確定申告時に知っておくと得する不動産所得の12個の経費とは

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パソコン 予算 OK近年、マンションやアパートなどの不動産を賃貸経営にて不動産所得を得る方が増えています。

不動産所得がある場合、経費を正確に計上することにより、青色申告で税金が安くなる場合があります。ただし、どのようなものが経費となるかを全て把握されている方は多くはないのではないでしょうか。

そこで今回は、

  • 不動産所得がある場合の税金の計算方法
  • 不動産所得の必要経費
  • 確定申告手続きの流れ

などについて書いていきますが、不動産所得がある方が節税できるようお役に立てたら幸いです。

 

新築一棟投資法

 

目次

1、不動産所得がある場合の税金の計算方法

2、不動産投資時に認められる12個の経費

3、確定申告の方法は?

4、会計ソフトを利用する

5、税理士に依頼する

5、不動産投資が節税になるケースは?

1、不動産所得がある場合の税金の計算方法

電卓不動産所得がある場合の税金の金額は、その一年中に不動産所得に関わる総収入金額から必要な経費を控除して計算します。

なお、青色申告をする方は、更に青色申告特別控除額も控除します。

具体的には下記計算式にて算出されます。

(1)不動産所得の計算方法は?

「不動産所得の金額=総収入金額—必要経費—青色申告特別控除額」

(2)不動産所得がある場合の税金の金額は?

不動産所得の税金の計算式

①   所得税額=(総収入金額—必要経費)×税率—控除額

②   住民税(※1)=(総収入金額—必要経費)×10%+4,000円

つまり、経費が大きければ大きいほど支払わなければならない税金の額は減ることになります。

※1住民税は、「均等割」と「所得割」を合算して計算されることになります。具体的には、原則以下の通りになります。

  所得割:市町村民税6%+道府県民税4%=合計10%

  均等割:市町村民税3,000円+道府県民税1,000円=4,000円

(3)税金の金額のシミュレーションについて

以下は不動産情報を基に、不動産所得に加えて給与所得があるサラリーマンが確定申告をした場合のシミュレーションになります。

不動産情報

物件価格 15,000,000
家賃(月額) 85,000
管理費・修繕積立金(月額) 10,110
PM管理会社管理費(月額) 4,590

借入条件

自己資金 10,000,000
借入金額 10,000,000
借入金利(変動) 3.00%
物件築年(西暦) 2004
建物構造
(RC=47 重量鉄骨=34 木造=22)
47
ローン年数 20
経過年数 10
残存耐用年数 37
税務上耐用年数 39

年間収入額

家賃収入額 1,020,000
給与所得
※給与所得の金額=収入金額(源泉徴収される前の金額)
-給与所得控除額
5,000,000
収入合計額(①+②) 6,020,000

不動産諸経費

固定資産税 60,000
管理・修繕費 121,320
PM会社費用 55,080
損害保険料
(火災・地震保険など)
20,000
減価償却費
※1,500万(物件取得費用)*0.028減価償却率)
420,000
借入金利子 283,660
税理士報酬 50,000
合計(④~⑩合計) 1,010,060

所得税計算

所得金額(③-⑪) 5,009,940
青色申告控除 100,000
課税対象額(⑫-⑬) 4,909,940
年税額
※③*20%-427,500円
554,488
源泉徴収額 150,000
所得税額(⑮-⑯) 404,488
住民税額(⑭*10%+4,000円) 494,994

2、不動産投資時に認められる12個の経費

マイホーム不動産所得必要経費とすることができるものとしては、不動産収入を得るために必要な費用です。節税をするためには、経費を漏れなく適正に計上することがポイントとなります。

以下、一般的に不動産経営において認められている経費となります。

  • (1)租税公課
  • (2)損害保険料
  • (3)減価償却費
  • (4)修繕費
  • (5)借入金利息
  • (6)管理費
  • (7)交通費
  • (8)通信費
  • (9)新聞図書費
  • (10)接待交際費
  • (11)消耗品費
  • (12)その他税理士に依頼した費用

では、それぞれについて見てみましょう。

(1)租税公課

不動産所得の必要経費として、以下の業務に関連して納付する税金が計上可能です。

  • 土地・建物に対する固定資産税・都市計画税
  • 賃貸物件を取得した際に課される登録免許税、不動産取得税
  • 賃貸による儲けに課される事業税
  • その他自動車税、印紙税

など。

(2)損害保険料

賃貸している建物等が加入している以下の保険が経費として計上可能です。

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 賃貸住宅費用補償保険

など。

なお、一括払いの場合には、当年度分しか必要経費として計上ができませんので、注意しましょう。つまり、10年度分を一回で支払ったとしても、経費計上できるのは初年度分のみです。

(3)減価償却費

homerupe減価償却費は、建築費を建物の構造・用途により定められている耐用年数に応じて、毎年経費として計上することが可能です。

減価償却費の計算方法は、「定額法」と「定率法」2種類ありますが、平成10年4月1日以後に取得した建物については、定額法のみが適用となったため、定額法について紹介します。

そもそも定額法とは、毎年一定額の償却費を計上する方法です。

平成19年4月1日以後に取得した資産の場合、以下計算式にて計算します。

—定額法による減価償却の計算式—

「減価償却費の額=取得価格×法定耐用年数に応じた償却率

減価償却資産の償却率はこちらにてご確認ください。

—中古資産の耐用年数の計算式—

  • a 法定耐用年数の全部を経過した資産
    耐用年数=法定耐用年数×0.2
  • b 法定耐用年数の一部を経過した資産
    耐用年数=(法定耐用年数—経過年数)+経過年数×0.2

建物の耐用年数については、国税庁が発表した耐用年数(建物・建物付属)の一覧表にてご確認ください。

[例]平成25年5月15日に、2,000万円で取得した法定耐用年数が30年で、経過年数が10年の中古資産減価償却費を計算してみましょう。

(耐用年数)

(30—10)+10×0.2=22年

(減価償却費の額)

2,000万円×0.046(耐用年数22年の償却率)=92万円

なお、少額減価償却資産については、以下のように経費計上をします。

スクリーンショット 2014-09-18 13.56.43

(4)修繕費

修繕費として経費計上できる支出は、通常の維持管理費用、または毀損した固定資産の現状回復費用となります。

具体的には以下のような建物に対して修繕した場合は、修繕費として計上することができます。

  • 建物の壁、ベランダのペンキなどの塗り替え
  • ドア、トイレ、台所、換気扇など部屋の設備の修理
  • 畳の取替え
  • 障子、襖の張替え

など。

もっとも、以下のような修繕目的であるものの、固定資産の価値を高め、または建物の耐久性を増やすような部分は「資本的支出」となり、経費として計上することはできませんので、注意するようにしましょう。 

  • 用途変更のための模様替えなど、改造または改装に直接用した費用
  • 建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の費用

など。

なお、以下の場合もその年度の修繕費として計上できます。

  • おおむね3年以内の期間を周期として修繕が行われる時、または費用が20万円未満の場合
  • 修繕費か資本的支出かの判断が不明確で、60万円未満の場合。または、その資産の前年末の取得価格のおおむね10%相当以下である場合

(5)借入金利息

sparsau wecker taschenrechner賃貸する建物の取得にあたり金融機関から融資を受けた場合、その借入金の利息は経費として計上することができます。

しかし、以下の費用は経費になりませんので注意しましょう。

  • 借入金の返済額のうち、元本に相当する部分
  • 賃貸としての業務が開始する前の利息部分

(6)管理費

賃貸建物の管理費として、 

  • 賃貸建物の管理をする管理会社へ支払う管理費・修繕積立金
  • 入居者の募集、管理をしてくれる賃貸管理会社へ支払う管理費

なども必要経費として計上することができます。

(7)交通費

ガソリンスタンド以下のような移動目的で利用した場合の交通費は経費として計上することができます。

  • ①   不動産投資会社が主催したセミナーに参加するための交通費
  • ②   管理会社などと打合せするための交通費
  • ③   物件を見に行くための交通費

など。ですので、交通費の領収書はきちんと保管しておくようにしましょう。

以上の他、車で移動する場合の費用に付いても経費計上が可能です。具体的には、車のガソリン代、駐車場代、高速道路料金、車検費用、保険料、自動車税など車に関わる費用などです。

しかし、プライベートで利用する場合もありますので、全額ではなく4割前後で申請するのが一つで目安となるでしょう。

なお、もっと正確に計上するため、初年度は全てメモしてみるのもいいのかもしれません。

(8)通信費

不動産経営をしているのであれば、管理会社と連絡をした際の通話料、インターネットにて物件を検索するなどの通信費が発生します。

しかし、全額を経費にするのはできませんので、大体3〜4割の割合で申請している方が多いようです。

(9)新聞図書費

不動産の動向、経済の動向などと言った不動産経営の業務に影響がある記事を知るため新聞の費用を経費として計上することができます。

また、不動産事業に関係する本を購入した場合も、経費として計上できます。

(10)接待交際費

お金の硬貨の上に座って仕事に悩む人間飲食に関係する費用も経費として認められる場合があります。

大きく以下のようなケースが挙げられます。 

  • ①   管理会社などと打合せするための飲食費
  • ②   税理士との打合せするための飲食費
  • ③   不動産投資仲間との意見交流するための飲食費

など。

(11)消耗品費

物件撮影するためのデジカメ、物件検索や確定申告するためのパソコン、また図面を印刷するためのプリンターなどのものは消耗品として経費計上することができます。

(12)その他税理士に依頼した場合にかかる費用

確定申告は自身でやられる方も多いですが、やり方が分からなかったり、時間がない場合は、税金のプロの税理士に依頼する人も多くいらっしゃいます。

依頼する内容にもよりますが、確定申告のタイミングで年1回5〜10万が相場のようです。ちなみに、税理士に支払った費用も経費として計上することができます。

3、確定申告の方法は?

確定申告不動産所得があると、税務署に所得を申請し、税金を納める必要があります。

税理士に依頼してもよいですが、税理士費用がもったいないとお考えであれば、ご自身でやることも可能です。

(1)不動産所得が赤字でも確定申告をしなければいけない?

家賃などの収入がある以上、確定申告をしなければなりません。これは、不動産投資の事業自体が赤字の場合でもです。

なお、不動産所得の他に所得がある方は、不動産所得と損益通算されますので、不動産所得自体が赤字の場合(赤字にならないにこしたことはありませんが)、合計所得が減り、納めすぎた税金が還付される可能性があるというメリットがあります。

(2)いつ手続きするの?

毎年の2月16日〜3月15日の一ヶ月間となります。

(3)確定申告手続きの流れ

下記の流れにて手続きを行います。

  • ①   確定申告に必要な書類を準備する
  • ②   決算書を作成する
  • ③   確定申告書を作成する
  • ④   申請手続きを行う

では、順番に見ていきましょう。

①   確定申告に必要な書類を準備する

不動産所得がある場合、以下の書類を用意しましょう。

  • 1、 売買契約書類
  • 2、 固定資産税の通知書
  • 3、 火災保険などの証券
  • 4、 借入の返済予定表
  • 5、 管理を外注した場合の賃料入金明細
  • 6、 修繕に関する見積書、請求書、領収書
  • 7、 賃貸契約書
  • 8、 その他収入がわかる書類
  • 9、 交通費、接待交際費などの経費の領収書

なお、不動産所得以外にも所得がある方は、「源泉徴収票」も用意するようにしましょう。

②   決算書を作成する

不動産所得は青色申告決算書を使用します。

青色申告決算書の場合は、賃貸経営を開始してから2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を提出しましょう。

なお、青色申告特別控除には、「10万円控除」、「65万円控除」があります。どちらに適用されるかについては、詳しく国税庁の「事業としての不動産貸付けとそれ以外の区分」にてご確認ください。

■  青色申告決算書

・フォーマット

http://www.nta.go.jp/

・  書き方

https://www.nta.go.jp/

■  収支内訳書

・  フォーマット

http://www.nta.go.jp/

・  書き方

https://www.nta.go.jp/

③   確定申告書を作成する

確定申告書は、1月中に管轄の税務署から送られてきます。

しかし、「個人事業の開業届出書」を提出していない場合は、届きませんので、税務署でもらうか、国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」から印刷することができます。

なお、不動産所得の場合は、「確定申告書Bを使用することになります。

■  申請書のフォーマット

・  確定申告書等作成コーナー

http://www.nta.go.jp/

■  申請書の記載例

・  確定申告書Bの記載例

http://www.nta.go.jp/

・  不動産所得が赤字で給与所得がある場合

http://www.nta.go.jp/

④   申請手続きを行う

一般的には直接管轄の税務署に提出ことになります。

なお、郵送での提出も可能ですが、念のため簡易書留で送りましょう。

4、会計ソフトを利用する

電卓ここまで読んで頂いた方の中で、ご自身で確定申告をするのは大変だと思われる方も少なくないでしょう。

確定申告を短時間に簡単にするためには、「クラウド会計ソフト『freee 』」を利用してみるのはいかがでしょう。

また、税務だけではなく、総務、労務も合せてご利用できる「クラウドソフト『Bizerバイザー 』」があります。

「どうしても自分で手続きするのは面倒!」という方は大変利用しやすいソフトなので、ぜひ利用してみてください。

5、税理士に依頼する

仕事で忙しくてなかなかお時間が無い方には、税理士などの専門家に依頼したいと思っている方もいらっしゃるでしょう。

知り合いの税理士がいればいいのですが、いない場合は、インターネットにて「税理士 確定申告」などのキーワードで検索することができます。

以下のサイトより無料で税理士事務所を見積りすることができます。費用を比較することも出来ますので、ぜひ利用してみてください。

税理士ドットコム


https://secure.zeiri4.com/

6、不動産投資が節税になるケースは?

不動産投資で節税になるのは、やはり不動産投資自体が「赤字」となる場合です。

どのように節税ができるかのシミュレーションは詳しく「不動産投資するか迷っている方が知っておくべき3つの節税効果」にてご確認ください。

まとめ

今回は不動産所得の経費について書いていきましたがいかがでしたでしょうか?ご参考戴き、きちんと節税してもらえれば幸いです。

なお、サラリーマンが不動産所得がある場合の確定申告については詳しく「不動産所得があるサラリーマンのための確定申告講座」をご参照ください。

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八木 チエ 著者プロフィール: 八木 チエ

株式会社不動産投資の教科書の代表取締役社長。宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランナー。得意の中国語を活かし、中国の方への日本の投資用不動産販売経験後、2014年に株式会社 不動産投資の教科書を設立。


皆様からのコメント

  1. 柴田実夫 さんは書きました:

    「確定申告時に知っておくと得する不動産所得の12個の経費とは」を拝見させて戴き
    大変参考になりました。
    茨城県の田舎町で30坪の一軒屋を貸しており、毎年確定申告しております。

    我が田舎町でも公共下水道が繋がり、既に敷地面積に応じた負担金は支払い済みですが
    接続工事と浄化槽清掃、撤去工事等々が必要になります。

    これ等の工事費は、 修繕費として計上できるのでしょうか? ご足労でもアドバイアスを
    頂戴できれば幸いです。

    • 八木 チエ 八木 チエ さんは書きました:

      柴田様

      弊社サイトをご覧頂きありがとうございます。
      不動産投資の教科書の八木でございます。

      コメントありがとうございます。
      物件の修繕に伴う費用であれば、基本修繕費として計上する事が出来ます。
      今回の場合、全費用が計上できるのか、それとも敷地面積の割合で費用を計上するかについては、
      税務署、もしくは税理士に問合せて頂いた方がより正確なアドバイスが出来るかと思います。

      よろしくお願い申し上げます。

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