• 相続税対策
  • 2017/4/23

換価分割で不動産を相続する際の進め方|相続税や所得税の条件

遺産を現金化し複数人で相続する「換価分割(かんかぶんかつ)」についてご存知でしょうか。

遺産相続の分割方法は4種類があり、財産の種類や相続人の事情によって選ぶことができます。親族同士でのトラブルを避けるためにも、相続する財産の種類に適した分割方法を選びたいですね。

この記事では「換価分割」にスポットを当てて、遺産分割のメリット・デメリット、手続き方法の流れについてまとめました。

4種類ある遺産相続の分割方法それぞれの特徴や、贈与税、譲渡所得税についても取り上げています。相続をテーマにした記事も多数掲載している不動産投資の教科書が徹底リサーチの上でまとめた記事になりますので、お読み頂くことできっとあなたのお悩みが解決することでしょう。

相続に伴う煩雑な手続きや税金に対する不安が少しでも緩和できれば幸いです。ぜひご覧ください。

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1、遺産分割の方法は4種類

遺産を分割する方法として、換価分割を含めて次の4つが挙げられます。換価分割について詳しく知る前に遺産分割の4つの方法について知っておきましょう。

(1)現物分割

土地、預金などの財産を「土地はこの人」「預金はこの人」といった具合に、11つ相続人ごとに分けていくやり方です。

例えば、Aの土地は長男へ相続、Bの土地は次男へ相続、株式と預貯金は三男へ相続…といった具合です。最も一般的な分割方法です。

(2)換価分割

相続する財産を換金し、金額ベースで分け合う方法をいいます。マンション、土地などがあれば全て売却し、金額が確定してから分割するやり方です。不動産を分割する際によく用いられる方法です。

(3)代償分割

相続人のうち特定の1人が財産を相続し、他の相続人に対して金銭などを分与して公平化を図る方法です。

例えば、長男が4000万の不動産を相続、次男が3000万円の預金を相続、三男が2000万の預金を相続した場合、長男が現金で1000万円を三男に与える方法がこれにあたります。

(4)共有

(1)~(3)の方法で分割するのが困難な場合に、遺産を複数の相続人で共有する方法があります。ただし、トラブルが発生しやすい方法ですのであまりオススメできません。後々になって共有名義の不動産を売却する際、共有者全員の同意を得るなど煩わしい手続きも必要になります。

2、換価分割の特徴

ここからは、財産を換金して分け合う「換価分割」について紹介していきます。

(1)換価分割を選択する判断基準

財産分割で換価分割がふさわしいのは、次のような場合です。

  • 相続人のいずれも不動産を必要としてない場合
  • 耕作中の田畑など、現物を分け合うことが難しい場合
  • 現物を分割すると価値が下がる場合

これらのいずれかに当てはまるのであれば、他の方法よりも換価分割を選択した方がスムーズに分割が進みます。

(2)換価分割のメリット

換価分割のメリットとしては、

  • 現金化することにより平等、明確な分割ができるため、トラブルになりにくい
  • 現金化に際してかかった諸費用(売却の仲介手数料など)が相続税の控除対象になる

などが挙げられます。

相続人同士で円滑に分け合える上、相続税の節税にもつながります。

(3)換価分割のデメリット

一方、以下のようなデメリットもあります。

  • 財産を現金化するため、土地などそのままの状態で利用することはできなくなる
  • 不動産を売却した場合、相続人全員に「譲渡所得税」が課せられる可能性がある

なお、「譲渡所得税」については、発生するケースと発生しないケースがありますので、後ほど 「4、譲渡所得税」で詳しく見ていきましょう。

(4)換価分割に関わる税金

ここまでお読みいただいて、「譲渡所得税がかかるかもしれないのはわかったけれど、相続税や贈与税はかかるの?」と思った方もいらっしゃるでしょう。

換価分割で相続税や贈与税がかかることはありません。分割のためにおこなう財産の売却や相続登記は、相続税・贈与税とは無関係とみなされます。分割後各相続人に渡った金額が相続税の課税価格に算入されます

3、換価分割の手続きの流れ

不動産を売却し、得た金額を相続人同士分け合うだけなので一見簡単そうですが、相続登記や協議書の作成などの手続きが必要です。

(1)相続登記をする

換価分割の場合、売却するためにはいったん相続登記する必要があります。先に代表1人が相続登記したあと、売却し現金化したものを分割、という流れになります。

相続登記の際には管轄の法務局へ「登記申請書」の提出が必要です。「不動産投資の教科書」でも「登記申請書」を用意しました。ご活用いただく際は「記入例」を参考に記入してください。

この他、併せて提出が必要な書類があります。「③手続きに必要な書類」にまとめてありますのでご覧ください。提出先である管轄法務局はこちらから確認できます。

なお、遺産分割による相続登記について詳しくは「不動産の名義変更について知っておきたい7つのこと」をご参照ください。 

(2)遺産分割協議書の作成

相続登記を行なう際、遺産の分け方について協議した証として「遺産分割協議書」を作成し、登記申請書に添付しておく必要があります。様式について特に決まりはありません。

換価分割用の遺産分割協議書の雛形を用意しましたので、こちらからダウンロードして、お使いください。記載する項目については「遺産分割する際の遺産分割協議書の作成について」を併せてご覧ください。

遺産分割協議書は、相続人全員分を作成し、各自で大切に保管してください。

なお、土地の情報は必ず「登記事項証明書」を参考に記載しましょう。また、換価分割にあたってきちんと話し合いをしたことを明確にするため、「相続人全員で協議した」などの文言を記載することを忘れないでください。

(3)手続きを専門家へ依頼する場合の相場

これらの手続きは、ご自身で進めることもできます。

しかし、遠方に住んでいるため管轄の法務局まで行って手続きをするのが難しい場合もありますよね。

また、自力で手続きを進めることに不安な方もいらっしゃるかと思いますし、専門家に依頼することで作業の手間を省きたい方もいらっしゃるかもしれません。

その場合、司法書士事務所などにお願いするのがいいでしょう。

相続登記と遺産分割協議書どちらも司法書士に依頼した場合の相場は、65,000円~90,000くらいと言われています。

【チェックリストつき】土地の名義変更の全手順!」に詳しく書いてありますので参考にしてみてください。オススメの司法書士事務所も紹介しています。

4、譲渡所得税が発生するケースとしないケース

先ほど出てきた「譲渡所得税」については発生する場合と発生しない場合があります。

例を用いて、発生する場合と発生しない場合について見ていきましょう。

(例)相続人3名(長男A、次男B、三男C)で不動産(9000万円分)を換価分割する時、取得費に2500万円、譲渡の手続き費用に500万円かかったとします。

(1)譲渡所得税の計算式

譲渡所得を求める式は「譲渡所得=売買価額-(取得費+譲渡費用)」となります。

先ほどの例をあてはめると、

9000万円-(2500万円+500万円)=6000万円

これを3人で分けるとすると1人あたり2000万円の譲渡所得となります。

(2)譲渡所得が発生しないケース

先ほどの相続人3名のうち、長男Aは被相続人と同居していたとします。

今回の不動産売却は居住用財産を売却したことになりますので、3000万円の特別控除が認められ、長男Aには譲渡所得が発生しません。

(3)譲渡所得が発生するケース

一方、次男B、三男Cにはそれぞれ2000万円に対する譲渡所得税が発生します。

譲渡所得にかかる税率は下表のとおりです。

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得金額 15% 5%
短期譲渡所得金額 30% 9%

平成49年までは復興特別所得税として、基準所得税額の2.1%を所得税と一緒に申告・納付する必要がありますのでご注意ください

譲渡所得には以下の2種類あり、税率が変わってきます。

  • 長期譲渡所得…譲渡した年の11日現在で所有期間5年超えのもの
  • 短期譲渡所得…譲渡した年の11日現在で所有期間5年以下のもの

先ほどの16千万円の不動産が取得後5年以上経っているとすれば、「長期譲渡所得」に当てはまりますので、所得税と住民税で合計20%の譲渡所得税がかかります。

以上を踏まえて次男B、三男Cの譲渡所得税を計算すると、

2000万円×20%=400万円

(さらに復興特別所得税で400万円×2.1%84千円)

つまり、一人あたり4084千円が税金としてかかる金額になります。

(4)譲渡所得税の申告・節税対策

場合によってはかなり高額になり得る譲渡所得税。確定申告の方法や、節税の方法について「譲渡所得の確定申告」にまとめてあります。一定の要件を満たすことで得られる「特別控除」「軽減税率」などの特例に、ご自身のケースが当てはまっているか、こちらの記事でご確認ください。

まとめ

換価分割について、メリットおよびデメリット、手続方法についての流れなどについて説明してきました。

遺産分割では相続人同士でトラブルに発展するケースもあります。現金化して平等に分け合える換価分割をうまく利用し、円滑に遺産の相続を進められるようになっていただければ幸いです。

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