法人設立で節税になる?不動産管理会社設立のメリットと手順

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Businessman getting inspiration with light bulbマンション・アパートなど賃貸経営をしている方の中には、不動産管理会社を設立することで節税になるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、個人で所有している物件の数・規模・家賃収入の金額によって必ずしも不動産管理会社の設立によって節税することができるとは限りません。

今回は、

  • 不動産管理会社設立で得する可能性が高いケースとは
  • 不動産管理会社設立のメリット
  • 不動産管理会社設立のデメリット
  • 不動産管理会社設立の手順

などについて書いていきますので、これから不動産管理会社の設立で検討されている方の参考になれば幸いです。

 

新築一棟投資法

 

目次

1、不動産管理会社とは

2、不動産管理会社を設立すると得する可能性が高いケースとは?

3、不動産管理会社を設立するメリットは?

4、不動産管理会社を設立するデメリットは?

5、不動産管理会社設立の手順

6、決算は税理士に依頼する?

1、不動産管理会社とは

名前の通り、不動産オーナーが所有しているマンション、アパートなどの賃貸物件の管理や保有をする会社のことです。

2、不動産管理会社を設立すると得する可能性が高いケースとは?

不動産投資で不動産管理会社を設立すると得する可能性が高いケースとは、不動産所得として2000万円以上が一つの目安だと言われています。

しかし、不動産管理会社経営には、個人不動産オーナーにない手間やコストがかかります。

法人設立のメリット、デメリット、タイミングなど様々な要素について考慮した上で法人設立は得するかどうかを判断された方がいいでしょう。お勤めで不動産投資を兼業としてやられる場合は、特に慎重に行われることが重要と言えます。

3、不動産管理会社を設立するメリットは?

不動産管理会社を設立すると大きく以下の5つのメリットが挙げられます。

  • (1)不動産所得が給与所得にすることができ、給与所得控除が受けられる
  • (2)経費の項目が増え節税対策の選択肢が広がる
  • (3)青色申告の損失繰越控除期間が9年間になる
  • (4)相続税対策として有効
  • (5)法人にすることにより税率が下がる可能性がある

では、具体的に見ていきましょう。

(1)不動産所得が給与所得にすることができ、給与所得控除が受けられる

個人の場合、不動産所得をそのまま所得にすると、給与所得控除は受けられませんが、不動産管理会社を設立すると、不動産所得を法人から給与として受け取ることができます。給与所得であれば、当然給与所得控除を受けることができます。

例えば、不動産管理会社からの給与を年間500万円にした場合、そのうち154万円は給与所得控除受けることができ、346万円が課税の対象となります。

なお、給与所得控除について詳しく国税庁のサイトにて確認してみてください。

https://www.nta.go.jp/

(2)経費の項目が増え節税対策の選択肢が広がる

不動産管理会社にすることによって、個人の時と比較して経費として計上できる項目が増えるので、節税対策の選択肢が広がります。

大きく以下のようなもの経費が経費として計上可能です。

  • ①   小規模企業共済の掛け金
  • ②   中小企業倒産防止共済の掛け金
  • ③   役員の生命保険など会社で加入した保険料
  • ④   (不動産所得が赤字な場合)土地取得分の借入金の利息

では、それぞれについて見てみましょう。

①   小規模企業共済の掛け金

小規模企業共済とは、個人事業主や会社等の役員が引退したときに、今まで積み立ててこられた掛け金に応じて退職金を受取れる共済制度です。

掛け金の限度の7万円全額を経費にすることができ、また会社退職した時に退職金として受取ることができます。

なお、小規模企業共済については詳しくは下記URLをご確認下さい。

小規模企業共済

http://www.smrj.go.jp/

②   中小企業倒産防止共済の掛け金

倒産防止共済とは、万が一取引先が倒産した不測の事態に直面した中業企業に迅速に資金をお貸しする共済制度です。経営セーフティ共済とも言います。

掛け金の限度の20万円全額を経費にすることができ、40ヶ月以上加入すれば全額が戻ってきます。

なお、中業企業倒産防止共済について詳しくは下記URLにてご確認下さい。

経営セーフティ共済

http://www.smrj.go.jp/

③   役員の生命保険など会社で加入した保険料

役員の生命保険、定期保険や医療保険などの保険を会社で加入した場合、その保険料を経費として計上することができます。

④(不動産所得が赤字な場合)土地取得分の借入金の利息

個人で不動産の所得が赤字な場合、土地取得分の借入金の利息は経費にならず切り捨てになりますが、法人の場合は経費にすることができます。

(3)青色申告の損失繰越控除期間が9年間になる

青色欠損金の繰越控除制度と言って、経営が赤字の場合、青色申告をすることによってその赤字を繰り越すことができ、次年度以後の所得や利益と相殺することができます。

個人の場合は3年間に対して法人は9年間となっています。

例えば、今年の課税所得は1,000万円で、それ以前の9年間が毎年赤字100万円の場合、欠損金の繰越はどうなるでしょう。

・  個人の場合

1,000—100×3=700万円

・  法人の場合

1,000—100×9=100万円

また、減価償却費についても、個人は強制償却のため調整することができません。法人な場合は償却限度額の範囲内であれば、自由に調整することができるというメリットができます。

なお、青色欠損金の繰越控除制度について詳しく国税庁の「青色申告書で提出した事業年度の欠損金の繰越控除」についてご確認ください。

(4)相続税対策として有効

管理会社を設立すると相続税対策として有効と言われています。

具体的に以下のようなメリットが挙げられます。 

  • ①   不動産所得が相続税の納税資金になる
  • ②   所得を分散することにより相続財産の増加防止することができる

では、それぞれについて見てみましょう。

①   不動産所得が相続税の納税資金になる

上記3−(2)に書きましたが、小規模企業共済の掛け金や中小企業倒産防止共済の掛け金は、役員退職の際に退職金として受取れます。これらの費用を納税資金にあてる事が出来ます。

②   所得を分散することにより相続財産の増加防止することができる

法人を設立すると、奥さんやお子さんを会社の役員に就任させることができます。役員の所得として支給することによって、所得を分散することができ、相続財産の増加を防止することができるといえるでしょう。

(5)法人にすることにより税率が下がる可能性がある

個人として支払う所得税は、所得が多くなればなるほど税率が高くなるという累進課税方式となっています。所得税の税率について詳しく国税庁の「所得税の税率」にて確認することができます。

一方、法人の場合は所得に関わらず税率が一定としています。詳しくはこちらをご確認参照下さい。

例えば、不動産所得が1,800万円の場合の個人と法人の税額を見てみましょう。

※復興増税は考慮していません。

■  個人の場合

①   給与所得控除

1800万円—245万円=1,555万円

②   基礎控除

1,555万円—38万円=1,517万円

③   所得税

1,517万円×33%—1,536,000=3,470,100円

■  1,800万円のうち1,000万円を給与所得にした法人の場合

①給与所得控除

 1000万円—(1000万円×5%+170万円)=780万円

②基礎控除

 780万円—38万円=742万円

③所得税

 742万円×23%—636,000=1,070,600万円

④   法人税

800万円×15%=1,200,000万円

⑤   合計

1,070,600+1,200,000=2,270,600万円

結果としては、法人の方が「1,199,500円」節税することができます。

4、不動産管理会社を設立するデメリットは?

続いて不動産管理会社を設立するデメリットについて見てみましょう。

大きく以下の5つのデメリットが挙げられます。

  • (1)税理士の報酬など維持・運営費用が発生する
  • (2)赤字の年でも最低限年間7万円の税金がかかる
  • (3)法人設立時諸費用がかかる
  • (4)社会保険に加入する義務が発生する
  • (5)個人より税務調査が入り易くなる

5、不動産管理会社設立の手順

では、実際に不動産管理会社を設立手順について見てみましょう。

(1)設立に必要な費用は?

不動産管理会社を設立する際に、資本金の他に以下の通りおおよそ25万円の費用がかかります。

  • ①   定款認証用収入印紙代:4万円(電子認証の場合は不要)
  • ②   定款認証時の公証人の手数料:5万円
  • ③   定款の謄本の登記手数料:250円/1ページ
  • ④   登録免許税:最低15万円
  • ⑤   会社印の作成:数千円

(2)設立にかかる期間は?

書類を集めることから設立まで一般的には約1週間〜2週間かかります。

(3)設立の手順

以下の手順にて設立します。

①   本社所在地などの会社設立の項目を決める

②   社印を作る

③   定款の作成と認証

④   登記書類の申請と申請

⑤   会社設立

では、順番に見ていきましょう。

①   本社所在地などの会社設立の項目を決める

まず、以下の会社設立の基本項目を決めます。

  • 商号(会社名)

会社の名前を決めます。自由に決められますので、インパクトのある名前でも、事業に対する願いでもなんでもいいです。

  • 本店所在地

会社の本店所在地を決めます。自宅でもかまいません。

  • 事業目的

これから行う事業や将来行う事業を想定して盛り込みます。

  • 資本金

会社の元手となる資金です。1円から設定できますが、会社を運営していく上で最低半年分の運営資金を用意しておくといいでしょう。

  • 発起人

会社の出資者です。最低1人必要です。

  • 取締役

実質上会社の経営を行う経営者です。取締役会設置会社の場合は3名必要ですが、設置しなければ1名で大丈夫です。

  • 事業年度

事業年度を定めます。

  • 株式の譲渡制限

定款に株式を譲渡する場合の制限を設定します。

②   社印を作る

銀行印、社印、実印の3点セットを用意することが一般的です。

③   定款の作成と認証

定款とは、会社の基本ルールを書面にまとめたものです。義務づけされており、設立登記の際に必要となります。

以下の記載事項は必ず記載するようにしましょう。

  • 事業目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価格または最低価格
  • 発起人の氏名・住所

定款が作成されましたら、公証役場もしくは電子認証により公証人の認証を受けることができます。

なお、定款のひな形は「日本公証人連合会」にてご参考ください。

④   登記書類の申請

定款の作成ができましたら、商業登記簿への登記に移ります。主に以下の書類が必要になります。

  • 登記申請書
  • 定款
  • 発起人の決定書
  • 代表取締役の就任承諾書
  • 資本金の振込証明書
  • 印鑑証明書
  • 登記申請書
  • 印鑑届出書
  • 登記すべき事項

など。

⑤   定款の認証を経て会社設立

書類の用意ができましたら、法務局にて登記を行います。書類などに不備が無ければ、提出してから約1週間ほどで登記を取得できます。

なお、登記取得の方法としては、以下3つの方法があります。

  • 直接法務局にて手続きをする
  • 郵送にて送付する
  • オンラインで申請する(電子認証)

商業・法人登記申請については詳しく法務省の「商業・法人登記申請」にてご確認ください。

(4)司法書士にお願いする?

法人設立はご自身で行うことも可能ですが、用意する書類が多いため、初めてやお時間がない方にとっては大変手間のかかる作業です。そのため、専門家である司法書士にお願いしてもよいでしょう。

司法書士に依頼すれば電子認証で対応してもらうことができて収入印紙代の4万円が不要となるので、司法書士に報酬を支払っても(相場は4万円前後)司法書士に依頼した方がむしろ安くなる可能性があります。

なお、司法書士の探し方は知り合いの司法書士がいればいいですが、もしいなかった場合は、インターネットにて「会社設立」のキーワードで検索して探すことができます。

6、決算は税理士に依頼する?

法人を設立すると、毎年決算の手続きが発生します。売上が少ないうちにご自身で行ってもいいのですが、しかし、必要な資料の準備から不慣れな手続きで大変だと思われる方も少なくないでしょう。

その場合、税理士に依頼してみるといいでしょう。知り合いの税理士がいればいいのですが、いない場合は、インターネットにて「税理士 決算」などのキーワードで検索することができます。

以下のサイトより無料で税理士事務所を見積りすることができます。費用を比較することも出来ますので、ぜひ利用してみてください。

(1)信頼できる税理士を探す【TRUSTAX】

 
https://trustax.jp/lp/a8.html 

(2)税理士ドットコム

 
https://secure.zeiri4.com/

まとめ

今回は不動産管理会社を設立するメリットとデメリットについて書いていきましたがいかがでしたでしょうか?ご参考になれば幸いです。

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八木 チエ 著者プロフィール: 八木 チエ

株式会社不動産投資の教科書の代表取締役社長。宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランナー。得意の中国語を活かし、中国の方への日本の投資用不動産販売経験後、2014年に株式会社 不動産投資の教科書を設立。


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