性があります。

まとめ

人口減少社会を迎えた日本にとって、全国各地で進行している空き家・空き店舗問題はさまざまな面から弊害が大きく、重大な課題です。不動産特定共同事業法を改正したことにより、国もその対策に本腰を入れていることが分かります。

その流れを読み取り、不動産投資の選択肢や投資機会を増やすためにも、法改正によって起こり得る動きにも敏感でいたいものです。

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