相続税改正で損しないために知っておきたい4つの改正点

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お金の心配をする女性 高齢者2015年1月1日より相続税が改正されます。今回の改正により、政府税制調査会で示された資料によりますと、改正前の課税対象者は100人中4人程度から「6人程度」に上昇する見込みだそうです。

これをお読みの方の中には、相続税の改正が自分にも関わるのではないかと思われている方も少なくないのではないでしょうか。

実際、今回の改正ではどんな内容が改正されるかについてあまり詳しく理解している方も少ないと思われます。

そこで今回は、

  • 平成27年相続税改正の改正点
  • 相続税改正に伴う贈与税の改正について
  • 相続税を節税するための4つの相続税対策

などについて書いていきますので、参考にしていただけたら幸いです。

 

新築一棟投資法

 

目次

1、平成27年相続税改正の改正点
2、「基礎控除額」が縮小される
3、「相続税率」の税率区分が多くなる&最高税率が引き上げられる
4、「小規模宅地等の特例」の居住用宅地の限度面積が拡大
5、「未成年者控除と障害者控除」の控除額が引き上げ
6、相続税改正に伴う贈与税の改正について
7、相続税を節税するための4つの相続税対策

1、平成27年相続税改正の改正点

実際、今回の相続税改正でどんな内容が改正されたかについて見てみましょう。

具体的には、以下の通りです。

  • (1)「基礎控除額」が縮小される
  • (2)「相続税率」の税率区分が多くなる&最高税率が引き上げられる
  • (3)「小規模宅地等の特例」の居住用宅地の限度面積が拡大
  • (4)「未成年者控除と障害者控除」の控除額が引き上げ

では、順番に見てみましょう。

2、「基礎控除額」が縮小される

相続税の課税額に大きく左右される「基礎控除」は、今回の改正で大幅に縮小されることになりました。基礎控除が縮小されると、相続税額が増える可能性があります。また、改正前であれば相続税を支払う必要がない場合でも課税対象となる可能性があります。

では、具体的にみていきましょう。

(1)基礎控除額の改正

基礎控除額は以下のように改正されます。

(改正前)

「基礎控除額=5,000万円+1,000万円×相続人数」

(改正後)

「基礎控除額=3,000万円+600万円×相続人数」

例えば、1億円を2人で相続した場合、改正前の相続税の課税額が「3,000万円」に対して、改正後では「5,800万円」になり、課税額は「2,800万円」も多くなります。

(2)相続税額の比較

上記の例により、相続税額について見てみましょう。

(改正前)

相続税=3,000万円☓15%—50万円=400万円

(改正後)

相続税=5,800万円☓20%—700万円=1,040万円

結果としては、なんと「640万円」の増税となります。

3、「相続税率」の税率区分が多くなる&最高税率が引き上げられる

続いて、相続税率の改正について見てみましょう。

大きく以下の3点の改正があります。 

  • (1)税率区分が6段階から8段階に変更
  • (2)2億円超3億円以下の部分についての税率は45%に引き上げ
  • (3)6億円超の部分についての最高税率は50%⇛55%に引き上げ

では、順番に見て行きましょう。

(1)税率区分が6段階から8段階に変更

改正前の6段階から更に細かく金額の区分をして、改正後では8段階になります。

(2)2億円超3億円以下の部分についての税率は45%に引き上げ

2億円超3億円以下の部分についての税率は40%⇛45%に引き上げすることになります。

例えば、同じく2億5千万円の課税額の場合は、

(改正前)

相続税=2億5千万円☓40%—1,700万円=8,300万円

(改正後)

相続税=2億5千万円☓45%—2,700万円=9,550万円

結果としては、「1,250万円」の増税となります。

(3)6億円超の部分についての最高税率は50%⇛55%に引き上げ

6億円超の部分についての最高税率は50%⇛55%に引き上げすることになります。

例えば、同じく6億8千万円の課税額の場合は、

(改正前)

相続税=6億8千万円☓50%—4,700万円=2億9,300万円

(改正後)

相続税=6億8千万円☓55%—7,200万円=3億200万円

結果としては、「900万円」の増税となります。

改正点について比較しやすくするため以下の表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。

改正前

 ⇛

改正後
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額 法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% 1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円 3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円 5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円 1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1,700万円 2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
3億円超 50% 4,700万円 6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 4、「小規模宅地等の特例」の居住用宅地の限度面積が拡大

上記「2、「基礎控除額」が縮小される」や「3、「相続税率」の税率区分が多くなる&最高税率が引き上げられる」の改正により、地価が高い都市部の増税影響が大きくなりすぎる可能性があるという懸念点から、「小規模宅地等の特例」で減税効果が認められるよう配慮されています。

具体的には大きく以下のような改正となります。

  • (1)居住用宅地の限度面積が拡大
  • (2)居住用宅地等と事業用宅地等の重複適用が可能に

では、順番に見て行きましょう。

(1)居住用宅地の限度面積が拡大

「小規模宅地等の特例」として評価額が80%減額という特例が受けられる、居住用宅地の限度面積が240㎡⇛330㎡と面積が拡大となりました。

例えば、評価額が1億円の400㎡の居住用宅地の相続税額について見てみましょう。

(改正前)

相続税額=[1億円—(1億円☓240㎡/400㎡☓80%)]☓30%—700万円=860万円

(改正後)

相続税額=[1億円—(1億円☓330㎡/400㎡☓80%)]☓20%—200万円=480万円

結果としては、相続税は「380万円」減税となります。

(2)居住用宅地等と事業用宅地等の重複適用が可能に

「小規模宅地等の特例」の特例が受けられる限度面積はいずれかの選択適用が、特定事業用宅地(400㎡)、特定居住用宅地等(330㎡)それぞれの適用対象面積の上限まで重複して適用することとなります。

例えば、8,000万円の400㎡の特定事業用宅地と1億円400㎡の特定居住用宅地を相続受けた場合の相続税額を見てみましょう

(改正前)※特定事業用宅地に特例を利用した場合

特定事業用宅地相続税=8,000万円☓20%☓15%—50万円=190万円

特定居住用宅地=1億円☓30%—700万円=2,300万円

合計相続税額=2,490万円

(改正後)

特定事業用宅地相続税=8,000万円☓20%☓15%—50万円=190万円

特定居住用宅地=1億円—(1億円☓330㎡/400㎡☓80%)]☓20%—200万円=480万円

合計相続税額=670万円

結果としては、「1,820万円」減税となります。

改正点について比較しやすくするため以下の表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。

用途 改正前 改正後
限度面積 限度面積
A 事業用 400㎡以下 ABC限定併用 400㎡以下 A・B併用可能
B 居住用 240㎡以下 330㎡以下
C 貸付用 200㎡以下 200㎡以下 AB・C限定併用
限度面積要件 A+B☓5/3+C☓2≤400㎡ A☓200/400+B☓200/330+C≤200㎡

なお、不動産による相続税対策については、詳しく「不動産は相続税対策として有効?不動産の相続税の仕組みについて」をご参照ください。

5、「未成年者控除と障害者控除」の控除額が引き上げ

では、最後の改正点としては、相続人となる未成年者と障害者に対する控除額が引き上げとなります。これにより、相続税額が減額となる可能性があります。

(1)未成年者の控除額

①   控除額の改正

(改正前) 20歳までの1年につき「6万円」

(改正後) 20歳までの1年につき「10万円」

②   計算方法

未成年者が相続を受ける場合、20歳に達するまでの年数につき未成年者控除を受けることができます。

以下の計算式にて未成年者控除額を算出することができます。

未成年者控除額=(20歳—相続開始時の年齢)×未成年者控除額/年

例えば、14歳に1,000万円の相続税課税額を受けた場合、

(改正前)

相続税額=(1,000万円—6☓6万円)×10%=96万4千円

(改正後)

相続税額=(1,000万円—6☓10万円)×10%=94万円

結果としては、「24,000円」減税となります。

(2)障害者控除額

① 控除額の改正

(改正前) 85歳までの1年につき「6万円」

      特別障害者については「12万円」

(改正後) 85歳までの1年につき「10万円」

      特別障害者については「20万円」

なお、特別障害者とは、身体障害者手帳1級、2級の方になります。

②   計算方法

相続人が障害者の場合、85歳に達するまでの年数つき障害者控除を受けることができます。

以下の計算式にて障害者控除額を算出することができます。

障害者控除額=(85歳—相続開始時の年齢)×障害者控除額/年

例えば、70歳に1,000万円の相続税課税額を受けた場合、

(改正前)

相続税額=(1,000万円—15☓6万円)×10%=91万円

(改正後)

相続税額=(1,000万円—15☓10万円)×10%=85万円

結果としては、「6万円」減税となります。

改正点について比較しやすくするため以下の表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。

  改正前 改正後
未成年者控除額 20歳までの1年につき6万円 20歳までの1年につき10万円
障害者控除額 85歳までの1年につき6万円
(特別障害者については12万円)
85歳までの1年につき10万円
(特別障害者については20万円)

6、相続税改正に伴う贈与税の改正について

今回の相続税の改正に伴って贈与税の改正も行われています。

大きく以下のような改正があります。

  • 贈与税の税率構造
  • 直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税率が緩和される
  • 相続時精算課税制度の適用要件の見直し
  • 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

なお、税制改正について詳しくは、国税庁の「相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」をご参照ください。

7、相続税を節税するための4つの相続税対策

今回の改正により実質上増税することになりますので、相続税を少なくしたいと悩まれている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

では、相続税対策としてどんな対策があるでしょう。

大きく以下の4つの対策が挙げられます。

  • (1)不動産を購入する
  • (2)生前贈与をする
  • (3)生命保険に加入する
  • (4)養子縁組で相続人を増やす

なお、詳しい内容については、「相続税を節税するには?有効な4つの相続税対策」をご参照ください。

 まとめ

今回は相続税の改正について書きましたが、いかがでしたでしょうか。参考にしていただけたら幸いです。

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八木 チエ 著者プロフィール: 八木 チエ

株式会社不動産投資の教科書の代表取締役社長。宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランナー。得意の中国語を活かし、中国の方への日本の投資用不動産販売経験後、2014年に株式会社 不動産投資の教科書を設立。


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